- atsu-y's New Arrivals - |
BBSで第一印象を紹介した
atsu-y's new arrivals の保管庫です。
本編に移行したりすれば削除していきます。
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Dec 2018
『 BIRD'S VAULT - RI 61/16 (VOLUME TWO) 』 OUTSIDER
BIRD RECORDS (OBR 93 CD 038)
studio outtakes 1977-1983
1.
Miss You I (Instrumental) / 2. Tie You Up II (The Pain Of Love) * / 3. Wanna
Hold You II ** / 4. Too Much Blood III ++ / 5. It's A Lie II (harp Intro) =
/ 6. In Your Hand * / 7. All About You I / 8. Identification * / 9. When You're
Gone I (Red Eyes) / 10. Jam (Little T&A I) / 11. Just My Imagination II
/ 12. The Dog *
Pathe Marconi Studio, Boulongne Billancourt, France
Oct
10 - Dec 15, 1977
Jun 10 - Aug/Sep 1979 =
Nov 11 - Dec 19,
1982 *
Jan 30 - mid Mar 1983 +
Basement Demo mid Oct - Nov 7, 1982
**
Compass Point Studios, Nassau, Bahamas / Hit Factory, New York. April
/ May 1983 ++
こちらは『SOME
GIRLS』から『UNDERCOVER』期のアウトテイクにして、Volume
Oneとあわせて2018年最後のリリース。
Volume Oneと同じく、Outsider Bird RecordsからアナログLPで先行リリースされていた『BIRD'S
VAULT - RI 61/16 (VOLUME TWO)』(OBR 93038)のマスターにピッチ修正などを施した上に、ボーナス1曲を追加して150枚限定で本家OBRからCD化されたのがこちら。
そのアナログでの完全初登場は、こちらは"Miss
You" "Tie You Up(The Pain Of Love)" "Wanna Hold You"
"When You're Gone (Red Eyes)" "Little T&A" "Just
My Imagination"。
そしてCD化にあたって追加されたのは、trk.12の"The
Dog"。
なお、そのアナログ起こしながらピッチ修正を施した音源から作られたのが、8月に紹介した『BIRD'S
VAULT VOL.1&2』(GP-1802CD1/2)でありました。
↓OBRのアナログ盤『BIRD'S
VAULT - RI 61/16 (VOLUME TWO)』とGOLDPLATEの『BIRD'S
VAULT VOL.1&2』。
今回のCDはその大元のアナログの拡大盤といった形でアナログ同様貴重なテイクが含まれていますが、速かったピッチが修正され、アナログ化の際に逆転したのか左右も修正され、何より音質がアナログよりも丁寧な処理がなされているようで、コピー盤よりもすっきりした自然でいい音でナイス。
さて、今回のCD化で追加されたのはラストの"The
Dog"。
こちらインストながらこちらも初登場で貴重なテイク。
ということでアナログより、そしてアナログ起こしよりもナイスなアップグレードでありました。
なお、カードボード・スリーブの内側には『BIRD'S
VAULT - RI 61/16 (VOLUME THREE)』のリリースをにおわせる表記がなされています。
でもまぁCDということで無理だったんでしょうが、アナログにはついていた、サブタイトルのRI
61/16が示すホワイトブック(Recording Index 1961-2016)への掲載シートとOBRカタログがついてないのは残念。
『 BIRD'S VAULT - RI 61/16 (VOLUME ONE) 』 OUTSIDER
BIRD RECORDS (OBR 93 CD 037)
studio outtakes 1982-1983
1.
Heartbeat * / 2. Heartbeat * / 3. Heartbeat * / 4. Can't Find Love I ** / 5.
Something I Want I (aka Your Love) * / 6. Forty * / 7. Tie You Up I (The
Pain Of Love) * / 8. The Golden Mile * / 9. Feel On Baby I (Keith Vocal) + /
10. Christine * / 11. Pull Over *
Pathe Marconi Studio, Boulongne Billancourt,
France
Nov 11 - Dec 19, 1982 *
Jan 30 - mid Mar 1983 +
Basement
Demo mid Oct - Nov 7, 1982 **
『UNDERCOVER』期のアウトテイクにして、Volume
Twoとあわせて2018年最後のリリース。
Outsider Bird RecordsからアナログLPで先行リリースされていた『BIRD'S
VAULT - RI 61/16 (VOLUME ONE)』(OBR 93037)のマスターにピッチ修正などを施した上に、ボーナス3曲を追加して150枚限定で本家Outsider
Bird RecordsからCD化されたのがこちら。
そのアナログでの完全初登場は"Something
I Want" "Tie You Up (The Pain Of Love)" "Feel On Baby"。
そしてCD化にあたって追加されたのは、trk.2と3の"Heartbeat"インスト2テイクと、trk.11の"Pull
Over"。
なお、そのアナログ起こしながらピッチ修正を施した音源から作られたのが、8月に紹介した『BIRD'S
VAULT VOL.1&2』(GP-1802CD1/2)でありました。
↓OBRのアナログ盤『BIRD'S
VAULT - RI 61/16 (VOLUME ONE)』とGOLDPLATEの『BIRD'S
VAULT VOL.1&2』。
今回のCDはその大元のアナログの拡大盤といった形でアナログ同様貴重なテイクが含まれていますが、速かったピッチが修正され、アナログでは『TOO
MUCH BLOOD』(DAC-182)や『ALL
ABOUT YOU』(DAC-187)とは左右逆となっている曲がありましたが、アナログ化の際に逆転したのか、今回はそれらDAC盤と同じ位相に修正されています。
また、音質もアナログよりも丁寧な処理がなされているようで、コピー盤よりもすっきりした自然でいい音でナイス。
さて、今回のCD化で追加されたのはまずは"Heartbeat"の2テイク。
アナログにも収録されていたボーカル入りテイクがtrk.1で、今回追加されたtrk.2と3はボーカルなしの初期テイク。
さらに最後の追加されているのが"Pull Over"。
こちらもインストですが、こちらも1982年末の録音のようです。
ということでアナログより、そしてアナログ起こしよりもナイスなアップグレードでありました。
なお、カードボード・スリーブの内側には『BIRD'S
VAULT - RI 61/16 (VOLUME THREE)』のリリースをにおわせる表記がなされています。
でもまぁCDということで無理だったんでしょうが、アナログにはついていた、サブタイトルのRI
61/16が示すホワイトブック(Recording Index 1961-2016)への掲載シートとOBRカタログがついてないのは残念。
Nov 2018
『 NO FILTER IN LONDON 2ND NIGHT 』 Crystal
Cat CC-1095/96 (2CD)
Multiple Stereo
IEM Sources Matrix Recording@London Stadium, London, UK. May 25, 2018
●Disc
1
1. Ladies And Gentlemen, Welcome Home / 2. Jumping Jack Flash / 3. Let's
Spend The Night Together / 4. It's Only Rock'n' Roll (But I Like It) /
5. Tumbling Dice / 6. Just Your Fool / 7. Dead Flowers
/ 8. Wild Horses (w/Florence Welch) /
9. You Can't Always Get What You Want / 10. Paint It Black / 11. Honky Tonk
Women / 12. Band Introductions / 13. The Worst / 14. Happy
●Disc 2
1.
Sympathy For The Devil / 2. Miss You / 3. Midnight Rambler / 4. Start Me Up
/ 5. Brown Sugar / 6. Gimme Shelter / 7. (I Can't Get No) Satisfaction
+bonus
8.
Shattered / 9. Like A Rolling Stone (Manchester. June 5, 2018) / 10. She's A
RAinbow (Berlin, June 22, 2018)
Crystal Catの新作、ロンドン2日目。
こちらも初日同様、XAVEL(とそのコピーRattle
Snake)や、Empress Valley同様、IEM音源と隠密音源とのマトリクス。
この日はミックの喉の調子がどんどん悪くなっていった日ですが、こちらは初日ほどXAVELとの差は感じません。
とはいえ、こちらもXAVELよりも僅かながらナチュラルで開放感と臨場感のあるサウンド"EX"に仕上がっています。
ミックの声の質は初日よりはちょっとIEMくさい質感で、ボーカルのミックスはやはり少し大きいかなと感じますが。
隠密成分はネットに上がったいくつかの音源と比べてみましたが、同じものは見当たらず。
しかしXAVELのは隠密成分の周囲が驚異的に静かだっただけに、このイヤモニが独自なのかXAVELから提供を受けたのか、単なるコピーなのか、比較しようにもよくわかりません。
実はこちらは通しではまだ聴けていませんが、なんとなくコピーに独自隠密をかぶせてるような気もしますが、単なる想像です。
もっと聴き込めば何か違いに気がつくかもしれませんが。
ちなみにこれがコピーならば、XAVELもじっくりミックスをすればこうして仕上げられたのかもと思いますが、ライブから半年もたってリリースというのもなんですし、難しいところですね。
わたしもGNRのXAVELのさいたまはあまりにリリースが遅かったので見送ってしまいましたし。
ボートラのマンチェスターからの"Shattered"と"Like
A Rolling Stone"はXAVELのマンチェからのコピーかと思いきや、これがまた"Shattered"終了後のMC部分の隠密成分は違ったりします。
このCCのはネットに上がってた、日本人女性のような結構目立つ声が入ってる隠密なんですが、これも偽装なのかもと悩ましい(笑)
ちなみにこの2曲は連続して演奏されたわけではなく、trk.8の最後にディランへのミックのMCも収録されているところは丁寧だなと。
でも「次は"Just
Your Fool"をやるよ」まで収録しときながらフェードアウトしてその謝辞につながらうんですが、その前でフェードアウトすりゃいいのにとは思います。
そしてラスト、ベルリンの"She's
A Rainbow"は正真正銘の隠密で、ネットに上がったものと同じでありました。
それはともかく、この2日目は初日よりは違いが少なくて感激が薄い仕上がりではありますが、メモリアルとしては素晴らしい作品に仕上がっています。
でもこうして聴くと、この2日目はCrystal
Catの独壇場である極上隠密だけで聴いてみたかったりします。
なお、初日と同様3面見開きの紙ジャケとブックレットつきで、ブックレットには見たことのあるツアーマップが、、、光栄です(笑)
でもよく見ると移動方向がよりわかりやすいよう、矢印が追記されて改良されてました(笑)
という感じでロンドン2公演ともにさすがはCrystal
Catという仕上がりでしたが、コピーなのかどうなのか事情に詳しい方、こっそり私信ででも教えてください(笑)
『 NO FILTER IN LONDON 1ST NIGHT 』 Crystal
Cat CC-1093/94 (2CD)
Multiple Stereo
IEM Sources Matrix Recording@London Stadium, London, UK. May 22, 2018
●Disc
1
1. Ladies And Gentlemen, Welcome Home / 2. Street Fighting Man / 3. It's
Only Rock'n' Roll (But I Like It) / 4. Tumbling Dice / 5. Paint It Black / 6.
Ride 'Em On Down / 7.
Under My Thumb
/ 8. Fool To Cry
/ 9. You Can't Always Get What You Want / 10. Honky Tonk Women / 11. Band Introductions
/ 12. Before They Make Me Run / 13. Slipping Away
●Disc 2
1. Sympathy
For The Devil / 2. Miss You / 3. Midnight Rambler / 4. Start Me Up / 5. Jumpin'
Jack Flash / 6. Brown Sugar / 7. Gimme Shelter / 8. (I Can't Get No) Satisfaction
+bonus
9.
Like A Rolling Stone / 10. You Got The Silver (Coventry. June 2, 2018) / 11.
Beast Of Burden (w/James Bay, London. June 19, 2018)
Crystal Catからも、かなり遅れて5月のロンドン2公演が登場。
Crystal
Cat(以下CC)といえばその隠密音源の仕上げの素晴らしさから、隠密一本で挑んで欲しかったような気もしますが、こちらもXAVEL(とそのコピーRattle
Snake)や、Empress Valley同様、IEM(インイヤーモニター)音源と隠密音源とのマトリクス。
このCC盤を聴いてるうちにちょっと混乱してきましたが、最終的にはEmpress
Valley盤の紹介をちょっと修正し、どうやらこちらのIEM成分はXAVELと同じような気が。
隠密成分はXAVELとは異なるところもあり、最初はEmpress
Valleyと同じ隠密が使われていますが、そちらの特徴である"Fool To Cry"に感激するおっさんの声は入っていないので、いくつかのソースを使っていると思われますが、総じてうるさいところのない素晴らしいマトリクス。
しかーし、最初にリリースされたXAVELとさらに慎重に聴き比べると、IEMではないはずのXAVELの隠密成分と同じ観客の声がかなり小さいながらも聴こえるところもあり(You
Can't-の0:15付近を何度も聴きました)、もしかしたら単にXAVELのコピー音源に別の隠密をかぶせたものでありながら、曲間などの歓声は比率を変えたり、面割の音切れは無いようになど、巧妙にそうとは知られないよう偽装しているのかもしれないなと。
でもそうだとしても素晴らしい仕上がりです。
まぁ隠密の録音位置が近かったという可能性も否定できませんが、こちらの方が会場の大合唱部分はよりそれらしく入っていたりするので、XAVELのコピーにCC独自のEX隠密などをミックスしてるのではないかと。
ただしもし大元はXAVELのコピーだと仮定した場合、Empress
Valleyもそうですが、こちらにボーナス収録されているトゥイッケナムのIEM音源の存在が気になります。
トゥイッケナムはXAVELからリリースされていないだけに、そちらはコピーではないはず。
ということはEmpress
Valleyから提供を受けたということなのか?それともどちらにも流した提供者がいるということか?
それとも独自音源?いや、それにしては後述するように、Empress
Valleyと同じようにトゥイッケナムのクォリティーが低いというのは偶然ではないはず。
なーんてなことをあれこれ解読やら推測しながら聴き比べしてたら、全く前に進めません。
そんな聴き方するより、素直にこの素晴らしい音に体を預けた方が幸せです(笑)
ということで、もしかしたらXAVELと同じようにIEM音源を独自で録音したのか、そうではなく単にXAVELのコピーに別の隠密音源をかぶせているだけで、トゥイッケナムだけEmpress
Valleyと同じ提供者からIEM音源の提供を受けたのかもしれませんが、それはともかくこのロンドン初日は、XAVELよりも、そしてEmpress
Valleyよりも見事で完成度の高いミックスになっています。
入力レベルがXAVELの方が大きくてこのCCの方がやや小さいので単純比較は難しかったりしますが、ミックのボーカルはこのCCはXAVELほど大きくないように聴こえ、聴き比べるとほんの僅かに閉塞感があって少し違和感もあったんだなというXAVELよりも、よりナチュラルで開放感と臨場感もあるサウンドに仕上がっているのが素晴らしい。
それにしてもこのミックのボーカルの質感の違いは何なのだ?と考え始めるとまたわかりませんが、XAVELのがラフミックス、そしてこのCC盤が完成版であるかのような違い。
ちなみにEmpress
Valleyのは、隠密成分をかなり上げちゃったテストミックスのような感じ。
とはいえやはりXAVELと比べて劇的に違っているほどの違いでもありません。
でもこちらの方がXAVELと比べるとよりライブ感のあるナチュラルなミックスで、かつEmpress
Valleyほど隠密が強いミックスでもなく、堂々の"EX"。
また、Crystal Catだけに美しい3面見開きの紙ジャケットにブックレットつき。
背の部分の色はロンドン公演のリトにあわせてこの初日が黄色、2日目が青色というのもナイス。とはいえちょっと赤の文字は読みにくいですけど(笑)
そしてDisc1冒頭のクレジットがよくある"Intro"ではなく、"Ladies
And Gentlemen, Welcome Home"というのがまた素晴らしい!
いやぁ〜ロンドンに参戦された方が羨ましくなる見事なメモリアル作品。
ボーナスはコベントリーと6月のロンドンはトゥイッケナムで演奏された曲から。
これらもイヤモニのようで、コベントリーの2曲もXAVELよりもナチュラルでいい感じ。
"Like
A Rolling Stone"の出だしがこちらもXAVELとは別音源ながらXAVELと同じく隠密だけなので、イヤモニ成分はやはりXAVELと同じなんでしょう。
トゥイッケナムからの"Beast
Of Burden"はEmpress Valleyのと似たようなギター成分は隠密だけのようなぼんやりサウンドで、イヤモニなのか隠密だけなのか判別しにくいサウンドですが、EVほどベースが大きくはないミックス。
このトゥイッケナムの存在によってXAVELのコピーではないと結論付けるか、それともトゥイッケナムだけはEmpress
Valleyと共有されているのか。
まぁ考えたってわかるわけないですけど、知ってる方がいれば教えてください(笑)
ということで、Crystal Catだけにその素晴らしい隠密だけを聴きたかったりもしましたが、これはこれで素晴らしいIEMと隠密のマトリクスでした。
『 BRISBANE 2003 1ST NIGHT 』 no
label (2CD)
aud.recordings@Brisbane Entertainment Centre,
Brisbane, Australia. Mar.4, 2003
●Disc
1
1. Intro / 2. Street Fighting Man / 3. It's Only Rock'n Roll / 4. If You
Can't Rock Me / 5. Don't Stop / 6. Start Me Up / 7. You Can't Always Get What
You Want / 8. Bitch / 9. Can't You Hear Me Knocking / 10. Tumbling Dice / 11.
Band Introductions / 12. Slipping Away / 13. Before They Make Me Run
●Disc
2
1. Sympathy For The Devil / 2. Gimme Shelter / 3. Honky Tonk Women / 4.
Jumping Jack Flash / 5. B-Stage S.E. / 6. You Got Me Rocking / 7. Like A Rolling
Stone / 8. Brown Sugar / 9. Satisfaction
2003年、来日直前に行われたLICKSオーストラリア・ツアーから、オーストラリア第3の都市ブリスベン公演が初登場。
オーストラリア・ツアーといえば、"Midnight
Rambler"から始まったエンモア・シアターでのギグがブートなどでも有名ですが、その2/18のシドニー初日ともう一つ2/25のメルボルン初日以外は全くリリースされず、来日直前の3月に至っては未ブート化。
オーストラリアから日本ツアーを並べるとこんな感じ。
日替わり曲のみブート化されてる公演は除き、"*"がブート化されていた公演で、結構穴だらけだったりします。
0218
Sydney * Enmore Theatre
0220 Sydney *
0222 Sydney
0225 Melbourne *
0227
Melbourne
0301 Melbourne
0304 Brisbane ←ココ
0305 Brisbane
0310
武道館 *
0312 横浜アリーナ *
0315 東京ドーム *
0316 東京ドーム *
0320
大阪ドーム *
0321 大阪ドーム *
ということで、あの武道館直前のストーンズがここに初登場、というわけなんですが、これがまさに「刮耳して聴け!」であります。
この日はかなり遠い音がトレーダー間には出回っていたようですが、こちらはそれとは別音源、最近ネットに公開された音源が元になっています。
アリーナ会場でのなんと時代感あふれるMD録音なんですが、それが幸いしてというか、中域厚めのナチュラルなサウンドになっています。
まぁハイエンドがなく、ちょっと距離感があって音の輪郭が甘くエコーを感じるサウンドではありますが、まさにウォーミーで聴きやすい。
そして元音源と比べるとドラムの響きが抑えられていい感じに調整されていることがわかります。
周りもうるさくなく、音が遠くてシャープさこそ欠けますが、この聴きやすさは"very
good"〜"EX-"といっていいでしょう。
しかーしこのブート、音質なんて問題ではないのであります!
この日のセットリストがまた面白く、1週間後に開催された横アリを思い出すセット。
そして演奏がまた異様に熱く、頭4曲はその横アリと全く同じ構成ですが、オープニングからはもちろん、"Don't
Stop"でも乗りに乗ってます。
中盤と終盤でミックがアドリブで歌って叫ぶなど、ここまでノってる"Don't
Stop"も珍しいんじゃないかと。
その流れで"Start Me Up"で再点火。いや素晴らしい〜!
初めて聴くこのブリスベン、1週間後の横アリを軽く凌ぐ熱演に唖然であります。
ブリスベンを聴かずして日本公演を語るなかれ、ここまでの熱演が繰り広げられていたという衝撃の事実を15年も経って知る羽目に。
そして"You
Can't Always Get-"でも熱く、こりゃすげーなというところで、"Slipping
Away"ではなんじゃこりゃキース、やってくれてます(笑)
そんなキースで一息ついてDisc2へ行ったところでまた凄い。
ミック大サービスのリミッター外しであります。なんじゃこりゃミックという雄叫び連呼!!
"Gimme
Shelter"でもリサとミックは凄いぞ!いやほんと凄い演奏を楽しめます!!
で、"JJF"はこれでいいのか?いいのか?なんか変だぞ(笑)
そしてラストにかけてはお待たせしました!
BステへのSEが大きく鳴り響き、これで演奏もいよいよ近くなるかと思ったら、、、そうでもなかった(爆)
最後はキースにちょいキレがありませんが、いやほんっと凄かったぞブリスベン。
ということで、日本公演直前、ミックゆかりの地オーストラリアはこんなに熱かったのかと感動を覚えるとともに、未ブート化公演にはまだまだお宝が眠ってるんだなと戦慄を覚えた初登場公演でした!!
Oct 2018
『 LONDON IS BURNING 』 Empress
Valley EVSD-1058/1059/1060/1061/1062/1063 (6CD)
Multiple Stereo
IEM Sources Matrix Recording@London Stadium, London, UK. May 22, 2018
Multiple
Stereo IEM Sources Matrix Recording@London Stadium, London, UK. May 25, 2018
Multiple
Stereo IEM Sources Matrix Recording@Twickenham Stadium, London, UK. Jun. 19,
2018
ライブから4ヶ月、Empress Valleyから突然リリースされたロンドン3公演のIEM(イヤモニ)+隠密マトリクスのBox。
5/22と5/25のロンドン初日と2日目のIEM(イヤモニ)/隠密マトリクスはXAVELからリリースされていましたが、今度はEmpress
Valleyから6/19に開催されたロンドン3公演目のトゥイッケナムを加えた、ロンドン全3公演のIEM(イヤモニ)/隠密マトリクスがBOXでリリース。
BOXの中にはナンバー入りのカードと、3公演がそれぞれ個別の紙ジャケに格納されていますが、紙ジャケは同レーベルが得意としていたタイトな折り畳み4面の作りではなく、ディスクポケットの口の幅が妙に広くてディスクがポロポロ落ちる、ただの紙ジャケです。
ちなみにロンドン3公演のリトの背景色は黄→青→赤の順ですが、こちらの作品のジャケットは赤→青→そして緑となってます。
どうせならリトのデザインに揃えればいいのにと思ったりしましたが、ジャケのメンバーの服装にあわせてるのかも。
そんなことはまぁどうでもいいとして、こうしたちょい高さのあるBoxはCDラックの棚に入らないので好きじゃないんですが、売る側はやはりセットで売りたいでしょうからそこは仕方ないですかね。
はい、そんなぼやきはおいといてまずはロンドン初日。
●London
Stadium, London, UK. May 22, 2018
■Disc
1
1. Introduction / 2. Street Fighting Man / 3. It's Only Rock'n' Roll (But
I Like It) / 4. Tumbling Dice / 5. Paint It Black / 6. Ride 'Em On Down / 7.
Under My Thumb
/ 8. Fool To Cry
/ 9. You Can't Always Get What You Want / 10. Honky Tonk Women / 11. Band Introduction
/ 12. Before They Make Me Run / 13. Slipping Away
■Disc 2
1. Sympathy
For The Devil / 2. Miss You / 3. Midnight Rambler / 4. Start Me Up / 5. Jumpin'
Jack Flash / 6. Brown Sugar / 7. Gimme Shelter / 8. (I Can't Get No) Satisfaction
この日はXAVELから『NO
FILTER IN LONDON 1ST NIGHT』(SMS-162)としてイヤモニ+隠密マトリクスがリリースされています。
今回のこちらはイヤモニ成分はどうもXAVELのと同じかもしれません。でも仕上がりはずいぶん異なる完全な別物です。
まずイヤモニ成分の大きさですが、XAVELではかなりONだったミックとチャックがこちらでは相対的に小さくなっています。
もうちょいミックは大きくてもいいのにと思いつつも、そこはまぁいいとして、どうやらギターのイヤモニ成分の占有比率も下がっており、イヤモニの旨味をあまり感じない、しかも距離感を感じるサウンドになってしまっています。
ただし聴き進めると隠密成分の周囲のざわつきも落ち着くせいかその違和感も和らぎ、"Under
My Thumb"あたりからステージにぐっと近づいた感じになります。
なお、隠密はLHの『LONDON STADIUM
2018 1ST NIGHT』の元と同じ音源で、曲間などはまぁまぁ賑やかなところもあります。
ということでまぁ音質自体は悪くはない"EX-"で、XAVELのようなミックとチャックがちょいと大きいミックスではないのはいいとしても、冒頭はどうにもイヤモニというより、キレのない隠密のように聴こえてしまい、、、と思ってましたが、まぁ聴き進めれば高音質マトリクスとなっていきます。
でもまぁあまりイヤモニっぽくはない隠密マトリクスのような感じで、もうちょいギターがONならまた感じも違ったんでしょうが。
ライブから5ヶ月も経って事前インフォもほぼない突然のリリース、それだけの自信のサウンドかと期待が一気に膨らんだだけに、少し物足りなさも感じるサウンドでした。
続いてロンドン2日目。
●London
Stadium, London, UK. May 25, 2018
■Disc
3
1. Introduction / 2. Jumpin' Jack Flash / 3. Let's Spend The Night Together
/ 4. It's Only Rock'n' Roll (But I Like It) / 5. Tumbling Dice / 6. Just
Your Fool / 7. Dead Flowers
/ 8. Wild Horses (w/Florence Welch)
/ 9. You Can't Always Get What You Want / 10. Paint It Black / 11. Honky Tonk
Women / 12. Band Introduction / 13. The Worst / 14. Happy
■Disc 4
1.
Sympathy For The Devil / 2. Miss You / 3. Midnight Rambler / 4. Start Me Up
/ 5. Brown Sugar / 6. Gimme Shelter / 7. (I Can't Get No) Satisfaction
5/25のロンドン2公演目はXAVELから『NO
FILTER IN LONDON 2ND NIGHT』(SMS-163)としてイヤモニ+隠密マトリクスがリリースされています。
一方こちらのEVSDは初日よりはイヤモノっぽいサウンドでキースのギターがONで始まりますが、オープニングの"JJF"で何度も音が引っ込むのがマイナス。
ここはXAVELのはそんなことなくちゃんとイヤモニがきいてるので別ソースなのか?
それにしてもこちら、音が引っ込んだ際に音量がガクンと下がって音質もこもってしまうのはもう少し調整の仕様があったのではと。
残念ながら悪魔の途中でも落ち込むところがあります。
なお、隠密成分はLHの『LONDON STADIUM
2018 2ND NIGHT』の元と同じ音源のようで、キースの2曲で近くで歌うおっさんの声も少し目だたくなってますが入ってます(笑)
隠密は複数音源が使われている可能性も否定できませんが。
さて、こちらは初日よりは少しイヤモニっぽいと書きましたが、それでもやはりカチッとしたSB音源の様ではなく、ベースなどははっきりしてるんですが、他は隠密っぽい感じ。
ギターもちゃんとステレオに分かれてるのでイヤモニなんだなと感じはしますが、ちょっとギターなどのボリュームが小さいかと。
でもミックのボーカルはイヤモニ特有の違和感を感じさせないサウンド。
また、キースの2曲はXAVELでは隠密に切り替わりましたが、こちらは切り替わりを感じさせず、でもやはり隠密っぽいボーカル。
やはり初めからボーカルは隠密メインなのか?
"Dead
Flowers"の途中からもうちょいクッキリするものの、やはりもう少しギターとボーカルが大きければと。
でもこの日はミックの喉に変調をきたす日でもあり、そのつらいボーカルがくっきり聴こえないってのはまだよかったのかもと思ったり。
ということで元のイヤモニを聴いてみないとどういう音だったのかはよくわかりませんが、このディスクを聴く限りではボーカルとギターはあまりイヤモニっぽくなく、隠密マトリクスのような感じに聴こえてしまいます。でもはい、こちらも音質自体は悪くはない"EX-"。
最後に目玉の6/19トゥイッケナムスタジアム。
●Twickenham
Stadium, London, UK. Jun. 19, 2018
■Disc
5
1. Introduction / 2. Street Fighting Man / 3. It's Only Rock'n' Roll (But
I Like It) / 4. Tumbling Dice / 5. Paint It Black / 6. Ride 'Em On Down
/ 7. Bitch /
8. Beast Of Burden (w/James Bay)
/ 9. You Can't Always Get What You Want / 10. Honky Tonk Women / 11. Band Introduction
/ 12. You Got The Silver / 13. Before They Make Me Run
■Disc 6
1. Sympathy
For The Devil / 2. Miss You / 3. Midnight Rambler / 4. Start Me Up / 5. Jumpin'
Jack Flash / 6. Brown Sugar / 7.(audience) / 8. Gimme Shelter / 9. (I
Can't Get No) Satisfaction
+ secret tracks from rehearsals (poor sound)
(10.
Let's Spend The Night Together / 11. Just Your Fool Jam / 12. Ride 'Em On Down
13. Just Your Fool)
このトゥイッケナム公演はイヤモニはおろか、隠密でもおそらくWonderlandのボックスでしかブート化されていない公演。
ということで大した音が出回らなかった公演ですが、ここにEVSDが降臨。
しかーし、オープニングから音が遠い。。。これがイヤモニなのか?と耳を疑う音で、隠密も遠い。
隠密成分はネットにアップされながらLHからもリリースされなかったスタンド録音で、エコーもきいてたり風切り音も入ったりと、どうにも遠い。
そしてそこにかぶさっているであろうイヤモニの存在をあまり感じさせません(笑)
いつイヤモニらしくなるのだと聴き進めるも、その気配がないまま終わり、、、せっかくのトゥイッケナムですが、これではなかなか楽しめません。
最初から隠密だと思って聴けば聴ける音ではありますが、"very
good+"くらい。。。
ということで、Hot Stuffでは初のブートとなるトゥイッケナムだけに演奏についても書こうかと思いましたが、気分が盛り上がりません(笑)
目玉の"Beast
Of Burden"もまぁぼやけた感じ。
シークレットトラックスにはリハ音源が入ってるようですが、これがまたノイズが混入したりひどい音で、演奏もやり直しだったり特筆すべきものでもありません。
さらにトゥイッケナムの裏ジャケには、キースの2曲目"Before
They Make Me Run"を"The Worst"と誤植までしてます。
また、Disc2には無駄なチャプターが一つあったりと、EVSDらしからぬ不手際です。
XAVELもロンドン2日目で曲目間違いがあったものの、交換ジャケが配布されましたが、果たしてこちらはどうなるのやら。
ということで初のトゥイッケナム公演でしたが、目玉でありながらこのBoxで一番残念な音とジャケいう、悲しい結末でした。
どこが"ロンドンは燃えている"やねん、とぼやきたくもなります。。。
まぁIEMレコーディングまでしてくれてるのは嬉しいものの、そのクォリティーがこれなら無理にEVSDからリリースせずともと思ったりもしますが、そうはブート屋が卸さないと。。。
『 WELCOME HOME THE ROLLING STONES 1 』 Rattle
Snake RS-311/312 (2CD)
Multiple Stereo IEM Sources Matrix
Recording@London Stadium, London, UK. May 22, 2018
『 WELCOME HOME THE ROLLING STONES 2 』 Rattle
Snake RS-313/314 (2CD)
Multiple Stereo IEM Sources Matrix
Recording@London Stadium, London, UK. May 25, 2018
●1-Disc
1
1. Opening / 2. Street Fighting Man / 3. It's Only Rock'n' Roll (But I
Like It) / 4. Tumbling Dice / 5. Paint It Black / 6. Ride 'Em On Down / 7. Under
My Thumb / 8. Fool To Cry / 9. You Can't Always Get What You Want / 10. Honky
Tonk Women / 11. Band Introductions / 12. Before They Make Me Run / 13. Slipping
Away
●1-Disc 2
1. Sympathy For The Devil / 2. Miss You / 3. Midnight
Rambler / 4. Start Me Up / 5. Jumpin' Jack Flash / 6. Brown Sugar / 7. Gimme
Shelter / 8. (I Can't Get No) Satisfaction
+bonustracks (from Ricoh Arena,
Coventry, UK. June 2, 2018)
9. Like A Rolling Stone / 10. You Got The Silver
●2-Disc 1
1. Opening / 2. Jumpin'
Jack Flash / 3. Let's Spend The Night Together / 4. It's Only Rock'n' Roll (But
I Like It) / 5. Tumbling Dice / 6. Just Your Fool / 7. Dead Flowers /
8. Wild Horses (With Florence Welch) / 9. You Can't Always Get What You Want
/ 10. Paint It Black / 11. Honky Tonk Women / 12. Band Introductions / 13. The
Worst / 14. Happy
●2-Disc 2
1. Sympathy For The Devil / 2. Miss You /
3. Midnight Rambler / 4. Start Me Up / 5. Brown Sugar / 6. Gimme Shelter / 7.
(I Can't Get No) Satisfaction
+bonustracks (from Old Trafford Stadium, Manchester,
UK. June 5, 2018)
8. Shattered / 9. Like A Rolling Stone / 10. You Got The
Silver
Rattle Snakeによるロンドン2公演、もうまとめて。
はい、全部完全に同じかなんて検証してないですけど、ボートラも含めてXAVELのコピーです。
メインのロンドン公演はそれぞれ『NO
FILTER IN LONDON 1ST NIGHT』(XAVEL SMS-162)、『NO
FILTER IN LONDON 2ND NIGHT』(XAVEL SMS-163)から。
ボーナストラックはそれぞれ『NO
FILTER IN COVENTRY』(XAVEL SMS-164)、『NO
FILTER IN MANCHESTER』(XAVEL SMS-165)から。
しかしXAVELのはこうして同じジャケが4つ並ぶのが何とも・・・と思うとおり、タイトルもジャケもブックレットもディスクのレーベルデザインも、Rattle
Snakeの方が断然いけてます。
まぁRattle Snakeのジャケも、ミックとキースにベロをかぶせててよくわかんないことになってますけど。
XAVELもこのタイトルで、ホログラムになんて全くしなくていいから個別ジャケでリリースされればもっとよかったんですけど、ほんとに惜しい。
帯もカードもいらんのにとか、このRattle
Snake盤のおかげでまたXAVELへの無念さがこみ上げてきます(笑)
ということで、オリジナルのXAVELがあまり流通していない欧州では喜ばれてるようですが、コピーとはいえメモリアルにはいいかも。
でもまぁコピー盤です(笑)
『 NEW ORLEANS 1978 』 no
label (2CD)
aud.recordings@Superdome, New Orleans, LA. Jul.13,
1978
●Disc
1
1. Let It Rock / 2. All Down The Line / 3. Honky Tonk Women / 4. Star Star
/ 5. When The Whip Comes Down / 6. Beast Of Burden / 7. Lies / 8. Miss You /
9. Just My Imagination / 10. Shattered
● Disc 2
1. Respectable / 2. Far
Away Eyes / 3. Love In Vain / 4. Tumbling Dice / 5. Happy / 6. Sweet Little
Sixteen / 7. Brown Sugar / 8. Jumping Jack Flash / 9. Street Fighting Man
LH、攻めてます。こちらもオーディオでは初ブート化となる公演!!
78からジャズの聖地ルイジアナ州ニューオーリンズ公演が登場。
この日は鑑賞にはかなりの忍耐を要する、プロショットとは呼びたくないスーパーズームの2カメメインの映像が出回っていまして、その映像もなんだか切り替わりが多すぎるところがあったりイマイチではありましたが、そのオーディオがまたつらいもので、その音源は到底アナログやCDでのブート化は望めない音だった公演。
でもその音源とは別の隠密録音が2種類存在し、その音源についての解説をインフォから拝借しますと以下のとおり。
---------------------
最初の音源「recorder
1」は以前からトレーダー間に出回っていたのですが、そこでは「Respectable」以降にダビングを重ねたことで混入されてしまったと思しきノイズが入るなど、リスニング上のストレス甚だしい状態だったことから、到底アイテム・リリースが望める様なレベルではなかったのです。
ところが近年になって、別音源でなおかつマスターからコピーされた「recorder
2」ファースト・ジェネレーションが出回り、さらにはマニアによってリマスターが施されたバージョンまで現れたのです。
よって複数のバージョンが存在したニューオリンズ公演二つ目のオーディエンス録音ですが、今回のリリースに際してメインに使用したのはStonyRoadを名乗る人物がネットにアップしたバージョン。
もちろんファースト・ジェネレーションとは言えど元の録音状態はかなり粗削りなもの。
しかし「recorder
1」では抜け落ちていた「Beast Of Burden」に「Happy」もしっかり収録されたことで十分プレスCDでのリリースに値するレベルの音源だと言えましょう。
---------------------
ということでついに世に出たニューオーリンズ!
実はこの公演、熱い演奏と、78では珍しい"Street
Fighting Man"を演奏していたことでマニアには知られる公演。
それがついに!こうしてフルに聴けるとは素晴らしい!!
フィリー75に続いてまたも攻めてますLH!
しかしこれも一見さんにはおすすめできない音質ではあります。
しかしマニアにはたまらない音源なのであります!
何といっても演奏が熱い!!走る走る!
音質は距離感がちょっとあってやや団子、ヒスが乗ってて低音が響いてよく聴こえる一方で、ギターの高音もちょっとキンキンするところがあります。
本公演から2つ前、7/10のミネソタ公演でステージから転落して左手を怪我してるビルですが、お構いなしに弾いてるようにベースがブンブンと唸り、ピアノとロニーのギターはまぁまぁ聴こえる一方でキースのギターは曲によってはすっかり埋もれるところもあったりして、ヘッドフォンで音量上げて聴いた後はしばらく耳鳴りがしますが、とにかく熱い!
音質評価は難しいところですが、"good+"〜"very
good-"といったところ。
曲ごとにちょっと音が変わったりするので、「recorder
2」の元音源とリマスターなどのフランケンシュタイン継ぎはぎがなされているようですが、音質はともかく演奏は楽しめます。
でもネットに上がっていたものはピッチがこれまた狂ってたりしたので調整されているところはナイス。
いやしかし78ということでこの日も突っ走るストーンズですが、この日はミックも絶好調。
こちらにはDVDRもついてくるので一緒に見てみるとよくわかりますが、やはりこちらはスタジアムということで、このニューオーリンズ公演から2つ後、オフィシャルから2011年にリリースされたアリーナクラスのフォートワース公演とは演奏もアクションも一味も二味も違います。
もう"Beast
Of Burden"や"Far Away Eyes"ですら絶叫するミック、凄いです(笑)
ちなみに"Sweet
Little Sixteen"ではご当地名が歌詞に出てくるラストで遠くの集団が盛り上がっているようですが、よくわかりません(笑)
"Brown
Sugar"は僅かに頭欠けしてますが、どうやらネットに出回った際にはもう欠けちゃっていたみたいですのでやむなし。
ラストの"Street
Fighting Man"は78では3回しか演奏せず、このニューオーリンズがラストという貴重な演奏ですが、これがまた激アツで素晴らしい。
ということでかなり粗い音質ですのでマニア向けではありますが、そのままではなくしっかり調整されたことにより、遂にニューオーリンズ78の怒涛の勢いを堪能できた作品でありました!
『 PHILADELPHIA 1975 1ST NIGHT 』 no
label (2CD)
aud.recordings@Spectrum, Philadelphia, PA. Jun.29,
1975
●Disc
1
1. Intro. / 2. Honky Tonk Women / 3. All Down The Line / 4. If You Can't
Rock Me - Get Off Of My Cloud / 5. Star Star / 6. Gimme Shelter / 7. Ain't Too
Proud To Beg / 8. You Gotta Move / 9. You Can't Always Get What You Want / 10.
Happy / 11. Tumbling Dice / 12. It's Only Rock'n Roll / 13. Band Introductions
/ 14. Doo Doo Doo Doo Doo
●Disc 2
1. Fingerprint File / 2. Angie / 3.
Wild Horses / 4. That's Life / 5. Outa Space / 6. Brown Sugar / 7. Midnight
Rambler / 8. Rip This Joint / 9. Street Fighting Man / 10. Jumping Jack Flash
今度は1975年Tour Of The Americas、T.O.T.A.'75からフィラデルフィア公演初日。
攻めてます、LH。この公演はブート初登場であります。
NYはMSGでの6連続公演を終えたストーンズは、72年のあの『Philadelphia
Special』で有名な、今はなきフィラデルフィア・スペクトラムへと向かいます。
6/22〜6/27の連続6公演の後、6/29-30でこのフィラデルフィア公演、そして7/1にはラーゴ公演という怒涛の公演の中での6/29フィラデルフィア公演初日を隠密音源で収録したのがこちら。
こちら以前からトレーダー間では出回っていた音源が元になっていますが、そちらにはいろいろ問題がありました。
"Gimme
Shelter"、"Fingerprint File"、"Angie"、"Wild Horses"では左chがオフになったり、"You
Can't Always Get What You Want"終盤が欠落し、さらにはピッチも乱れまくるという三重苦、いや、きつめのイコライジングで高音に奇妙なノイズを伴い、さらに左右のバランスが突如崩れるところもあり、合わせて五大疾病と呼ばれていたとかいないとか、そんな音源でした(笑)
ということでブート化は敬遠されたままの音源でしたが、その五大疾病に果敢に挑んだ意欲作がコチラ。
無謀とも思えるオペを敢行したわけですが、元音源と比べればこのオペは大成功であることがよくわかります。
左chがオフになるところはクロスフェードでモノラル処理が施され、イコライジング過多による高音の奇妙なノイズは緩和され、左右のバランスが乱れるところはかなり修正され、乱れまくるピッチが大幅に改善されているのが素晴らしい。
しかーし、なんせ元の状態が状態ですから、完全健康体になったわけでもありません。
五大疾病の一つである欠落部はいかんともしがたく、四大疾病も大幅な改善は見られますが、高音に妙なノイズがやや残っている癖のある音であることは変わりません。
誠に不適切な表現ではありますが、あえてわかりやすい表現で例えるならば、寝たきり患者が自力で自宅の中はなんとか歩けるようにまで回復したといった感じ。
ということで一見さんが飛びついてはいけない作品でありますが、元音源を聴いていたマニアはこの尋常ではない回復ぶりに狂喜すること間違いなし。
そして元音源は知らずとも、マニアなら昨今新たに発掘された音源なのかと思うほどの音源に生まれ変わっています。
こうして生まれ変わった音を聴くと演奏の音は意外にも大きく捉えられていたことに驚きますが、それでも距離感は感じる音。
でもいわゆる団子よりは分離よく聴こえ、臨場感は適度で周りがうるさいわけでもありません。
とはいえ元は五大疾病患者、奇跡のオペを経たとはいえ、たまにブリブリ音割れしたり軽減されたとはいえ奇妙なノイズが終始入っていたりと、特に前半は演奏があまりダイレクトに頭に入ってこないという、ちょいと遠くの戸口からステージを眺めているような感じで後半は持ち直してきますが、"good+"〜"very
good-"といったところ。
でもこうしてフィラデルフィア初日が大幅にレストアされて、初のブート化というのは75マニアには嬉しいリリース。
演奏はNY6連続公演から一日おいてということで、ちょっとミックに疲れが伺えるところがありますが、それでもテンションを張り上げたりと面白い。
"You
Gotta Move"では演奏が静かめのせいか会場の盛り上がりが感じられますが、それに応えてか、ここからミックは調子を上げていきます。
それだけに熱い演奏の"You
Can't Always Get What You Want"は12分を経て途切れてしまうのが残念でありますが、ここは他の音源がないのでやむなし。
後半は音だけ聴いてるとちょっとミックお疲れのようですが、75のことですからきっと動きまくってたんでしょう。
それにしても元音源と聴き比べれば比べるほど、素晴らしいレストアに感動であります。
ということでマニア向けの作品ですが、五大疾病に果敢に挑み、未ブート化公演の空白を埋めるべく、プレスCD化レベルにまでレストアを敢行してリリースしてくれる攻めの姿勢は嬉しいところ。
Sep 2018
『 GRUGAHALLE 』 DAC-191 (1CD)
aud.recordings@Grugahalle,
Essen, West-Germany. Oct.11, 1973
1.
Brown Sugar / 2. Gimme Shelter / 3. Happy / 4. Tumbling Dice / 5. Star Star
/ 6. Dancing With Mr.D. / 7. Angie / 8. You Can't Always Get What You Want /
9. Midnihgt Rambler / 10. Honky Tonk Women / 11. All Down The Line / 12. Rip
This Joint / 13. Jumping Jack Flash
73欧州ツアーからエッセン3日目が再登場。
あのブリュッセルの1週間前、スェーデン、デンマークと回っていたストーンズは西ドイツ入りし、エッセンで10/9、10/10、10/11と3連荘でライブを敢行します。
そのエッセン3連荘最終日、新たに発掘された"JJF"をひっさげてのDACの襲撃であります。
はい、エッセンといえばの超高音質で知られるのは10/10で、この3日目は73隠密の中堅どころで、73コーナーでも取り上げていないままの日であります。
しかーし、このエッセン3日目は1993年に『ESSEN
1973』(DP 9304)によって世に出ましたが、VGPからも2001年に『SATELLITE
DELAYED』(VGP-273)のDisc2にてアップグレード版をリリースされており、73好きにはなかなかいけてるとして知られている、知る人ぞ知る隠密。
ただしラストの2曲"Jumping
Jack Flash"と"Street Fighting Man"が録音されていなかったようで、既発盤ではともにその2曲は前日の10/10から補填されていました。
が、今回"JJF"が新たに発掘されました!
ということで"JJF"が初登場なんですが、"JJF"からメドレーで続く"Street
Fighting Man"は2秒だけ、そこできっぱりとテープエンドのようで音も終了。
今回は前日からの"Street
Fighting Man"は補填されていません。
混じりっけなし、生粋のエッセン3日目であります。
いやしかしこの"JJF"、"Rip
This Joint"までのマスターと似た感じながらも別の隠密録音のようで少しボーカルが遠くなりますが、今度こそもう続きはないんでしょうね?(笑)
調べてみると、この"JJF"が発掘されたとネットに広まったのはどうやら2年ほど前。
わたしは最近DLしたのでそれと全く同じかどうかは確実ではありませんが、その時IORRにニューソースでセカンドジェネとして公開された"JJF"と、今回のDAC盤の"JJF"も音源自体は同じです。
ただしそちらはかなりヒスノイズが強いのに、今回のDAC盤は全くそんなことはないので、そこからの流用ではないのかなと思いますが、よくわかりません。
そんなわけで初登場"JJF"が入ってめでたしめでたしですが、既発VGP盤と同じ部分は大幅な向上が図られたかというと、それほどでもなく。
VGP盤よりもジェネレーションが若いようで、低音の歪みと高音のノイズは軽減されましたが、イコライジングは抑えられてギターが半歩後退した音になっています。
個人的にはスピーカーで鳴らすにはVGP盤の攻撃的なギターの方が好みかもですが、ボーカルの輪郭も割れ気味だったVGP盤よりはすっきりしたナチュラルソフトになり、ヘッドフォンで聴くには耳にやさしい音になっています。
そしてドラムはちょっと軽いものの、ベースはしっかり拾っていて全体的によく音を拾っていて周りも騒がしくない"very
good"。
しかし何よりこのジャケが妖しく美しい!!(笑)
わたしこの写真を以前どこかで見たときには、もっと紫が強かった気がしてそれが余計にそう思わせたのかもですが、そっち系(どっち?)のそっくりさんか?と疑ったくらいでしたが、この写真はいいですなー。
いやしかしこのエッセン最終日、オープニングの"Brown
Sugar"のエンディングではキースに一体何が起こったのだという終わり方で、そこだけでもかなり面白い(笑)
でも"Gimme
Shelter"はキレッキレで、"Star Star"でのキースは絶好調と、まさにアウトバーンをかっ飛ぶような超高速回転の転がる石を堪能できます。
ボビーがシャンパン風呂事件でツアーメンバーからいなくなったのがこの直後くらいでしょうから、そりゃもうぶっ飛んでたんでしょうねぇ〜。
そんなわけかこの日はキースのコーラスも妙にテンションが高くて気持ちいい(笑)
ただし"Midnight
Rambler"ではたまにビリー・プレストンのテンションがたまに上がるようで、そこはちょっと邪魔(笑)
でもこの音で気持ちいのはやはりブンブン唸るビルのベース。そっちに意識が行くとほんと面白い。
先日Funny
Maeでこれを聴かせてもらってるうちに、わたくしずるずると床に沈み込んで寝ちゃったらしく、もともとその日は睡眠不足でかなり眠かったんですが、きっとこのビルに酔いしれたんでしょう(笑)
そして初めて聴くエッセン最終日の"JJF"。これがまた超攻撃的であります。
そんなわけでVGP盤より大幅向上ってなわけではありませんが、45年を経て世に出た"JJF"と痺れるジャケに乾杯のエッセンでした!
『 HONOLULU 1998 1ST NIGHT 』 no
label (2CD)
aud.recordings@Aloha Stadium, Honolulu, HI. Jan.23,
1998
●Disc
1
1. Intro. / 2. Satisfaction / 3. Let's Spend The Night Together / 4. Flip
The Switch / 5. Gimme Shelter / 6. All Down The Line / 7. Angie / 8. Saint Of
Me / 9. Out Of Control / 10. She's A Rainbow / 11. Miss You / 12. Band Introductions
/ 13. Thief In The Night / 14. Wanna Hold You
●Disc 2
1. B-Stage
SE / 2. Little Queenie / 3. The Last Time / 4. Like A Rolling Stone / 5. Sympathy
For The Devil / 6. Tumbling Dice / 7. Honky Tonk Women / 8. Start Me Up / 9.
Jumping Jack Flash / 10. You Can't Always Get What You Want / 11. Brown Sugar
B2Bツアー、ハワイはアロハスタジアムの新規発掘音源が登場。
ストーンズも久々のハワイ公演で、1/21のペプシ100周年パーティーでのギグの後、1/23-24の2公演がアロハスタジアムで開催されました。
その後ABBツアーでは、2006年11月にハワイ公演が予定されてチケットも売り出され、わたしも確保していながらキャンセルされた事が懐かしいですが、ストーンズのハワイ公演は1966年、1973年、そしてこの1998年がいまのところ最後のハワイ公演であります。
そんなハワイ公演、ギグをのぞいていわゆるこの初日の隠密音源は当時『INSIDE
THE RAINBOW』(VGP-182)がリリースされていました。
このVGP盤はやや遠くてエコーもありながらも耳にソフトなナチュラルなサウンドが特徴でした。
なお、SRSからも同音源がリリースされていたようです。
今回リリースされた新音源はそれとは対照的なサウンド。
ネットに公開された新音源で、まさにDAT録音というやや高音が刺激的ながらも距離が近くて演奏がばっちりONというサウンド。
最初は至近距離の観客から奇声が上がったり、たまにモノラルになったり定位がやや不安定なところもありますが、素晴らしい音像でスピーディーでスリリングなホノルル公演を堪能できます。
また、CD化にあたってはインフォにあるとおり、音源にあった音飛びなどが補正されています。
"Tumbling
Dice"の1:40あたり、そして"You Can't Always Get What You Want"の4:10での音飛びについては他の箇所からパッチあて補正しています。
後者はリサの見せ場で飛んじゃって補正にも限界がありちょい残念ですが、前者はうまく補正されています。
また、"Like
A Rolling Stone"の途中でのこもりを解消し、"Start Me Up"以降にDATマスターの劣化により右chにジリジリと生じたノイズを軽減するという作業に加えて音質調整がなされていて、元音源からの更なる向上が図られています。
ということで全体的にちょっと高音が耳につくテイストですが、このクリアでダイレクト感あふれて開放的なサウンドは既発を凌駕する生々しさで素晴らしい"EX-"。
"Flip The Switch"のスピーディーな展開に続く"Gimme
Shelter"もこんなにスリリングで素晴らしい演奏だったかと感動を覚えます。
そして"All
Down The Line"へとなだれ込むさまはもう昇天もの。
続くB2Bツアー初登場の"Angie"、さらには美しき"She's
A Rainbow"にもホノルルが感激している様子が伝わってきます。
開放的なハワイの空の下でラストの"Brown
Sugar"を浴びるのはほんとに気持ち良かったろうなという。
いやぁ〜この公演、観たかった。とはいえ当時は日本公演に備えるので精いっぱいでしたけど(笑)
しかし音源が違うと同じ演奏でもここまで表情を変えるものだというのを実感。
定位とステレオ感やノイズなど、ちょっと不安定なところはあるので、総合的にはやや問題はありつつも、まさに生々しい隠密録音、これは楽しめました!!
『 MADISON SQUARE GARDEN 1975 5TH NIGHT 』 no
label (2CD)
aud.recordings@Madison Square Garden, New York
City, NY. June 26, 1975
●Disc
1
1. Honky Tonk Women / 2. All Down The Line / 3. If You Can't Rock Me -
Get Off Of My Cloud / 4. Star Star / 5. Gimme Shelter / 6. Ain't Too Proud To
Beg / 7. You Gotta Move / 8. You Can't Always Get What You Want / 9. Band Introductions
/ 10. Happy
●Disc 2
1. Tumbling Dice / 2. It's Only Rock'n Roll / 3.
Doo Doo Doo Doo Doo / 4. Fingerprint File / 5. Angie / 6.That's Life / 7. Outa
Space / 8. Brown Sugar / 9. Midnight Rambler / 10. Rip This Joint / 11. Street
Fighting Man / 12. Jumping Jack Flash
1975年Tour Of The Americas、T.O.T.A.'75から、MSGでの連続6公演の5公演目にあたる6/26が新音源にて再登場。
6/26のMSG公演といえば、1994年にVGPがリリースした名盤『WELCOME
BACK TO NEW YORK』(VGP-039)にショーの後半のみながらも超絶高音質で収録されていました。
その完全版の登場が待たれ続けながらも、音沙汰のないままだった2008年、LHが別音源である第2の音源による完全収録盤『5TH
NIGHT AT MSG 1975』をリリースしました。
前者の超絶高音質隠密については現在でもショーの前半部分の存在は不明なままですので、やはり後半しかないのかもしれません。
後者はわたくしちょうど中断期だったのでその後入手しても紹介していないままでしたが、音質的にはなかなか厳しい音源で、中盤以降は歪みによってかなり聞き苦しいところがあるという盤でありました。
そして今回登場したのが第3の音源。
こちら、有名なJEMSの音源をこれまた有名なKRW_COが仕上げてネットに公開されたものが元になっています。
プレスCD化にあたっては、音質はほぼその元音源と変わらないものの、テープ交換と録音停止による欠落部分を既発音源から補填して完全版に仕立ててあります。
有名テーパーによる録音ということで最高音質かというとそうでもありませんが、第2の音源『5TH
NIGHT AT MSG 1975』よりは大きく向上しています。
強引ながらも極々簡単にまとめれば、『WELCOME
BACK TO NEW YORK』が"EX"、『5TH
NIGHT AT MSG 1975』が"good"、今回のが"very
good-"といったところ。
今回のその第3の音源は、ちょっと距離感のあるダイレクト感には乏しい音で、跳ね返りのギターの高音と下からのベースの低音は比較的よく聴こえるものの、真正面からのボーカルなどの中音域がちょいと奥に引っ込んでる音。ただし全部が団子になっているわけではないので、ボーカルが薄い点をのぞけば聴きやすい音ではあります。
何より第2の音源のような歪みがないため、安心して聴いていられるという貴重な音源です。
ただしネットに公開された音源にはテープチェンジと録音停止による欠落部分が多く、今回のプレスCD化にあたってはその元音源に対して多くの補填がなされています。
まずはオープニングの"Honky
Tonk Women"のイントロがちょい欠けてますが、ここは補填材料がないのでちょいと頭欠けのまま。
そして最初の補填は6曲目の"Ain't
Too Proud To Beg"の中盤から終了までの2分間。
ここは第2の音源『5TH
NIGHT AT MSG 1975』から補填されていますが、こちらでの切り替わりで今回の第3の音源がいかに聴きやすいかがよくわかります。
そしてショーの半ばの"IORR"では途中から終了までの3分間ほどが、VGPの『WELCOME
BACK TO NEW YORK』から補填されています。
ここにたどり着くと、逆にそのVGP盤がいかに凄い音源かがよくわかるという。
その後第3の音源に戻らなくていいのにとか、ひどいことを考えちゃうほど(笑)
さらに"Angie"の演奏終了後からビリー・プレストンの2曲丸々が欠落していますが、ここはVGP盤ではLA公演が使われていたため、またもや第2の音源『5TH
NIGHT AT MSG 1975』から補填。
第2の音源はこの部分の歪みがなかなかに聴き苦しいもので、ちょっと辛い(笑)
そして"Midnight
Rambler"の後半の3分間に、冒頭100秒ほどしか録音されなかったラストの"JJF"はそこから最後までがVGP盤から補填されています。
とまぁ特にショーの半ば以降は音源は行ったり来たりするわけですが、75といえばこの6月末のNYはMSGでの6公演か、7月のLAはThe
Forumでの5公演かというほど人気の公演。
MSGでは翌6/27がブートでは有名ですが、この5公演目も負けちゃいません!と言いたいところですが、負けてます(笑)
ストーンズとMSGといえばのミラクルはどこへやら、イマイチしゃんとしません。
見せ場の"Wild
Horses"を外しただけでなく、アンコールの"Sympathy For The Devil"もどうやらやっていないようですし、まぁ抑え目な一日であります。
とはいえ"Midnight
Rambler"は素晴らしい!!が、そこを聴くならVGP盤の方が楽しめるという。
でも聴きやすくなった前半部分はそんなに面白くないのかというとそうでもなく、ハイパーなストーンズを楽しめます。
"All
Down The Line"ではミックがなぜか入りが遅れたり、"Star Star"でも2番に入らずになんか乱れるところがあったりしますが(笑)
いやしかしやはりミックのボーカルが遠く、ハイパーさもやや半減してるのは惜しいところ。
また、音が切り替わって、悪くなったり良くなったりというのがなかなか複雑であります。
でもはい、このMSG公演を全曲、特にVGP盤では聴けなかった前半をこうして向上した音で聴けるだけでも貴重であります。
ということでJEMSとKRW_COに感謝なのであります。
『 TOURING PARTY VOL.5 』 DAC-192 (2CD)
Spectrum
Sports Arena, Philadelphia, PA. Jul.21, 1972 (1st / 2nd show)
●Disc
1 - Spectrum Sports Arena, Philadelphia, PA. Jul.21, 1972 (1st show)
1. Brown
Sugar / 2. Bitch / 3. Rocks Off / 4. Gimme Shelter / 5. Happy / 6. Tumbling
Dice / 7. Love In Vain / 8. Sweet Virginia / 9. You Can't Always Get What You
Want / 10. All Down The Line / 11. Midnight Rambler / 12. Band Introductions
/ 13. Bye Bye Johnny / 14. Rip This Joint / 15. Jumping Jack Flash / 16. Street
Fighting Man
●Disc 2 - Spectrum Sports Arena, Philadelphia, PA. Jul.21,
1972 (1st / 2nd show)
1. Brown Sugar / 2. Bitch / 3. Rocks Off / 4. Gimme
Shelter / 5. Happy / 6. Tumbling Dice / 7. Love In Vain / 8. Sweet Virginia
/ 9. You Can't Always Get What You Want / 10. All Down The Line / 11. Midnight
Rambler / 12. Band Introductions / 13. Bye Bye Johnny / 14. Rip This Joint /
15. Jumping Jack Flash / 16. Street Fighting Man (1-10 : 1st show, 11-16
: 2nd show)
1972/7/21の1stショー、言わずと知れた『PHILADELPHIA
SPECIAL』に一部収録されている有名な公演が登場。
まずは7/21のフィラデルフィア公演1stショーを収めた初登場隠密音源のDisc1から。
46年経って現れた隠密とはどんなものかと恐る恐る聴いてみると、、、うむ、椅子の上にマイクを置いての録音なのか、ダイレクト感はすこぶる乏しく、ニッキーのピアノはわりとよく聴こえますが、演奏の輪郭はぼやけて遠くちょいとエコーに埋もれた団子サウンドという、玄人向け音源であります。
音質評価は"good"程度ですが、こもってるとかイコライジングで高域ノイズが強いといったようなことは全くなく、演奏が遠くてぼやけてはいるものの耳へのストレスはなく普通に聴けます。
元音源を耳にしたことはありませんが、ピッチやヒスノイズや音割れなどの問題もあったであろう音をここまで普通に聴ける音に仕上げるとは、最近の補正技術はお見事という感じ。
耳を凝らすと主に右chにノイズらしきものがあったり、後半大いに割れてるところがあったりしますが、良くも悪くも音が団子なのであまり気になりません(笑)
なお、"You
Can't Always -"の後半はテープチェンジのためにフェードアウトしちゃいますが、そこにSB音源を補填したりはしていません。
この曲はSB音源があるので補填することももちろんできたでしょうが、唐突に耳あたりが変わってしまうのを避けたのでしょう。ここは隠密だけで聴くのがおつなもの。
そして資料によってはこの日はラストに"Uptight
- Satisfaction"を演奏していると明記されており、トレーダー間に出回っているらしきCD-Rの『I
forgot my hat today』にはそちらも収録されているようですが、わたくし未聴につき未確認。そこはちょいと気になります。
さておさらいですが、フィラスペなどのブートで世に出回っている7/21の1stショーのSB音源は以下のとおり。
『PHILADELPHIA
SPECIAL』 - "Brown Sugar" "Bitch"
"Rocks Off" "Gimme Shelter" "Happy" "Tumbling
Dice" "All Down The Line"
『PHILADELPHIA
SPECIAL II』- "Love In Vain" "Sweet Virginia
" "You Can't Always Get What You Want"
↓CDでのフィラスペといえば、TSPの『PHILADELPHIA
SPECIAL』(通称フィラスペ1)、『PHILADELPHIA
SPECIAL 2』、そしてVGPの『PHILADELPHIA
SPECIAL』。
もちろん他の作品にもこのフィラデルフィア公演のSB音源は含まれており、フィラデルフィア公演といえば他に7/20と7/21の2ndショーの音源もありますが、7/21の1stショーからのSB音源は上記の10曲のみ。
念のためですが、オフィシャルの『LADIES
& GENTLEMEN』にはこのフィラデルフィア公演からは収録されていません。
ということで、このショーの後半はライブから46年間経った今まで世に出たことがなく、今回の初ブート化で遂にその全貌が聴けるというものであります。
今回のこのDAC盤ではそのSB音源部分の素の演奏を聴いて、「ほんとに"good
morning"って言ってから始まってるんだ」とか、「Unreleased Live Albumと違ってボーカルのオーバーダビングはされてないんだ」とか、隠密とSB音源の聴き比べまで出来ちゃうというだけでなく、SB音源では出回っていない後半の演奏を初めて聴くことができるというのがポイント。
しかしながらその隠密音源は玄人向けの音であり、そこに意味を求める人だけが秘かに喜びを分かち合うという、まさにコレクターズCDなのであります(笑)
はい、Disc1は決して広く勧められる音ではありません。
でもしかし、なのであります(笑)
遂に聴くことができた"Midnight
Rambler"以降の熱演ににんまり。
それだけに、タイトルは使い回しのVol.5よりも、なんかこうグッとくるものが欲しかった(笑)
なお、このDisc1と次に紹介するDisc2を聴き比べると、両者のスピードはちょっと違ってDisc2の方が少し速いので、同時再生での比較はちょっと手間だったりもします(笑)
はい、ということで続いてDisc2。
こちらは、7/21の1stショーと2ndショーのSB音源を組み合わせて、7/21フィラデルフィア公演を1つのショーとしてまとめたもの。
これが単なるかさ増しのおまけではなく、新生フィラスペとしてなかなかにナイスだったりもします。
アナログ・サウンドボード・マスターの最新リマスターと謳うだけあって、既発のような刺激的な音ではなくマイルドな作りで、耳に突き刺さるあのギターの迫力はやや後退していますが、聴き疲れない耳あたりのいいサウンド。それでいて低音がしっかり鳴っているのがナイス。
このナチュラルな方向性は人によって好みが別れるかもしれませんが、アナログライクな見事な"EX-"サウンドに生まれ変わっています。
曲によって多少差はあれど、個人的には前半の曲はもう少しギターはONの方がいいかなぁ〜と思いますが、これはこれでかなりいけてます!
なお、こちら紹介後にラトルスネークさんから教えていただき気づきましたが、"Bye
Bye Johnny"の冒頭イントロが2〜3秒頭欠けしている部分には『KEEP
YOUR MOTOR RUNNIN'』などでお馴染みの7/20フィラデルフィア公演のリミックス音源からパッチあてがなされています。
そもそも昔のVGP盤『PHILADELPHIA
SPECIAL』では"Bye Bye Johnny"が頭欠けしたまま追加されてたんでしたねー。
72コーナーに書いてましたが、す〜っかり忘れてました(笑)
さて、そんな感じで気持ちよく聴いていましたが、このディスクには"Uptight
- Satisfaction"が未収録。
前述したとおり、7/21の1stショーのラストに"Uptight
- Satisfaction"をやったのかはよくわかりませんが、『PHILADELPHIA
SPECIAL』に収録されている"Uptight
- Satisfaction"はこの7/21の2ndショーからというのが定説です。
今回のDisc2は75:02もあるので、80分ディスクでもギリギリ入らないことから未収録なのかと思いますが、そこがちょっと惜しい。
とはいえそれを加えてSB音源部分が40分ずつの2枚組で合計3枚組になっちゃうってのも微妙ですかね。
フィラスペにちなんだタイトルでSB音源だけの2枚組ってのも欲しくなってきました。
その時はタイトルは『PHILADELPHIA
SPECIAL Revisited』とか(笑)
だって今回のDisc2は最高っすから(笑)
ということで、Disc1ははっきり言ってマニア向けですが、面白い。
Disc2はおまけ以上に俄然楽しめる、まだまだ聴き倒さねばと思う新生フィラスペでありました!
『 TACOMA 2002 』 no
label (2CD)
aud.recordings@Tacoma Dome, Tacoma, WA. Nov.6,
2002
●Disc
1
1. Intro / 2. Brown Sugar / 3. It's Only Rock'n Roll / 4. Start Me Up /
5. Don't Stop / 6. Tumbling Dice / 7. Monkey Man / 8. Wild
Horses (with Sheryl Crow) / 9. You Can't Always Get
What You Want / 10. All Down The Line / 11. Midnight Rambler / 12. Band Introductions
/ 13. Slipping Away / 14. Before They Make Me Run
●Disc 2
1. Sympathy
For The Devil / 2. When The Whip Comes Down / 3. Little Red Rooster / 4. You
Got Me Rocking / 5. Gimme Shelter / 6. Honky Tonk Women / 7. Street Fighting
Man / 8. Jumping Jack Flash / 9. Satisfaction
これ、ちょこっとだけ聴いて紹介は来週にしようと思ってましたが、聴き始めたら止まりませんでした(笑)
こちら今年の8月末にネットに公開された極上新音源からで、初ブート化となるタコマ公演。
ライブから16年も経ってこうして素晴らしい新隠密音源が出てくるというのは嬉しいところ。
さて、LICKSツアーはスタジアム、アリーナ、シアターという会場の大中小に応じてそれぞれコンセプトを持って敢行された素晴らしいツアーでしたが、こちらは9/3〜11/30までのUSツアー1stレッグの終盤、シアトル近郊のタコマでのライブ。
2日前の11/4にはロスのウィルターン・シアターでシアター・ショウを終え(ロスとアナハイムで大中小に参戦した方も日本からは多かったのかな?)、北上してワシントン州タコマに乗り込んできたストーンズ。
この会場名はタコマ・ドームですが、いわゆるスタジアムではなくアリーナ会場で、ライブ収容人数は20,000人ほど。
ちなみにタコマ・ドームのこけら落としは1983年、デヴィッド・ボウイのシリアス・ムーンライト・ツアーだったそうです(by
wikipedia)
さてこの2002年当時はネットも一気に一般化して、ライブ終了後には選曲もすぐにわかるようになってきた時代、アリーナ級では"Street
Fighting Man"がオープニングというのが定番化していましたが、このタコマではスタジアム級のオープニングナンバーである"Brown
Sugar"からスタート!
そんなある意味サプライズからスタートしたタコマでのライブ、熱いです。
"Brown
Sugar"に"IORR"ではちょっとミックが構成をミスってるところがありましたが、全く動じない盤石の演奏で引っ張っていくのが頼もしい。
そして3曲目にもう"Start
Me Up"というスタジアム級のセットリストというのも面白い。
ストーンズはロスから北上してこのタコマでやった後、すぐに南下してサン・フランシスコからベガスと回るので、このシアトル近郊ではアリーナ会場でもスタジアム級の選曲で臨んだのかもしれません。
そんな公演ですが、これがまた16年も眠っていたとはという素晴らしい隠密音源で楽しめるというのが嬉しい。
40列目付近での録音ということで距離感こそ少し感じるサウンドで、やや音像は小さくフラットなものの、音の抜けもすこぶるよく、DAT全盛期にしてMaxellのXLII-Sというカセットテープで録音されたサウンドが何よりナチュラルで、Bステージがこれまたよくてボビーがよく聴こえるのもポイント高し。
さらに周りもさほどうるさくないという見事な隠密録音。
ネットにアップされた音も元々素晴らしい音質でそのままプレス化しても何も問題なさそうな感じでしたが、低音を少し絞る調整を行ったようで、さらに聴きやすくなっており、当時の隠密としては最高レベルの"EX-"。
演奏はツアー開始から3ヶ月目に突入し、盤石な演奏をみせてくれますが、前座もつとめてこの時期一緒に回っていたシェリル・クロウが登場するのは"Wild
Horses"。
この時期"Honky Tonk Women"か"Wild Horses"で共演していましたが、この"Wild
Horses"はナイス。
そしてこの日の"All Down The Line"は何が起こったのだというのほどミックが熱い。
ミックとロニーのテンションがぐっと凝縮された感じで素晴らしい。
さらに"Midnight
Rambler"もこの時期は中盤こんなアレンジだったっけ?と今聴くと少し新鮮。
そういえば2003年の来日公演物はいろいろリリースされたので聴いてましたが、2002年のライブを聴くのは久しぶりのことだったり。
ブート新作としても2003年とか2004年以来じゃなかろうかと。
そしてBステージは"When
The Whip Comes Down"に"Little Red Rooster"に"You Got Me
Rocking"。
なぜかこの日の"Little Red Rooster"のイントロでミックはハープは吹いてませんが、後半には吹いてて一安心。
いやしかし音いいですよこれ。
そしていまの円熟したステージもいいけど、この頃は若いなぁ〜なんて思って聴いてましたが、何のなんの、これミックとキースは60歳手前なんですよね(笑)
老いてますます壮んなり。
ということでこの音源が公開されたことに感謝感謝の素晴らしい隠密でした。
Aug 2018
『 BIRD'S VAULT VOL.1&2 』 GOLDPLATE
GP-1802CD1/2 (2CD)
studio outtakes from OBR vinyls
●Disc 1 - BIRD'S VAULT VOL.1
1.
Heartbeat * / 2. Can't Find Love I ** / 3. Something I Want I (aka Your Love)
* / 4. Forty * / 5. Show Me A Woman I - aka Tie You Up (The Pain Of Love) *
/ 6. The Golden Mile * / 7. Feel On Baby I (Keith Vocal) + / 8. Christine *
●Disc
2 - BIRD'S VAULT VOL.2
1. Miss You I (Instrumental) / 2. Show Me A Woman
II - aka Tie You Up (The Pain Of Love) * / 3. Wanna Hold You II ** / 4. Too
Much Blood III ++ / 5. It's A Lie II = / 6. In Your Hand * / 7. All About You
I (aka Train Song) / 8. Identification * / 9. When You're Gone I (aka Redeyes)
/ 10. Little T&A I / 11. Just My Imagination II
Pathe Marconi Studio,
Boulongne Billancourt, France
Oct 10 - Dec 15, 1977
Jun
10 - Aug/Sep 1979 =
Nov 11 - Dec 19, 1982 *
Jan 30 - mid
Mar 1983 +
Basement Demo mid Oct - Nov 7, 1982 **
Compass Point Studios,
Nassau, Bahamas / Hit Factory, New York. April / May 1983 ++
リリース・インフォいわく、
> ストーンズ・コレクターの間ではお馴染みの"OUTSIDER
BIRD RECORDS"から2018年急遽アナログ・リリースされ注目を集めたレア音源コンピレーション、
>『BIRD'S
VAULT VOL.1&2』がオリジナル原盤からさらにクオリティ・アップされた最新リマスター・エディションとしてGOLDPLATEよりプレスCD2枚組で登場!
とのこと。
IORRにはアナログ落とし音源やピッチ修正を施したリワーク音源などが公開されていますので、元はそれらからかもですが、OBRのタイトルとサブタイトルのRI
61/16もそのまま、内ジャケにはアナログジャケからリワークし、OBRを騙ったりNo Labelで出すのではなくGOLDPLATEカタログでリリースするという、驚きのというかある意味潔いコピー盤。
でもOBRから今更アナログのみでリリースされてもなぁ〜なんて思っていたわたしのような不届き者には嬉しいリリース。
ちなみにOBR盤にはホフマンのWeissbuch(ホワイトブック)RECORDING
INDEX表記でのインナーがついていて、各曲が初登場か既発かがわかるようになっており、OBR盤のサブタイトルにしてこのGOLDPLATEの内ジャケや盤面にも記載されている「RI
61/16」とは、ホワイトブック風の「Recording Index 1961 - 2016」のこと。
また、OBR盤にはOBRコレクターには嬉しいおまけであるOBRのLP/CD全作品カタログがついていますが、肝心の『BIRD'S
VAULT VOL.2』を『BIRD'S
VAULT VOL.1』と、そちらからコピペしたままの誤表記をやらかしてます。
さて、そんなOBR盤が元になってるこちらですが、中身は昨年来いろんなレーベルからリリースされたものと同じものも多く、どんなものかと聴いてみると、
"Heartbeat"は『TOO
MUCH BLOOD』(DAC-182)や『ALL
ABOUT YOU』(DAC-187)と同じなれどそちらとは左右逆で、音質自体はこちらの方がよい。
"Can't
Find Love I"も『TOO
MUCH BLOOD』(DAC-182)の"I Can't Find Love 2"と同じなれどそちらとは左右逆。
"Something
I Want"は初登場かと。ミックもキースも歌ってます。なお、このGOLDPLATE盤ではピッチが速かったOBR盤のピッチを補正しています。
"Forty"も『ALL
ABOUT YOU』(DAC-187)と同じなれどそちらとは左右逆。
"Show
Me A Woman - Tie You Up (The Pain Of Love)"は既発の初期テイクよりも更に初期のまさにジャム音源。
"Feel
On Baby"はキースがボーカルというダブバージョンを彷彿させる素晴らしいテイクですが、2分ほどでフェードアウト。
これまたOBR盤ではかなりピッチが速かったのを調整しています。
"Wanna
Hold You"は『THE
VIRCHOV TAPE』(DAC-181)とは違って、あそこまでの勢いはない初期テイクのようでジーっとノイズが載っていますが貴重。
冒頭にミックの声が入っていてドラムはチャーリーではなく、不明なれどこれがもしかしたらキースが言っていたミックのドラムのバージョンか?
"When
You're Gone I (Redeyes)"はロニーのソロ『1234』に収録された"Redeyes"の初期インスト。
という感じで既発と同じながら左右逆だったりというものも多いですが、"Something
I Want"、"Show Me A Woman I - Tie You Up (The Pain Of Love)"
、"Feel On Baby"、"Miss You"、"Show Me A Woman II -
Tie You Up (The Pain Of Love)"、"Wanna Hold You"、"When
You're Gone"が初登場かと。
ということで、ほんとはOBR自身が丁寧にCD化すればいいんですけど、このGOLDPLATE盤はOBRのアナログ落としが元とはいえ針音がチリチリすることもなく音質も元々"EX-"とよく、ピッチ修正もされているので、コピー盤なれど聴きやすく便利な盤だったりしました。
『 FUCKIN' AND SUCKIN' 』 DAC-190 (1CD)
SB
recordings@L'Olympia, Paris, France. Apr.11, 1967 + more
●
L'Olympia, Paris, France. Apr.11, 1967 (EUROPE 1)
1. Paint It Black / 2.
19th Nervous Breakdown / 3. Lady Jane / 4. Get Off Of My Cloud - Yesterday's
Papers / 5. Under My Thumb / 6. Ruby Tueaday / 7. Let's Spend The Night Together
/ 8. Goin' Home / 9. Satisfaction
● 7th British Tour, Sep.23-Oct.9, 1966
10.
Band Introduction by Long John Baldry / 11. Under My Thumb / 12. Get Off Of
My Cloud / 13. Lady Jane / 14. Not Fade Away / 15. The Last Time / 16. 19th
Nervous Breakdown / 17. Have You Seen Your Mother, Baby, Standing In The Shadow?
/ 18. Satisfaction
● L'Olympia, Paris, France. Mar.29, 1966 (2nd show)
19.
19th Nervous Breakdown / 20. Get Off Of My Cloud / 21. The Last Time / 22. Satisfaction
●
Eamonn Andrews Show (ABC-TV), Feb.6, 1966
23. Mick discusses with Eamonn
Andrews / 24. 19th Nervous Breakdown
67年のオランピア公演と聞くだけで興奮を覚えないストーンズ・ファンなどいるだろうか?いや、いまい。
それほど熱い演奏が聴けるオランピア、ブートで持っていないストーンズ・マニアなどいるだろうか?いや、いまい(笑)
ざっと思いつくのをあげただけでもこんなに(笑)
『STILL
I'M GONNA MISS YOU』(VGP-073)
『A
ROLLING STONE GATHERS NO MOSS』(VGP-101)
『READY
STEADY STONES』(VGP-248)
『PARIS
MATCH』(DAC-007)
『OLYMPIA
LIVE IN THE SIXTIES』(GP-1302CD1/2)
ということでもう何枚目のオランピア67かと思いながらも、聴いてみるとしっかり代表盤として仕上げてくるあたり、さすがはDACであります。
高音もナチュラルになり断然聴きやすく、ピッチも正しく調整され、またかと思ったら凄かった!
既発を上回る文句なしの"EX"〜"EX-"。
とはいえオランピア67は"Lady Jane"
"Goin' Home" "Satsifaction"の後半の旧音源部分が新音源にならない限り、これで打ち止めでお願いしたいものです(笑)
とまぁこれ以上のコメントもないんですが、素晴らしきオランピア67と、その他の収録曲も楽しめる作品です。
66年のUKツアー部分は、2016年にDAC/VGP直営店で8,000円以上購入するともらえるギフトCDとして配布された『WE
WANT THE STONES』の「GOT LIVE IF YOU WANT IT! 1966 (reconstructed)」部分から、65年だった"Time
Is On My Side"と"I'm Alright"をカットして純然たる66年仕様にしただけのようですが、聴きごたえあり。
66年のオランピアは『OLYMPIA
LIVE IN THE SIXTIES』(GP-1302CD1/2)と同じくすっきりしたサウンドに生まれ変わっています。
ただし"The
Last Time"冒頭のなんじゃこりゃノイズは変わらず。この曲はオープニングでやったと思いますが、今回のDAC盤では4曲中3曲目に差し込まれてます。
最後の「EAMONN
ANDREWS SHOW」はちょっと音質は劣りますが、初めて聴いた貴重な音でした。
そしてこちらはリリース・インフォが詳しいので、ちょっと抜粋して貼っておきます。
----------------
1967年ヨーロッパ・ツアー唯一のサウンドボード音源であるパリ、オランピア公演を高音質で収録した定番音源、オリジナルは'82年5月31日にフランスでAM放送でオンエアされた再放送分から収録したLP『FUCKIN'
AND SUCKIN'』(RS-TAP-010)になります。
'83年にリリースされた同LPは'65年のオランピアでのテイクとオムニバス形式で収録されコンプリート版でなかったにもかかわらず、マニアの間で高額で取引される人気アイテムとなります。その後CD時代となって'67年の初回放送から完全収録されたタイトルがリリースされたり、'90年代半ばにはFM放送で歴代オランピア公演が抜粋ながら高音質で再放送され『STILL
I'M GONNA MISS YOU』(VGP-073)という人気タイトルを生み出しました。
'04年にはファン・メイドの「MUSICORAMA
MIXDOWN」というダウンロード・ブートが公開され、そこからテイクした『PARIS MATCH』(DAC-007)がベスト音源とされていましたが、今回のリリースではFM放送のデジタル・エアチェックをさらに磨き直して高音質の再放送分ではカットされている2曲を'67年の初回放送からパッチングしています。
一聴すると『PARIS
MATCH』と同じ編集に聞こえるかも知れませんが、実際は1曲ごとに調整を施してオリジナル放送のフォームへとコンパイルし直してあります。
既発ではやや強すぎた高域もブーストすることなくフラットな状態でトランスファー、またやや速かったテープ・スピードもオリジナル通りに収録されています。
「MUSICORAMA
MIXDOWN」では再放送分からながら、カセット収録で他の部分より若干音質が落ちていた"Under
My Thumb"もデジタル・ソースより取り直されていますのでほぼライブ全体をフラットで均等な高音質で楽しめます。
また"Ruby
Tuesday"の終了後のステーション・ブレークのナレーション部分は初登場と思われます。
また本公演はiTunesで『'67
Sessions』として「MUSICORAMA MIXDOWN」から複製した音源がリリースとなっていますが、やはり既発ものよりも向上した部分も無く他の追加トラックもエド・サリバン・ショーのブートDVDからの音声、MIDNIGHTレーベルの『SATANIC
SESSIONS』ボックスからのコピーや、YouTubeからテイクした"She's A Rainbow"の正規テイク片チャンネル・パイレートをBBCの「TOP
OF THE POPS」からのライブ・テイクとミス・クレジットで収録するなど大変に厳しい収録内容でした。
本作の追加トラックには'66年UKツアー、'66年オランピア、'66年UKのTV出演より15トラックを追加収録。
'66年UKツアーはいわゆる『GOT
LIVE〜』音源ですが、"Under My Thumb"の頭欠けや"The Last Time"のカットを補正したスペシャル版。
疑似ライブの2曲と'65年UKツアーの音をカットし、貴重な'66年UK音源のセットを再現しています。
本音源でのミックのボーカルは全てスタジオで録り直しされており純然たるライブとは言い難い音源ではありますが、パンキッシュな演奏は魅力に溢れています。
CD時代になって音源に手直しが行われ、"Under
My Thumb"はボーカルが別バージョンに変更、"Get Off Of My Cloud"は可能な部分でのミックのハンド・クラッピングをカット、"Lady
Jane"ではキースのアコギのオーバーダブ無しに変更等、細かい部分に多くのバリエーションが生じました。
"Satisfaction"は『CHARLIE
IS MY DARLING』のブルーレイ化の際に登場したフェードアウトしないコンプリート・バージョンですが、エンディング部分は他公演のテイクより継ぎ足されたものです。この部分も既発ものよりも音圧が上がり迫力のある音になりました。
'66年オランピアの4トラック分はやはりデジタル・マスターの音声より収録され、正確なスピードで『STILL
I'M GONNA MISS YOU』に収録のものよりも大きくアップグレード化しています。
ラストの2トラック分は'66年2月6日に出演した「EAMONN
ANDREWS SHOW」からの音源で、音質は他のトラックより劣りますが本邦初登場の貴重な音源。
TVのスピーカー越しの録音ですのでやや聞き辛くはありますが、当時の最新シングルである"19th
Nervous Breakdown"をレコードのバッキング・トラックを使用して生歌で披露しています。トーク部分では曲の歌詞について司会者に細かく突っ込まれるミックがなかなか笑えます。
ブライアン・ジョーンズ在籍時の貴重なラスト・ツアー音源に加え同時期の良質なパフォーマンスを高品位なリマスター・サウンドで24トラックもコレクトしたお得盤。
演奏している本人達にも、もはや制御不能なほどにパワフルでパンキッシュな最高のステージをたっぷりと収録したフリーク感涙のマスト・アイテムです。
----------------
ということで、またオランピアかと思いつつ、さすがはDACという作品でした!
『 THE COMPLETE LIVE'R THAN YOU'LL EVER BE 』 DAC-189 (2CD)
aud.recordings@Alameda
County Coliseum, Oakland, CA. Nov.9, 1969 (1st & 2nd shows)
●Disc
1 - Mono audience recordings (1st show)
1. Sum Cutler Introduction / 2. Jumping
Jack Flash / 3. Prodigal Son / 4. You Gotta Move / 5. Carol / 6. Sympathy For
The Devil / 7. Stray Cat Blues / 8. Love In Vain / 9. I'm Free / 10. Under My
Thumb / 11. Midnight Rambler / 12. Live With Me / 13. Little Queenie / 14. Satisfaction
/ 15. Honky Tonk Women / 16. Street Fighting Man
●Disc 2 - Stereo Matrix
of 2 mono audience recordings (2nd show)
1. Sum Cutler Introduction / 2.
Jumping Jack Flash / 3. Carol / 4. Sympathy For The Devil / 5. Stray Cat Blues
/ 6. Prodigal Son * / 7. You Gotta Move * / 8. Love In Vain / 9. I'm Free /
10. Under My Thumb / 11. Midnight Rambler / 12. Live With Me * / 13. Gimme Shelter
/ 14. Little Queenie / 15. Satisfaction / 16. Honky Tonk Women / 17. Street
Fighting Man
- Stereo Matrix of 2 mono audience recordings
#1 [L]:
TMOQ source
#2 [R]: alternate source
(*) with parts from mono
soundboard recording (FM broadcast)
DAC新作第2弾、こちらもマニアにはすっかりお馴染み、Nite
Owl and WardPhillips氏によってネットに公開された、2ndショーの隠密ステレオマトリックスがDACからもリリース。
69年の隠密ブートといえば、ストーンズ初のブートレッグであるTMOQ(Lurch
Records)の『LIVE'R
THAN YOU'LL EVER BE』というくらい、オークランドの2ndショーがなんといっても有名。
ストーンズ初のブートにして、『これ以上の生々しさは今後も味わえない』という挑発的なタイトルがいかしてます。
このブートの評判と売れ行きがオフィシャル・ライブ盤『GET
YER YA-YA'S OUT!』が制作されるきっかけとなったとさえ言われる名盤でありました。
そんな有名な2ndショーが、そのTMOQ音源ともう一つの別音源を左右に配してネットに登場したのがNite
Owl Productionのステレオマトリックス。
そのステレオマトリックスはLHとMoonchild
Recordsから早々と4月に『LIVE
IN OAKLAND 1969』(no label)、『LIVE'R
THAN YOU'LL EVER BE - Stereo Matrix』(Moonchild Records)としてリリースされており、それらとの差別化を図るためか、DACはその2ndショーに負けじと高音質な1stショーを久しぶりに登板させた、オークランド1st&2ndショー完全版仕様で登場。
まずは1stショー。
こちらはCDでは『LIVE'R
THAN THEY'LL EVER BE』(OBR 305-CD-020)、『BRING
IT BACK ALIVER』(Gold Standard 94 14 05)などが90年代にリリースされていましたが、2001年にVGPが向上盤『POT
BOILER 1969』(VGP-265)をリリース。
『POT
BOILER 1969』(VGP-265)はその後"JJF"の音量変化と"You
Gotta Move"1:07での落ち込みを改良した2ndバージョンがリリースされ(裏ジャケのクレジットが2004、そしてミックとキースとビルの写真)、1stショーの決定盤となっておりました。
なお、Gold
Standardでは欠落したままの"I'm Free"冒頭の40秒ちょいは、OBRとVGP盤では2ndショーから補填されています。
今回の1stショーの音質は、元々高音質でしたのでそのVGP盤とさほど違いを感じません。
その一方で、後述する2ndショーでの調整の影響もあってか、ほんのわずかにスピードを調節したようで、1曲につき2秒ほど、全体では31秒長くなっています。
また、"JJF"後半の落ち込みや、"You
Gotta Move" 1:07での落ち込みに対しては、『POT
BOILER 1969』(VGP-265)の2ndバージョンと同じく丁寧な調整がされています。
"I'm
Free"冒頭もOBRやVGP盤同様、1stショーから補填されています。
わたくし69コーナーでは"very
good++"と表記していますが、もう"EX-"ですよね、これ(笑)
1stショーは"JJF"後半に起こった電気トラブルによってアコースティック・コーナーを繰り上げて演奏しているため、やや変則的なセットリストになっていますが、もう最高ですわ、はい。
こうして久しぶりに聴くと感動を覚えます。
そして2ndショー。本来こちらが目玉なんですが、4月にLH盤を散々聴いたので新鮮味はありません。
4月に紹介済みのおさらいになりますが、左chにはストーンズ初のブートである『LIVE'R
THAN YOU'LL EVER BE』のTMOQソース。
そして右chには2010年に登場したもう一つの隠密音源。こちらはDACの『LIVER
THAN YOU'LL EVER BE』(DAC-116)でCD化されています。
そしてアコースティック2曲と"Live
With Me"では『OAKLAND
SIXTY-NINE』(RS-692 VGP-003)でおなじみのビル・グレアムのSBソースを使用しています。
なお、オープニングMCは1stショーからです。
これら3つのソースを丁寧に駆使することで驚異のステレオマトリクスを作り上げ、TMOQ音源の欠点である"JJF"でのドロップと"Under
My Thumb"のテープチェンジによる欠落、そしてもう一つのソースでは欠落している"Live
With Me"問題を見事に解消し、素晴らしい疑似ステレオサウンドを楽しめるようになっています。
そしてLH盤ではネットに公開されたそのNite
Owl Productionのステレオマトリックスはピッチがやや高かったということで修正がなされていましたが、今回のこのDAC盤はどうかというと、こちらでも同様に修正がされています。
したがってNite
Owl Productionの大元であった『LIVER
THAN YOU'LL EVER BE』(DAC-116)もちょっと速かったということなんでしょう。
その影響もあってか、今回1stショーでも少しピッチ調整がなされているのかもしれません。
ということで、そこだけ気になってましたが、これぞLIVE'R最強盤であります。
とはいえ2ndショーはやっぱりTMOQソースだけでも聴きたいものでありますが(笑)
なお、内ジャケにはUher
Report tape recorderの写真が使われていますが、これは後にリリースされた4-trackステレオのReport
4400で、ダブが録音に使ったモノラルのReport 4000ではありません。
どうしてこの写真をチョイスしたんでしょう・・・あ、ステレオマトリックスだからあえてのお遊び写真なんでしょうか。
ちなみにReport
4000はコチラ。
https://theamazingkornyfonelabel.wordpress.com/2012/10/31/ken-in-his-own-words-part-5/
裏ジャケの裏にはスタンパーの写真。これ10年ほど前に300ドルほどで売られたものらしいです。
知ってればもっと高値を付けたのに(爆)
https://theamazingkornyfonelabel.wordpress.com/2018/07/07/the-rolling-stones-liver-than-youll-ever-be-a-wcf-copy-4045-a-look-at-the-tmoq-original/
ということではい、2ステレオマトリックスは遅れてのリリースとなりましたが、1stショーと2ndショーのLIVE'R、お気に入りのガムならぬLIVE'Rが新しくなってカムバック、LIVE'R最強盤でありました。
『 KEYS TO YOUR LOVE 』 DAC-188 (1CD)
studio sessions@Studio Guillaume Tell, Suresnes,
France. May 13 - June 7, 2002 + Toshiba EMI Stuidos Tokyo, Japan. Mar.3-5, 1995
・Studio
Guillaume Tell, Suresnes, France. May 13 - June 7, 2002
1. Just Because 1
/ 2. Dreams / 3. Cried Out / 4 Just Because 2 / 5. Love Is A Test / 6. When
I Call Your Name / 7. U Don't Wanna / 8. Don't Stop / 9. Keys To Your Love
・Toshiba
EMI Stuidos Tokyo, Japan. Mar.3-5, 1995
10. Let's Spend The Night Together
/ 11. No Expectations / 12. Beast Of Burden / 13. Memory Motel
もうすっかり有名な音源となりましたが、2002年『FORTY
LICKS』セッション時のアウトテイク9トラックが、突如としてIORRにトレード希望と投稿されたのが2017年11月。
それが2018年4月になって遂にIORR上でリークし、その超絶極上EXな音質と共に驚きをもって迎えられたのであります。
ということでさっそく4月中にGOLDPLATEから『FORTY
LICKS SESSIONS in the studio』(GP-1801CD)、Moonchild Recordsからは『LICKS
SESSIONS』(no number / 2 covers)、LHからは『PARIS
SESSIONS 2002』(no label)、さらにRattle Snakeからも『2002
LICKS SESSIONS』(RS-310)としてリリースされています。
GOLDPLATE盤とRattle
Snake盤は『FORTY
LICKS』や『FOUR
FLICKS』などに収録された曲やチャリティーシングル"Hurricane"などを追加収録し、曲間ギャップは切り詰めてつながって楽しめます。
Moonchild盤はリーク音源のみで、曲間ギャップはオリジナルの4秒ほど。
LH盤は『FOUR
FLICKS』から2曲を追加収録し、曲間ギャップは2秒ほど。
ということでお得感のあるのはGOLDPLATE盤という感じでした(でも実はわたくし10月になって入手したRattle
Snake盤が一番音がよかった)。
さて、このDAC盤はそのLICKSアウトテイクに加えて、そこからさかのぼること7年前の1995年東京セッションから流出音源の4曲がボーナス収録されています。
まずは2002年パリ音源ですが、曲間ギャップは3秒ほどで、、、もうすっかりお馴染みなので曲間ギャップ以外の特記はありません(笑)
キースのソロの"Trouble"の原曲はここにあったのかという"Just
Because"を含む貴重な音源です。
ボーナスの東京セッションのアウトテイクはDACレーベルでは初収録となりますが、その昔『STRIPPED COMPANION』(RSTS 001)で4曲が初登場し度肝を抜かれた音源で、DAC前身のVGPの1998年アムステルダム公演シリーズ『CAME TO ROCK THE ARENA』(VGP-191)、『BABYLON FOUR ON THE FLOOR』(VGP-192)、『CHECK OUT WHAT'S ROLLING(VGP-193)、『ROCK'N ROLL AVALANCHE』(VGP-194)にも1曲ずつシークレットで収録されていました。
そして2015年5月にはIMPからSTRIPPED集大成の『THE
ESSENTIAL STRIPPED TRACKS』(IMP-HR-1003)がリリースされています。
IMP盤はオフィシャル『TOTALLY
STRIPPED』に収録されたパラディソ公演の翌日からの"It's
All Over Now"のライブバージョンを収録していて、これは一時期iTunesのみで販売されたちょっと貴重な音源を含んでいました。
今回のDAC盤に収録されたものは、東京セッションからの流出4曲のみですが、既発と比べると"No
Expectations"は冒頭のカウントとエンディングの余韻がほんのわずかに長く、"Beast
Of Burden"の冒頭のカウントや小声のチャット、"Memory Motel"も冒頭のつまびくところとカウントが入っているちょいと長いバージョン。
その長くなった部分の音質は既発部分とはちょっと違って劣ってたりもするので、別マスターからの繋ぎかも。
なお、"Let's
Spend The Night Together"1:24での左chのひずみは今回も解消されていません。
ということでスタジオセッション物にボーナス収録するのにちょうどよかった4曲分の最長バージョンの登場ですが、2002年のセッションアウトテイクに1995年のセッションがボーナスというのはやはり少し違和感が。
そして年代別にラックにしまい込むと、そのボーナスの存在を忘れ去ってしまうという欠点もあり(笑)
ところでこの作品の表ジャケのミックの写真は2012年パリでのリハーサルからで、当時ミックのFacebookにアップされたもの。
なんでCDに収録されてる本編ともボーナスとも大きくずれた年代の写真にしたのやら?
また裏ジャケはMoonchildの中ジャケと同じくコネチカットの自宅でピアノに向かうキースで、こちらは2002年のもの。
手だけじゃなく素足も鍵盤にのっけていますが、ピアノの上に飾られているのは孫のオルソンとチャーリーの写真というのが微笑ましいショット。
ということですが、超絶極上アウトテイクの詰め合わせでした。
『 WARSAW 2018 』 no
label (2CD)
aud.recordings@PGE Narodowy, Warsaw, Poland. Jul.8,
2018
●Disc
1
1. Intro / 2. Street Fighting Man / 3. It's Only Rock'n Roll / 4. Tumbling
Dice / 5. Just Your Fool / 6. Bitch
/ 7. Like A Rolling Stone
/ 8. You Can't Always Get What You Want / 9. Paint It Black / 10. Honky Tonk
Women / 11. Band Introductions / 12. You Got The Silver / 13. Before They Make
Me Run
●Disc 2
1. Sympathy For The Devil / 2. Miss You / 3. Midnight
Rambler / 4. Start Me Up / 5. Jumping Jack Flash / 6. Brown Sugar / 7. Gimme
Shelter / 8. Satisfaction
No Filter 2018 UK/EUツアー最終日、ポーランドはワルシャワ公演。
ストーンズがワルシャワで初めて公演したのは1967年のこと。
映画『CROSSFIRE
HURRICANE』でその映像が使われていますが、当時は鉄のカーテンの向こうの共産主義国だったポーランド。
チェコのプラハもそうでしたが、当時のポーランドにとってストーンズ来訪は大きな事件だったのです。
そしてその後、次のストーンズまで30年もの年数を要し、ようやく1998年、その後も9年待って2007年、そして11年後の今回と、毎度長く待たねばならない運命にあったのです。
ということで今回も待ちに待ったストーンズ来訪、ポーランドのロック・ファンは大喜び。
会場でも前座のトロンボーン・ショーティーで大いに温まった後、ウェーブがスタンドの1階と2階で何周も駆け巡る盛り上がり。
ミックやキースに恋してる若い女の子達は、ついにライブで観れるというか、遂に会える!と涙ぐんでたりライブ中は超ノリノリだったり、ストーンズを楽しむ原点を振り返ることのできた素晴らしいライブでした。
そんな雰囲気を見事に2CDに封じ込めたのがこの作品。
ネットに公開されたワルシャワ公演の隠密音源はモノラルだったり、ステレオでも音がかなり遠かったりして、そのマトリクスまでも登場しながらろくなもんじゃなくやきもきしていましたが、今回のこちらはネットに出回っていない独自のORIGINAL音源!
騒いじゃうわたしは録音なんてまったくできないので、こうして素晴らしい音で録音してくれてかつブートに提供いただいた方に感謝感激です。
と前置きが長くなりましたが、この独自ORIGINAL音源、素晴らしいです。
演奏が近くて音像も大きく、左右の広がりもあり、屋根の空いたスタジアムの空気が感じられる適度なエコー、さらにウォーミーでナチュラルにして低音もしっかり拾って迫力もあり、上まで抜けもよい爽快感、インフォによると元音源は少しモコっとした音だったそうですが、それを微塵も感じさせない見事な調整がなされています。
そして周りの歓声も適度に入っていて臨場感もあり、やはりプラハのようなクセのあるサウンドより、こういうサウンドがわたくし大好きです。
自身が参戦して感激してる点を差し引いてもNo
Filter2018のトップを争うかなりの高音質。
ということでNo Filter 2018 UK/EUツアー最終公演、めでたく"EX"でございます!
さて最終公演、バンドは一つ前のプラハ公演後に一日観光もして、赤ちゃんを預かるミックにはメラニーがアメリカン・バレエ・シアターを終えて合流し、ライヴ前日にはサッカー・ワールド・カップでイングランドが準々決勝を勝ち進んでと素晴らしい雰囲気で迎えた最終公演ワルシャワ。
バンドもリラックスした温かい雰囲気を醸し出していましたが、手を抜くこともなくまずは最初の"Street
Fighting Man"から飛ばしてくれます。
わたしは隣に4人もの割り込みでピット用スピーカーの影に入ってキースが見えなくなったというフラストレーションを抱えましたが、それをも吹き飛ばす会場大盛り上がりでほんと楽しかったです。
いやしかしこのワルシャワ、voteがなかったんですよ。
でも久々の地でレア曲なんてやらないからもう決まっちゃってるんだろうなーと思いつつ、ちょっと期待してたんですが、そこで登場したのは"Bitch"。
ゲート前の並びでお昼ごろ、bangatkanagawaさんとZIP
Codeツアーでの"Bitch"についてお話ししていたところだったんですが、まさかここで"Bitch"かよと(笑)
しかーし、演奏はタイトに進み、キースもしっかり弾いてるのです!!これはよかった!
そんな中、ミックがやってくれちゃったんです(笑)はい、どこをどう間違えたかはお楽しみ(笑)
しかしほんとタイトな演奏で、70台半ばの高齢ストーンズかよとわが目を疑う素晴らしさでした。
中盤、"You
Can't Always Get What You Want"では、キースがダリルに見てみろよと合図して嬉しそうにしたのでわたしも後ろを振り返ってみると、スタンドの多くの人がペンライト代わりにスマホのライトを点灯して一面美しい星の海を作り上げていました。
他の会場でもみなやったのは知りませんが、ワルシャワのスタジアムがいたわりと友愛で包まれた瞬間でした。
余談ながら、「いたわりと友愛」という言葉にピンとくる人は少ないかもしれませんが、ピットから振り返りランウェイを進むミックがその光の海を進む見たまさにその瞬間、「なんといういたわりと友愛じゃ」というあのシーンが私の頭をよぎったのでありました。
ワルシャワ、なんて温かいんだろう。
さて、"Honky
Tonk Women"の演奏後、ミックはポーランド語でこう語りかけます。
"Polska
co za piekny kraj, jestem za stary by byc sedzia, ale jestem mlody by spiewac."
(I'm
too old to be a judge, but I'm young enough to sing.)
続けて英語で
"You
know we came to Poland a long time ago in 1967. It was fantastic. I hope you
get to hang onto everything you've learned since then, God bless you!"
もちろんライヴその時にはポルトガル語で何を言ってるのかわかりませんでしたが、これは元大統領でノーベル平和賞受賞者のヴァウェンサ(日本ではワレサとよく呼ばれますが、そもそも表記間違い)が「司法改革に反対し、"自由を守ろうとする"ポーランド人への支持を表明してほしい」とストーンズに呼び掛けていたメッセージに対するものでした。
ポーランドでは右派の与党「法と正義」が3日、最高裁判事の定年を引き下げる司法制度改革を断行し、最高裁長官を含む裁判官73人の3分の1以上が早期退職を強いられることとなりましたが、裁判官に早期退職を強いる司法改革は司法の独立と三権分立を揺るがし、右翼政権が進める改革によって政権による司法介入が可能になるとして、多くの市民が抗議デモを行い、ヨーロッパの多くの機関が懸念を表明していました。
それに対してミックは「僕は判事になるには歳を取りすぎてるけど、歌うには十分若いさ」。
「僕たちは1967年にポーランドに来たんだけど、あの時からみなさんが学んできたすべてを忘れないでほしい。神のご加護があらんことを」
1967年当時は共産主義体制下にあったポーランドが、その後民主共和政体を敷く民主国家へと変貌を遂げてきたことを指して、ミックがいま進められている変革への警鐘を鳴らしたのでした。
このヴァウェンサのメッセージについてはライヴ前日にTwitterで見かけていましたが、その時はヴァウェンサがワレサのことだと気付かず、そもそも右か左かもよくわからなかったので"いいね"をしただけだったんですが、そういうことだったんだと公演後にその意味を知って感動しました。
ということで話しが長くなりましたが、これはここに書いておかねばならぬことだったのであります。
さて、そんなことを後で知るもキースの"Before
They Make Me Run"に感動して迎えたのは"Sympathy For The Devil"。
昨年のNo
Filterツアーではオープニング・ナンバーに君臨しながらも、2018年にはツアー初日のダブリン以降、すっかり元の位置に戻ってしまったこの曲ですが、なかなかミックが歌い始めません。
あら?と目を凝らすと、ミックがステージ後ろに向かってマイクを振ってマイクの不調を訴えていましたが誰も交換に来ないので、自らマイクを持って後ろに下がるということになってて、ずいぶんイントロが長いことに。多分No
Filter最長イントロだったでしょう(笑)
そういえばこのスタジアム、屋根が空いているので照明で明るいところにチラホラ虫が飛んでて、ミックの口に入ったりと歌いにくそうなところは何度か(笑)
とまぁ長くなったのでもう端折りますが、最終公演、素晴らしかったです。
アンコールラストの"Satisfaction"ではミックも"Satisfaction,
Warsaw!"と連呼。
そしてキースがフィナーレをかき鳴らすと同時に花火が鳴り響き、感動のフィナーレを迎えるもそこでのリプライズにキースはおっとっと。
ギターを下ろしたところだったので慌ててストラップを右肩から下げてのブルースマンスタイルで、ロニーに遅れながらもちょろっとリプライズとあいなりました。
そして最後の挨拶はいつもより前、4人で最前列の真横にまで出てきてのお辞儀!
でもストーンズ再訪まで98年以降でも毎回およそ10年を要したポーランド。
スクリーンに映されたDo
Zobaczenia Wkrotce (= See you soon)というメッセージにも、これが最後になるかもという思いは強いでしょうが、戦争で蹂躙されても再興したポーランドの人たちは強いのであります。
またいつかポーランドで!!
ということで、ワルシャワの思い出が見事によみがえる素晴らしい最高の独自音源でした!!!
July 2018
『 STUTTGART 2018 』 no
label (DVD)
aud.shots@Mercedes-Benz Arena, Stuttgart, Germany.
Jun.30, 2018
●DVD
1.
Intro / 2. Street Fighting Man / 3. It's Only Rock'n Roll / 4. Tumbling Dice
/ 5. Ride 'Em On Down / 6. Let's Spend The Night Together / 7. Like A Rolling
Stone / 8. You Can't Always Get What You Want / 9. Paint It Black / 10. Honky
Tonk Women / 11. Band Introductions / 12. You Got The Silver / 13. Before They
Make Me Run / 14. Sympathy For The Devil / 15. Miss You / 16. Midnight Rambler
/ 17. Start Me Up / 18. Jumping Jack Flash / 19. Brown Sugar / 20. Gimme Shelter
/ 21. Satisfaction
+ bonus 22. ES-TV (part only) Street Fighting Man / It's
Only Rock'n Roll / Midnight Rambler / Satisfaction
シュトゥットガルト公演の隠密ショットを収めたDVD。
6月末、No
Filter 2018ツアーも残すは7月のプラハ、ワルシャワ2公演となった12公演目。
アイルランド、イングランドx7、ウェールズ、ドイツ、フランスと巡ってきてまたドイツに舞い戻ってのドイツ2公演目がこのシュトゥットガルト。
こちら、元はYouTubeにアップされたキース側ピットからのワンカメショットで(一部の曲でもう少し後方からの映像がありますが、それも曲単位でワンカメ)、曲間はことごとくカットされていますが、かなりの好アングル。
マルチカメラじゃない分、ピットからのライブを疑似体験できるというもの。
しかもミックだけを追うのではなく、いろいろとツボを得たカメラアングルで、まぁ個人的にはもっとキースを映してくれー!と思いますが、各メンバーを追える上にズームも大きくかなり楽しめる映像になってます。なお、インフォに記載のある"Tumbling
Dice"はメインカメラではない方ですね。
ということでかなり楽しめるんですが、大画面TVで見るにはさすがに粗かったり、フレームレート(コマ数)が少ないのと、発色が妙に濃いのが気になります。
発色が濃いのはハレーションで白飛びさせない撮影の秘訣なのかもですが。
PC画面で見るくらいがちょうどいいかも。でもPC画面で見るのであればYouTubeにそのまんまのがあったりもします。
そんなわけでナイスなアングルの映像なんですが、そのYouTubeにちょっとした落とし穴が。
この元映像、ほんとは"Ollie
Fabeck"氏と一部は"Y - G Bruce"氏によって、それぞれの曲がYouTubeに1080pでアップされています。
が、こちらのDVDの元映像は、両氏とは別の"Discography
Channel Various Artists 1"なるアカウントが、両氏のそれらの映像をまとめて一本に仕立てた映像が元になっている模様。
そこに落とし穴があり、"Discography
Channel Various Artists 1"は両氏の映像を全部そのままつないでいればまだよかったんですが、曲間を結構切りまくってつなげている上に(とはいえ元も短いところあり)、大元は1080pだったのを720pにダウンコンバートされています。
というわけで今回のこのDVD、曲間がほぼない上に、"Before
They Make Me Run"もOllie Fabeck氏による元映像では頭欠けどころかしっかり曲間もアップされているのにこのDVDではちょい頭欠けになってたりしてます。
ただし、"Before
They Make Me Run"後半でカメラを落として欠落している部分は、きちんと独自に別映像で補填されています。
いやしかしこの大元の"Ollie
Fabeck"氏と"Y - G Bruce"氏の1080pの映像から、Blu-rayなどに仕上げられていればもっとよかったのにと。
またDVDにするにせよ、元が720pのYouTubeからの映像より、結局720pにはなりますが元が1080pの映像から作った方がもう少し綺麗で、フレームレートももっと高い作品に仕上がったのではと思われます。
ボーナス映像の部分的なプロショットもYouTubeにある大元の方が綺麗っぽいです、はい。
いやほんとこういう映像こそGOLDPLATEがBlu-rayでリリースしてくれればいいのにと思いますが、昨年のデュッセルドルフを最後にGOLDPLATEもBD-Rをリリースしなくなっちゃったのが残念。
そんなわけでNo
Filter2018の映像作品でプレスDVDやBlu-rayは貴重なので最新のツアーの映像を楽しむには安価で助かる作品ですが、それだけに1080pで曲間ももっとある大元の映像から作られていればと。
演奏はハイ、好調であります。
シュトゥットガルトのvoteは"Let's
Spend The Night Together"なのでレア曲はないのがちょっと残念でしたが、全体的になんでこんなに元気なんだというミックのダンスもしっかり見れます。
ところでブートCDではカーディフとロンドン3、そしてこのシュトゥットガルトの計3公演のみCD化されていませんが、どこかから出ないもんでしょうか〜?
『 FRANKFURT 1976 1ST NIGHT 』 no
label (2CD)
aud.recordings@Festhalle, Frankfurt, West-Germany.
Apr.28, 1976
●Disc
1
1. Intro. / 2. Honky Tonk Women / 3. If You Can't Rock Me - Get Off Of
My Cloud / 4. Hand Of Fate / 5. All Down The Line / 6. Hey Negrita / 7. Tumbling
Dice / 8. Ain't Too Proud To Beg / 9. Fool To Cry / 10. Star Star
●Disc
2
1. MC / 2. Hot Stuff / 3. You Gotta Move / 4. You Can't Always Get What
You Want / 5. Midnight Rambler / 6. Nothing From Nothing / 7. Outa Space / 8.
It's Only Rock'n Roll / 9. Brown Sugar / 10. Jumping Jack Flash / 11. Street
Fighting Man
75ルイヴィルと並んでリリースされたのはフランクフルト76。
"Tour
Of The Americas '75"終盤に続いて今度は"Tour Of Europe '76"初日という、なかなか面白い流れです。
フランクフルト76といえば、2016年にLHからも『FRANKFURT
1976』としてリリースされたフランクフルト2日目の4/29が昔から有名ですが、今回はツアー初日が初登場。
40年以上経って初のブート化という、めでたしめでたしであります。
この76ツアー初日であるフランクフルト初日は、アナログ・ブート時代から"Hand
Of Fate""If You Can't Rock Me - Get Off Of My Cloud"だけが世に出ていましたが、忘れてはならないのがもう一つ。
LHの『FRANKFURT
1976』のTASBでのレビューでHaraさんが紹介されていたとおり、フランクフルト2日目を収録した『MORE
THAN WELCOME TO FRANKFURT』(VGP-135)に収録されていた"You
Gotta Move"が実はこの初日のフランクフルト公演からだったということが、今回の作品を聴くことによってはっきりわかりました。
この音源もIORRではトレーダー間で出回った『BLACK
& BLUE ON A FIRST DATE』なるCD-Rの音源が公開されていますが、今回初のブート化。
初ブート化ということですが、IORRからDLした元音源と聴き比べてみると、これが同じ音源なのかというほど見事な調整がなされています。
いやもしかしたらマスターのジェネレーションが違うのかもですが、かなり印象は異なるテイストです。
元音源は結構というかかなりモコモコしていながらもヒスノイズを感じますが、今回のこちらは結構聴けちゃう音質で、モコモコは一掃され、かつヒスノイズも全然気にならないレベルで、演奏はちょっと引っ込んで聴こえますが、元音源に比べると断然くっきりと浮かび上がり、素晴らしい進化を遂げています。
それでいて決してキンキンイコラではないのが素晴らしい。そしてピッチも細かく修正されているようです。
あと"Jumping
Jack Flash"前半で周期的に右chのレベルが下がってしまうところがありますが、そこはモノラル化して調整できなかったんでしょうか。そこだけちょっと残念。
そんな感じですがこの音源、周りもラストの方で手拍子が入るくらいで全く騒がしくなく、"very
good"は言い過ぎかもしれませんが、全然きけちゃう"good+"〜"very
good"。
とはいえまぁこれもルイヴィル75同様マニア向けではありますが、隠密慣れした方なら全然楽しめる音質に仕上がっています。
ヘッドフォンを外せばちょっと耳鳴りしますけど(笑)
そして初登場音源というだけでなく、76ツアー初日ということで、発売直後のニュー・アルバム『BLACK
AND BLUE』からの "Hand Of Fate" "Hey Negrita" "Fool
To Cry" "Hot Stuff" がライブ初登場。
このあたり、初物マニアは要チェックであります。
ちなみに前日の4/27にはこのフランクフルトで
"Hey Negrita" "Crazy Mama" "Hot Stuff" "Fool
To Cry" のPV撮影が行われていたとわたくし思ってたんですが、どうやら最新の説によるとそれらの撮影は5/1のようです。
そんなわけで初演の曲も含めて結構丁寧な演奏でやってますが、"Hot
Stuff"がどうにもミックが乗り切れずイマイチの感じで流れていきます。
しかーし、そこからミックが巻き返しを図ってどんどんどんどんワイルドになっていくさまが面白い。
そしてこの日はバンド・イントロとキースの"Happy"がなく、翌日やそれ以降の流れともちょっと違う構成になってるのもちょっと新鮮。
他にもちょっと聴きなれた76とはテイストが違うところもこうして聴けたりと、遂に世に出た76初日に感激であります。
なお、ジャケは内側も含めて各面で結構見慣れた写真が使われていますが、調べてみるとこれらはこの初日や翌日のフランクフルトの写真だったんだとあらためて。
『 LOUISVILLE 1975 』 no
label (2CD)
aud.recordings@Freedom Hall, Louisville, KY. Aug.4,
1975
●Disc
1
1. Honky Tonk Women / 2. All Down The Line / 3. If You Can't Rock Me -
Get Off Of My Cloud / 4. Star Star / 5. Gimme Shelter / 6. Ain't Too Proud To
Beg / 7. You Gotta Move / 8. You Can't Always Get What You Want / 9. Happy /
10. Tumbling Dice / 11. It's Only Rock'n Roll / 12. Band Introductions
●Disc
2
1. Fingerprint File / 2. Wild Horses / 3. That's Life / 4. Outa Space /
5. Brown Sugar / 6. Midnight Rambler / 7. Rip This Joint / 8. Street Fighting
Man / 9. Jumping Jack Flash
今日は2018/8/4ということで、ちょうど43年前の1975/8/4の公演であります。
1975年、T.O.T.Aの終盤も終盤、残すはハンプトンとバッファロー公演のみとなった、Sは発音しませんのケンタッキー州はルイヴィル公演。
もともと南米を回る予定だったのにその予定がなくなってしまったツアー終盤のアリーナ・ショーであります。
75といえば脚光を浴びるのは6月末のMSGと7月のLAということで、ツアー終盤の4公演しかない8月の扱いは不憫だったりして、このルイヴィル公演も"IORR"とメンバー紹介だけは『ANY
PORT IN A STORM REVISITED』(VGP-308)にボーナス収録され、CD-RではIMP系のOne
Hundred Clubが全曲収録リリースしていましたが、全曲収録プレスCDはこちらが初めて。
まぁこの音源が初のプレスCD化というのには理由もあり(笑)
この音源、トレーダー間には昔から出回っていたもののようで、トレントにも10年以上前に一度アップされましたが、今回はおそらく昨年また公開されたものが元になっています。
しかしながらその元音源、演奏自体にダイレクト感は乏しく何かにさえぎられたような感じで、低音がビンビンかつコモリ気味、そして演奏よりも手拍子や口笛を大きく拾っていて、さらにオートレベルとイコライジングのせいか、演奏中はモコモコしてるかと思えば、曲間になると大きな手拍子やら口笛の高音が強調され過ぎて、曲中と曲間を同じボリュームでは聴いていられないというどえらいことになってたんです。
まぁそれも途中から少しましになってはきますが、そんなわけもあってプレスCD化は見送られたであろう音源でありました。
そんな音源でありましたが、今回は勇気をもってプレスCD化。
もちろんCD化にあたってはそのまんまの音ではなく、イコライジングにより前述した欠点は緩和されていて、結構聴けるサウンドに生まれ変わっています。
また、元音源は特にライブの前半はピッチが速かったりしましたが、そこも全編微調整されています。
ただし緩和されているとはいえ決して万人向けではなく、演奏はちょいとダイレクト感に乏しい何かにさえぎられた音で低音はビンビン鳴り、手拍子が大き目であること自体は変わらず、とはいえまぁ演奏が進むと聴けるレベルになるという、"good"〜"very
good+"であり、まぁ隠密慣れしている75マニア向けには問題ないというサウンドであります(笑)
しかーし、それでもあえてマニア向けにプレス化されたのはこの演奏が熱いからでありましょう。
はい、ルイヴィル、熱いです。
43年前のルイヴィルが2018年の今日より暑かったなんてことはないと思いますが、ストーンズはべらぼうに熱いです!
なんなんだこのテンションはというくらいの凶暴ストーンズであります。
"Midnight
Rambler"開始後1;43ほどでテープチェンジによる欠落があって加速していくところが聴けないのは残念ですが、他ももうめちゃくちゃ熱い!!
どの曲がどうこうというよりも、冒頭からエンディングにかけてテンションMAXのルイヴィルであります。
そんなわけでマニア向けとはいえマニア向けながらマニア必須という、初の全曲プレスCD化となるルイヴィル75でありました!
『 NASTY MUSIC 』 Moonchild
Records (2CD)
SB recordings@1973+1972
●Disc
1
1. Brown Sugar / 2. Happy / 3. Gimme Shelter / 4. Tumbling Dice / 5. Doo
Doo Doo Doo Doo (Heartbreaker) / 6. You Can't Always Get What You Want / 7.
Dancing With Mr.D. / 8. Angie
●Disc 2
1. Honky Tonk Women / 2. Midnight
Rambler / 3. All Down The Line / 4. Bye Bye Johnny / 5. Love In Vain / 6. Sweet
Virginia / 7. Rip This Joint / 8. Jumping Jack Flash / 9. Street Fighting Man
Forest
National, Brussels, Belgium. Oct.17, 1973 (1st show)
CD1-1,4,6,7,8
CD2-1,2,7,8
Empire Pool, Wembley, London, England. Sep.9, 1973
CD1-2,3,5
Madison
Square Garden, New York City, NY. Jul.26, 1972
CD2-3,4,5,6
Moonchild Recordsによる『NASTY
MUSIC』。
いまさらなぜにという、水増しMSG72も入ったアナログ復刻仕様で2枚組。
こうなると同じくMoonchildによる『PHILADELPHIA
SPECIAL』がなぜ中途半端な1枚物でリリースされたのかがますます不思議。
ジャケのタイプはAとBの2種類あり、どちらも買ってしまいましたが、中身はかなりイコライジングされた『NASTY
MUSIC』。
ラウドネス・ウォー全開、きつい高音はシンバルの余韻やそのものが響き、静音部ではシュルシュルと感じるところもあり。
そして音圧上げまくりで、SoundEngineで波形を見るとすさまじい羊羹海苔波形になってて、ちょいと耳が痛い(笑)
入門者に優しい激安というのは歓迎ですが、ちょっと上げ過ぎで二度と聴くこともないかと。
なお、"You
Can't Always Get What You Want"の前はミックの"Thank you very much,
thank you"の後のスネアが一発入って性急に切り替わり、"Mr.D."はイントロ切れながらもギリギリ頭まで使っており、VGPの『THE
ORIGINAL NASTY MUSIC』や、このMoonchild Recordsと同じBF系の『NASTY
MUSIC millennium edition』とは異なる編集です。
ちなみに裏ジャケの曲目表記はそのミレニアムとは違って"Gimme
Shelter"はあっていますが、"Honky Tonk Women"はこちらも同じく"Honky
Tonk Woman"と単数形になってしまってます。
『 PRAGUE 2018 』 no
label (2CD)
aud.recordings@Letnany Airport, Prague, Czech
Republic. July 4, 2018
●Disc
1
1. Intro / 2. Street Fighting Man / 3. It's Only Rock'n Roll / 4. Tumbling
Dice / 5. Ride 'Em On Down / 6. Under
My Thumb / 7. Like
A Rolling Stone / 8. You Can't Always Get What You
Want / 9. Paint It Black / 10. Honky Tonk Women / 11. Band Introductions / 12.
You Got The Silver / 13. Before They Make Me Run
●Disc 2
1. Sympathy
For The Devil / 2. Midnight Rambler / 3. Miss You / 4. Start Me Up / 5. Jumping
Jack Flash / 6. Brown Sugar / 7. Gimme Shelter / 8. Satisfaction
No Filter 2018のラス前、チェコ共和国はプラハ公演。
チェコにはABBツアー以来の11年ぶり、プラハとなるとLicksツアー以来の15年ぶりとなる現地待望のプラハ公演。
話は脇にそれますが、1968年、チェコスロバキア時代に成し遂げられたプラハの春はソ連を中心としたワルシャワ条約機構の軍事介入で崩壊してしまいます。
それから20年、ソ連のペレストロイカによる冷戦終結の波に乗った1989年のビロード革命によって共産党体制が崩壊し、ようやく民主化が進んでソ連の駐留軍が退去することとなった1990年、ついにストーンズはチェコでライブを行ったのです。
そのUrban
Jungleツアーのプラハ公演のポスターには、"Tanks Are Rolling Out, The Stones
Are Rolling In"(戦車が去って、ストーンズ来たる)と。
http://fbc.pionier.net.pl/zbiorki/Content/1110/img092.jpg
時期的には日本と同じ頃の初ストーンズだったわけですが、その重みに戦慄を覚えます。
今回も15年ぶりということで、プラハの人たちはどれほど待ち望んだことでしょう。
そう考えるとツアーごとに来てくれる日本は恵まれていますね。
個人的にはそんなこともあっていつかはプラハにも行ってみたかったんですが、今回の日程は月初にかかるので断念。
でも行きたかったなと改めて思わせてくれるのがコチラの作品であります。
そんな重みを感じるプラハ公演、今回の会場はだだっ広い空港。
空港といってもエア・ショーやコンサートなどのイベントでお馴染みの場所ではあるんですが、これぞオープンエアーという素晴らしい雰囲気の中で行われました。
そんなオープン・エアーな会場ですが、コチラの元音源である隠密音源は、ある意味それを感じさせないサウンドです(笑)
インフォではUltimate
Soundという触れ込みですが、特に最初はちょっとクセのあるサウンド。
オープン・エアーの広がりのある爽快なサウンドというよりは、ちょい左右とレンジの狭い卓直サウンドボードのような感じ。
骨太ではありますが右chがやや寂しく、聴き進めれば慣れてきて、さらに音はよくなってきますが、最初はちょっと違和感を感じます。
周りもうるさくなく音像も大きい素晴らしい録音ですので、特に前半はもう少し音の抜けがよくて広がりがあれば最高なのに惜しい!という"EX-"〜"EX"。
そんな録音ですが、演奏はマルセイユほどではないもののこれまた好調であります。
オープニングから快調に飛ばし、見事な演奏を聴かせてくれます。
ミックもご機嫌で、さてさてvoteはというところで"Pec
nam spadla!"とチェコの子供の歌を連呼するミックが微笑ましい(笑)
これ、ホテルの部屋でギターを片手に弾く姿も公開されてましたよね(笑)
そうして始まったのが"Under
My Thumb"。やっぱりvoteは60年代が強し。
キースも頑張ってソロ弾いとります!
続いてもうレア曲枠ではなく通常レパートリーと化してしまった"Like
A Rolling Stone"ですが、プラハでも飛び跳ねて盛り上がったようです。
この録音ではミックとキースが寄り添うところも変化をあまり感じませんが(笑)
そんな好調ストーンズにちょっと異変が起きたのは"Miss
You"。
2分20秒、"Oh everybody waits so long"に向かうところで、ミックが入り損ねます。
映像を見てみるとミックがドラムのモニターを上げるように指示しているので、イヤモニの具合が悪かったのかもしれません。
ここ、インフォにはチャーリーが先走ったとありましたが、そういうわけではないですね。
そしてマルセイユに続きこちらでも後半のキースは自信満々!
後半になると音がさらに音がよくなるコチラ、"Start
Me Up"からはちょっとミックが辛そうではありますが、それぞれの曲のキースのイントロを聴くと痺れますよ〜。
終演後にスクリーンに映された文字は"UVIDIME
SE BRZY"。
毎回現地の言葉で映し出される"また会いましょう"ですが、チェコ共和国にまたストーンズが訪れますように。
そんなこんなでちょっとジンとしたプラハ公演でありました!
『 MARSEILLE 2018 』 no
label (2CD)
aud.recordings@Orange Velodrome, Marseille, France.
June 26, 2018
●Disc
1
1. Intro / 2. Street Fighting Man / 3. It's Only Rock'n Roll / 4. Tumbling
Dice / 5. Just Your Fool / 6. Get Off
Of My Cloud / 7. Fool
To Cry / 8. You Can't Always Get What You Want / 9.
Paint It Black / 10. Honky Tonk Women / 11. Band Introductions / 12. You Got
The Silver / 13. Before They Make Me Run
●Disc 2
1. Sympathy For The
Devil / 2. Miss You / 3. Midnight Rambler / 4. Start Me Up / 5. Jumping Jack
Flash / 6. Brown Sugar / 7. Gimme Shelter / 8. Satisfaction
No Filter 2018、UKを後にしたストーンズ一行が向かったのはドイツはベルリン、続いてフランス南部のマルセイユ。
そのマルセイユ公演を隠密収録したのがコチラ。
こちら、インフォにもある通り元音源はかなりこもった音質で何じゃこりゃ状態。
ちなみにネットに公開されたもう一つの音源は遠くてマトリクスのしようもない2つの隠密音源でした(笑)
今回のこちらは、そのこもった元音源に絶妙なイコライジングを施すことにより、まったくの別物かというくらいの見事なサウンドに生まれ変わっています。
あのコモリはどこにというくらい、まさに一皮どころか三皮ほど剥けたサウンドに。
ただし、見事な処理がなされていますが、かなりのイコライジングが施されていますので、高音域に演奏とあわせてシュルシュルとノイズが乗っていますが、元音源と聴き比べれば圧倒的にこの生まれ変わったサウンドの方がナイスであります。
そして録音はピットのようで周りもかなり盛り上がっていて、そこは騒がしいことは騒がしいですが、耳障りなというよりも盛り上がりを感じる臨場感といった感じ。
このノリは世界各地に飛んだアルゼンチーナか?
そして演奏もピットということで大きく捉えられており、"good"程度だった元音源が"EX--"にまで昇華しています。
いやしかしマルセイユは"Get
Off Of My Cloud"に"Fool To Cry"という、前者はカーディフ、後者はロンドン初日とこのマルセイユでしか披露しなかったスペシャルなセットリスト。
"Fool
To Cry"ではちょっとイコライジングによる高音域ノイズが目立つのが残念ですが、いずれも今回のツアー初演に勝る演奏を聴かせてくれて、マルセイユがうらやましいぞ〜!
いや実はネルコートに近い(ってこともないけど)マルセイユということで、Exileなセットリストになるんじゃと思ったりしてましたが、そんなかけらもありませんでした(笑)
せめてキースは"Happy"やるかなーとか思ってましたが(笑)
いやしかしこのマルセイユ、演奏が絶好調であります。
ひとつ前のベルリンでのちょいと不調な様子とは全く違います!
"Midnight
Rambler"でのキース、そしてロニーとチャーリーのハーモニーがまた素晴らしい。
そこにからむミックのハープ、いやぁ〜最高であります。
そして後半の曲もキースが自信を持ってイントロをかき鳴らしております!
時にミスったりするあの曲も、時に頼りないか細いイントロになるあの曲も、しっかり(笑)
ただし勢いに任せた"Satisfaction"だけはちょっと変ですけど(笑)
いやぁ〜しかしほんとに素晴らしい演奏です。
それだけにこの作品にちょいとノイズが乗っかってるのは残念ではありますが、あの元音源をよくぞここまで仕上げてくれましたという作品でありました!
『 NO FILTER IN MANCHESTER 』 XAVEL
SMS-165 (2CD)
Multiple Stereo IEM Sources Matrix Recording@Old
Trafford Stadium, Manchester, UK. June 5, 2018
●Disc
1
1. Opening / 2. Jumpin' Jack Flash / 3. It's Only Rock'n' Roll (But I Like
It) / 4. Tumbling Dice / 5. Shattered / 6. Just Your Fool / 7. Let's
Spend The Night Together / 8. Like
A Rolling Stone / 9. You Can't Always Get What You
Want / 10. Paint It Black / 11. Honky Tonk Women / 12. Band Introductions /
13. You Got The Silver / 14. Before They Make Me Run
●Disc 2
1. Sympathy
For The Devil / 2. Miss You / 3. Midnight Rambler / 4. Start Me Up / 5. Brown
Sugar / 6. Gimme Shelter / 7. (I Can't Get No) Satisfaction
XAVELのIEMシリーズ、ロンドン、コヴェントリーに続くは"夢の劇場"
オールド・トラッフォードでのマンチェスター公演。
オープニングの"JJF"では最初ギターも薄いなぁと思ったら突然大きな声で入ってくるバナードのボーカルにのけぞりますが、冒頭40秒弱はバナードのIEMソースだけだったようで、その後は他の音が入ってきて一安心。
ということで冒頭でのけぞりましたが、この日もステレオセパレーションもばっちりの素晴らしいIEMマトリクス。
個人的にはもう少しギターを大きくしてミックとピアノは抑えてもいいのにと思いますが、この日も素晴らしい"EX"。
ちょっと粗いノイズが入るところもあり、"Miss
You"では結構目立ちますが、全然許容範囲。
でもやっぱ"You Got
The Silver"なんかはチャックが大きすぎますね。
コヴェントリーと比べてもかなりチャックが大きい。
キースがイヤモニを使わにあ上にステージではキースのギターが大きく鳴ってるので、IEMソースにはキースのギター成分が薄いのかもですが。
そこが今後の課題ですかね〜?(とあえて書いてみる)
そして当たり前っちゃあ当たり前ですが、やっぱりライヴでの出音とは違うよなぁ〜と。
まぁそこまで望むなと(笑)
繰り返しになりますが、これぞ作品というこれらのシリーズを作り上げた努力には頭が下がります。
さて、演奏は既発隠密盤で書いたので省きますが、この日の演奏は素晴らしい!
"Shattered"をこうしてIEMソースで聴くと面白い。
そして隠密でも感じたんですが、"Miss
You"がかっこいいんですよねー。
表ジャケや帯についてはロンドン初日で書いたのでこちらも割愛〜。
『 NO FILTER IN COVENTRY 』 XAVEL
SMS-164 (2CD)
Multiple Stereo IEM Sources Matrix Recording@Ricoh
Arena, Coventry, UK. June 2, 2018
●Disc
1
1. Opening / 2. Street Fighting Man / 3. It's Only Rock'n' Roll (But I
Like It) / 4. Tumbling Dice / 5. Paint It Black / 6. Ride 'Em On Down / 7. Like
A Rolling Stone / 8. Dead
Flowers / 9. You Can't Always Get What You Want /
10. Honky Tonk Women / 11. Band Introductions / 12. You Got The Silver / 13.
Happy
●Disc 2
1. Sympathy For The Devil / 2. Miss You / 3. Midnight Rambler
/ 4. Start Me Up / 5. Jumpin' Jack Flash / 6. Brown Sugar / 7. Gimme Shelter
/ 8. (I Can't Get No) Satisfaction
XAVELのIEMシリーズ、ロンドンに続くはコベントリー。
長期滞在になるからロンドンとコベントリー公演の間のサウサンプトン公演には参戦していないのでしょうか。
さて、この日もステレオセパレーションもばっちりの素晴らしいIEMマトリクス。
個人的にはもう少しギターを大きくしてミックとピアノは抑えてもいいのにと。
いややっぱ"Tumbling
Dice"とか聴くと、やっぱりこの日はキースが小さくてチャックが大きすぎるなぁと。
とはいえこうして独自にIEM音源を追求して出来上がったこの作品、素晴らしいです。
サウンドはこの日もやはり"EX"です。
演奏内容は既発の隠密盤で書いたので省きますが、メンバー紹介でチャーリーの誕生日を祝うシーンをこうしてまた聴くとほのぼのとしてきます。
そしてちょいとキースのボーカルが薄いので面白みも半減ですが、"Happy"でのキースの先行事件もこうして聴くとまた面白い(笑)
しかしIEMも3公演目となるとちょっと面白みがなくなってきます(笑)
やはり隠密は隠密でいいものだ(笑)
とはいえ"Ride
'Em On Down"で急に音が遠くなってエコーがきついお風呂サウンドの隠密に切り替わるところは気持ち悪い(笑)
どうやら機材トラブルで"Ride
'Em On Down"の終盤から"Like A Rolling Stone"の冒頭にかけて、そして"Satisfaction"ラストはIEMソースが欠落しているとのことで、そこは隠密に切り替わります。
ちなみに隠密では音飛びのようになっていた悪魔のイントロですが、やはりこちらでも音飛びのように聴こえます。
でも単にチャーリーがドンと鳴らしただけっぽいですね。
いやしかし冗談はさておき、素晴らしいサウンド、まさに作品と呼ぶにふさわしいこれらのシリーズを作り上げた努力には頭が下がります。
表ジャケや帯についてはロンドン初日で書いたので割愛(笑)
『 NO FILTER IN LONDON 2ND NIGHT 』 XAVEL
SMS-163 (2CD)
Multiple Stereo IEM Sources Matrix Recording@London
Stadium, London, UK. May 25, 2018
●Disc
1
1. Opening / 2. Jumpin' Jack Flash / 3. Let's Spend The Night Together
/ 4. It's Only Rock'n' Roll (But I Like It) / 5. Tumbling Dice / 6. Just
Your Fool / 7. Dead Flowers
/ 8. Wild Horses (With Florence Welch)
/ 9. You Can't Always Get What You Want / 10. Paint It Black / 11. Honky Tonk
Women / 12. Band Introductions / 13. The Worst / 14. Happy
●Disc 2
1.
Sympathy For The Devil / 2. Miss You / 3. Midnight Rambler / 4. Start Me Up
/ 5. Brown Sugar / 6. Gimme Shelter / 7. (I Can't Get No) Satisfaction
XAVELによる驚異のマルチ・ステレオIEMマトリクスによるロンドン2公演目。
この日はミックの喉がだんだん不調になる日でしたが、この日もこのXAVELは素晴らしいサウンドです。
個人的にはもうちょいギターを大きくしてミックとチャックは小さくてもいいのにと思いますが、はい、この日も素晴らしい"EX"です。
この日はキースの2曲ではIEM音源のキース音声がオフになるようで、メンバー紹介のあとにキースが話す声が急に遠くなって不安になりましたが、曲が始まると隠密の比率がぐんと上がって聴こえてきたので一安心。
そしてこの日のキースは"The
Worst"と"Happy"を披露しましたが、本作の裏ジャケは"Before
They Make Me Run"と"Slipping Away"との誤りが。
ロンドン初日からコピペしたままにしちゃったんでしょうが、浜松インフォによるとどうやら修正版ジャケが配布されるようです。
演奏については既発の隠密盤で触れたので省きますが、この日はミックの喉がイマイチだった日。
ダイレクトなIEMでミックの声がどんどん不調になっていくのを聴くのはなかなかつらいものです。
でもミックを愛するファンがこの日のミックをいたわりながら聴くには最適なアイテムであります(笑)
表ジャケや帯についてはロンドン初日で書いたので割愛(笑)
『 NO FILTER IN LONDON 1ST NIGHT 』 XAVEL
SMS-162 (2CD)
Multiple Stereo IEM Sources Matrix Recording@London
Stadium, London, UK. May 22, 2018
●Disc
1
1. Opening / 2. Street Fighting Man / 3. It's Only Rock'n' Roll (But I
Like It) / 4. Tumbling Dice / 5. Paint It Black / 6. Ride 'Em On Down / 7. Under
My Thumb / 8. Fool
To Cry / 9. You Can't Always Get What You Want / 10.
Honky Tonk Women / 11. Band Introductions / 12. Before They Make Me Run / 13.
Slipping Away
●Disc 2
1. Sympathy For The Devil / 2. Miss You / 3. Midnight
Rambler / 4. Start Me Up / 5. Jumpin' Jack Flash / 6. Brown Sugar / 7. Gimme
Shelter / 8. (I Can't Get No) Satisfaction
"Ladies and gentlemen, welcome home! The Rolling Stones!!"で始まったロンドン凱旋公演。
No
Filter 2018 UK/EUツアーの2公演目にしてロンドン公演初日が、XAVELのお家芸、マルチ・ステレオIEMマトリクスによって完璧なサウンドで蘇る!
インフォに「14
On Fireツアー、米国ZIP Codeツアー、南米Oleツアーと日進月歩の進化を遂げてきたXAVELレーベルの面目躍如たる過去最高の録音です!」とあるとおり、こりゃ凄まじいサウンドです。
以前の作品ではミックのヴォーカルの音質に癖があるところがあったりして、今回のも多少そうですが全体的にかなり自然なサウンドに仕上がっており、ギターにキーボードにホーンにコーラスも綺麗に左右にセパレートして、こりゃもうサンドボード音源と言っても差支えないほど。
曲によってはチャックの声とキーボード、そしてコーラスが右から聴こえたりするところもありますが、こりゃほんとに凄いです。
チャックにティムにマットと3人が鍵盤を弾く"Fool
To Cry"は同期が少し変なのか気持ち悪いことになってたり、"You Can't
-"でのマットのホルンは小さいですが、各楽器のバランスもなかなか素晴らしい。
個人的にはもうちょいキースのギターが大きくてミックとチャックは小さくてもいいのにと思いますが、総じて素晴らしいです。
いやしかしこれだけのIEMソースを完璧に捉えるのはどれほどの機材が必要なのか知りませんが、よくぞこの音質で録音していただけました&仕上げてくれました。
これぞまさにオリジナル、いやはやほんとに凄い"EX"です。
演奏については既発の隠密盤で触れたので省きますが、このサウンドで聴くこの日の"Satisfaction"の乱れようも一興です(笑)
ただし、こちらはホログラムジャケに200セット限定ナンバリング・カードと日本語帯という装丁ですが、同時にリリースされた4作品(ロンドンx2、コヴェントリー、マンチェスター)のジャケがみな同じホログラムジャケというのはイマイチ。
デザインが同じということではなく、全部が同じジャケの使いまわしです。
カードとか帯とかいらないし、ジャケはホログラムになぞせず、普通に個別ジャケにしてくれればよかったのにと、中身が素晴らしいだけにそこだけは残念でありました。
あと、タイトルは背の表記にならって『NO
FILTER IN LONDON 1ST NIGHT』としていますが、帯には文字数が多いと書ききれないからでしょう、ライヴ・イン・ロンドン・ファースト・ナイトとなってたりします。
この表記は今回の4作品とも同じです。
June 2018
『 2002 LICKS SESSIONS 』 Rattle
Snake RS-310 (1CD)
studio sessions@Studio Guillaume Tell,
Suresnes, France. May 13 - June 7, 2002
1.
Just Because / 2. Dreams / 3. Cried Out / 4 Just Because / 5. Love Is A Test
/ 6. When I Call Your Name / 7. U Don't Wanna / 8. Don't Stop / 9. Keys To Your
Love / 10. Extreme Western Grip / 11. Well Well / 12. Don't Stop / 13. Keys
To Your Love / 14. Stealing My Heart / 15. Losing My Touch / 16. Hurricane
もうすっかり有名な音源となりましたが、2002年『FORTY
LICKS』セッション時のアウトテイク9トラックが、突如としてIORRにトレード希望と投稿されたのが2017年11月。
それが2018年4月になって遂にIORR上でリークし、その超絶極上EXな音質と共に驚きをもって迎えられたのであります。
ということでさっそく4月中にGOLDPLATEから『FORTY
LICKS SESSIONS in the studio』(GP-1801CD)、Moonchild Recordsからは『LICKS
SESSIONS』(no number / 2 covers)、LHからは『PARIS
SESSIONS 2002』(no label)、さらに8月にはDACからも『KEYS
TO YOUR LOVE』(DAC-188)がリリースされています。(わたくしこのRattle
Snake盤を入手したのは10月)
さてこちらはどうやら6月ごろにリリースされていた、Rattle
Snakeによる作品。
DAC盤の紹介の際、Rattle Snakeからもリリースされているとは紹介していましたが、ボーナス含めてGOLDPLATE盤のコンパクト版だし、Rattle
Snakeは何かとイマイチなものをリリースしてるし、どうせ他と同じだろうと思ってわたくし見送ってました。
それが今回、Rattle
Snake新作のロンドン2公演をXAVELのコピーだろうと思いつつ浜松経由で入手する際に、一緒にこちらもゲットしてみたところ、聴いてみてビックリ。
既発盤にも一切不満もなかったんですが、こちらを聴いてみると既発盤はうっすらとヴェールをかぶっていたんだと。
聴き比べなければどうということはない違いではあるものの、極薄のヴェールを取り除いたような、よりクッキリしていながらスタジオの空気感が見事に伝わるサウンド。
このRattle
Snake盤は既発盤より入力レベルが少し大きいので、その差なのかな?と何度も他の盤と聴き比べてみましたが、ハイエンドの自然な伸びが他の盤とは異なります。
そこで波形を見てみると、ネットに公開された元音源は20kHzあたりに特徴のある落ち込みがあり、各盤その処理が違ったりしてますが、このRattle
Snakeも同じくそこには落ち込みがあります。
でももう少しなだらかな落ち込みで、なんか違うんです(笑)
まぁほんの僅かな差なんですが、もしかしたらこのRattle
Snake盤はIORRに公開された音源からではなく、出どころが出どころだけに大元の音源から作られているのかもしれません。
な〜んて言いながらも、ただのイコライジングによる違いなのかもですが(笑)
そんなわけでこちらも"EX+"であります。
なお、このRattle SnakeはGOLDPLATE盤と同様、曲間ギャップもなくつながっているのもナイス。
ちなみにボーナスはtrk.10と11が『FOUR
FLICKS』、trk.12から15が『FORTY
LICKS』関連、trk.16はもうお馴染みのチャリティーCDからでキースのベスト盤『VINTAGE
VINOS』にも収録されているもので、すべてこの時期に録音された曲でまとめた作品。
ここまではGOLDPLATE盤と同じですが、GOLDPLATEには収録されていた『FORTY
LICKS』のドキュメンタリーからの音源と、フェイクと思しき"Only
Found Out Yesterday"が未収録というのは納得。
ということで、入手が遅くなりましたが、実はこれが一番いいんじゃんという盤でした。
『 BERLIN 2018 』 no
label (2CD)
aud.recordings@Olympiastadion, Berlin, Germany.
June 22, 2018
●Disc
1
1. Intro. / 2. Street Fighting Man / 3. It's Only Rock'n Roll / 4. Tumbling
Dice / 5. Just Your Fool / 6. Like A Rolling Stone / 7. She's
A Rainbow / 8. You Can't Always Get What You Want
/ 9. Paint It Black / 10. Honky Tonk Women / 11. Band Introductions / 12. Slipping
Away / 13. Before They Make Me Run
●Disc 2
1.
Sympathy For The Devil / 2. Miss You / 3. Midnight Rambler / 4. Start Me Up
/ 5. Jumping Jack Flash / 6. Brown Sugar / 7. Gimme Shelter / 8. Satisfaction
LHからはNo Filter UK/EUツアー開幕のダブリンから7公演目のエディンバラ公演まではすべてリリースされていましたが、カーディフ、ロンドン・トゥイッケナムを飛ばして、10公演目のベルリン公演が登場。
欧州本土ドイツに渡ってのこの隠密録音は、これまで開幕のアイルランドからイギリス全土をカバーしてくれていたCL氏とは異なり、wb氏による音源。
これがまた絶品。上から下までクリアで音像も大きく骨太でいて、周りも騒がしくないという、No
Filter 2018最上級の極上録音 "EX" です。
「ベルリン半端ねぇ!」
その一言だけでいいんじゃね?という嬉しいサウンド。
とはいえ聴き進めると"Just
Your Fool"の前に左側に小さな連続的なデジタルノイズ、"She's A Rainbow"や"You
Can't Always Get-"序盤などところどころで左側に風があたってるようなノイズがあったり、そして"Start
Me Up"にはインフォにあるように2箇所、1:47と2:03に音飛びがありますが、そこはパッチあてによってほとんど気づかないほどに修正されています。
また、定位が僅かに右に寄ったりするところがあったりもしますが、それらをさしおいても極上サウンドであります。
しかーし、演奏は極上とはいかないところが面白いところ(笑)
とはいえ大きく乱れるといった感じではなく、"Just
Your Fool"では締まらないスタートにあれれ?といった感じ。
そして"Midnight
Rambler"にはどうにもキレがありません。
ドイツといえばNo Filter 2017の開幕の地ハンブルグ、そして翌公演のミュンヘン、中盤にデュッセルドルフと14公演中3公演も行い、更に今回2018はベルリンという、地図で見るとちょうど十字を切ったような順番で、さらにこの後シュトゥットガルトも加えて合計5公演も開催された親石国。
そんな環境でリラックスしたのか、ちょっとしまらないところがちらほらあります。
でもキースもこのツアーでは2回しかやらなかった"Slipping
Away"をやるなど、別に流そうとしているわけではありません。
でも"Start
Me Up"以降、ミックの喉もチョイと辛そうになり、ちょっと惜しいベルリン公演。
とはいえこのサウンドは素晴らしい、そんなベルリン公演でした!
『 EDINBURGH 2018 』 no
label (2CD)
aud.recordings@Murrayfield Stadium, Edinburgh,
Scotland. June 9, 2018
●Disc
1
1. Intro. / 2. Start Me Up / 3. Let's Spend The Night Together / 4. It's
Only Rock'n Roll / 5. Tumbling Dice / 6. Under
My Thumb / 7. Ride 'Em On Down / 8. She's
A Rainbow / 9. You Can't Always Get What You Want
/ 10. Paint It Black / 11. Honky Tonk Women / 12. Band Introductions / 13. You
Got The Silver / 14. Happy
●Disc 2
1. Sympathy For The Devil / 2. Miss
You / 3. Midnight Rambler / 4. Jumping Jack Flash / 5. Brown Sugar / 6. Gimme
Shelter / 7. Satisfaction
UK/EUツアー前半最後となる7公演目は最北端エディンバラ。
この日はオープニングは"Start
Me Up"、レア曲は"Under My Thumb"、voteは"She's A Rainbow"。
そのオープニングのイントロでまたもや押さえ違いをするキース、さすがです(笑)
しかしこの日の演奏は結構しっかり走っていて、おっかなびっくり感は皆無といった感じで進みます。
"Ride
'Em On Down"でミックは調子を変えて歌っているのも余裕の表れか。
"She's
A Rainbow"も"You Can't Always Get What You Want"も美しく、60年代のメドレーが美しい。
いやしかしエディンバラいいわー!と思いながら聴き進めていられるのも、この音質がいいからでもあります。
今回もCL音源ですが、今回はなかなか、いやかなりいい!
キースのギターが前に出ていてゴリゴリと、そして音像も大きく、低音もしっかり出ているナチュラルにして骨太なサウンド。
このあたりは元音源と比べるとさらに向上しているのがよくわかります。
そして周りの黄色い歓声などもなく、安定。
ただし"Let's
Spend The Night Together"や"IORR"の途中で"ウォ〜ウ!"とか、"Under
My Thumb"のイントロとかで左側に地味〜に男性の声が入ってたりしますが、まぁ許容範囲(笑)
でも"You
Can't Always Get What You Want"での地味すぎるコーラスとはちょっと不気味でもありますが。
いやしかしこの音質は素晴らしい"EX"〜"EX-"。
そんなわけで安定したサウンドで安定した演奏を聴き進めていけますが、そのまま終わらないのがストーンズ。
異変が起こるのはキース・コーナーでありました。
"You
Got The Silver"を渋くきめ、この日はツアー3回目の"Happy"。
そこで異変はやってきたのです。
ロニーのソロからの戻るタイミングを間違え、あら?オレ違った?と思うもバックコーラスとあわず微妙な空気の間が続きます(笑)
まぁ何事もなかったようにまた歌に戻りますが、この日を最後に"Happy"をやってません(笑)
それでもこの日の"Midnight
Rambler"は素晴らしい!
チャーリーの煽りとそれに絡むギター、そして音を聴くだけでも頭に浮かぶミックの驚異のパフォーマンス。
これが齢70オーバーズが奏でるランブラーかと、戦慄を感じずにはいられません。
マンチェでは挟んできた"You
Gotta Move!"という掛け声をよそに、いつものキッチンでもなく今度は"Hellhound
On My Trail"!!
こりゃ凄い!!
そんなわけで最北端のエディンバラの名演を高音質で収録した、素晴らしい作品でありました!
『 BOSTON 1972 』 no
label (2CD)
aud.recordings@Boston Garden, Boston, MA. Jul.18
& 19, 1972
●Disc
1 - Boston Garden, Boston, MA. Jul.18, 1972
1. Introduction / 2. Brown Sugar
/ 3. Bitch / 4. Rocks Off / 5. Gimme Shelter / 6. Happy / 7. Tumbling Dice /
8. Love In Vain / 9. Sweet Virginia / 10. You Can't Always Get What You Want
/ 11. All Down The Line / 12. Midnight Rambler / 13. Band Introductions / 14.
Bye Bye Johnny / 15. Rip This Joint / 16. Jumping Jack Flash / 17. Street Fighting
Man / 18. Honky Tonk Women
●Disc 2 - Boston Garden, Boston, MA. Jul.19,
1972
1. Introduction / 2. Brown Sugar / 3. Bitch / 4. Rocks Off / 5. Gimme
Shelter / 6. Happy / 7. Tumbling Dice / 8. Love In Vain / 9. Sweet Virginia
/ 10. You Can't Always Get What You Want / 11. All Down The Line / 12. Midnight
Rambler / 13. Band Introductions / 14. Bye Bye Johnny / 15. Rip This Joint /
16. Jumping Jack Flash / 17. Street Fighting Man
1972年のボストン2デイズといえばマニアにはブートでは昔からお馴染みの公演。
そしてキースの自伝『Life』によって、7/18の開演が大幅に遅れた事件についてもすっかり有名になったボストン。
ストーンズ御一行は前日にカナダのモントリオールでのライブを終え、この7/18にアメリカに再入国しますが、その際審査中に写真を撮られたことに腹を立てたキースがそのジャーナリストを蹴り飛ばしたことで、プロヴィデンスの警察、この事件で有名になった当時33歳のフランク・リッチ巡査に逮捕されてしまいます。
ならば俺も逮捕しろと、ミックにボビー・キーズ、そして当時ストーンズ・レーベルの社長だったマーシャル・チェスまでもが志願して逮捕されて拘留される羽目に。
そんな状況を打破したのがボストン市長。当時プエルトリコ居住区では移民の暴動騒ぎが起きており、もひとつおまけにここで暴動が起こってはたまらないと警察に釈放を要求し、ようやく釈放されたメンバーは警察車両の行列で会場に送り届けられることに。
そんなわけで5時間遅れでようやく開始された公演ですが、もう日付は7/19になっていたという。
ということで実際には日付が変わった7/19に開演した7/18公演から紹介していきます。
この公演の隠密音源は2種類が出回っており、ソースで分類すると以下のとおり。
本作のショップインフォとはrecorder1と2の表記が逆になってしまいますが、個人的にはブート化された順で把握してるのでこちらで。
[recorder
1]
モノラル隠密、ジョー・マロニー音源。"You Can't Always Get What You
Want"の中盤に欠落あり。
1994『THEY'RE
REALLY ROCKIN' IN BOSTON』(VGP-020 初回銀盤):"You Can't
Always Get What You Want"は丸々カット。
2005『MIDNIGHT
GAMBLERS』(EXM-009AB D1):ピッチが速く、"You Can't Always
Get What You Want"中盤は欠落。
2005『JAILHOUSE
ROCK』(DAC-026 D1):"You Can't Always Get What You Want"はrecorder2にて補填。
2013『SGT.
FRANK RICCI'S LONELY HEARTS CLUB BAND』(TCDRS-27):新タラ。未聴。
[recorder 2]
recorder 1の後に出回った別音源のステレオ隠密。こちらの方が聴きやすい。
2008『THEY'RE
REALLY ROCKIN' IN BOSTON』(VGP-020 2008年黒盤):"You
Can't Always Get What You Want"後の曲間に欠落。
2009『THE
GOLDEN ERA 1969-1974 VOL.2』(SODD-094):VGP盤よりやや劣化したマスターと感じるサウンド。
ということですが、今回のLHによるリマスター作は、recorder2のステレオ隠密を元にしつつ、左chのこもりと歪みを解消したアップグレード盤。
特に左chのハイエンド処理とノイズ消去は見事です。
そして"You
Can't Always Get What You Want"の7:28〜7:45、演奏終盤から演奏後のMCのカット部はrecorder1で補填されています。
なお、元音源ではどうやらボストン市長らしき人物の釈明アナウンスが含まれていますが、収録時間の関係でカットされているようです。
この音源、冒頭はボヤーっとしたところもありますが、全体的にナチュラルで当時を考えれば素晴らしい"very
good+"。
ということで、数多くあったボストン初日のアップグレードにして代表盤降臨といったところ。
しかしこのボストン初日、"Rocks Off"の曲名を告げた後、ミックも拘留騒ぎで遅れたことを謝罪していますが、その大幅な遅れや拘留騒ぎのせいで演奏もすこぶるワイルド。
そしてここはボストン、"Midnight
Rambler"でのアソコでは大盛り上がりです。
また、"Bye Bye Johnny"ではいつもは"Keith
Richards on guitar"で始まるのに、メンバー紹介の順を間違えて"Mick Taylor
on guitar"から始まるというちょっと間抜けなことに(笑)
さらにはアンコールにはレアな"Honky
Tonk Women"も披露し、2番の歌詞ではNYCをここボストンと変えて歌っています。
続いて7/19。
先の拘留騒ぎと並んでボストン72といえばとキースの自伝で語られているのは、キースに2人目の父親と言わしめたポーランド人フレディ・セスラーとの出会い。
極上のコカインを持参してキースのホテルをノックしたとのことですが、それはこの7/19のステージ前だったのではと。
そんなこともあってか、バンドもノリにノッてこの7/19も凄まじいR&Rハリケーンを吹き荒らします。
"Gimme
Shelter"ではミックがエンディングにかけてのシャウトを始めるも演奏が終わってしまうという面白いことに(笑)
そしてはい、"Midnight
Rambler"でのボストンにはこの日も大盛り上がりです。
そんな7/19も隠密ブートでは2種類の音源が知られています。
[recorder
1]
モノラル隠密で"You Can't Always Get What You Want"途中までのみ。
1995『GINSOAKED
BARROOM QUEEN IN BOSTON』(WG-008):"Sweet Virginia"はフェードイン。"You
Can't -"は尻切れで以降recorder2。
[recorder
2]
モノラル隠密で全曲収録。"Midnight Rambler"終了後のメンバー紹介前にカットあり。
2005『MIDNIGHT
GAMBLERS』(EXM-009AB D2):これまたピッチが速い。
2005『JAILHOUSE
ROCK』(DAC-026 D2):これまでの決定盤。
ということで実は全編収録したものはrecorder2しかなく、今回もそのrecorder2ですが、DAC盤と比べるとわずかにクリアになっています。
とはいえちょっと距離感を感じる演奏はやや団子気味の"very
good"程度の隠密ですので、それほど大きな向上ではありませんが、そうした音源であるだけに僅かな向上も嬉しいところ。
さらにピッチも細かくアジャストされており、マニアには嬉しいアップグレード。
ということでR&Rハリケーン、72ボストン2デイズのアップグレード盤でした!
ただしこちら、下で紹介している『ANTWERP
1973』もそうだったんですが、背や裏ジャケの文字が黒地に対して目立たない色使いなので、どうにも文字が判読不能。
元データでは綺麗に読めるんでしょうが、印刷してみるとコントラストが落ちて読めなくなるという感じで、そこはもったいない。
『 ANTWERP 1973 』 no
label (1CD)
aud.recordings@Sportpaleis Merksem, Antwerp, Belgium.
Oct.15, 1973
1.
Brown Sugar / 2. Gimme Shelter / 3. Happy / 4. Tumbling Dice / 5. Starfucker
/ 6. Dancing With Mr.D. / 7. Angie / 8. You Can't Always Get What You Want /
9. Midnight Rambler / 10. Honky Tonk Women / 11. All Down The Line / 12. Rip
This Joint / 13. Jumping Jack Flash / 14. Street Fighting Man
あまりブートがたまるとそれはそれでストレスなので、ワルシャワの余韻に浸るのもほどほどにしてブート紹介をば簡単に(笑)
現役ツアー中でいろいろリリースされている中で73年のアントワープとは!と驚いたリリース。
そう、インフォにもあったとおり、この日はあのブリュッセル公演の一つ前の公演ということで、演奏は素晴らしいながらも、ブートでは1995年にSound
Shelterからリリースされた『HOW
COME YOU TASTE SO GOOD』(SS 102)という紙ジャケCDでのみブート化されていた公演。
その『HOW
COME YOU TASTE SO GOOD』ですが、税関対策なのかCDレーベル面の曲目名はストーンズとは想像もつかない変な曲名が並んでおり、いやそんなことよりピッチがかなり遅いという致命的に非常に残念なつくり。
しかしながらこの元音源、距離感は感じるものの隠密音源にしてはミックのボーカルとキースは大きく、テイラーはややエコーがかっていて"Angie"以降ではカットが散見されるもののかなりイケてる隠密だったにもかかわらず、いかんせんピッチが遅いということでHot
Stuffでも紹介していませんでした。
それが今回ピッチ修正とカット部分の雑な編集が修正されたところ、かなりのアップグレード版に。
決して万人に勧められるようなものではなく、テープ音源らしいヒス成分も入ったマニア向けの隠密で"Midnight
Rambler"にはざっくり欠落があれど、ピッチ補正によって一気に"very
good+"に昇格し、73欧州好きにはたまらない逸品に仕上がっています。
演奏も"Happy"でのミックとキースのハモリにテイラーの昇竜ソロ、"Tumbling
Dice"でのミックのキレキレシャウト、"Dancing With Mr.D."でのテイラーの妖しさ満点ソロ、超絶"Midnight
Rambler"(途中でテープが止まりますが)、そして極めつけがラストの3連荘と聴きどころももちろん!というかやはり73欧州、凄いです。
超絶73欧州の名演がこうして蘇ったことに感謝感激でありました!
『 MANCHESTER 2018 』 no
label (2CD)
aud.recordings@Old Trafford, Manchester, UK. Jun.5,
2018
●Disc
1
1. Intro / 2. Jumping Jack Flash / 3. It's Only Rock'n Roll / 4. Tumbling
Dice / 5. Shattered
/ 6. Just Your Fool / 7. Let's Spend The
Night Together / 8. Like
A Rolling Stone / 9. You Can't Always Get What You
Want / 10. Paint It Black / 11. Honky Tonk Women / 12. Band Introductions /
13. You Got The Silver / 14. Before They Make Me Run
●Disc 2
1. Sympathy
For The Devil / 2. Miss You / 3. Midnight Rambler / 4. Start Me Up / 5. Brown
Sugar / 6. Gimme Shelter / 7. Satisfaction
コベントリーでのチャーリー生誕祭の後はマンチェスター。
会場はマンチェスター・ユナイテッドFCのホーム、オールド・トラッフォード。
数々の名勝負が行われてきたことから"The
Theatre of Dreams"という別名を持つ、サッカー・ファンにとっては聖地である会場で、ストーンズは初。
そんなマンチェスター、ツアー発表当時のチャーリーとロニーのインタビューで、チャーリーもオールド・トラッフォードは売れて欲しいといったことを語っていました。
が、チケット発売からしばらく経ってもソールドアウトとはならず、どうやら当初は6/2に検討されていた追加公演もなくなり、代わりにコベントリー公演が登場することになり、行けたら行きたいと思っていた地だけにやきもきしましたが、この夢の劇場でストーンズは素晴らしい演奏を繰り広げます。
まずはオープニングの"JJF"、そして"IORR"にもいつも以上のキレがある!
"Tumbling
Dice"ではちょっと乱れる箇所がありますが全く問題なし!
そこから現時点では今ツアー唯一のレア曲"Shattered"!
スピードは昔より落ちてるけど、これぞロール、素晴らしいではありませんか!キースも思った以上に弾いてます弾いてます。
これは目の当りにしたらやばいかも。
そして「昔はOdeonで何度も何度もやったよ。そのあとフリー・トレード・ホール(あのディランへのユダ!事件のところ)でもやったね」と昔を懐かしんでやったのは
"Just Your Fool"。いいですなぁ〜。
そしてvoteはやっぱり今も大人気で選ばれるんですねぇ〜の"Let's
Spend The Night Together"。
これもいいぞ!
さらに先の"Shattered"だけでなくもひとつレア曲、コベントリーに続いての
"Like A Rolling Stone" とまさに大サービス!!
ここまで絶好調!まだまだいけるぞストーンズと。
マンチェスターはもうここまででも十分と思いきや、"Miss
You"のイントロはシビれさせてくれるし、凄いのが"Midnight Rambler"。
ロニーとチャーリーの掛け合いも素晴らしければ、"You
Gotta Move"を挟んで来るわ、その後のチャーリーとロニーがまたかっちょいい。
いやぁ〜ほんと素晴らしい!齢70を超えてまた進化するストーンズ、おそるべし!!
そんな素晴らしい演奏を聴けるマンチェスターですが、こちらも元はネットに公開された隠密音源で、No
Filter 2018ツアーでは毎度のCL音源。
音像は大きくとらえてられているのですが、元音源はコベントリーと同じようにこれまた一枚フィルターがかかったような音。
それがこちらの作品ではまたしてもイコライジング調整でかなり改善されていて、薄皮一枚剥いだ迫力ある素晴らしいサウンドに生まれ変わっています。
高音がスカッと抜けのの良い音質かというとちょっと違いますが、ナチュラルで中高域ががっちりしたサウンド。
そして周りは曲中はうるさくはないんですが、曲間でたまに聴こえる日本人の掛け声がちょっとマイナスポイント。、
「ミックちゃん」とか「すけべー」とか「チャーリー・ワッツがんばれー」とかいろいろ(苦笑)
もちろんファンがそうして楽しむのは断然自由ですが、隠密録音としてはちょっとということで、"EX"〜EX-"。
ちなみに"Let's Spend-"の3:10あたりの揺らぎは元音源に起因するもの。
いやしかしこんな名演をこんな音で録音してくれていて、ありがたい限りのマンチェスターでした!!
『 COVENTRY 2018 』 no
label (2CD)
aud.recordings@Ricoh Arena, Coventry, UK.June
2, 2018
●Disc
1
1. Intro / 2. Street Fighting Man / 3. It's Only Rock'n Roll / 4. Tumbling
Dice / 5. Paint It Black / 6. Ride 'Em On Down / 7. Like
A Rolling Stone / 8. Dead
Flowers / 9. You Can't Always Get What You Want /
10. Honky Tonk Women / 11. Band Introductions / 12. You Got The Silver / 13.
Happy
●Disc 2
1. Sympathy For The Devil / 2. Miss You / 3. Midnight Rambler
/ 4. Start Me Up / 5. Jumping Jack Flash / 6. Brown Sugar / 7. Gimme Shelter
/ 8. Satisfaction
ダブリン、ロンドンx2、サウサンプトンを経てストーンズが向かったのは47年ぶりとなるコベントリー。
そう、ブートではおなじみの1971/3/6以来、47年ぶりなのです。
その1971年のライブはブート化されているのは1stショーのみで、2ndショーはセットリストすら判明していませんが、おそらく当時のセットリストから、1stショーと同じくアンコールに"Street
Fighting Man"をやったのではと。
そして47年経って再訪したコベントリー、47年前におそらくアンコールで最後に演奏した"Street
Fighting Man"から開演!!
そんなことを考えて聴くだけでオープニングの歓声には涙ものであります。
さて、この作品の元音源もネットに公開されたもの。
インフォには元音源の欠点が書かれていましたが、元音源を聴かなければ何の疑いもなく重低音のきいた良好音源と思うサウンド。
そう、元音源はなんともダイレクト感のないちょっとこもったサウンドで、特に冒頭は距離感もあってイマイチだったのです。
それがこの変わりようったら素晴らしい!
演奏がくっきりと浮かび上がり、比べたら笑っちゃうほど向上しています。
ということで怒涛のイコライジングなんでしょうが、高音が耳に突き刺さったりヒスノイズがといったことはありません。
歓声はサウサンプトンほどうるさくもなく、たまに曲中に話し声も入ってますが、臨場感を感じる程度。
そんなわけで元音源からは大幅に向上して素晴らしい、でも極上音源と比べるとダイレクト感は半歩譲るといった"EX-"。
いやしかしコベントリーが開催されたのは6/2。そう、チャーリー77歳の誕生日!喜寿ですよ!
そして前日の6/1はロニーの71歳の誕生日だったのです。
わたくしほんとはこの日程も狙ってたんですが、渡航はかなわず残念無念。
そんなロニーの誕生日明けですが、"Tumbling
Dice"でロニーは大外し(笑)
そしてこの日は"Like A Rolling Stone"がツアーで初めて登場。
嬉しくなるのがその"Like
A Rolling Stone"が終わると会場内に"Happy Birthday to You, Happy Birthday
dear Charlie"の合唱。
そしてロニーは昨日だよという観客の話し声。何とも心が温まる瞬間。この場にいたかった!
そして妙にゆっくりな"Dead
Flowers"がレア曲として登場。
キースのハモリも力強く、ロニーのソロもさらに力強く始まり味わい深いソロを弾いてますが、曲のラストはなんとなくしまりがない(笑)
でも"You
Can't Always-"でのロニーのソロはいい感じ!そしてリプライズも!
それにしてもこの日はロンドンやサウスハンプトンで感じられたミックの喉の不調を全く感じない好調ぶり。
そしてお楽しみはバンド紹介。
サッシャがコールされるとリサと叫ぶメキシコかアルゼンチンからっぽい観客もいかがなものかと思いつつ、ミックは「バンドのメンバー二人が誕生日をここコベントリーで祝ったんだよ」と。
まずは前日誕生日のロニー。観客も"Happy
Birthday to You"と。
そして「彼こそ今日が誕生日なんだよ」とチャーリーを!!
ミックもメンバーも観客と"Happy
Birthday to You, Happy Birthday to You, Happy Birthday dear Charlie, Happy Birthday
to You!" 。
いやほんと素晴らしい!メンバーの誕生日をライブで祝える機会は果たしてあと何度あることやら。
そんなわけでキースもやるのは"Happy"ですよ。
その"Happy"、ロニーのソロの間にロニーとコーラスに対してキースが先行してしまうというずれが発生していますが、まぁご愛嬌。
キースも気づいて笑って歌ってます(笑)
いやしかしこんなスペシャルなライブ会場が、日本の理研光学工業株式会社から発展したRICOHの名がついてるだけでも嬉しくなるというものです。
さて、後半はいつものセットということでやや面白みには欠けますが、Disc
1の最後は悪魔のイントロでDisc 2に続くというわけでフェードアウト。
が、悪魔のイントロのドンカマで音飛びのような事になってます。
これは元音源もそうなので、SEトラブルか録音時の音飛びなのかはよくわかりませんが、XAVELのコベントリーがリリースされれば聴き比べてみましょう。
でも音飛びに聴こえるところでDisc1が終わるのも気持ち悪いので、最近はDisc2冒頭の音をDisc1ラストでフェードアウトするのがスタンダードになったとはいえ、今回はその手前でフェードアウトしてもいいのにと。
いやしかしこの日のロニー、大外ししたりしてましたが、"Midnight
Rambler"でのソロは素晴らしい!
誕生日明けでいろいろ遊び心満点なのか、やっぱりロニーは面白い(笑)
そんなわけでチャーリー喜寿の記念日のライブ、元音源のアップグレード・バージョンで堪能しました!
そしてコベントリーはXAVELからIEMマトリクスがリリースされるとのことで、そちらも楽しみであります!!
『 SOUTHAMPTON 2018 』 no
label (2CD)
aud.recordings@St. Mary's Stadium, Southampton,
UK. May 29, 2018
●Disc
1
1. Intro. / 2. Start Me Up / 3. Let's Spend The Night Together / 4. Tumbling
Dice / 5. It's Only Rock'n Roll / 6. Just Your Fool / 7. Under
My Thumb / 8. Sweet
Virginia / 9. You Can't Always Get What You Want /
10. Paint It Black / 11. Honky Tonk Women / 12. Band Introductions / 13. The
Worst / 14. Before They Make Me Run
●Disc 2
1. Sympathy For The Devil
/ 2. Miss You / 3. Midnight Rambler / 4. Jumping Jack Flash / 5. Brown Sugar
/ 6. Gimme Shelter / 7. Satisfaction
No Filter 2018 UK/EUツアーの4公演目は、ダブリン、ロンドンx2を経てあのタイタニック号が出港した港としても知られる、港町サウサンプトン。
吉田麻也が所属するプレミアリーグ・サウサンプトンFCで知られる町でもあります。
このサウサンプトンの前のロンドン公演ではミックの調子が後半みるみる悪化しており、さらにこのサウサンプトン公演に向けたウェブvoteがなぜか行われなかったこともあり、キャンセルされるんじゃないのかと世界中のマニアをやきもきさせていましたが、雨予報すらはねのけて無事開催されました!
無事開催されるだけで世界中が胸をなでおろすという、さすがはストーンズ。
そんなサウサンプトン、キースのなんじゃこりゃイントロの"Start
Me Up"で開幕。
いやぁ〜ひどいもんです(爆)
でもね、74歳とかですからね。これを許せるかどうかであなたのストーンズ指数が測れそうなもんです。
でもミックは心配された喉の具合もよく、すっかり元気です。
ただし演奏はちょっともっさりした感じ。
"Tumbling
Dice"なんかはキースもぐいぐいとワイルドさが溢れ、そこから点火していくかと思いきや、"IORR"でも点火には至らず(笑)
MCでは、サウサンプトンで初めてやったのは1963年。ゴーモン・シアターでボ・ディドリーとエヴァリー・ブラザースのオープニング・アクトとしてやったんだと会場をわかせます。
そうして始まった"Just
Your Fool"ではどうもバラバラ(笑)
おまけに最後の歌詞の"I ain't
lyin', no use a jivin'. I'm just your fool" "I ain't crazy, you are
my baby. I'm just your fool"が逆転してます。
いやしかしそんなことはどうでもいいのだ。ここからですよストーンズは!
この日のレア曲"Under
My Thumb"からです!
この"Under My Thumb"、途中のロニーが頼りないけどロンドン初日より断然いい!
終了後もミックはまだ歌い足りない感じで"Say,
it's alright"と。
そしてその後の「ポーツマスから来た人はいるかい?」でブーイング。
イングランド南部の二大港湾都市ポーツマスとサウサンプトンは、サッカーではサウスコーストダービーと呼ばれる屈指のカードのライバル同士。
そんなわけであえていじるミックでした(笑)
そしておそらくウェブvote候補であった"Sweet
Virginia"、これがまたいい。
ミックがアコギを奏で、間奏のサックスがまたいい吹きあがり。
映像では確認できませんが、この情緒ある吹き方はインフォで書かれているカール・デンソンではなく、ティム・リースでしょう。
この2曲だけでもサウサンプトンは聴く価値あり。
そんな感じですが、このCDの音の特性ってわけでもないんでしょうが、その後いよいよかと思われた点火もどうにも感じず、淡々とというわけでもないんですが普通にステージは進みます。
キース・コーナーもまぁちょっと"Before
They Make Me Run"であやういくらい(笑)
そして"Miss You"の前には、「サウサンプトンで最後にやったのは1966年、まぁたかだかちょいと数年前だけどね」とミック(笑)
でもきちんとまた来てくれてありがとうと謝辞を。1966年と2018年、どちらも観たツワモノが会場に何人いるかは不明ですが、きっといらっしゃることでしょう。
ちょっと感動であります。いやしかし最初にやったのは1963年で最後が1966年だったとは。
そうした始まった"Miss
You"はなかなかですが、"Midnight Rambler"はまたずいぶんもっさりと、、、と思ったらロニーのソロで加速していって一安心(笑)
でもこの日は結構バラバラなところがチラホラあるんですよねー。なんでだろう?
さらに"JJF"では後半ミックが全然歌ってなかったり、続く"Brown
Sugar"ではまたしてもミックは喉をいたわる歌い方に。
そんなわけでキースのイントロ大爆笑から始まり、ミック復調からまたあら?という感じのサウサンプトンです。
さてこの隠密、これまたネットにアップされたもので、このツアーでは同一テーパーによるものが続いていますが、今回の元音源はすこしボヤーっとしたフォーカスの甘いサウンドでしたが、このCD化にあたっては、イコライジングによってエッジが立って演奏もシャープで前に出てくるよう見事に調整されています。
低音も効いて音の抜けもなかなかいい感じのサウンドで、音像もなかなか大きく、定位はやや左寄りながらも、安定して演奏を聴くことができます。
もうちょい低音をきかせてもいいかなーと思いつつ、今回のこの音源で一番の問題は周りの歓声。
今回はところどころでうるさい年配と思しき女性達の黄色い歓声というか笑い声だったりが目立ちます(笑)
いや、観客が騒ぐのは全くもって正しいコンサートの楽しみ方だと思いますが、隠密音源に入ってるのはそんなに面白くありません(笑)
"Start
Me Up"や"Tumbling Dice"で目立った後はテーパーの遠くに離れたのか、あまり目立たないのが一安心ですが、"You
Can't -"でまたちょい現れたりしますので油断大敵。
ということで元音源よりは大きく向上していますが、総じて"EX-"です(笑)
という感じですが、ロンドンに続くローカル遠征第1弾をこうして高音質で聴けて幸せであります。
『 LONDON STADIUM 2018 2ND NIGHT 』 no
label (2CD)
aud.recordings@London Stadium, London, UK. May
25, 2018
●Disc
1
1. Intro / 2. Jumping Jack Flash / 3. Let's Spend The Night Together /
4. It's Only Rock'n Roll / 5. Tumbling Dice / 6. Just Your Fool / 7. Dead
Flowers / 8. Wild
Horses (With Florence Welch) / 9. You Can't Always
Get What You Want / 10. Paint It Black / 11. Honky Tonk Women / 12. Band Introductions
/ 13. The Worst / 14. Happy
●Disc 2
1. Sympathy For The Devil / 2. Miss
You / 3. Midnight Rambler / 4. Start Me Up / 5. Brown Sugar / 6. Gimme Shelter
/ 7. Satisfaction
No Filter 2018 UK/EUツアー3公演目、ロンドン・スタジアム2日目であります。
こちらも元音源はネットにアップされた音で、ダブリン、ロンドン初日と同一のテーパーによるものですが、テイストはちょっと異なります。
初日のクリアネスに対して、こちらは重低音の聴いた骨太なサウンド。
しかーし、これも元音源はもうちょっと濁ったサウンドだったのがイコライジングでクリアになっています。
それによってこれまた見事に迫力の重低音でいて、クリアさを誇るとまでのクリアネスではありませんが、クリアさも向上しています。
ただし、定位が微妙に左寄りなのと、"Tumbling
Dice"の途中から"Just Your Fool"の途中までやや音が翳ってるのは残念。
周りは、賑やかなのはすぐ近くではないので臨場感を感じる程度でセーフ、、、と思って聴いてましたが、キースの2曲と悪魔の冒頭で左chで歌う男性の声がちょいマイナス(笑)
それがなければ最高の骨太サウンドなんですが、ということでこちらも"EX"〜"EX-"。
さて、この日のオープニング・ナンバーは"JJF"。
その後のライヴでも悪魔はもうオープニング・ナンバーではなくなったもよう。
「なんだよそれじゃコンセプトも何もない、ここ数年のライヴと同じじゃねーか」とちょっと拗ねてるわたくし(笑)
それはともかく、この日は冒頭から結構淡々と演奏が続きます。
今ツアー初登場の"Let's
Spend The Night Together"も、Voteの"Dead Flowers"も「あら?」というあっさりした感じ。
そんな進行ですが、ロマンチック・コーナーでは"Wild
Horses"。
ここで前座のフローレンス・アンド・ザ・マシーンのフローレンス・ウェルチが登場。
これが絶品で、やっぱ彼女のボーカルには2012年の"Gimme
Shelter"よりこっちがあってますね(笑)
しかーし、この曲での彼女との対照によって、なぜこの日は淡々と感じるのかがだんだん伝わってくるのです。
そう、この日のミックのボーカルに張りがないのです。しかも途中"Tears
must be cried"でかすれてしまうミック。
それがステージの後半になって顕著に現れてくるのですが、ここではまだミックは喉の調子を探りつつだましだまし頑張っていたんですね。
そんなミックをカバーすべく、バンドはここからエンジンがかかっていき、"You
Can't Always Get What You Want"ではリプライスまで。
そしてバンド紹介の前、ミックは「ジュビリーラインに乗ってやってきたんだ」「一緒の車両にいたリアムは兄のノエルの膝の上に載ってたよ」とか言った後、「トランプとキム・ジョンウンがセルフィーを撮ってたよ」でかなりウケてます(笑)
続いてキース・コーナー、キースは2曲ともロンドン初日とは別の曲に変え、ここでは"The
Worst"と"Happy"に。
"Happy"は今ツアー初登場。
いやしかしその2曲、前述したとおり左chに一緒に歌う男性の声が入っててちょい邪魔。
せっかく音いいのに(笑)
さて、ミックをカバーするメンバーで素晴らしいのが"Midnight
Rambler"でのロニー。
これがまた素晴らしい!このランブラー最高です!
ただ、この曲の後半からミックがちょっとあら?てな感じになり、"Start
Me Up"からはいよいよ明らかに変調をきたし、ずいぶん抑えた歌い方に。
抑えたというか辛くて出せない感じで、"Brown
Sugar"なんて全然歌えてません。
"Satisfaction"では何とか持ちこたえてますが、後半は聴くのも辛い歌い方に。
この歌い方は、嫌でも2年前のデザート・トリップからのベガスを思い出させてくれます。。
こりゃ次のサウサンプトン公演まずいかも、、、と心配してると、そのサウサンプトン公演用のVoteが公開もされなかったりしてハラハラしましたが、無事開催されて何よりでした。
そんなミックの不調がリアルに感じられるライヴですが、ナイスなリマスターでそこも高音質で楽しめるタイトルでありました!
『 LONDON STADIUM 2018 1ST NIGHT 』 no
label (2CD)
aud.recordings@London Stadium, London, UK. May
22, 2018
●Disc
1
1. Intro / 2. Street Fighting Man / 3. It's Only Rock'n Roll / 4. Tumbling
Dice / 5. Paint It Black / 6. Ride 'Em On Down / 7. Under
My Thumb / 8. Fool
To Cry / 9. You Can't Always Get What You Want / 10.
Honky Tonk Women / 11. Band Introductions / 12. Before They Make Me Run / 13.
Slipping Away
●Disc 2
1. Sympathy For The Devil / 2. Miss You / 3. Midnight
Rambler / 4. Start Me Up / 5. Jumping Jack Flash / 6. Brown Sugar / 7. Gimme
Shelter / 8. Satisfaction
No Filter 2018 UK/EUツアー2公演目。
ダブリンでの初日を経ていよいよUKに乗り込んできたストーンズ、いきなり首都ロンドンを襲撃!
ロンドンといえば90年以降のツアーではウェンブリー・スタジアム、ウェンブリー・アリーナ、トゥイッケナム・ラグビー・グラウンド、O2アリーナと巡ってきましたが、5年ぶりのロンドン、そして12年ぶりとなるロンドンでのスタジアム公演の会場となったのは、ロンドン・スタジアム。
2012年オリンピック・パラリンピックのメイン会場であったロンドン・スタジアムに堂々降臨!
その待ちに待ったロンドンでのスタジアム公演、オープニングはNo
Filter 2017ツアーでお馴染みの悪魔のドンドコから始まるものではなく、"Ladies
and gentlemen, welcome home! The Rolling Stones!!"のアナウンスからまさかの"Street
Fighting Man"!!
そんな興奮から始まるロンドン公演、こちらの元音源はネットに公開された隠密音源。
元音源を先に聴いているので感激は薄いかと思いきや、さにあらず。
元音源と比べると少し手拍子などが緩和されているようですが、鮮度は失われるどころかさらにクリアさが突き抜け、演奏も前面に出てきてより迫力も増しています!
これぞオープンエアーの屋外公演というクリアさと低音部の迫力もキープした極上サウンドへ。
すこしチャリチャリした感じが残っていますが、ここを削ると鮮度も失われるギリギリのポイントかという、極上のサウンドに進化しています。これは見事。
曲間では周りの話し声が目立つところもありますが、ダブリンほど賑やかではなく、手拍子がうまく緩和されたことでダブリンとも甲乙つけがたい"EX"〜"EX-"。
そんなわけで届いたその日の晩に開封してちょこっとのつもりが1枚目は全部聴いてしまったんですが、翌朝から改めて。
オープニングは前述したとおり、まさかの"Street
Fighting Man"。
ダブリンでのリハでは演奏されていながらもその初日ダブリンでは登場しなかっただけに、いつ登場するのかと世界中のマニアが注目していた"Street
Fighting Man"!
ロンドンに集まった世界中のマニアの狂喜するさまが目に浮かびます。
そこからツアー2日目と思えぬ安定した演奏でライブは進み、『BLUE
& LONESOME』からの曲はついに"Ride 'Em On Down"1曲だけとなってしまいましたが、この変化も続く2曲で歓喜へと。
まずはVoteで選ばれた"Under
My Thumb"。
「キース、覚えてるかい?」とミックが話かけて始まりますが、もちろん81/82は言うに及ばず97のようなような速さはなくすっかり円熟したプレイ。
イントロからキースがガンガン弾くのではなく、さらに以降もあまり弾いてないのが寂しいところではありますが、この円熟したスロウな演奏でも音だけでも興奮させるボーカル、更には後半マラカスも振って盛り上げるミックはやはり凄い。
しかしロンドン公演のハイライトはこの"Under
My Thumb"だけでは終わらなかった。
ここでロマンチックなバラードをやるよとミックが言って、おそらく会場の多くの観客が思い浮かべたのは"Angie"。
しかーし、そこで登場したのは何と"Fool
To Cry"!
イントロが流れるやあまりの意外さに観客のおっさんが驚いて声をあげますが、それも無理はありません。
そしてこの日、5/22のロンドン公演といえば思い出されるのは、42年前の1976/5/22。
42年前のこの日もストーンズはロンドン公演、そう、ブートでもお馴染みのあのアールズコート。
そのアールズコートでももちろん"Fool
To Cry"やってます!
そんな42年前にも思いを寄せてのロンドンでの"Fool
To Cry"との邂逅、曲の途中で間が空くアソコではタメをたっぷりとって会場大盛り上がり。
いやぁ〜オープニングの"Street
Fighting Man"、"Under My Thumb"、"Fool To Cry"だけでも超絶羨ましい。
なぜわたしはここにいないのだぁ〜!と半分悔しい思いで聴いています(笑)
しか〜し、ロンドン初日の聴きどころはこれだけではありません。
ハイライトに続く"You
Can't Always Get What You Want"はなんだかロニーが冴えず、キースも"Honky
Tonk Women"では取っ散らかったりしてますが、ダリルの前にロニーを紹介しちゃったバンド紹介を経てキース・コーナーへ突入。
ツアー初日のダブリンでのキース・コーナーで演奏されたのは"Before
They Make Me Run"と"The Worst"。
No Filter2017ではキースの2曲は"Happy"と"Slipping
Away"で完全固定でしたので、もうキースは日替わりとかやるとこんがらがってダメなんだなぁと思ってましたが、、、
1曲目はやはり"Before
They Make Me Run"でしたが、2曲目は"Slipping Away"に。
さらに以降の公演でもいろいろ曲を替えてくるキース。すみません、わたくしすっかり侮ってました。
いやしかしわたしは"Before
They Make Me Run"と"The Worst"の方がいい!とか思ったりもしますが、曲を替えてくる余裕があるのはよい報せかと。
Disc2からの後半では鉄板ナンバーが続き、そこはもう端折りますが、この日のもう一つの聴きどころはラストの"Satisfaction"。
イントロも乱れはしますが、凄いのは途中から演奏とコーラス隊が噛み合わずにメロメロに成り果てること(爆)
これはミックがランウェイに行っている間にキースがずれたタイミングであのリフを力強く弾いちゃったせいですね(笑)
キースは一度弾くのをやめてロニーにあわせますが、やっぱ違ってたとロニー、チャーリー、キースが笑ってますが、かわいそうなのは頑張るコーラス隊(笑)
ロニーはチャックの元に歩み寄り、キースは引き続き苦笑い。
そんなトラブルも回避するのがミック。なんとかHey
Hey Hey Heyであわせてきます。
そんなお茶目な姿も垣間見れたロンドン初日。
ネットに公開された音源がブラッシュアップでさらなる進化を遂げ、大満足のタイトルでした!
May 2018
『 DUBLIN 2018 』 no
label (2CD)
aud.recordings@Croke Park, Dublin, Ireland. May
17, 2018
●Disc
1
1. Sympathy For The Devil / 2. Tumbling Dice / 3. Paint It Black / 4. Just
Your Fool / 5. Ride 'Em On Down / 6. Neighbours
/ 7. Wild Horses
/ 8. You Can't Always Get What You Want / 9. It's Only Rock'n Roll / 10. Honky
Tonk Women / 11. Band Introductions / 12. Before They Make Me Run / 13. The
Worst
●Disc 2
1. Miss You / 2. Midnight Rambler / 3. Start Me Up / 4. Jumping
Jack Flash / 5. Brown Sugar / 6. Gimme Shelter / 7. Satisfaction
No Filter 2018ツアー初日のダブリン公演の隠密音源が登場。
わが家に届いたのは6/1でしたが、リリースはライブから2週間後の5/31ということで5月コーナーに格納!
ストーンズは2012年末復活の50&Countingツアー、そして14
On Fire欧州ツアーでもアイルランドではやってなかったので、アイルランド上陸は2007年のA
Bigger Bangツアーでのスレーン・キャッスル公演以来11年ぶり。
そんな久しぶりのアイルランドはダブリン公演がツアー初日ということで、世界中のマニアが大集結。いいなぁ〜ん。わたしゃどうしてそこに行けないのだ(涙)
はい、そんなわけですが、この元音源はネットに公開されたもの。
ネットにはこの元音源とそのリマスター、さらに別音源も公開されていましたが、この元音源はどうにも薄膜一枚かかったような感じで、プレスCD化されるには微妙かなぁと思ってましたが、今回のCD化にあたっての調整が素晴らしい。
元音源の薄皮一枚被ったような感じはすっかりなくなり、低音もしっかり鳴って中音域とのバランスも良くなり、高音の抜けもよいクリアネスを誇り、さらに音像もなかなか大きく素晴らしいという"EX"サウンドに昇華しています。
が、イコライジングでもどうにもならない問題が一点。
周りの喋り声が耳につくところがちらほら。叫び声や歓声ならまだいいんですが、観客の年齢層も上がってることもあって余裕をもって観てるってな感じで、まぁよく喋ること。
"Wild
Horses"でも喋りまくりで、「何しに来とんねん!」て感じ(笑)
まぁ途中から喋りも静かになっていきますけど、前半はそこがちょいマイナスポイントで総じて"EX"〜"EX-"ってな感じ。
でも元音源から脱皮したこのサウンド、聴き比べると感動であります。
とまぁ音質はそんな感じですが、ツアー初日の演奏は果たして。
No
Filterツアー2017の初日、ハンブルグはなかなかひどいもので、多くのストーンズ・マニアを失望させたものでしたが、今回は、、、いけてます(笑)
メンバー全員が70歳を超え、サポート・メンバーの年齢も女性コーラス以外は上がる一方ということで、テンポはややゆったりしたり、ミックの喉の艶もちょっとという感じではありますが、危なげのない円熟した演奏を堪能できます。
そして初日スペシャルはというと、現在進行中のツアー、この初日ダブリン以降のライブと比べてみると曲数が多いわけでもなく、かえって面白いのはロンドンとサウサンプトンではオープニングが悪魔でもないという(笑)
はい、この初日ダブリンの特徴はそのオープニングの悪魔の件と、『BLUE
& LONESOME』からの曲が2曲やったのは初日だけということ。
「これじゃ以前のツアーと大して変わらないじゃん、、、No
Filterツアーのコンセプトはどうなってるんじゃい」なんて意地悪く思ったりしてる今日この頃。。
ライブ後半にミックの喉に負担がかかり過ぎないようにとの配慮があるのかもしれませんが、まぁよく言えばNo
Filterツアーも進化を続けていると、はい(笑)
そんな感じで、ハンブルグの悪夢はどこへやら、2018ストーンズは順調に円熟路線を行きますが、Voteの曲の前に登場したのは"Neighbours"!
なんと2003年8月のLICKSツアーでのロッテルダム以来!そりゃ円熟バージョンではありますが、そのチャレンジこそストーンズ!!
でもVoteは"Wild
Horses"か、、、ほんとにあのVoteはリアルタイム結果なのかと疑いつつ(笑)
それはともかく定番曲も円熟進化パターンで突き進み、メンバー紹介。
さすがはダブリン、ロニーへの歓声が物凄い!ロニーもこれは嬉しかったことでしょう〜。
そしてキース・コーナー。
飛び出したのは2015年のハバナ以来の"Before
They Make Me Run"。
イントロで妙な溜めがあるように聴こえますが、あれは一発空振りしてて音が一つ鳴ってないからで、意図的な溜めではありません(笑)
しかし74歳のキースが
"I gotta move, it's still fun" "I'm gonna walk before they make
me run" なんて歌ってるのを目の前で観たら泣いてしまいそうであります。
続いてロニーのペダル・スティールが光る"The
Worst"。これまた2005年10月のシアトル以来。
途中でバナードがキースのマイクまでやってきて一緒に歌うってのもどうかと思わないでもありませんが、キース、どちらの曲でもプロンプターに頼ってないようです。
ところでキース・コーナーはNo
Filter2017では完全固定の2曲でしたが、2018ではダブリンに続くロンドン2公演では"Slipping
Away"に"Happy"にも飛び出しています。
いや個人的には"Before
They Make Me Run"と"The Worst"でいいのですが、こうしてまたキースが曲を変えてきたことに驚きを禁じえません。
2017年が固定だったので、もうキースは演奏とか歌詞とかごっちゃにならないように固定2曲で行くんだなと、わたくし完全にキースのことを侮ってました。すみません。
でも"Gimme
Shelter"では頼りないイントロが鳴り響き、チャーリーが入るまではアンコールが始まったと気づかない観客もいたのでは(笑)
ラストの"Satisfaction"もちょい頼りないところもありますが、全体的にハンブルグの比ではありません(笑)
てなわけでキースはイントロ以外でもどうも空振りしてるっぽいところがあったり、ミックもさすがに以前よりは抑え気味に聴こえたりもしますが、それも円熟の域。
それでいてチャレンジも忘れないストーンズ。
そんな2018年再始動のストーンズ初日をこうして高音質で聴くことができて大満足でありました!
『 VIENNA 1976 』 no
label (3CD)
aud.recordings@Stadthalle, Vienna, Austria. June
23, 1976
Recorder
1
●Disc 1
1. Introduction / 2. Honky Tonk Women / 3. If You Can't Rock
Me - Get Off Of My Cloud / 4. Hand Of Fate / 5. Hey Negrita / 6. Ain't Too Proud
To Beg / 7. Fool To Cry / 8. Hot Stuff / 9. Star Star / 10. You Gotta Move /
11. You Can't Always Get What You Want
●Disc 2
1. Band Introductions
/ 2. Happy / 3. Tumbling Dice / 4. Nothing From Nothing / 5. Outa Space / 6.
Midnight Rambler / 7. It's Only Rock'n Roll / 8. Brown Sugar / 9. Jumping Jack
Flash / 10. Street Fighting Man
Recorder 2
●Disc 3
1. Hey Negrita
/ 2. Ain't Too Proud To Beg / 3. Fool To Cry / 4. Hot Stuff / 5. Star Star /
6. You Gotta Move / 7. You Can't Always Get What You Want / 8. Band Introductions
/ 9. Happy / 10. Tumbling Dice / 11. Nothing From Nothing / 12. Outa Space /
13. Midnight Rambler / 14. It's Only Rock 'n Roll / 15. Brown Sugar / 16. Jumping
Jack Flash / 7. Street Fighting Man (part)
76ページでも紹介している、1976年Tour Of Europe '76最終日のウィーン公演。
この日は1999年にCD『TOUR
OF EUROPE '76』(no number)で初登場し、その後EXILEがイコライジングしすぎた『HAPPY
FOR YOU』(EXCD-016/17)と、直後にイコライジングを抑えた『END
OF EUROPE』(EXCD-023/024)などがリリースされていました。
その音源のファーストジェネレーションがネットに登場し、今回のDisc1/2でめでたくプレス化と相成りました。
結論を先に書くと、既発では"good"→"good"→"good+"ときた団子音源が、今回"very
good"になり、76最終日をベストなサウンドで聴けるようになってます。
ネットに公開された元音源と聴き比べると、特にイコライジングはされていないようですが、ちらほら聞かれた位相のふらつきを補正し、元音源にはファーストジェネレーションでの繋ぎ時に生じたものか、"Fool
To Cry"終了後の歓声部分、メンバー紹介のキースの前、そして"Midnight
Rambler"終了後の歓声といったところにわずかなダブりがありましたが、今回のCD化にあたってはそこは綺麗にオミットされているという丁寧な仕上がりになっています。
ということで、既発、特に最初のCDと聴き比べると別音源かというほど、すっきりしたナチュラルなサウンドになっています。
とはいえ万人受けするレベルではない"very
good"ですが、隠密慣れしたマニアには嬉しいアップグレード。
しかしこの音源、どうやって録音したのかテープチェンジの個所が見当たらないという不思議な音源。
オープンリールをモノラル低速録音するとここまでの長時間録音ができたのでしょうか??
それはともかく、やや距離は感じながらも周りが静かなので、モノラルでやや団子状でもこうしてツアー最終日の演奏を聴けるというのはおつなもの。
この2ヶ月後にはあのぼろぼろネブワースになるのかと考えるとさらに興味深いところ(笑)
個人的にはこの日の"Happy"が後半狂暴になり、以降突っ走っていくのが好き(笑)
そんなわけで、見晴らしが少し晴れて"very
good"にまで向上したツアー最終日でありました。
そしてDisc 3はこの日の別音源。
これはトレーダー間では出回っていた音源で、"Hey
Negrita"からの中途半端な録音のようですが、ブチブチと切れているのがネックですが、ステレオ録音されている別音源ということで貴重といえば貴重。
そんなブチ切れ音源ですので、Disc
3はDisc 1/2の「Recorder 1」から大幅に補填されています。
その補填箇所はインフォから拝借するとこのとおり。
Disc 3
1. Hey Negrita ★出だし〜1:14 Rec1で補填 / 1:27〜1:32Rec1オーバーダブ(音切れ緩和処置)
2.
Ain't Too Proud To Beg
3. Fool To Cry ★0:57-3:54 / 5:06以降 Rec1で補填
4.
Hot Stuff ★0:00-2:46 Rec1で補填
5. Star Star ★3:58以降 Rec1で補填
6.
You Gotta Move ★0:46-0:50 / 4:04以降 Rec1で補填
7. You Can't Always Get
What You Want ★0:00-0:01 / 0:45-0:50 / 8:51-9:39 Rec1で補填
8. Band Introductions
9.
Happy
10. Tumbling Dice ★2:48以降の1分半 Rec1で補填
11. Nothing From
Nothing ★丸ごと Rec1で補填
12. Outa Space ★0:00-0:38 Rec1で補填
13.
Midnight Rambler ★6:46-7:10 / 7:30-7:39 / 11:03-12:16 Rec1で補填
14. It's
Only Rock 'n Roll
15. Brown Sugar
16. Jumping Jack Flash ★0:48以降 Rec1で補填
17.
Street Fighting Man (part) ★丸ごとRec1(オマケ収録・1分50秒ほどで終了)
今回のCD化にあたっては、こうした補填だけでなく、左右のchで高音部に差があった音質も調整されているようです。
また、この「Recorder
2」を全部活かし、かつ"Hey Negrita"から一気通貫とするためでしょう、CD収録時間目いっぱいとなりラストの"SFM"は途中で終わってしまいます。ならば「Recorder
1」だけのビリー・プレストンの"Nothing From Nothing"をオミットして"SFM"を全部収録した方がいいのにと思わないでもありませんが、"Hey
Negrita"以降の一気通貫というポリシーでこうなったんでしょう。
はい、そんなわけですがこちらはちょいとモコモコして割れ気味のサウンドで、ステレオとはいえ最初耳にするとちょっと厳しい"good"程度かと。
まぁ聴き進めるうちに慣れてきますが、その"good"なステレオ「Recorder
2」と"very good"なモノラル「Recorder 1」が行き来するサウンドで、切り替わり時には違和感があり。
でも貴重な「Recorder
2」をこうして丁寧な補填と調整が施されたサウンドで聴けるのというのはさらに貴重。
ということで、既発音源のアッパー版と、まぁこっちはボーナス的ではありつつも貴重な別音源で76ツアー最終日を聴くことの出来るタイトルでした!
『 IT'S ONLY ROCK'N ROLL 』 no
label (4CD)
aud.recordings@Cow Palace, San Francisco, CA.
Jul.15 & 16, 1975
Live
at Cow Palace, San Francisco, CA. Jul.15, 1975
●Disc 1
1. Fanfare For
The Common Man / 2. Honky Tonk Women / 3. All Down The Line / 4. If You Can't
Rock Me - Get Off Of My Cloud / 5. Star Star / 6. Gimme Shelter / 7. Ain't Too
Proud To Beg / 8. You Gotta Move / 9. You Can't Always Get What You Want / 10.
Happy / 11. Tumbling Dice / 12. It's Only Rock'n Roll
●Disc 2
1. Band
Introductions / 2. Doo Doo Doo Doo Doo / 3. Fingerprint File / 4.Angie / 5.
Wild Horses / 6. That's Life / 7. Outa Space / 8. Brown Sugar / 9. Midnight
Rambler / 10. Rip This Joint / 11. Street Fighting Man / 12. Jumping Jack Flash
Live at Cow Palace, San Francisco,
CA. Jul.16, 1975
●Disc 3
1. Fanfare For The Common Man / 2. Honky Tonk
Women / 3. All Down The Line / 4. If You Can't Rock Me - Get Off Of My Cloud
/ 5. Star Star / 6. Gimme Shelter / 7. Ain't Too Proud To Beg / 8. You Gotta
Move / 9. You Can't Always Get What You Want / 10. Happy / 11. Tumbling Dice
/ 12. It's Only Rock'n Roll
●Disc 4
1. Band Introductions / 2. Fingerprint
File / 3. Wild Horses / 4. That's Life / 5. Outa Space / 6. Brown Sugar / 7.
Midnight Rambler / 8. Rip This Joint / 9. Street Fighting Man / 10. Jumping
Jack Flash
75隠密ではNYのMSG、LAのLAフォーラムに続いて有名なのがこのサン・フランシスコのカウ・パレス公演。それが2日間セットで登場。
まずはカウ・パレス公演の初日7/15公演。
こちらはアナログ時代から今回のジャケの元にもなっている3枚組Boxの『IT'S
ONLY ROCK'N ROLL』が有名でしたが、CDの決定盤はVGPがそのアートワークを流用して93年にリリースした『IT'S
ONLY ROCK'N ROLL』(VGP-036/37)。
こちらは当初2枚がバラ売りされていた『IT'S
ONLY ROCK'N ROLL part.1』『同 part.2』のセカンド・エディションで、音質向上盤として登場した2枚組でしたが、いかんせんもう25年も前のリリースで、決定盤ながら長らく入手困難となっておりました。
旧盤
そんな状況でしたが、ネットにアナログ・マスターからのDATコピーというアッパー音源が公開されました。
それをそのままリリースしたCDも既にリリースされていますが、今回の作品はそのアッパー音源を基本としつつ、その欠落部分を、2012年にLHからCD化されてもいた同日別音源の『...SAD
SONGS IS ALL I KNOW』音源から丁寧に補填して仕上げられています。
なお、アナログでは『IT'S
ONLY ROCK'N ROLL』よりこの『...SAD
SONGS IS ALL I KNOW』が先にリリースされています。
ということで、『IT'S ONLY ROCK'N ROLL』音源は"Rip This Joint"の中間部の欠落が有名ですが、他にもいろいろ欠落はあり、今回の補填をショップ・インフォから拝借すると以下のとおり。
Disc 1
1. Fanfare For The Common Man
2. Honky Tonk
Women
3. All Down The Line
4. If You Can't Rock Me / Get Off Of My Cloud
★7:01-7:29演奏後の曲間を補填
5. Star Star ★4:22-4:27、 4:41-6トラック直前まで、演奏後の曲間を補填
6.
Gimme Shelter ★6:01-6:20 演奏後の曲間を補填
7. Ain't Too Proud To Beg
8.
You Gotta Move ★3:22付近曲中カット部をクロスフェード処理
9. You Can't Always
Get What You Want
10. Happy
11. Tumbling Dice ★4:59以降の曲間を補填
12.
It's Only Rock 'n Roll 0:00-0:02イントロ部補填、 4:57以降の曲間を補填
Disc 2
1. Band Introductions ★ほぼ丸ごと補填
2.
Doo Doo Doo Doo Doo (Heartbreaker)
3. Fingerprint File ★7:55以降を補填
4.
Angie ★0:00-0:12イントロ部を補填
5. Wild Horses ★1:16付近の音切れをLPソースをオーバーダブして緩和
/ 演奏後6:55以降曲間補填
6. That's Life ★カットイン(補填ソースなし)
7.
Outa Space ★カットイン(補填ソースなし) / 演奏後4:02以降曲間補填
8. Brown
Sugar ★0:00-0:09 補填
9. Midnight Rambler
10. Rip This Joint ★1:05-1:42付近
補填
11. Street Fighting Man
12. Jumping Jack Flash
"Rip This Joint"が完全版になっただけでもめでたしめでたしですが、こんなに欠落があったんですね。
しかも今回はアナログ・マスターからのDATコピーというだけあって、コンディションがよい!
そこでその元音源のナチュラルさを活かしつつ、それでいて元音源からはわずかに左chが明るくなって定位も微妙に修正されたようで、さらに少しモコモコしていた低音を抑え、わずかにクリアな仕上げがなされており、既発のややシャリシャリしたvery
goodが今回"very
good+"に向上しています。
もう少しメリハリのあるサウンドに仕上げようと思えば仕上げられたんでしょうが、あえてナチュラルさを大切にした仕上がりになっています。
こうしてアッパー音源によってついに完全版となったカウ・パレスに感激!!
いやしかしこの日の"If You Can't Rock Me - Get Off
Of My Cloud"は激熱です!
チャーリー連打が熱いわ、ミックのサン・フランシスコ!の煽りに観客も大盛り上がり。
いやぁ〜やっぱカウ・パレスの"If
You Can't Rock Me"最高!!
そしてロニーがベースを弾く"Fingerprint
File"がまた素晴らしい出来で、今回こうしてアナログ・マスターのDATコピーを聴けるというのは嬉しい限りですが、こうなるとまたアナログBoxが欲しくなるという、悪い病気が頭をもたげてきます(笑)
まぁいまもネットに売ってたりするんですが、高いので見送り中(笑)
そして今回ネットにアップされたのは初日だけでなく2日目も!
これは元々はあのThe
Day Side/The Night Side表記で有名なレーベルのアナログLP『THE
UDDER SHOW』の音源ですが、CDで最初にリリースされたのがバインダーに入って装丁は凝っていながら中身は劣化してた『TOUR
OF THE AMERICAS '75』(DP-9301-2)。
その後IMPから2日間セットの『THE
COMPLETE COW PALACE TAPE 1975』(IMP-CD-045-048)、更にそのコピーの『ROCK'N
ROLL SHOW NEVER ENDS』(SOF 8003/4) やそのバラ売りも出ましたが、いずれもところどころにカットがあるためどうにも脚光を浴びないのが2日目。
このカットは録音時の物なのか、今回のマスターもやはりカットがあるのは変わらず。
メンバー紹介はやはりロニーのみで、"You
Can't Always Get-"の終盤では2分ほどカットがあります。
そこでカット部には今回LHは丁寧なクロスフェード処置を施し、かつ"You
Can't Always Get-"は今回ネットに上がった音源では前日音源をかなりラフな補填がなされていたところを、今回は丁寧なクロスフェードに作り直されています。
こちらもその編集点をインフォから拝借するとこの通り。
ちなみにそのインフォも裏ジャケもそうですが、2日目のみ"Honky
Tonk Woman"と単数形になってますので、ここでは複数形に修正。
Disc 3
1. Fanfare For The Common Man
2. Honky Tonk
Women
3. All Down The Line
4. If You Can't Rock Me / Get Off Of My Cloud
5. Star Star
6. Gimme Shelter
7. Ain't Too Proud To Beg
8. You
Gotta Move
9. You Can't Always Get What You Want ★9:29以降-11:17付近まで15日音源で補填
10.
Happy
11. Tumbling Dice ★4:45付近曲間カット編集
12. It's Only Rock'n
Roll
Disc 4
1. Band Introductions ★メンバー紹介は殆どカット
/ 0:26、0:35付近それぞれ曲間カット編集
2. Fingerprint File ★演奏後7:36付近曲間カット編集
3.
Wild Horses
4. That's Life ★フェードイン
5. Outa Space
6. Brown Sugar
★演奏後3:44付近曲間カット編集
7. Midnight Rambler
8. Rip This Joint
9.
Street Fighting Man
10. Jumping Jack Flash ★フェードイン
こうして生まれ変わった2日目、これがまたいい!
補填においても位相を直しているようで、この丁寧な補填によって仮想完全版となり、さらにアッパー音源ということで気持ちいいい!
いや、音質は決していいわけではなく距離感もあってやや団子状な"very
good+"程度ですが、こもった感じもないナチュラルなサウンドで、慣れれば問題なく聴き進められます。
そして演奏がまた熱い。これは過去作では感じなかったところだけに嬉しいアップグレード!!
"It's
Only Rock'n Roll"でのキースのイントロがいつもと違うチャック・ベリー風で、チャーリーが合わないのが聴きどころの一つ(笑)
いやそんなことより今回のアップグレードがなければもう人生で二度と聞かなかったであろうカウ・パレス2日目、感謝感激であります。
ということで、過去最高緒にして初の完全版と疑似完全版となって登場したカウ・パレス2デイズでした!!
Apr 2018
『 PARIS SESSIONS 2002 』 no
label (1CD)
studio sessions@Studio Guillaume Tell, Suresnes,
France. May 13 - June 7, 2002
1.
Just Because (I) / 2. Dreams / 3. Cried Out / 4. Studio Chat #1 / 5. Just Because
(II) / 6. Studio Chat #2 / 7. Love is a Test / 8. When I Call Your Name / 9.
U Don't Wanna / 10. Don't Stop / 11. Keys to Your Love / 12. Extreme Western
Grip / 13. Well Well
2002年『FORTY
LICKS』セッション時のアウトテイク9トラックが、突如としてIORRにトレード希望と投稿されたのが2017年11月。
それが2018年4月になって遂にIORR上でリーク。(GOLDPLATE盤と同じ書き出し・笑)
ということですでにGOLDPLATEとMoonchildからリリースされている、パリ2002セッションがLHからも。
GOLDPLATEは、そのリーク音源にボーナスも加えて80分弱という長さで『FORTY
LICKS SESSIONS in the studio』を仕立て、曲間ギャップのない作りとなっています。
一方Moonchildの『LICKS
SESSIONS』はそのリーク音源のみという作りでジャケは2種類用意されていますが、曲間ギャップが公開時のまま4秒もあるのがちょっと残念でした。
今回のLHのはリーク音源に加えてDVD『FOUR
FLICKS』から2曲を加え、オリジナルでは4秒もあった曲間を1.5秒に縮めることで違和感なく聴けるようになっています。
リーク音源に加えているボーナスは2曲だけですが、ディスクをリピートして何度も楽しむにはこれくらいもいい感じではあります。
ということでもう何度も聴いてる音源ですが、こちらも超絶高音質"EX+"で楽しめる作品でした。
なお、Moonchildは1K、GOLDPLATEは1.5Kということもあってか、こちらは1.8K。
そして『FOUR
FLICKS』の店頭再生プロモDVDのコピーDVDRがついてます。
『 LICKS SESSIONS 』 Moonchild
Records (1CD)
studio sessions@Studio Guillaume Tell, Suresnes,
France. May 13 - June 7, 2002
1.
Just Because / 2. Dreams / 3. Cried Out / 4. Because / 5. Love Is A Test
/ 6. When I Call Your Name / 7. U Don't Wanna / 8. Don't Stop / 9. Keys To Your
Love
2002年『FORTY
LICKS』セッション時のアウトテイク9トラックが、突如としてIORRにトレード希望と投稿されたのが2017年11月。
それが2018年4月になって遂にIORR上でリーク。(GOLDPLATE盤と同じ書き出し・笑)
GOLDPLATEはひとつ前で紹介しているとおり、そのリーク音源にボーナスも加えて80分弱という長さで『FORTY
LICKS SESSIONS in the studio』を仕立てています。
それに対して、その流出した9トラックのみ45分弱を収録したのがMoonchildのこちら。
こちらは曲名も並びも公開されたもののままですが、もともとトレードを募っていた時のクレジットではtrk.1は"Just
Because I"、trk.4は"Just Because II"です。
また、ジャケはベロのAとキースのBの2種類ありますが、わたしはベロだけ(笑)
さてこちらもGOLDPLATE盤と同じく超高音質"EX+"で、何より安いのはいいんですが、一つ残念なのは曲間ギャップ。
GOLDPLATEの『FORTY
LICKS SESSIONS in the studio』は曲間ギャップをなくして、それぞれスタジオ内の会話や楽器がうまくつながっているようにスムースに聴けるのに対して、こちらは公開時の音源がそもそもそうだったんですが、曲間ギャップがあり、それによってスタジオ内での雰囲気が伝わる会話がブチ切れるような感じになってるところだけが残念。
またこちらには一切ボーナストラックは入っていません。
今回流出した曲だけ聴きたいというときには便利といえば便利ですが、曲間ギャップがつくづく残念でした。
『 FORTY LICKS SESSIONS in the studio 』
GOLDPLATE GP-1801CD (1CD)
studio sessions@Studio Guillaume
Tell, Suresnes, France. May 13 - June 7, 2002
1.
Just Because / 2. Dreams / 3. Cried Out / 4. Love Is A Test / 5. When I Call
Your Name / 6. U Don't Wanna / 7. Don't Stop (Early Mix) / 8. Keys To Your Love
(Early Mix) / 9. Just Because (Studio Chat) / 10. Just Because (Rehearsal Take)
+ Bonus
11. Well Well (Edit Version) / 12. Rehearsal / 13. Keys To Your
Love (Rehearsal Take) / 14. Losing My Touch (Rehearsal Take) / 15. Don't Stop
(Rehearsal Take) / 16. You Better Leave That Man Alone / 17. Extreme Western
Grip / 18. Well Well / 19. Don't Stop / 20. Keys To Your Love / 21. Stealing
My Heart / 22. Losing My Touch / 23. Only Found Out Yesterday * / 24. Hurricane
(*:
maybe not by Keith Richards)
2002年『FORTY
LICKS』セッション時のアウトテイク9トラックが、突如としてIORRにトレード希望と投稿されたのが2017年11月。
それが2018年4月になって遂にIORR上でリーク。
ということでその流出した9トラック(本作ではtrk.9と10で"Just
Because (Studio Chat)"と"Just Because (Rehearsal Take)"に分割したことによる計10トラック)に加えて、LICKS
ツアーの映像作品『FOUR
FLICKS』と『FORTY LICKS』などに収録された当時の音源をこれでもかと80分弱までつめこんでまとめた作品がこちら。
そもそもこちらはそのリーク音源にボーナスを加えてIORRのrskinno氏がまとめてシェアされたものが元になっているようですが、曲順は少し入れ替えられています。
また、公開時には最初のトレード希望との投稿とは違っていて間違いであったと思われるtrk.9と10の曲名"Because"も"Just
Because"に修正されています。
加えて、公開時にはあった曲間ギャップをなくすことによって、実際にはどうだったかはともかくスタジオでのセッションでの笑い声や演奏が見事につながっているように聴こえるのはナイス。
そんなわけですが、まずtrk.1からtrk.10までがそのリーク音源。
昔の音の悪いアウトテイクとは違って超絶高音質"EX+"を誇ります。
そしてインストというわけでもなく、ボーカルも入った最終形に近いテイクが収められているのが特徴。
今回のリーク音源の目玉はなんといっても"Just
Because"。
これぞキースが2015年にリリースしたソロ作『CROSSEYED
HEART』に収録され、DLのみながら1stシングルとなった"Trouble"の原曲であることが一発でわかる曲。
今回リークしたテイクはまだミックの歌もラフで、キースの"Trouble"のように歌詞に"Just
Because"とは入っていないようですが、間違いないとニヤニヤしてしまう曲。
昔ミックがソロ第1作『SHE'S
THE BOSS』にキースとの共作とクレジットして"Lonely At
The Top"を収録した際、キースは「俺の名前をソロに入れやがって」とかずいぶん怒ってましたが、ならばこれはどうなのと思わないでもない(笑)
いや、あらためてキースがイントロも歌詞も作り直したんでしょうけど、trk.9のスタジオチャットではミックもあれこれ意見を言ってたりしてまして、やっぱ共作だよなと。
でもまぁもうソロへの理解もお互いあるんだよなと(笑)
他にも後に『A
BIGGER BANG』に収録された"Lough, I Nearly Died"の原曲というべき"Cried Out"など。
といったような凄い音源ですが、まぁ没になったアウトテイクであることには違いないのでちょっと退屈な曲もあったりはします。
でもスタジオの会話などでその空気が伝わってくるのが何よりうれしい。
そしてtrk.7と8の"Don't
Stop"と"Keys To Your Love"は『FORTY
LICKS』収録曲のミックス違いのアーリー・ミックスだったりしますが、最初は音の出方が違うくらいで、"Don't
Stop"は『FORTY
LICKS』の方はスピードが速められてるんだくらいに思って聴いてると、"Don't
Stop"は3分過ぎからのミックのボーカルの入れ方が『FORTY
LICKS』のとは違ったり、"Keys To Your Love"では『FORTY
LICKS』には入っていなかったキースの渋いコーラスが入ってたりもして実は貴重。
それにしてもいやぁ〜こんなのが流出しちゃっていいのかというほどの超高音質。
後半、まずtrk.11から18までは、オフィシャルDVD『FOUR
FLICKS』のDisc1、2002年パリのスタジオでのセッションを経てLICKSツアーが始まるまでのドキュメンタリーから。
『FOUR
FLICKS』からとはいえそのままではなく、ここで一つの曲とされていても切り貼り編集がかなりなされているためにDVDの音声と全く同じではなく、時系列も前後して繋がれているものもありますが、この音どこだっけとDVDを見直すのも面白い。
そしたらパリのジョルジュ・サンクもこんなに内部が映ってたんだと新たな発見も。
なお、最初は全曲DVDのどこそこからと書いてましたが、その解説だけが無駄に長くなりすぎ、ほんとに無駄なのでもう割愛(笑)
ちなみに"Extreme
Western Grip"とは、曲の最後にドン・ウォズが床に落ちたウェスタンハットを拾った姿を見てキースが言い放って名付けたと思われる曲名(笑)
こうして音だけしっかり聴いてるとカッコいい曲だよなと改めて。
また、trk.19から22までは『FORTY
LICKS』から。
そしてこのCDで唯一謎なのが、trk.23の"Only
Found Out Yesterday"。
こちらはキースが出演して2007年に公開された『パイレーツ・オブ・カリビアン/ワールド・エンド』にてキースが演奏していた曲で、2006年のビーコン・シアターのライブを収めた『SHINE
A LIGHT』にもキースがつま弾く様子が収録されていた曲。
が、このCDに収録されているのはそれらとはちょいと違い、、、調べてみるとこれ、YouTubeに「キースの"Only
Found Out Yesterday"を弾いてみた」てな説明でアップされているもの。
ただし、ほんとにその人の演奏なのか、実は削除を恐れてそう書いてるだけなのかは判断つきません。
ただ、それをアップしてる人はいろんな曲を弾いてアップしていますし、この"Only
Found Out Yesterday"はキースの演奏ではない気がします。
雰囲気出てるし、この曲も確かに2002年のパリでやっているとの記録もあるので断定はできませんが、やっぱり違う気がします。
trk.24の"Hurricane"は、2005年8月末にアメリカ南東部を襲った大型のハリケーン・カトリーナ被害への援助のためにABBツアーにて販売されたチャリティーCDに収録されていましたが、キースのベスト盤『VINTAGE
VINOS』にも収録されています。
曲のクレジットはジャガー・リチャーズで演奏はキースとロニー。
これも2002年のパリ・セッションで録音されており、時代違いというわけではありませんね。
ただ、チャプターの位置がちょっとずれてて冒頭のキースの声はtrk.23ラストに食い込んでますが、まぁオフィシャルでも聴けるしてな感じ。
ちなみにtrk.19-22と24は同じくGOLDPLATEから2011年にリリースされた『COLLECTED
RARITIES Vol.2』(GP-1102CD1/2)にも収録されていますが、こうして『FORTY
LICKS』関連として改めてまとまって聴けるというのはこれはこれで面白い。
とボーナスの後半の方が長い紹介になってしまいましたが、前半の10トラックこそが凄まじいアウトテイク流出音源で、曲間ギャップもなく気持ちよく聴き続けられる作品でありました!
ちなみにディスクは40
Licksベロにサインされたコピーがデザインです。
また、次に紹介するMoonchild盤は純粋に流出9曲のみで1K、こちらはいろいろ入って1.5Kと、こちらもお値打ちでした。
『 NO FILTER IN STOCKHOLM 』 Crystal
Cat CC1087-88 (2CD)
aud.recordings@Friends Arena, Stockholm,
Sweden. Oct.12, 2017 +
●Disc
1
1. Intro / 2. Sympathy For The Devil / 3. It's Only Rock'n Roll / 4. Tumbling
Dice / 5. Just Your Fool / 6. Ride 'Em On Down / 7. Under
My Thumb / 8. Sweet
Virginia / 9. You Can't Always Get What You Want /
10. Paint It Black / 11. Honky Tonk Women / 12. Happy / 13. Slipping Away
●Disc
2
1. Intro / 2. Miss You / 3. Midnight Rambler / 4. Street Fighting Man
/ 5. Start Me Up / 6. Brown Sugar / 7. Jumping Jack Flash / 8. Gimme Shelter
/ 9. Satisfaction
+ 10. Play With Fire
(Sep 9 Hamburg) / 11. Out Of Control
(Sep 12 Munich) / 12. Dancing With Mr.D
(Sep 12 Munich)
Crystal Catレーベルからの久々のストーンズ、満を持してNo
Filterツアーから登場したのはお膝元のストックホルム公演。
3つ折り紙ジャケで豪華ツルツル紙の写真たっぷりのブックレット付き。
ブックレットの中の写真にはatsu-yメイドのNo
Filterマップも。光栄です(笑)
さてストックホルム公演といえば昨年10月にLHより超高音質盤『STOCKHOLM
2017』(no label)がリリースされていますが、このCrystal Cat盤はそちらとは別音源にしてこれまた期待通りの超高音質"EX"を誇ります。
なお、別音源とはいえその既発盤と録音位置は結構近かったようで、開演時に同じ女性の絶叫が聴こえます(笑)
another source
最初はやや定位が左に寄っていたのがすぐにセンターにきたりじわりと動いたり、オートレベルなのか曲の出だしだけは一瞬引っ込んで聴こえたり、ごくたまに音が変化するところや演奏の音の広がりはさほどない箇所もあったり、時に片側によることもありますが、適度な空間と臨場感をおおむね保っています。
そして何よりさすがはCrystal
Cat、これぞまさに高音から低音まで快晴クリアという見事な隠密録音。音像も大きくちゃんと重低音も拾っていてバランスも見事。
いまはピットの観客も高齢化していることもあって静かなんでしょうが、周りもうるさくないものの曲間の煽りへの反応などの臨場感はしっかり伝わってくるという、超絶録音の"EX"。
このストックホルム公演は既発盤も高音質を誇りますが、音の近さとダイレクト感、重低音から高音までの自然な伸びによる一点の曇りもない圧倒的なクリアネス、そして周りのチャットや叫び声がほぼ入っていない点からも、こちらのCC盤の方に軍配が上がります。
そしてこちらは大したことではありませんが、オープニングもエンディング後もこちらの方が長く収録されています。
そして独自の超高音質音源を綺麗な装丁にブックレットもつけてという特別な作りには愛着もわきます。
また、No
Filterツアーのレア曲と目玉曲もしっかり高音質でボーナス収録というのも嬉しい限り。
なお、そのボーナスの元音源はハンブルグは『HAMBURG
2017』(no label)、ミュンヘンは『DEFINITIVE
MUNICH 2017』(no label)と同じで、Crystal Cat独自音源ではありません。
さて、ストックホルム公演の演奏については『STOCKHOLM
2017』とかぶりますが、もう半年もたったのであらためてちょこっと。
ストックホルムではすっかり復調したストーンズ。それをこうした音で聴くとなおのこと素晴らしい!
冒頭から絶好調で飛ばし、ストーンズだけでなくサッシャなどのサポートメンバーとも一体感が感じられる素晴らしい演奏。
そうした素晴らしい雰囲気の中、新作からの2曲の出来もお見事!
続いて"Under
My Thumb"、さらにVoteではNo Filterツアー唯一の登場である"Sweet Virginia"。
ティムのサックスがまた一味違ったアレンジで美しく、ここでもサポートメンバーを含めた皆の一体感というかハーモニーに惚れ込んでしまいます。
"You
Can't Always Get-"もこうした音で聴くとほんとに素晴らしい。そしてメンバー紹介がまた面白い(笑)
後半戦、"Midnight
Rambler"の後半とか"Street Fighting Man"も力強いのがまた嬉しく、聴いててニヤニヤと。
"Street
Fighting Man"は今回聴いてると結構キースがずれてるなと気づいたり(笑)
そして"Start
Me Up"でイントロやり直し。ミックが「Take 2」なんて言ってるのがほほえましく、途中でキースが薄くなりますが(笑)
さらに"JJF"でもやり直します。このCC盤ではやり直した後のイントロにチャプターが打たれていますが、ここはそのやり直しになった方の頭にチャプターを打って欲しかった(笑)
さらにこの曲ではミックが3番に入り損ねてあらためて入りなおすところがあり、YouTubeで見てみるとミックが「あ、やっちゃった?」とちょいあわてた表情してて笑えますが、これまた微笑ましいシーンかと。
とはいえその後も"JJF"はキースがふらふらなんだか乱れてますが、これぞ今のストーンズなのです(笑)
アンコール待ちの間もカットはなく、しっかり待って始まるアンコール1発目の"Gimme
Shelter"では、なんかいいことあったのかというほどサッシャが力強い。
そしてオーラス"Satisfaction"ではキースのじらしイントロ。
ということでほんとに充実したライブだったことが伺えます。
個々の公演を楽しむ場合はこうしたスポットリリースの作品よりも安定リリースが望まれますが、もしNo
Filterツアー物でどれか一枚となれば、これまでは重低音が響きつつ高音も伸びがある『DEFINITIVE
MUNICH 2017』が最右翼でしたが、超絶ナチュラルクリアネスでいてボーナスもおいしいこちらが一番かもしれません。
こちらももうネットに公開されてたりしますが、こうした独自音源の作品こそしっかり売れてほしいと思うのであります。
『 LIVER THAN YOU'LL EVER BE - Stereo Matrix 』 Moonchild
Records (1CD)
Stereo Matrix of 2 mono audience recordings@Oakland
Coliseum, Oakland, CA. Nov.9, 1969 (2nd show)
1.
Introduction / 2. Jumping Jack Flash / 3. Carol / 4. Sympathy For The Devil
/ 5. Stray Cat Blues / 6. Prodigal Son * / 7. You Gotta Move * / 8. Love In
Vain / 9. I'm Free / 10. Under My Thumb / 11. Midnight Rambler / 12. Live With
Me * / 13. Gimme Shelter / 14. Little Queenie / 15. Satisfaction / 16. Honky
Tonk Women / 17. Street Fighting Man
Stereo Matrix of 2 mono audience
recordings
#1 [L]: TMOQ source
#2 [R]: alternate source
(*)
with parts from mono soundboard recording (FM broadcast)
Moonchild Recordsからも、Nite Owl and WardPhillips氏によってネットに公開された隠密ステレオマトリクスがリリース。
このMoonchild
Recordsのは、先に紹介したLHの『LIVE
IN OAKLAND 1969』のようなピッチの微妙な調整はなされておらず、ネット音源そのままなのでピッチが僅かに高いままのようです。
ということでLHのを持っていれば不要なんですが、ついつい買ってしまいました(笑)
なお、Nite Owl and WardPhillips氏はピッチは『LIVER
THAN YOU'LL BE』(DAC-116)でリリースされた新隠密にあわせて作ったようです。
ということはDAC盤もピッチはちょっと高かったということかな?
そんなわけですが、こちらは何より安いのが特徴。
ただし表ジャケはいかにもステレオマトリクスというようなデザインでかっちょいいんですが、裏ジャケの写真にあわせて作られている背の部分のタイトルが全く読めないのが難点(笑)
ステレオ隠密マトリクスについては下の『LIVE
IN OAKLAND 1969』で書きましたので改めての紹介は省きますが、Nite
Owl and WardPhillips氏の奇跡の作品でありました。
『 LIVE IN OAKLAND 1969 』
no label (1CD)
Stereo Matrix of 2 mono audience recordings@Oakland
Coliseum, Oakland, CA. Nov.9, 1969 (2nd show)
1.
Introduction / 2. Jumping Jack Flash / 3. Carol / 4. Sympathy For The Devil
/ 5. Stray Cat Blues / 6. Prodigal Son * / 7. You Gotta Move * / 8. Love In
Vain / 9. I'm Free / 10. Under My Thumb / 11. Midnight Rambler / 12. Live With
Me * / 13. Gimme Shelter / 14. Little Queenie / 15. Satisfaction / 16. Honky
Tonk Women / 17. Street Fighting Man
Stereo Matrix of 2 mono audience
recordings
#1 [L]: TMOQ source
#2 [R]: alternate source
(*)
with parts from mono soundboard recording (FM broadcast)
昔のモノラル隠密音源に新時代到来。
同一公演を収録した異なるソースのモノラル隠密2つを左右に振り分けてステレオ隠密に仕立てるという、新たな手法がここに。
インフォによると今年に入ってからこうした試みがフロイドでなされていたとのことですが、ストーンズもストーンズ初のブートであったあのTMOQの『LIVE'R
THAN YOU'LL BE』で有名な69オークランド2ndショーがステレオ・マトリクス隠密として登場。
録音位置が違うのでそもそもマトリクスは邪道といえば邪道なんですが、聴いてびっくりおそるべし。
左右が別のポジションで録音された別音源なのである意味センターがないという、自分の立ち位置もよくわからなくなる邪道なやり方なれど、2つのギターが見事に絡み合うかのような広がりと、歓声が浮かび上がるこの臨場感、さらには一皮むけた明るいサウンドは普通のステレオ隠密をも凌ぐ凄いサウンドになっています。
そんな新時代音源、ストーンズではこのストーンズ史上初のブートである『LIVE'R
THAN YOU'LL BE』で初めて実現したというのがまた素晴らしい。
とうことですがこちら、Nite Owl and WardPhillips氏によってネットに公開された作品が元になっています。
まずは左chにはそのストーンズ初のブートである『LIVE'R
THAN YOU'LL BE』のTMOQソース。
そして右chには2010年に登場したもう一つの隠密音源。こちらはDACの『LIVER
THAN YOU'LL BE』(DAC-116)でCD化されています。
さらにインフォを読んでなるほどそういうことだったのかというのがSB音源の追加使用。
このコンサートにはビル・グレアムが録音したSB音源も存在し、1972年にラジオで放送され、ブートでは『OAKLAND
SIXTY-NINE』(RS-692 VGP-003)でおなじみのもの。
そのモノラルSB音源を、静かな演奏により隠密では遠めだったアコースティック・パートでマトリクスすることによりミックのボーカルをより大きく際立たせています。
さらに2010年に登場した方の隠密録音ではラスト1分ほどしかなかった"Live
With Me"においてもモノラルSB音源を使用しています。
ということでこれら3つのソースを丁寧に駆使することで驚異のステレオマトリクスを作り上げ、TMOQ音源の欠点である"JJF"でのドロップと"Under
My Thumb"のテープチェンジによる欠落、そしてもう一つのソースでは欠落している"Live
With Me"問題を見事に解消しています。
こうした見事な作品をネットに公開するというNite
Owl and WardPhillipsの素晴らしい逸品でありますが、一つ残念な点があったと。
その元作品、ピッチ調整もなされているんですが、実はちょっと高かったということで、今回のLH製はそこが修正されているのがポイント。
ネットから落として聴いたときにはこのあまりの衝撃でピッチになんて気も回りませんでしたが、そうだったのかと。
Moonchild
Recordsのは間違いなくネット音源そのままでしょうから、この差は大きいかと。
いやしかし元音源の"very
good+"がこうして音の広がりも持たせることで一気に晴れ渡った"EX-"隠密に大変身するという、信じられないマジック。
ギターが綺麗に左右に分かれているわけでもなく、聴けば聴くほど不思議な感覚になりますが、これはほんとに素晴らしい!
昔の音源だけにそれぞれ異なるスピードの調整とか、これ作るのはかなり大変だと思いますが、次世代隠密マトリクス降臨という素晴らしい作品。
Nite
Owl and WardPhillips氏に感謝であります。
Mar 2018
『 ALL ABOUT YOU 』
DAC-187 (1CD)
Studio Outtakes
Pathe Marconi Studios,
Boulogne Billancourt, France. Oct-Dec 1982 / Jan-Feb 1983
Compass Point Studios,
Nassau, Bahamas / The Hit Factory, NYC. Apr-May 1983
1.
Undercover Of The Night / 2. The Golden Mile / 3. Christine / 4. Dance Mr.K.
/ 5. Forty / 6. Heartbeat / 7. Identification / 8. In Your Hand / 9. Run And
Take / 10. All About You (Train Song)* / 11. It's A Lie* / 12. She Was Hot(WYSP
version)
(*)Track 10 & 11 taken from the Emotional Rescue sessions
1979
DACの新作は『THE
VIRCHOV TAPE』(DAC-181)、『TOO
MUCH BLOOD』(DAC-182)に続き、初登場音源を含む『UNDERCOVER』期のアウトテイクを中心とした作品。
それらと同じく本作もネットにアップされた音源が元になっているようですが、これまた聴きごたえのある作品になっています。
trk1は"Undercover
Of The Night"。
『THE
VIRCHOV TAPE』(DAC-181)に収録されたWYSPラジオ・バージョンではDJのアナウンスが入っていましたが、今度はそのアナウンスが入っていないバージョンで、昨年Sweet
Black Angelsからリリースされた『UNDERCOVER
COMPLETE RECORDING SESSIONS』(SBA-017)、続いてGOLDPLATEからリリースされた『COMPLETE
UNDERCOVER SESSIONS』(GP-1701CD1/6)には"Undercover Of
The Night (VII)"として収録されたバージョン。エンディングにかけてのミックがナイス。
trk2の"The Golden
Mile"、trk6の"Heartbeat"、trk8の"In Your Hand"は『TOO
MUCH BLOOD』(DAC-182)と同じでちょこっと聴き比べてもあまり違いは感じませんが、インフォにはやや音質の異なるマスターからと。
なお、"In
Your Hand"は『TOO
MUCH BLOOD』では"Mick's Idea(In Your Hand)"とクレジットされています。
いやしかしこの"Heartbeat"、レゲエ調で冒頭のキースからミックへとボーカルが代わるという作りがいい。
それにしてもこれらのアウトテイクが完成版『UNDERCOVER』とはまったく違うテイストなのが面白い。
trk3の"Christine"、trk5の"Forty"、trk7の"Identification"は『THE
VIRCHOV TAPE』(DAC-181)に30秒ほどのサンプル音源が収録されていた音源の全長版で今回初登場。
なお、"Forty"は『UNDERCOVER
COMPLETE RECORDING SESSIONS』(SBA-017)、『COMPLETE
UNDERCOVER SESSIONS』(GP-1701CD1/6)では"Flirty"とクレジットされて30秒ほど収録されていたもので、前者のブックレットにはタイトルは"Flirty"ではなく"Forty"かもと書かれていた曲。
trk4の"Dance
Mr.K."とtrk9の"Run And Take"も音質向上版が初登場。
前者はその昔"Still In Love III"と"呼ばれていたもので、『CHAIN
SAW MASSACRE』(DAC-110)にも収録されていたものの向上版。
そして後者はこれまたその昔は"I Love You Too Much"のバージョンVがそう呼ばれていたりもしましたが、"Run And Take"は『JAMMING
WITH STU』(VGP-240)では"I Can't Help It"、『ALL
MIXED UP』(DAC-111)では"I Can't Help It V"とクレジットされていたインストテイクの向上版。
trk12の"She Was Hot(WYSP
version)"はWYSPで放送された別バージョンでDJ入りのもの。
と、ここまでUNDERCOVERアウトテイクをどっと紹介しましたが、本作最大の聴きどころはtrk10とtrk11のエモレス期のアウトテイクだったり。
こんなにUNDERCOVERアウトテイクだらけなのに作品タイトルにもなったtrk10の"All
About You"、これは貴重。
キースの歌詞もかなり違えばミックのちょっとしたコーラスも入っているというもので、こちらも『THE
VIRCHOV TAPE』(DAC-181)に30秒ほどのサンプル音源が収録されていたものですが、ついに全長版で登場。
"All
About You"についてキースは、誰かが作った曲ではないと確信するまで3年ほどかかったと語っていましたが、曲自体はほぼ出来上がっているものの歌詞がまだ練られているような状態。
これがパティへの歌と言われる一方、ミックに対してという説もあり、なかなか興味深い一曲です。
trk11の"It's
A Lie"はイントロにもハープが入っていて、『PLACE
PIGALLE』(VGP-362)とは異なるテイクでVGP/DACシリーズから漏れていたテイクとのこと。
OBRの『PARIS
RESULTS vol.2』と『PLACE
PIGALLE』(VGP-362)より音がいいのがまた嬉しい。
ということで、最初の"Undercover Of The Night"と最後の"She Was Hot"はちょっとシャリシャリした音質ですが他のメインは素晴らしい高音質"EX"で、半分くらいはインストではありますが、初登場とアップグレードに加えてこのいかしたジャケと、手放しで嬉しい作品でありました!
『 LICKS JAPAN TOUR 2003 』
no label (12CD BOX SET)
aud.recordings@Budokan, Tokyo Mar.10,
2003 + Yokohama Arena, Yokohama Mar.12, 2003 + Tokyo Dome, Tokyo Mar.15 &
16, 2003 + Osaka Dome, Osaka Mar.20 & 21, 2003
2003年にOUT OF CONTROL RECORDS名義でLHからリリースされた、200セット限定のLICKS日本公演Complete
Boxが15周年記念で再発。
こちらがそのオリジナルのBOX。
今でこそ200セット予約完売というのもちらほらありますが、当時は前評判だけで予約完売というのは異例のことで、多くのファンが入手できなかったBOX。
当時はそれが残念だったりして、結局紹介もしてないままでしたね。
でもあれからもう15年かと。ほんと月日の経つのは早いもんですね〜。
さて、15年前のオリジナルBOXは、背の文字に少しずれがあったりしましたが、1公演ずつ2CDx6セットのプラケースが入っていたのに対して、今回は3公演ずつ、6CDx2セットの厚プラケース仕様になっています。
こちらがそのBoxに収納された6CD厚ケースそれぞれのジャケ。
そして今回はいつもの200ではなく150セットということで、こちらももう完売してしまったようですが、簡単に紹介しておきます。
なお、LICKS日本公演の隠密ブートの最高評価は当時"EX"としており、今では"EX-"とするところも"EX"と評価してましたので、こちらもそれに倣います。
曲目は省きますが、コチラをご参考に。
●Disc 1/2 武道館 - aud.recordings@Budokan, Tokyo, Japan.
Mar.10, 2003
オリジナルBOXよりも少し音圧が上がっています。
やや低音が軽めで、キースよりロニーのギターの方がよく聴こえることから、その後多くの隠密が出てきた今となってはやや物足りなく感じるところもありますが、耳障りな手拍子や歓声もほぼなく、クリアでナチュラルなサウンドが身上の"EX"。
なお、開演前のブザーから収録されていますが、その後オープニングまでは3分ほどカットされて短く編集されています。
●Disc
3/4 横浜アリーナ - aud.recordings@Yokohama Arena, Yokohama, Japan. Mar.12, 2003
こちらもオリジナルBOXよりも少し音圧が上がっています。
こちらは横アリで体感した重低音を感じない軽いサウンドで、さらに距離感があるのが残念ですが、クリアなサウンドの"EX-"。
Bステージの音は硬質ながらダイレクト感のあるサウンドです。
●Disc
5/6 東京ドーム1 - aud.recordings@Tokyo Dome, Tokyo, Japan. Mar.15, 2003
ドームでありながらクリアでナチュラルなサウンド。
やや硬いサウンドで、ベースの音は拾っているものの、重低音が厚いというわけでもなく、少し低音は軽め。
マイクの設置方法によるものか、横の広がりはあまり感じないものの、前方のスピーカーと後方からの歓声といったような縦並びの空間を感じるクリアなサウンドで周りもさほどうるさくない"EX"。
●Disc 7/8 東京ドーム2 - aud.recordings@Tokyo
Dome, Tokyo, Japan. Mar.16, 2003
オープニングの"Brown Sugar"でイントロの出音が遅れてしまうミスがありましたが、かすかに聴こえるキースのほんとのイントロにあわせて今回チャプター位置が修正されています。
こちらも音の広がりはあまりありませんが、ボーカルがクリアでリアル。
左側でバスドラムの音は拾っているものの全体的に重低音が厚いこともなく少し低音は軽めですが、周りは静かな"EX"。
●Disc 9/10 大阪ドーム1 - aud.recordings@Osaka
Dome, Osaka, Japan. Mar.20, 2003
このBOXの目玉である大阪2公演。イラク戦争開戦日でもあり、LICKS日本公演で唯一"Thru
And Thru"が演奏された日。
ほんの少し低音が軽めで周りの音も多少拾っていますが、超クリアでダイレクト感のある超高音質"EX"。
●Disc 11/12 大阪ドーム2 - aud.recordings@Osaka
Dome, Osaka, Japan. Mar.21, 2003
"Monkey Man"事件が勃発した日。
目玉である大阪公演。この日もやや硬質なものの超クリアな超高音質"EX"。
Bステはやや定位が左寄りですが、こちらも素晴らしい音質。
ということでこちらももう売り切れてしまいましたが、当時入手できなかった方には嬉しい再発でした。
『 Mick Jagger - OSAKA 1ST & 2ND NIGHT 』
Uxbridge 808 (4CD-R)
aud.recordings@Osaka-Jo Hall, Osaka,
Japan. Mar.15&16, 1988
◆Live
at Osaka-Jo Hall, Osaka, Japan. Mar.15, 1988
●Disc 1
1. Intro. / 2. Honky
Tonk Women / 3. Throwaway / 4. Bitch / 5. Let's Spend The Night Together / 6.
Lonely At The Top / 7. Beast Of Burden / 8. Tumbling Dice / 9. Miss You / 10.
Ruby Tuesday / 11. Just Another Night / 12. War Baby / 13. Lucky In Love / 14.
Harlem Shuffle / 15. Say You Will / 16. Party Doll
●Disc 2
1. Band Introductions
/ 2. You Can't Always Get What You Want / 3. Radio Control / 4. Shoot
Off Your Mouth / 5. Drum Solo / 6. Guitar Solo / 7.
Gimme Shelter / 8. Start Me Up / 9. Brown Sugar / 10. It's Only Rock'n Roll
/ 11. Jumping Jack Flash / 12. Satisfaction / 13. Sympathy For The Devil
◆Live at Osaka-Jo Hall, Osaka,
Japan. Mar.16, 1988
●Disc 3
1. Intro. / 2. Honky Tonk Women / 3. Throwaway
/ 4. Bitch / 5. Let's Spend The Night Together / 6. Lonely At The Top / 7. Beast
Of Burden / 8. Tumbling Dice / 9. Miss You / 10. Ruby Tuesday / 11. Just Another
Night / 12. War Baby / 13. Harlem Shuffle / 14. Lucky In Love / 15. Say You
Will / 16. Party Doll
●Disc 4
1. Band Introductions / 2. You Can't Always
Get What You Want / 3. Radio Control / 4. Shoot
Off Your Mouth / 5. Drum Solo / 6. Guitar Solo
/ 7. Gimme Shelter / 8. Start Me Up / 9. Brown Sugar / 10. It's Only Rock'n
Roll / 11. Jumping Jack Flash / 12. Satisfaction / 13. Sympathy For The Devil
30周年記念を迎えたミックの日本公演初日と2日目である大阪公演の初登場音源がLHよりCD-Rで登場。
CD-Rですがこれは紹介しちゃいます。
ミックのソロツアーの日程についてはまずはインフォから書き方を拝借しますが、ミックの来日公演は以下の全8公演が開催されました。
〇3月15日:大阪城ホール 【本作ディスク
1-2】
〇3月16日:大阪城ホール 【本作ディスク 3-4】
〇3月18日:大阪城ホール
×3月19日:大阪城ホール(ショウ延期の謝罪)
〇3月22日:東京ドーム
〇3月23日:東京ドーム
〇3月25日:名古屋市国際展示場
〇3月26日:名古屋市国際展示場
〇3月28日:大阪城ホール(振替公演)
ということで、ミック初のソロ・ツアーでもあった1988年の日本公演全8公演のうち、なんと大阪で4回も開催されたわけです。
そのツアー初日である3/15は、音は大したものではないものの1994年に『STONE
ALONE』(TNT-940141/42)で4曲を除いて初めてリリースされ、2006年には遂にほぼ完全盤たる『FIRST
CASTLE MAGIC』(IMP-N-008)が良好音質でリリースされて大喜びしたものでした。
しかーし、それら既発を駆逐したのが、LHが2015年にリリースした『MICK
JAGGER - OSAKA 1988 1ST NIGHT』。
さらには『同
2ND NIGHT』『同 3RD
NIGHT』『同 FINAL NIGHT』と大阪全公演が一気にリリースされ、いずれも素晴らしい音で、2017年にはその大阪全公演がBOXセットになった『MICK
JAGGER - OSAKA 1988』もリリースされたのは記憶に新しいところ。
そして今回30周年のタイミングであらためてリリースされたのは、初登場の隠密音源による大阪初日と2日目。
ただしすでに上記作品によりプレスCD化されている公演のためか、今回はCD-Rによるリリース。
まずは初日。
CD-Rってことは既発より音は劣るのかと思いきやそうでもなく、最初の方は周りの手拍子も耳につきますが、演奏はまったく団子にならずそれぞれのエッジがしっかり聴き取れる素晴らしいサウンド。
特に前半は曇りのない、既発CDよりもクッキリハッキリしたサウンドで、後半は少しそのクリアネスがやや陰りをみせますが、総じて"EX-"〜"very
good+"。
あえて欲を言えば、少しチャリチャリした高音域が耳につきますので、耳につく音域をほんの少し抑えて、逆に中低音域は少し痩せて聴こえるのでもう少し厚みがあればなぁと。
ミックのボーカルよりも他の音域の方が強いようなところもあったり、前半と後半で感じも違うので、いろいろ調整も難しいのかもですが。
なお、"Ruby
Tuesday"の冒頭と"Say You Will"が終わった後、そして"Start
Me Up"の冒頭はテープチェンジによるカットがありますが、違和感なく既発音源で補填されています。
いやしかし歴史的な初日をまたこうして新たな音源で聴けるとは。
でも30年前の記憶がよみがえる、というわけではありません(笑)
30年前だから忘れてるんじゃなく、元々興奮しすぎてオープニングのまさかの"Honky
Tonk Women"で絶叫してこぶしを振り上げてたことくらいしか覚えてないのです(笑)
あ、でも"War
Baby"にどうリアクションしていいものかと思ったり、ドラムソロにギターソロになげーよとじれたりしたのは覚えてます(笑)
そして開演前にパンフを見ると、ストーンズの曲目が載ってるのを見て戦慄が走ったことも。
しかしストーンズとはまったく違うテクニシャン、サイモン・フィリップス、ジミー・リップ、そしてジョー・サトリアーニを従えて、ところどころリミッターを外して凄まじい勢いで歌うミック、体調を崩した後の東京公演とは全く違うテンションで凄まじいです。
でもやはりストーンズじゃない。そんなことは当たり前。
それでも当時ストーンズ解散説がまことしやかに語られ、ストーンズはもう観れないんだと落胆していた18歳の餓鬼には素晴らしいライブだったのです。
そして仮想ストーンズといっても、ストーンズとはまるっきり違うハードロックなミックのためのミックによるスペシャル・バンド。
これはこれで貴重なものを観れたと今でも思ってます。
そして2日目。
こちらも初登場隠密音源。
初日に比べると演奏もリラックスしてMCも増えてます。
2日目は初日とは"Harlem
Shuffle"と"Lucky In Love"の位置を入れ替えてはいますが基本的に同じセットリスト。
この2日目を収録した既発CDでは2000年にリリースされた『SAY
YOU WILL』(VGP-236)、そして2015年にLHからリリースされた別音源『MICK
JAGGER - OSAKA 1988 2ND NIGHT』でアップグレード、さらに前述のとおり2017年には大阪全公演がBOXセットになった『MICK
JAGGER - OSAKA 1988』でリリースされていました。
今回のCD-R、この2日目は初日よりは距離感がありますが、周りは静かで演奏全体を見事にとらえています。
ミックのボーカルにやや距離を感じますが、初日ほどは高音域が張り出すこともなく、周囲の手拍子歓声も少なく、中低域も初日よりはややふくよかでいて演奏全体をシャープにとらえています。
では既発CDを凌ぐかというと、既発の方が中低音域に厚みがあるソフトな仕上がりで音は近く感じた一方で今回のCD-Rより手拍子などが入ってたりもするので、どちらがいいかは好みによるといったところですが、このシャープなサウンドもいけてる"very
good++"です。
個人的には既発もこちらも"EX-"ですが。
そしてこちらもあくまでも欲を言えば、高音域もシャープなままもう少し空間に広がりを持たせ重低音と中音域をもう少しだけ厚みを持たせれば大化けするサウンドになるのではと思ったりしますが(無茶言ってます・笑)、こちらもプレスCD化されればと思ったり。
しかしドラム・ソロとギター・ソロの後、そのあまりに長いソロに待ちくたびれつつ、「死んでるんじゃない?大丈夫かな?」「こんど何や?こんどベースか?」と話す女性の声が入ってるのがさすが大阪(笑)
なお、2日目の欠落部はLHの既発盤と同じような箇所になりますが、"Just
Another Night"終了後から"War Baby"冒頭にかけてと、"Radio
Control"終了後から"Shoot Off Your Mouth"の冒頭にかけて、それぞれ既発盤から補填されています。長さ的にはもう一か所ありそうですが、目立たないところなのか集中力が切れたのか、気づきませんでした(笑)
ということで、機会がないとなかなか聴きなおすことのないミックのソロツアーですが、今回は30周年ということで既発盤を聴きなおしていたところ、まさかの初登場高音質隠密まで聴く事ができて嬉しい30周年でありました!
ちなみにブートでよく見かける1st
& 2nd Nightという表現ですが、単数形でいいのかと今更ながらどうでもいいことを考えちゃいましたが、Nightsと複数形になるような気がしないでもありません。が、わかりません(笑)
『 MIDNIGHT RAMBLERS 』
DAC-184 (2CD)
aud.recordings@Sports Arena, San Diego, CA.
Nov.10, 1969
+SB recordings@Madison Square Garden, NY. July 26, 1972
●Disc
1 (TMOQ-71078) aud.recordings@Sports Arena, San Diego, CA. Nov.10, 1969
1.
Introduction - Carol / 2. Sympathy For The Devil / 3. Prodigal Son / 4. You
Gotta Move / 5. Under My Thumb / 6. Live With Me / 7. Little Queenie / 8. Satisfaction
/ 9. Honky Tonk Women / 10. Street Fighting Man
●Disc 2 (TMOQ-71080)
SB recordings@Madison Square Garden, NY. July 26, 1972
1. All Down The Line
/ 2. You Can't Always Get What You Want / 3. Midnight Rambler / 4. Band Introductions
/ 5. Bye Bye Johnny / 6. Rip This Joint / 7. Love In Vain / 8. Sweet Virginia
/ 9. Jumping Jack Flash
TMOQのダブによる極上隠密録音を収録した1969/11/10サン・ディエゴ公演『SAN
DIEGO '69 - Stoneaged』(TMOQ-71078)と、ミックの誕生日かつ72ツアー最終日の1972/7/26、超有名な卓直SB音源を収録した『WELCOME
TO NEW YORK』(TMOQ-71080)の復刻。
その2枚のマスターをケンが再利用して2LPでカップリング再発したのが『MIDNIGHT
RAMBLERS』(Phoenix Records 44785)と言われています。
今回のDAC新作はその『MIDNIGHT
RAMBLERS』の復刻盤ということで、タイトルからジャケまでそのまま復刻されています。
トレイ下の裏ジャケの裏には、ネットからの画像ですがTMOQの『SAN
DIEGO '69 - Stoneaged』が。
そして今回は拡大復刻ではなく、その2LP収録の曲のみという復刻。
なお、72MSGの曲順はLP『MIDNIGHT
RAMBLERS』とは違って、TMOQ盤にも2種類ありますが"All
Down The Line"から始まる方の順に並んでいます。
というわけですが、インフォを見たときには、69サン・ディエゴも72MSGの両音源共に、アナログ復刻だけに以下のとおりTSPやVGPでもお馴染みですし、72MSGなんて不完全とはいえNASTY関連やそこら中に溢れてるし、年代別に収納するには不便極まりない別年代のカップリング、しかもサン・ディエゴはCD時代になって世に出た部分は未収録のままとはこれいかに??と思ったんですが、、、
はい、聴いてみて驚きました。
どちらもアナログ落としかなという感じの少し粗さもあるサウンドですが、素晴らしい音質です。
69サン・ディエゴは、過去最高、いままでのCDの中で最もナチュラル。
既発CDでは高音が強めだったりシュルシュル鳴ってる感じのと高音が硬質なものとかありましたが、今回のはほんとにナチュラルで高音の伸びも自然で素晴らしい!
既発ではエッジがたっていたミックのボーカルのエッジもナチュラルになっていて、アナログはここまで音がよかったのか?とビビりました。
既発の"very
good+"から"EX-"に向上したサウンドです。
既発CDは収録曲が増えてたりしましたが、今回のこの音で全曲聴きたいと願わずにはいられないサウンドです。
72MSGもナチュラルかつ音の広がりも素晴らしいステレオ。
キンキンすることなくふくよかナチュラルなテイストを持ちながら、凶暴なキースとテイラーのギターはしっかり前面に出ており、既発CDでの少し引っ込んだ感じが払拭されていて、その凶暴さを堪能できるではないですか!!
トレントにアナログ落としの96/24というのが出回ってましたが、それとは別音源で、それより断然いい音です。
ちなみに当然ですが、左右のチャンネルはちゃんとあってます。
たまにアナログ落としかな?というノイズが入るところはあり、"Midnight
Rambler"では結構ジリッと鳴ってますが、ほんとに素晴らしいサウンドで、こちらも"very
good"から"EX-"に昇格しています!
(訂正追記)
と書いてましたが、Haraさんのレビュー見るまですっかり『NASTY
SONGS』(DAC-065)の存在を忘れてました(笑)
これ、わたしのブート中断期の作品で後になってから入手したこともあって印象が薄く、しかもCDラックにはCD1にカップリングされてる73ロンドンのところにあったので、72MSGがCD2に収録されてたことは完全に忘却の彼方。
その『NASTY
SONGS』と音の感じは似ていますが、今回の"Midnight Rambler"での1分40秒前後に何度か入るジリッというノイズが『NASTY
SONGS』にはないので同じマスターというわけではないようですが、なるほど似た感じのサウンドではないですか。
また、双方に入っているノイズの聴こえ方に違いもあり、今回の方がややマイルドな仕上がりに感じますが、失礼しました〜!(訂正追記ここまで)
ということで、まぁ細かく聴けばいろいろあるのかもですが、インフォを見たときに感じた不満もどこへやら、大満足の復刻盤でありました!
でもこれならカップリング盤の復刻ではなく、それぞれ『SAN DIEGO '69 - Stoneaged』と『WELCOME TO NEW YORK』と個別に復刻してくれればよかったのにと思うんですが、まぁそれだと高くなるし、アナログの復刻盤ばかり増えてもということでしょうか?
Feb 2018
『 GET YOUR KICKS 』
DAC-185 (1CD)
SB recordings@L'Olympia, Paris, France Apr.18,
1965 and BBC broadcasts
●French
Radio(Europe 1) "Musicorama" - L'Olympia, Paris, France Apr.18, 1965
1.
Everybody Needs Somebody To Love / 2. Around And Around / 3. Off The Hook /
4. Time Is On My Side / 5. Carol / 6. It's All Over Now / 7. MC by Charlie Watts
/ 8. Little Red Rooster / 9. Route 66 / 10. Everybody Needs Somebody To Love
/ 11. The Last Time / 12. I'm Alright / 13. Crawdad
●BBC Radio - The
Joe Loss Pop Show - Apr.10,1964
14. Joe Loss Intro - Not Fade Away / 15.
Hi-Heel Sneakers / 16. Joe Loss Intro - Little By Little / 17. Mick Intro -
I Just Wanna Make Love To You / 18. I'm Moving On
●BBC Top Of The Pops
#1 - Top Gear - Mar.6,1965
19. Interview with Mick and Brian / 20. Everybody
Needs Somebody To Love / 21. Interview with Mick / 22. The Last Time / 23. Down
The Road Apiece
●BBC Top Of The Pops #2 - Yeh! Yeh! - Aug.30,1965
24.
Mercy Mercy / 25. Interview with Mick / 26. Cry To Me / 27. Satisfaction
●BBC
Top Of The Tops #3 - Saturday Club - Sep.18,1965
28. Fannie Mae / 29. Interview
with Mick / 30. The Spider And The Fly / 31. Oh Baby
DACからオランピア65が、ブライアンがセンターでかっこよくパリらしいジャケで登場。
オランピア65はVGP時代からアップグレードが重ねられてきましたが、1年前にはIMPから『FROM
PARIS TO HAMBURG』(IMP-N-051)がリリースされ、"Carol"のイントロでのノイズもなくなり、ついに正しいピッチでのリリースとなりました。
そのオランピア65、CDでの有名盤はリリース順に並べると以下のとおり。
『ALL
THOSE YEARS AGO』VGP-079
『A
ROLLING STONE GATHERS NO MOSS』VGP-101
『REELIN'
AND ROCKIN'』VGP-274
『PARIS
MATCH』DAC-007
『OLYMPIA
LIVE IN THE SIXTIES』GP-1302
『FROM
PARIS TO HAMBURG』IMP-N-051
また、著作権切れのタイミングを狙ったハーフオフィシャルのようなものも出回ったりしていましたが、今回DACからも正しいピッチでリリース。
冒頭のアナウンサーのしゃべりも、"Carol"のイントロでのノイズもありません。
以下のショップインフォにあるとおり、再放送音源ではなくソースBを使用した"EX"最良音源です。
さらにオランピア65以外のパートはBBC64/65音源が収録されており、オフィシャル『ON
AIR』リリース時に話題になった、THE
JOE LOSS POP SHOWの"Not Fade Away"もついに収録!
そして"Hi-Heel
Sneakers"もイントロと1番もしっかり収録されています。
『ON
AIR』の裏バージョンというべきこれだけでも買う価値ありです(笑)
そうそう、"The Last Time"には音飛びのような変なダブりはありません(笑)
いやぁ〜最近ブートCDをステレオのスピーカーで鳴らすことはあまりないんですが、これは若いストーンズの演奏を体全体に浴びたいと思わせてくれた作品!
さすがDACです。
また、ジャケットの折りこみ内側には、インフォに記載されているLP『GET
YOUR KICKS』(MONA RECORDS)が白黒ながら再現されており、その本気度合いが伺えます。
ということですが、インフォにいろいろ詳しいのでそちらも転載しておきます。
なお、trk.24-27の番組名はYeh!
Yeh!もしくはYeah! Yeah!と呼ばれると思いますが、こちらではYer! Yer!とクレジットされています。
また、『GET
YOUR KICKS』というタイトルは、99バビロンのシュッツガルト公演を収録したVGP-367でも使われていますが、まぁそれはどうでもいい話し(笑)
----(インフォより)----------------------------------------
1965年4月18日のフランス、パリのオリンピア公演を、オープニングからエンディングまで丸ごと収録した、ブライアン・ジョーンズ在籍時の代表的な超有名音源です。
コピーライト切れのグレー・ゾーンを突いてコーダ・パブリッシング等の数社からこのオリンピア公演が複数発売されていますが、いずれも『ALL
THOSE YEARS AGO』(VGP-079)、『A
ROLLING STONE GATHERS NO MOSS』(VGP-101)からコピーされた音源が使用されています。
とは言っても、それらのリリースでは"Off
The Hook"のイントロ前にオリジナルCDには無かった微小な音飛び/カットが見受けられたりしますから、恐らくインターネットでダウンロードした音源から安易に制作されたものなのでしょう。
本音源にはAM放送をラジオ・スピーカーからマイク越しにオフライン収録したソースAと、ラジオ局のアーカイブからリール・トゥ・リールでコピーしたものから再生した、きちんとしたオンライン音源のソースBの2種類が存在しています。
ソースAはこのこのショーを初めて登場させたLP『ANDREW'S
BLUES』(IMP-1126)で使用され、1970年代半ばに発売されていました。
その後幾度となく形を変えてリリースされ続け、CDブートのごく初期までこのエアチェック音源はポピュラーな音源でした。
オンラインの優秀なソースBを初めてCDリリースしたのはVGPで、『ANDREW'S
BLUES』(VGP-006)として1994年にリリースされ、すぐにシェイブド・ディスクによる丸コピー盤が出回るといった事態も起こりました。
"Carol"のミックの煽りのMCの時に録音しているマイクがスピーカーに当たってカタカタいうノイズが無いのであれっ?と思ったマニアの方も多かったことと思います。
その後VGP/DACの系譜の中で『ANDREW'S
BLUES』→『STILL
I'M GONNA MISS YOU』→『ALL
THOSE YEARS AGO』→『A
ROLLING STONE GATHERS NO MOSS』→『REELIN'
AND ROCKIN'』→『PARIS
MATCH』というアップグレードの流れの中で、VGP時代のタイトルは全てソールド/廃盤となっていることからも、この音源の人気ぶりが伺われることと思います。
終始キースのギターのチューニングは悪く、ミックのボーカルもモニターの無い時代ですので、「GOT
LIVEもスタジオで修正が無ければ実際はこの程度か」というくらいの音程の不安定さ、というのが正直なところです。
しかしながらそのような悪環境の中で爆発する若さと無鉄砲さが、この時期のストーンズの大きな魅力であり武器であったことは、ファンの皆様にはもはや周知のことでしょう。
今回のリリースでは1982年発売のLP『GET
YOUR KICKS』(MONA RECORDS)を意識した造りとなっており、パリ65、BBC64、65の各音源より選りすぐったベスト・ソースでのライブ・コンピレーションとなっています。
パリは90年代後半以降にFMで何度か再放送されており、演奏曲の半分程度はエクセレントな音質のものが存在していますが、今回は単一音源での極限までのアップグレードということで、再放送版と比べてもほとんど遜色のないレベルにまで到達しています。
もちろん元がアナログ収録のものですのでヒスノイズがゼロとまでは行きませんが、"Carol"や"It's
All Over Now"のキースのリードギターのバックに聞こえる、チャーリーのトップ・シンバルの高音の鮮烈さにマニアの方は思わずニヤッとしてしまうこと請け合いです。
64年のBBC
THE
JOE LOSS POP SHOWは『GET
YOUR KICKS』のオリジナルLPが音源の初登場でしたが、ここではオープニングの"Not
Fade Away"を追加し、曲間のMCも今回初登場部分の多いコンプリート版で収録。
"Hi-Heel
Sneakers"は既存の音源では欠落していたイントロと1番歌詞の部分も全て聞けるようになりました。
65年BBCは、オリジナルLPでは"Oh
Baby"と"The Spider And The Fly"の2曲のみの収録でしたが、収録スペースの空きを利用して、同2曲のソース元であるTOP
OF THE POPSラジオショーのトランスクリプション・ディスク原盤から、どうせならとアーカイブ保存版全曲の9曲を全て収録しました。もちろん曲間のトークも未編集で音質も最高です。
ブライアン期で何か一枚いいタイトルを、と思っている初心者の方や、パリ65なら百戦錬磨だ!という超マニアの方までオールマイティにお薦めのニュー・リリースです。
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『 BRUSSELS AFFAIR - The Complete Recordings 』
Moonchild Records (2CD)
SB recordings@Forest National, Brussels,
Belgium. Oct.17, 1973 (1st & 2nd shows)
●Disc
1 - 1st show ("Starfucker" is missing)
1. Intro / 2. Brown Sugar
/ 3. Gimme Shelter / 4. Happy / 5. Tumbling Dice / 6. Dancing With Mr.D. / 7.
Angie / 8. You Can't Always Get What You Want / 9. Midnight Rambler / 10. Honky
Tonk Women / 11. All Down The Line / 12. Rip This Joint / 13. Jumping Jack Flash
/ 14. Street Fighting Man
●Disc 2 - 2nd show (trk.1,10 and 15 are from 1st
show)
1. Brown Sugar / 2. Gimme Shelter / 3. Happy / 4. Tumbling Dice / 5.
Starfucker / 6. Dancing With Mr.D. / 7. Doo Doo Doo Doo Doo (Heartbreaker) /
8. Angie / 9. You Can't Always Get What You Want / 10. Midnight Rambler / 11.
Honky Tonk Women / 12. All Down The Line / 13. Rip This Joint / 14. Jumping
Jack Flash / 15. Street Fighting Man
格安1,000円のMoonchild Recordsから『BRUSSELS
AFFAIR』がA version、B versionの2種類のジャケで登場。
サブタイトルにThe
Complete Recordingsと謳われており、インフォには
> The Complete Recording
シリーズ
> 1973年10月17日ブリュッセルで行われた2回のショウをすべて収録しています。
>
素晴らしいサウンドボード音源で収録しています。
と。(なお、掲示板カキコの後、某インフォは訂正されていました)
そのインフォにつられて、1stショーに"Star
Star"が入ってないしおかしいよなーと思いつつも、2ndショーの"Brown Sugar"
"Midnight Rambler" "Street Fighting Man"が発掘されたのか?と淡い期待を抱いて買ってみましたが、、、
タイトル、インフォからしてとんだフェイクFAKEでした(笑)
Disc
2はオフィシャルの『BRUSSELS
AFFAIR』のコピーのようで、"Brown Sugar"
"Midnight Rambler" "Street Fighting Man"はやっぱり1stショーから。
まぁそんな発掘がされたら、こんな格安Moonchild
Recordsからリリースされたりしませんよね。
でもジャケがわざわざ2種類も用意されてたから、もしかしてと思ってしまったわけで(笑)
しかしこのジャケ、A
versionはあの『FORTWORTH
EXPRESS』のかっこいいキースだけどそもそも72の写真だし、B
versionは73ですけど、裏ジャケなどの写真も他のブートでおなじみの物ばかり。
ちなみにそのジャケ、Aを裏返すとBになるといったこれまた詐欺まがいのリバーシブルではさすがになく、表ジャケの裏側は、AもBも表とは別の写真でそれぞれ異なります。
で、強いていいところをあげれば、、、ちゃんとというか、"Dancing
With Mr.D."と"Starfucker"とクレジットされてるところくらい(笑)
でもまぁ音はいいです。
BFらしく、高音がちょっと強調されててシャリシャリ耳につきますけど。
Disc1のウーラーラーは"Dancing
With Mr.D."の前です。
とまぁもうこれくらいにしときます。
全部聴くことはないかもしれません(笑)
(追記)
そういえばこの音って!と、BFの別レーベル作品の存在を思い出しました。
このDisc1、もしかしてHALCYONの『BUNNIES,
BOMBS, BUSTS & A PRINCESS』と同じなんじゃなかろうかと。
今回のMoonchild盤は、VGPの『THE
LOST BRUSSELS』とは各曲の長さも違うし、曲中での演奏の速さが微妙に違ったりするんですが、このHALCYONの『BUNNIES,
BOMBS, BUSTS & A PRINCESS』とはやっぱり各曲の長さも全く同じ(笑)
そして2種類の波形を見てみると完全に一致(笑)
ということで、マスターはHALCYON盤の使い回しですね。
わざわざそれを検証したいがためだけに、どうしても見つからなかったHALSYON盤を買いなおしました(笑)
『 LIVE IN HOLLAND 』
DAC-186 (2CD)
aud.recordings@Feyenoord Stadion, Rotterdam,
Netherlands. May 18, 1990
●Disc
1
1. Continental Drift / 2. Start Me Up / 3. Bitch / 4. Sad Sad Sad / 5.
Harlem Shuffle / 6. Tumbling Dice / 7. Miss You / 8. Almost Hear You Sigh /
9. Ruby Tuesday / 10. Angie / 11. Rock And A Hard Place / 12. Terrifying / 13.
Mixed Emotions / 14. Honky Tonk Women / 15. Midnight Rambler
●Disc 2
1.
You Can't Always Get What You Want / 2. Can't Be Seen / 3. Happy / 4. Paint
It Black / 5. 2000 Light Years From Home / 6. Sympathy For The Devil / 7. Street
Fighting Man / 8. Gimme Shelter / 9. Band Introductions / 10. It's Only Rock'n
Roll / 11. Brown Sugar / 12. Satisfaction / 13. Jumping Jack Flash / 14. Carmen
DAC新作はそろそろNo FIlterかなと待っていましたが、DAC-184と185を飛ばして、今回のDAC-186は1990欧州Urban
Jungleツアー開幕公演。
前年の1989USツアーと1990日本公演のSteel Wheelsツアーを経て、1990年5月から欧州を回ったUrban
Jungleツアーは、Steels Wheelsツアーからはステージセットが変更され(映画『LIVE
AT THE MAX』撮影時にはSteel Wheelsツアーのセットに戻されています)、風船人形には"Street
Fighting Man"用にツアーのコンセプト・デザインでもあるマッド・ドッグが加わり、バック・コーラスがリサ・フィッシャー、シンディ・マイゼルの2人から、ローレライ・マクブルームとサファイア・ジョーンズの2人に変わっています。
そしてUrban
Jungleツアーの開幕公演であるオランダはロッテルダム、フェイエノールト・スタディオンでは、ツアー開幕3日前の5/15と翌日にリハーサルを重ね、そのまま5月18日と19日、そして21日の合計3公演に臨んだのでありました。
そのUrban
Jungleツアー初日である、5/18公演を収録したのがコチラ。
この公演を収録した既発盤は、1990年にリリースされた2枚組アナログ『LIVE
IN HOLLAND』(E102621)と、CDではそのアナログから落とした『LIVE
IN HOLLAND』(PKO 9307-1/2)があったのみかと。
なお、PKO盤CDには箱入りやカードボードといったバリエーションがあり、ジャケも今回復刻されたアナログジャケのものと、独自のミックがジャケのものとがありました。
わたしのは後期型でCDを取り出すのもきっつい黒のカードボードにミックのジャケが貼り付けられているもので、インサートなどの付属品も何もなし(笑)
そしてそのPKO盤CD、アナログには収録されていた"Continental
Drift"とメンバー紹介がカットされています。
また、アナログでは収録時間の都合で
"Miss You"、"Almost Hear You Sigh"、"Ruby Tuesday"、"You
Can't Always Get What You Want"、さらになんとキースの"Can't Be Seen"と"Happy"の両方ともカットという、合計6曲もが未収録でしたが、アナログ落としでしたのでそれもそのまま。
そして同じくアナログ同様、"Tumbling
Dice"、"Terrifying" に、トレード時のマーキングなのか、一瞬の音切れがありました。
ということでしたが、今回はその既発盤と同一音源による復刻拡大盤。
この1stジェネレーションという音源がネットにアップされていましたので、そちらが元になっていると思われます。
ということで、めでたく欠落曲もすべて補填され、"Tumbling
Dice"と"Terrifying"での一瞬の音切れもなく、ちょっと速かったスピードも調整されています。
元テープのテープチェンジによる"Can't
Be Seen"冒頭の欠落は、トレーダー間ではCD-R『THREE
NIGHTS AT FEYENOORD STADIUM』として出回った別音源により丁寧に補填されています。こうした丁寧な補填はDAC独自編集のようです。
さてこちら、ちょっと周りがにぎやかなところもあり、"Midnight
Rambler"や"You Can't Always -"ではミックの先を歌いたがる男が微笑ましかったり、マイクはどうも人の影になってるような感じでダイレクト感はちょっと希薄で、音の定位もかなりの左から中央やや左に寄ったりしますが、中盤からは定位も落ち着き、ダイレクト感も徐々に向上して演奏全体をしっかり捉えてくるサウンド。
そんな音源ですが、今回定位補正までは行われていませんが、アナログ落としのPKO盤よりは高音域を若干上げてメリハリをつけつつも低域もふくよかになり、スピードも調整されたことで、ナチュラルな聴きやすいサウンドに進化しています。
まぁグレードでいうと"very
good"で、隠密慣れしている方向けといったところですが、Urban
Jungleツアー初日をようやく全曲聴けるようになったという意義のあるタイトル。
演奏はしっかりリハを重ねたことからカッチリしており、まぁまぁレアな"Terrifying"もしっかり。
でも"Paint
It Black"冒頭でのミックの上ずった歌い方は笑えます。
そして"Angie"ではよくあることですが、I
still love you の後に I hate that sadness in your eyes と歌っちゃったり(ここで
Remember all those nights we cried がいいのにねー)、最後も違ったり、、、まぁこれはよくあることですけど(笑)
そんな歌詞間違いを気にするのは日本人だけだと、ミックは言い放ったことがありますね(笑)
とはいえミック、"Honky
Tonk Women"でも1番も2番もなんだかおかしなことになってます。
そしてライブでの演奏は1981/10/26のオーランド以来となる、Urban
Jungleツアーの目玉 "Street Fighting Man"。
キースとチャーリーが力強くスタートし、観客も興奮してるようです(笑)
さらに"Gimme
Shelter"では、この日初めてストーンズのバック・ボーカルを務めたローレライが熱唱を聴かせてくれます。
うん、若い。ストーンズも今から思うと全然若い。
以降もラストまで力強く、大団円を迎え、終演後のカルメンと花火もしっかり収録されているのはポイント高し。
ということでUrban
Jungleツアー初日をようやく全部聴くことができるタイトルでありました!
なお、このジャケのメンバーのイラスト、このオリジナルアナログがリリースされた1990年から9年後の1999年にリリースされた、Crystal
Catの『ATLANTIC
CITY 1989』でも使われていますが、元々のポスターではメンバーの足元にURBAN
JUNGLEと書かれているため、そちらではその文字はうまく金枠で消されていたんだと、今作のCDトレイの下に白黒ながら印刷されているイラストで初めて知りました(笑)
↓そのオリジナルのイラスト、でかいのがこちらに。小ネタが色々で面白いです(笑)
http://www.cafehetsluisje.nl/wp-content/uploads/2015/10/The-Rolling-Stones-andere-scan.jpg
↓こちらは上よりは小さいですが、カラフル・バージョン・・・こっちにはビルがいないけど(涙)
https://www.rockawhile.com/detail/6772552-rsp-007-rolling-stones-urban-jungle-1990-poster
Jan 2018
『 HYDE PARK JULY 1969 』
DAC-183 (2CD)
aud+SB recordings@Hyde Park, London, UK. July
5, 1969
●Disc
1 (Radio Veronica Audience Source)
1. Adonais / 2. I'm Yours And I'm Hers
/ 3. Jumping Jack Flash / 4. Mercy Mercy / 5. Stray Cat Blues / 6. No Expectations
/ 7. I'm Free / 8. Down Home Girl / 9. Love In Vain / 10. Loving Cup / 11. Honky
Tonk Women / 12. Midnight Rambler // 13. Adonais* / 14. Midnight Rambler* /
15. Love In Vain* (*)Alternate Source
●Disc 2 (WLIR FM Radio 10th Anniversary
Soundboard)
1. Mercy Mercy / 2. Radio Comment / 3. Love In Vain / 4. Radio
Comment / 5. Adonais / 6. Jumping Jack Flash / 7. Stray Cat Blues / 8. No Expectations
/ 9. Radio Comment / 10. I'm Free / 11. Loving Cup / 12. Honky Tonk Women /
13. Radio Comment / 14. Street Fighting Man / 15. Midnight Rambler / 16. Sympathy
For The Devil / 17. Radio Comment
ジャケとタイトルがあらわす通り、Contra Band Musicが1972年頃にリリースした『HYDE
PARK JULY 1969』の復刻拡大盤。
まずはその目玉であるDisc1。
こちらのメインは、1960年から14年の間、北海上からオランダに向けて放送を続けた海賊放送局であるラジオ・ベロニカにおいて、ライブから10日後の1969年7月15日に放送された隠密音源。
大元のマスターにはどうやらラストの"Satisfaction"
"Street Fighting Man" "Sympathy For The Devil" がそもそも未収録のようですが、今回のCDは、Contra
BandのアナログLPでは未収録だった"Midnight Rambler"が前半部分までとはいえついに収録されたことと、Contra
Bandのアナログがエアチェックテープを元にしていたのに対して、今回はラジオ局の放送マスターテープよりCD化されたことで、アナログより格段の音質向上が図られていること!
今回のCD化にあたってのその元音源は、2年前にIORRでラジオ局のマスターテープの写真も含めて公開されたものが使われているようですが、そちらには収録された冒頭の10分に及ぶDJによるイントロダクションは今作ではカットされているものの、この音質は素晴らしい。
ステージのすぐ脇で録音されたのか、ミックのヴォーカルが妙にくっきりリアル。そしてギターも大きく、ややブーミーなベースもブリブリ鳴っていて、一皮どころか三皮ぐらい剥けたリアルなサウンドがモノラルでぐいぐいせまるこのハイドパーク、素晴らしいです。
個人的にはハイドパークってどうにもなんだかピッチがおかしかったり、ブライン追悼でミック・テイラーお披露目の歴史的ライブとはいえ、実はそんなに好きではないイメージがあったんですが、今回のこの隠密音源のリアルでピッチも正しく、"I'm
Free"後半と"Lovng Cup"冒頭以外のカットもないこのサウンドで聴くと、初めて聴いてから何十年も経ってハイドパークってすごいじゃんと思いなおす羽目に(笑)
いまヘッドフォンでこれを聴きながら書いていますが、数か所で何度も"Sit
down"と周りが騒がしいリアルさも含めて、昨晩ミナミのファニーメイでスピーカーから大音量で聴いた衝撃たるや、とても語りつくせません(笑)
もう惚れなおすこと間違いなしの骨太隠密!
いやぁ〜この音質で"Satisfaction"
"Street Fighting Man" "Sympathy For The Devil"が収録されていればと!
でもハイドパークはもういろいろあってお腹いっぱいという方も、これを聴けば唸ること間違いなしのサウンドです。
サウンドのグレードは当時の隠密としては最高グレード、個人的には"EX"です。
そしてtrk.13-15にAlternateソースとして追加されている音源は、どうやら1969年7月11日にオランダのVPROラジオで放送された音源のようですが、trk.12までのラジオベロニカとも、Scorpioの『IN
THE PARK』(SCRO-001)とも異なる音源で、こちらは初登場かと。
メインの音源では途中までだったtrk.12の"Midnight
Rambler"の後半はこちらの音源にて補填されており、逆にこの音源のtrk.15の"Loving
Cup"は途中までで、途中からはメインの音源が補填されています。
ということで今回のこの作品、このDisc1だけで十二分に感激でありますが、Disc2には『BRIAN,
COME BACK YOU BASTARD!』(DAC-164)で使用されたサウンドボード音源。
そのDisc2は、1979年に公演から10周年を記念してニューヨークのFM局でオンエアされたライブ特番。
『BRIAN,
COME BACK YOU BASTARD!』(DAC-164)では"Adonais"と"JJF"が冒頭に配されていましたが、今回はオリジナルのオンエア時の曲順によるものと。
なお、こちらの音源はラジオで放送されなかった"I'm
Yours And I'm Hers"と"Satisfaction"が未収録。
そしてインフォにある通り、マスタリングも『BRIAN,
COME BACK YOU BASTARD!』とは異なるマスタリングがなされており、今回は中低音をやや抑えて高音域を上げているようで、新旧どちらがいいかはお好みでという感じ。
そしてtrk.4のミックのインタビューの一部が『BRIAN,
COME BACK YOU BASTARD!』や、DJ部分はまとめてライブとは別収録にしたGOLDPLATEの『HYDE
PARK LEGEND 1969』(GP-1303CD1/2)にはなかった部分かと。
とはいえこのライブの合間合間にインタビューなどの"Radio
Comment"が入るのは資料的価値は高いとはいえ、聴いていて落ち着きません(笑)
また、表ジャケはContra
Band Musicの『HYDE
PARK JULY 1969』の復刻ですが、その裏側はDisc2のサウンドボード音源を初めてリリースした『RECORDED
LIVE! - HYDE PARK, ENGLAND - 1969』のローマ法王ジャケとなっているのがちょっとしたアクセント。
ということで、またハイドパーク?と思いつつも素晴らしい隠密がこうしてCD化されたことに感激のタイトルでありました。
ちなみにクレジットには開催場所はハイドパークのCockpit
Arenaと記載されていますが、これってCockpit Areaの間違いなのかも?
『 THE LAST TIME FOR A WHILE 』
Rattle Snake RS 308/09 (2CD)
aud.recordings@U Arena, Nanterre,
France. Oct.25, 2017
●Disc
1
1. Sympathy For The Devil / 2. It's Only Rock'n Roll / 3. Tumbling
Dice / 4. Just Your Fool / 5. Ride 'Em On Down / 6. She's
So Cold / 7. She's
A Rainbow / 8. You Can't Always Get What You Want / 9. Paint
It Black / 10. Honky Tonk Women / 11. Band Introductions / 12. Happy / 13. Slipping
Away
●Disc 2
1. Miss You / 2. Midnight Rambler / 3. Street Fighting Man
/ 4. Start Me Up / 5. Brown Sugar / 6. Jumping Jack Flash / 7. Gimme Shelter
/ 8. Satisfaction
2018年ストーンズ・ブート第一弾は、Rattle Snakeの新作、No
Filterツアー最終公演のパリ。
タイトルが表すとおり、現時点での最新ライブであります。
Rattle
Snakeといえば、ライブから1年半も経った2016年に『PINKPOP
ON FIRE』(RS 264/65)を独自の高音質隠密ソースでリリースするも、同時リリースの『SAD
TORTURED STORY OF THE ROLLING STONES』(RS 266)ではサウンドボードというインフォに反して中身は既発の隠密音源だったという、見事に期待を裏切ってくれたイマイチ信用ならぬ欧州レーベルですが、果たしてこのNo
Filterツアー最終公演であるパリ3やいかに?
このパリ公演はネットにはMD録音の音源しか公開されておらず、LHからリリースされた『PARIS
2017 3RD NIGHT』の元音源もそれだっただけに気になるところ。
でもRattle
SnakeがわざわざリリースするくらいだからそのMD録音が元音源ということはなかろう、ということで告知が出るや浜松に速攻予約を入れていましたが、どうやら欧州では1月25日あたりから出回り始めたようでも浜松からは音沙汰がないので、待ちきれずに欧州から取り寄せてしまいました。
ということで欧州から直接到着したこちら、さっそく聴いてみるとネットに出回ったMD録音ではない独自サウンドです!
No
Filterツアー最強を誇るNeumann KM140's音源によるLHの『DEFINITIVE
MUNICH 2017』を凌ぐ最高音質というわけではありませんが、既発音源とは次元が違う音質を誇ります。
至近距離ではないロニー側からの録音かなと思われるサウンドですが、音像も大きく広がりもあり、ギターは割れんばかりのというかゴリゴリと鳴り響くサウンドで、音の抜けこそ屋外公演に一歩譲りますが、十二分に素晴らしいサウンドで、MD録音と比べると格段にクリア。
また重低音が響く仕上がりのサウンドで、その上の低音はもうちょいONでもいいかなと思いますが、これぞアリーナ会場でのライブという生々しさが伝わる好録音。
さらに周りがまったくうるさくないのもグッドな"EX"〜"EX-"。
なお、LHの『PARIS
2017 3RD NIGHT』と比べると、Disc1は10秒ほど、Disc2は1分ほど短く、ところどころ曲間が僅かにカットされており、全部を細かく検証したわけではありませんが、MCをカットするような極端なカットではないようです。
そしてRattle
Snakeらしくブックレットは充実しています。
ただし使われている写真がこの最終公演からではないのは非常に残念ですが、No
Filterツアー当初のキースへの心配にも触れながら、このパリでの爆発ぶりを解説するその文章はストーンズ・ライブ・アスリートの胸を熱くさせてくれます。
また、盤のプリントはDisc1がキース、DIsc2がミックと、そういうところも細かい丁寧なつくりです。
いやしかしこの日のハイライトは"She's
So Cold"!!キースの刻みがたまらんです。
イントロでは花道からの帰り道、わたしたちの目の前に仁王立ちして、観客側ではなくステージに向かったまま立ち止まってわたしたち側にギターをみせたまま、真剣にリフを刻み続けてくれたキースの雄姿が鮮やかに脳裏によみがえります。
そしてツアー最終日ということで、ミスがあってもなんのその、熱演を繰り広げるストーンズが目の前に!
Rattle
Snake、この音を世に出してくれてありがとう!もうちょいいじれば大化けするサウンドのような気がしないでもありませんが(笑)
いやぁ〜このサウンドでパリの残り2公演もリリースされればと思いますが、ボブ・ディランとロバート・プラントとの計3作品がリリースされた今回一緒にリリースされないってことはそちらは望み薄なんでしょうかねぇ〜。音はあってもブートにしないだけかもしれませんが。。
でもこのパリ最終公演はピットからの至近映像など、YouTube映像もいいのがたくさんあるので、オーディオをこのサウンドでうまくシンクロさせた映像作品が出ればいいのにと願っております。
ということで、現時点での最新ライブが既発を上回る高音質でリリースされて安心の嬉しいリリースでした!