- atsu-y's New Arrivals - |
BBSで第一印象を紹介した
atsu-y's new arrivals の保管庫です。
本編に移行したりすれば削除していきます。
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Dec 2022
『 PHILADELPHIA SPECIAL 』 no
label (1CD)
SB recordings@Spectrum Sports Arena, Philadelphia, PA. July 21, 1972 & Tarrant County Convention Center, Fort Worth, TX. June 24, 1972
1.
Brown Sugar * / 2. Bitch * / 3. Rocks Off * / 4. Gimme Shelter * / 5. Happy
* / 6. Tumbling Dice * / 7. Love In Vain ** / 8. Sweet Virginia ** / 9. You
Can't Always Get What You Want ** / 10. Midnight Rambler *** / 11. All Down
The Line * / 12. Rip This Joint ** / 13. Jumping Jack Flash ** / 14. Street
Fighting Man **
* Philadelphia, PA. July 21, 1972 1st
Show
** Fort
Worth, TX. June 24, 1972 1st Show
*** Fort Worth, TX. June
24, 1972 2nd Show
LHから三度目となるフィラスぺ登場。
あらためて言うまでもなく、オリジナルアナログの『PHILADELPHIA
SPECIAL』(RSGL72)の復刻であります。
LHからは2020年に拡大2枚組、そして今年2022年の6月にセカンドがアナログ落としのみの1CDでリリースされましたが、その半年後にまさかのサードと連発であります。
今回はサード・トライを謳うだけあって、よりナチュラル。
2020年版の音は、求めていたのはこの音ではないという感じでしたが、2022年6月のセカンド・バージョンでは大きく進歩を遂げ、アナログ落としではこれが限界かと思われていたところでしたが、今回のサードはこれまたナイス。
セカンドと比べると高音域がすっきりして僅かにレベルが低いので、そのまま聴き比べるとセカンドの方が音がフォアに鳴っていると錯覚したりしますが、今作ではアナログの持つ高音域の繊細さもいよいよかなり復刻された感があります。
インフォにある通り、ゴーというトレースノイズが低減されていることもわかります。
今回は針を変えたという効果もあって、"Love
In Vain"のような曲はよりしっとりと楽しめるのも嬉しい。
もう一つインフォに書かれていた、円周に近づくにしたがって音が歪んでしまうという現象の低減については比較してませんが、そんなこと聴き比べるまでもなく素晴らしい作品です。
ただし元がアナログなので、一瞬のヨレやドロップなどはたまにあり、少し音がやせて聴こえますが、アナログ落としのフィラスぺとしては最高傑作と言えるでしょう。
フィラスぺの元テープが発掘されればうれしいんですけどねぇ〜。。
しかしファースト、セカンド、サードと聴き比べれば、ファーストのあの音はいったい何だったんだという。
そして印刷の差なのかもしれませんが、ジャケも今回のサードは単なる白黒よりもナチュラルな色合いになり、背の部分はジャケからの筆記体に。
ちなみに個人的にはレーベルデザインはセカンドの方が好きですが、そこはまぁ今回も同じというわけにもいかなかったんでしょう。
いやぁ〜しかしフィラスぺ最高!!
これで元のアナログのマスターが発掘されたら最高なんですが、そういうのはネットにも出てこないですねぇ〜。
『 NASTY MUSIC 』 no
label (2CD)
SB recordings from the original 2LP“NASTY MUSIC”(SODD 012)
●Disc
1
1. Brown Sugar * / 2. Happy ** / 3. Gimme Shelter ** / 4. Tumbling Dice
* / 5. Doo Doo Doo Doo Doo (Heartbreaker) ** / 6. You Can't Always Get What
You Want * / 7. Dancing With Mr. D. * / 8. Angie *
●Disc 2
1. Honky
Tonk Women * / 2. Midnight Rambler * / 3. All Down The Line *** / 4. Bye Bye
Johnny *** / 5. Love In Vain *** / 6. Sweet Virginia *** / 7. Rip This Joint
* / 8. Jumpin' Jack Flash * / 9. Street Fighting Man **
* 1973-10-17:
Forest Nationale (1st show), Brussels, Belgium
** 1973-09-09:
Empire Pool Wembley, London, U
*** 1972-07-26: Madison Square Garden, New
York City, NY
こちら1977年発売の泣く子も黙るオリジナルアナログ2LP『NASTY
MUSIC』(SODD 012)のアナログ復刻盤CD。
ストーンズライヴの絶頂期である73欧州は、オフィシャルでもこの『NASTY
MUSIC』とは採用された曲の多くは違えど『BRUSSELS AFFAIR』としてリリースされ、LHからは素晴らしい『EUROPEAN
TOUR 1973 - KBFH BROADCAST 1974 & 1988』がリリースされたにもかかわらず、発売から45年も経った2022年になってもこのSODDのアナログ盤の復刻とはおそるべし。
それだけにその復刻ぶりには拘りが伺え、"Dancing
With Mr. D."を"Dancing With Mister D"、"Bye Bye Johnny"を"Bye
Bye Johnnie"と表記されていたところもそのまま復刻。
そしてアナログ落としということで大きなスクラッチノイズは消しているようですが、たまにチリチリ入るところを変に消したりせず、面割れのフェードアウトとフェードインでのダブりももれなくすべてを収録し、MCなどを他の放送音源から補填することもしないという徹底したアナログ落としによる堂々たる『NASTY
MUSIC』です。
でもただのアナログ落としではなく、『WELCOME TO NEW YORK』からの72MSGのパートはしっかりピッチ調整がなされているところがさすが。
そして小細工で変に音をいじったりはしていないとのことですが、LHのこれまでのアナログ落としとはちょっと一線を画すサウンドで、ナチュラルマイルドというよりはナチュラルでいて音が細いわりに攻撃的で、音の抜けも素晴らしい!
ストーンズブートの音は、中高音域が強めのイコライジング時代を経て、ナチュラルが好まれるようになるも、それがちょっと行き過ぎたのか、おとなしい音作りが好まれるような流れもありましたが、今作はおとなしくなく、それでいてやりすぎることのない素晴らしい音。
この音でフィラスぺを作って欲しいものです。
ということで、クリック音などない純粋な音質という点では『EUROPEAN
TOUR 1973 - KBFH BROADCAST 1974 & 1988』に軍配が上がるも、今作の音質も素晴らしく、アナログ『NASTY
MUSIC』をCDで堪能するにはもってこいの作品に仕上がっています。
とはいえ多くのマニアは何かしらで散々持ってるサウンドなので、目新しさがあるかといえばないですが、72MSGパートが丁寧に調整されているところはポイント高し。
でも73欧州は73欧州のみできちんとライヴ演奏順に並んだ純粋な73欧州放送音源の方が楽しめますが、それは『EUROPEAN
TOUR 1973 - KBFH BROADCAST 1974 & 1988』があるということで。
ということで予想に反して大いに楽しめる、失礼ながら期待を超える作品でした。
『 IN STEREO 1964-1966 』 no
label (1CD)
1.
It's All Over Now / 2. I Can't Be Satisfied / 3. If You Need Me / 4. Empty Heart
/ 5. 2120 South Michigan Avenue / 6. Confessin' The Blues / 7. Around And Around
/ 8. Look What You've Done / 9. Down The Road Apiece / 10. Tell Me Baby, How
Many Times / 11. Down In The Bottom / 12. Don't Lie To Me / 13. What A Shame
/ 14. Time Is On My Side / 15. Heart Of Stone / 16. Everybody Needs Somebody
To Love / 17. The Last Time / 18. Play With Fire / 19. (I Can't Get No) Satisfaction
/ 20. Get Off Of My Cloud / 21. 19th Nervous Breakdown / 22. Paint It, Black
/ 23. Have You Seen Your Mother, Baby, Standing in the Shadow?
Bonus Tracks:
24.
Hi-Heel Sneakers / 25. Stewed and Keefed / 26. Looking Tired
録音データは省きますが、こちらは
Prof. Stoned が2020年にネットに公開したチェス・スタジオやRCAスタジオなどでステレオで録音されながら当時はモノラルでリリースされたことから、2002年のオフィシャル再発で世に出るまで、CDではモノラルでしかリリースされなかった曲や、いまだにオフィシャルで聴くことがかなわないリアル・ステレオなどを収録。
わたしもこのたびFive
By Fiveのユーゴスラビア盤をゲットして、Five By Five初のステレオ盤を堪能したところでありました。
さて、以下インフォより。
曲名横にマークが無い曲はオフィシャルからです。
01.
It's All Over Now
02. I Can't Be Satisfied
03. If You Need Me
04. Empty
Heart
05. 2120 South Michigan Avenue
06. Confessin' The Blues
07. Around
And Around
08. Look What You've Done
09. Down The Road Apiece
10. Tell
Me Baby, How Many Times *
11. Down In The Bottom *
12. Don't Lie To Me
^
13. What A Shame
14. Time Is On My Side
15. Heart Of Stone ^
16.
Everybody Needs Somebody To Love #
17. The Last Time ^
18. Play With Fire
19.
(I Can't Get No) Satisfaction ^
20. Get Off Of My Cloud ^
21. 19th Nervous
Breakdown ^
22. Paint It, Black
23. Have You Seen Your Mother, Baby, Standing
in the Shadow?
Bootlegcorner:
24. Hi-Heel Sneakers *
25. Stewed
and Keefed *
26. Looking Tired *
All Tracks are Stereo.
* Never
officially released
^ Never officially released mix
# Never officially
released digitally
ここまでLHの今作インフォより。
そしてここまでのインフォも実はProf.
Stonedが公開した時のインフォからの転用で、これ以降は今作のインフォではカットされていますが、Prof.
Stonedは各曲の出展も明らかにしており、上記のインフォには以下が続きます。
Sources:
- 12 X 5 (FLAC, 24bit/88.2kHz) ABKCO 2010 > 01,03-07
- More
Hot Rocks (Big Hits & Fazed Cookies) (FLAC, RE, RM, 24bit/88.2kHz) ABKCO
Records 2005 > 02
- December's Children (And Everybody's) (SACD, Hybrid,
RE, RM) ABKCO 94512 US 2002 > 08
-
Now! (SACD, Hybrid, RE, RM, Dig) ABKCO 94202 US 2002 > 09,13
- Mad Shadows
(2xCD, Unofficial) Dog N Cat Records DAC-180 Japan 2017 > 10-11,24-26
-
Necrophilia (CD, Unofficial) Vinyl Gang Product VGP 317 Japan 2002 > 12
-
Hot Rocks 1964-1971 (FLAC, RM, 24bit/88.2kHz) ABKCO 2005 > 14,22
- Key
To The Highway (CD, Unofficial) Rattle Snake RS 220 Europe 2007 > 15,21
-
Rock 'N' Rolling Stones (LP) Decca SKL.5149 UK 1972 > 16
- Reel Time
Trip (CD, Unofficial) Scorpio RSRTT-001 Japan 2011 > 17,19,20,23
- Hot
Rocks 1964-1971 (2xCD, RE, RM) London Records 844 144-2 Germany 1986 > 14,22
(intro's only),18
---------------------------------------------------------------------------
Concept
& Sources supplied by JWB
Vinyl rip Tr. 16 by lukpac (the guy from the
excellent stones faq)
Compilation Produced by PS
---------------------------------------------------------------------------
Note:
This
compilation collects almost all stereo tracks that are known to exist from this
period, with the exception of the complete Aftermath album. I have used the
Bob Ludwig remasters for nearly all the Chess stuff because I think he nailed
those tracks. The only flaw on these is a tape startup problem on 04,06 &
07 which I have cleaned up. The Chess mono mixes were designed as folddowns
of the stereo versions and are without a doubt best heard in stereo. The RCA
recordings are not exactly known for their fidelity but they do have a certain
charm. I'm quite pleased with how this turned out; it adds something to the
familiar standard versions.
PS (June, 2020)
上記の通りオフィシャルや既発ブートからの曲も多いものの、オフィシャルレベルで統一されているので安心して聞いていられます。
また、ただ集めるだけでなく、"Empty
Heart"、"Around And Around"、"Confessin' The Blues"は冒頭のスピードずれを修正していると。
わたくし"Confessin'
The Blues"以外は違いがよくわからず(笑)
あと"Paint It, Black"もイントロとその後は別のソースをつなぐことによって最良の音に仕立ててあります。
なお、たまにジッとかノイズが入るところがあるのは、オフィシャルからしてそうだからです。
ということで、この音源はLHの今作が初のCD化なのかというとそうでもないかもしれませんが、いまだにLP『ROCK
'N' ROLLING STONES』や"Street Fighting Man"のシングルでしかオフィシャルではステレオで聞けない"Everybody
Needs Somebody To Love"の素晴らしい音も含めて見事なステレオコンピレーションで便利な作品であります。
『 SIXTY TOUR 2022 STOCKHOLM 』 CC
1145-46 (2CD)
aud.recordings@Friends Arena, Stockholm, Sweden. Jul.31, 2022
●Disc
1
1. Intro / 2. Street Fighting Man / 3. Let's Spend The Night Together /
4. Mick Jagger Thanks Charlie Watts / 5. Tumbling Dice / 6. Out
Of Time / 7. Out Of
Control / 8. Angie
/ 9. You Can't Always Get What You Want / 10. Living In A Ghost Town / 11. Honky
Tonk Women / 12. Band Introduction / 13. You Got The Silver / 14. Connection
●Disc
2
1. Intro / 2. Miss You / 3. Midnight Rambler / 4. Paint It Black / 5. Start
Me Up / 6. Gimme Shelter / 7. Jumping Jack Flash / 8. Band of Stage, Standing
Ovation / 9. Sympathy For The Devil / 10. Satisfaction
+ bonus 11. Sweet
Virginia (7 Jul. Amsterdam) / 12. Fool
To Cry (3 Aug. Berlin)
Crystal Cat久しぶりのストーンズは、SIXTYツアーからお膝元のストックホルム。
11月末のリリースだったようですが、日本には12月入荷ということでこちらに格納しておきます。
相変わらず美しいピクチャーディスクにインナー付きの紙ジャケです。
早々と音は公開されていましたが、やはりこうした独自作品をリリースするCCはフィジカルを手に入れて応援したいところ。
さて、8/3のベルリンに追加公演が発表されるまでは7/31で最終公演の予定だったここストックホルムですが、バンドの調子もすこぶるよいことが伝わってくる熱演です。
そしてSIXTYツアーを驚異の高音質で聴かせてくれたEVでリリースされたSCHOEPS
MK41シリーズとはまたテイストの異なる、Crystal Catらしい素晴らしい"EX"な音。
ミックのヴォーカルとキースのギターは前面に押し出てくる感じではありませんが、他が出すぎることもなく、低音もしっかり拾っていながらCCらしくバランスよく高音まで録音されています。
チャットは左側の女性が前半結構歌ってたりもしますが、少し遠くて小さなもので"Angie"ではもう静かになっており、後半また復活しますがさほど邪魔になるようなものではありません。
"Let's
Spend-"が終わった後、ミックはチャーリーと60年もやったんだよといつものMCを話しますが、最後に"We
miss him a lot"と言った後、続けてスウェーデン語でも"Vi saknar honom
massor"と締めくくっています。
そしてSIXTYツアーでは唯一登場した"Out
Of Control"。
これはシニア層への受けはいまいちかもしれませんが、ミックのハープも素晴らしく、スティーヴのドライヴと相まって見事な演奏を繰り広げています。
映像を見てみるとまたミックの動きがすさまじい。ここでこれをやるというチャレンジ精神とパフォーマーとしてのプロ根性にあらためて感動を覚えます。
さらにストックホルム・スペシャルは"Angie"。
SIXTYツアーではハイドパーク2とリヨンに次いで3度目の登場ですが、ミックの歌い方が少し変わっていて、語尾までしっかり発声するスタイルがちょっと新鮮。
ミックのハープといえば"Living
In A Ghost Town"でも見事な哀愁を聞かせてくれます。
演奏は先に書いた通りツアー終盤ということですこぶる調子がよく、のびのびと演奏していることが伝わってきます。
そして"You
Can't -"の後半でドラムが先行してもすぐに何事もなかったかのようにバンドは合わせていきます。
チャーリーのいないストーンズを実感したりもしますが、わたしたちはそれを受け入れなければなりません。
さて"Honky
Tonk Women"が終わり、ミックはスウェーデンの美しい夏をたたえた後、ロンドンでABBAのアバターコンサートを観に行ったと。
そして「僕たちもアバターを用意してるんだけど、間に合わなくて今夜はリアルでやるからそれで我慢してくれ!」と。
バカ受けです(笑)
いやしかしこの音で聴く"You
Got The Silver"なんて絶品です。
そして"Connection"でのキースのギターがまた美しい。Crystal
Catマジックなのか、ほんとに美しい。
会場は屋根付きスタジアムなんですが、日が長いスウェーデンの夏、まだ薄暗い野外会場でやってるような錯覚を覚えます。
"Start
Me Up"では最初ミックのマイクが不調だったのか、最初の2回はバナードとリサの声だけでしたが、その後復活して安心。
いやしかしエンディングのスティーヴがいかしてます、はい。
全体的にキースはリラックスモードだったようですが、"Gimme
Shelter"のイントロで外しすぎることもなく。
か弱いですが哀しみのイントロでこれはこれでいいのかもと思うように(笑)
しかし"JJF"での一発目のキースは力強い!
悪魔のソロは少し控えめで、この日の悪魔は後半キースとバンドの息が少し入り混じってるようですが、そこはうまくまとめるストーンズであります(笑)
ボーナスではアムステルダムから"Sweet
Virginia"とベルリンの"Fool To Cry"を収録。
前者はEVのと同じ音ですが、少し仕上げが違ってよりつややかに感じます。
後者のベルリンの"Fool
To Cry"はLHのとは別音源で、このCCのも高音質ではありますが、少しヒスが入っていてLHのを上回るかというとそうでもない音質です。
ということでしばらく経ってのリリースではありますが、さすがはCrystal
Catという作品でした!
Oct 2022
『 MADISON SQUARE GARDEN 1975 1ST NIGHT: JOE MALONEY MASTER *New Edition 』 no
label (2CD)
aud.recordings@Madison Square Garden, New York
City, NY. June 22, 1975
●Disc
1
1. Fanfare For The Common Man / 2. Honky Tonk Women / 3. All Down The Line
/ 4. If You Can't Rock Me / 5. Get Off Of My Cloud / 6. Star Star / 7. Gimme
Shelter / 8. Ain't Too Proud To Beg / 9. You Gotta Move / 10. You Can't Always
Get What You Want / 11. Band Introductions / 12. Happy / 13. Tumbling Dice /
14. It's Only Rock'n Roll / 15. Doo Doo Doo Doo Doo
●Disc 2
1. Fingerprint
File / 2. Angie / 3. Wild Horses / 4. That's Life / 5. Outa Space / 6. Brown
Sugar / 7. Midnight Rambler / 8. Rip This Joint / 9. Street Fighting Man / 10.
Jumping Jack Flash / 11. Sympathy For The
Devil (with Eric Clapton) / 12. Closing
2019年12月にリリースされたJoe
Maloney Masterのリマスター盤。
おさらいになりますが、こちらMSGでの6連続公演の初日を収録。
"Sympathy
For The Devil"でエリック・クラプトンが共演し、キースがベースを弾いたという貴重なライヴの日であります。
3年前に紹介しているとおり、その公演を収めた隠密音源は「recorder
1」と「recorder 2」の2種類存在し、こちらは「recorder 2」のマスターテープをJoe
Maloneyから借り受けたKrw_coがネットに公開したものが元。
その公開された音源に対して、ピッチ修正に位相修正、そらに片chがオフになるところの修正、そして"You
Gotta Move"のリプライズ箇所と"Brown Sugar"のイントロ部分や一部曲間の欠落部への「recorder
1」の補填など、いつもながらの丁寧な修正が施されてリリースされたのが1stエディションでした。
既発盤の歴史など詳しくはこちらをご覧ください。
http://wwr6.ucom.ne.jp/atsu-y/newarrivals/newarrivals2019.htm#Dec2019
今回は1stエディションでの上記修正も全編やり直したとのことですが、基本的に違いは少し高音が抑えられているという点。
3年前の紹介で、「少し高音域が強めなので、もう少し低音に厚みを持たせるとまた面白いかもしれませんが、ここは鮮度が一番。」とわたし書いていましたが、今回はその高音を少し抑えたリマスターがなされての2ndエディションで"EX"。
1stエディションも"EX"評価でしたので不満に感じるほど高音がきついわけでもないんですが、今回のリマスターでわずかにナチュラルになっています。
こういう微妙な違いでの再発というのも嬉し恥ずかしじゃなくて痛しかゆしでもない、何でしょう、微妙なところがありますが、ベスト盤はこちらにということに。
また、ジャケ写も一新され、表裏共にクラプトンがステージに上がっているナイスな写真になっていますが、裏ジャケは1stエディションでは表ジャケの裏に使われていた、悪魔ではミックとロニーがこうして登場したのか?という面白い写真に。
盤のレーベルプリントはミックの髪の長さがわかりにくい色合いなのでほんとに75なのかと調べてみましたが、75MSGのミックで間違いないですね。
ということで僅かな向上ではありますが、あらためてクラプトン参加のMSG初日をJoe
Maloneyマスターの素晴らしい音で堪能できる、MSG初日のベストとなる2ndエディションでした!
『 HIGH TIME AMSTERDAM 』 EVSD-1633/1634
(2CD)
aud.recordings@Johan Cruijff ArenA, Amsterdam, Netherlands. July 7, 2022
●Disc
1
1. Introduction / 2. Street Fighting Man / 3. Let's
Spend The Night Together / 4. Tumbling Dice / 5. Out
Of Time / 6. Sweet
Virginia / 7. You Can't Always Get What You Want / 8.
Living In A Ghost Town / 9. Can't You Hear
Me Knocking / 10. Honky Tonk Women / 11. Band Introductions
/ 12. You Got The Silver / 13. Happy
●Disc 2
1. Miss You / 2. Midnight
Rambler / 3. Paint It Black / 4. Start Me Up / 5. Gimme Shelter / 6. Jumping
Jack Flash / 7. Sympathy For The Devil / 8. Satisfaction
Empress Valleyからアムステルダム公演の超絶高音質隠密音源が登場。
アムステルダムはネットには良好隠密が出回っていなかったので、今作が待望の初ブート化。
そしてこちらもEVの超高音質隠密シリーズと同じくSCHOEPS
MK41による録音で、テーパーはブート化を望んでいない音源の流出かと。
そうした待望の音源ですが、このアムステルダムはほんとに素晴らしい音で録音されていて、文句なしの"EX"。
音像も大きく、上から下まで超絶綺麗で、音の広がりもあり、周りもさほど騒がしくはないという、ほんっとに素晴らしい音です。
当初はリバプールの次、4公演目の6/13に予定されていたアムステルダム公演ですが、開場して客入りまでしながらもミックにコロナ陽性反応が出たことでいったんキャンセルされ、7/7に延期された公演。
ハイドパーク1と2の間、そしてハイドパーク2の後は日程が空いているので、噂のロイヤルアルバートホールなど何かあるのではと、わたしを含めて一部のファンが勝手に期待していたんですが、その空白の期間にすっぽり入ったことで、わたしもハイドパーク2に続いて参加することができた公演。
オランダ人は背が高いし視界を遮られるかもと、それまでオランダ公演は避けていたんですが、無事マット・リーの真後ろの2列目で観ることができました。
そしてハイドパーク2では演奏されなかった"Living
In A Ghost Town"もやってくれたし、他にも"Let's Spend-"に"Sweet
Virginia"、そして"Can't You Hear Me Knocking"が飛び出した素晴らしい公演でした。
ストーンズもイギリスでの凱旋公演を無事終えてリラックスした様子で、演奏も素晴らしく、絶好調アムステルダムがこうした超絶高音質で楽しめるのはほんとに嬉しい限り。
ミックもオランダ語で"Fijn
dat jullie hier zijn en niet bij Frans Bauer!"、ここに来れてよかったよと!
そして"Tumbling
Dice"や"You Can't Always Get What You Want"では、オープニングアクトを務めたGhost
Houndsから女性シンガー3人がバックコーラスに加わり、スペシャル感も。
彼女たちはメンバー紹介でも紹介されています。
演奏といえば、"Living
In A Ghost Town"ではミックが一瞬迷子になりかけたり、悪魔ではなぜか唄いだしをちょいととちりますが大したことない(笑)
いやしかし"Can't
You Hear Me Knocking"のキースのラウドなイントロは、見事にそのラウドな音のままとらえられている録音でこれまた嬉しくなります。
また、ミックは「オランダは特別なんだ。イングランドを出て初めてライヴをやった地がこのオランダだったんだよ」と。
1964年の事ですね。当時の写真がスクリーンに映され、暴動の写真も映って大盛り上がり(笑)
そしてミックとバンドの好調ぶりを示すように、"Midnight
Rambler"ではミックが身を任せるようにキースの肩に寄りかかるという素晴らしいシーンが。
いまのHot
Stuffトップページの写真のシーンがその瞬間です。
そんなわけで、素晴らしい演奏を素晴らしい音質で楽しめる素晴らしい作品です。
テーパーからすると望まぬ流出ということで嬉しくもないでしょうが、見事な音で録音してくれたテーパーには感謝です。
ただしこの作品、文句なしなれど一つだけ残念なのは、"Out
Of Time"のリプライズが盛り上がる5:49のところで4秒ほど音飛びします。
それはもしかしたらテーパーが音を限定メンバーに共有した際にどこからリークしたのかわかるための目印なのかもですが、もし大元のマスターに音飛びがないのであればそちらで聴いてみたい。
その"Out
Of Time"に音飛びがない完全版か(大元マスターは飛んでないのかは不明ですが)、別音源で補填修正でもしてくれればなおさらよかったんですが、それでも十二分に素晴らしい作品でした。
『 SOUNDS LIKE THUNDER 』 EVSD-1633/1634
(2CD)
IEM recordings@Olympiastadion, Munich, Germany. June 5, 2022
●Disc
1
1. Introduction / 2. Street Fighting Man / 3. 19th Nervous Breakdown /
4. Rocks Off / 5. Tumbling
Dice / 6. Out Of Time
/ 7. Ruby Tuesday /
8. You Can't Always Get What You Want / 9. Living In A Ghost Town / 10. Honky
Tonk Women / 11. Band Introductions / 12. Connection / 13. Slipping Away
●Disc
2
1. Miss You / 2. Midnight Rambler / 3. Start Me Up / 4. Paint It Black
/ 5. Sympathy For The Devil / 6. Jumping Jack Flash / 7. Gimme Shelter / 8.
Satisfaction
Empress ValleyからミュンヘンのIEM音源がリリース。
SIXTYツアー2日目の6/5ミュンヘン公演はLHからMD音源を基にした隠密音源がリリースされていますが、イヤーモニター用のIEM傍受音源は初登場。
そしてEVからは7/19リヨンのIEM音源がリリースされていますが、こちらはいかに。
ミックのボーカルはやはり少し癖のある、ちょいと拡声器を通したような音質。
ドラムとキーボードにベースはほんとにクリア。ただ、キーボードやサッシャは右から聴こえたりもします。バックボーカルはかなり小さいんですが。
そしてギターはキースはあまりクリアではないものの、微妙にステレオになるところもありますが、中央付近で鳴ってたりもします。
いや、どうやらキースはIEMでは小さく右で鳴っていて、中央で鳴るのは隠密音源のよう。
これでキースのギターがクリアでラウドならばと惜しいところではありますが、隠密音源を足さないとイマイチなんでしょう。
ちなみに今作の隠密音源は、トレントに上がったTeufeltaperによるローランドのR-07によって録音されたものがイコライジングされて使われています。
ということでこちらも音の塊がぐわんぐわん鳴ってる感じや、バックボーカルが妙に小さかったり、キースが2人いるように聴こえるところもあり、どこでどれが鳴っているのだと気にすると落ち着きません(笑)
"Rocks
Off"のイントロでキースが再び"19th Nervous Breakdown"を弾いてしまい強引に切り替える様子はこちらでも面白いですが、ちょいとキースのギターはボケてます。
これもおそらく右で鳴るキースがIEM音源で、中央で鳴るのは隠密音源かと思いますが、その隠密成分のせいでなおさらぼけて聴こえるのかと。
とはいえ隠密成分が無いIEM音源だけでは迫力不足なのかも。
IEM録音も何ch録音するかが肝ですが、こちらはそこまでchは多くないんでしょう。
とはいえ低音の迫力もあり、音質的には素晴らしい"EX-"。まぁバランスを考えなければ"EX"相当ですが。
"Out
Of Time"を経て、voteは"Ruby Tuesday"。
"Ruby Tuesday"はSIXTYツアーではこのミュンヘンで唯一演奏されましたが、2台のキーボードがメインで、キースのバックコーラスはほぼ聴こえません(笑)
かと思えば"You
Can't Always Get What You Want"ではいきなりミックのアコギが大きく入ってきたり、やはりバランスはイマイチ。
ミックのアコギをよく聴こうと思えば最適ですが。
逆にキースコーナーではキースのボーカルをIEMでは拾っておらず、キースの声があまり聴こえません。
特に"Connection"ではバックボーカルが右から小さいながらもキースよりも大きく聴こえるという。
そしてキースのギターはすっかり埋もれてしまって残念無念。ロニーはそこそこ聴こえます。
そんな感じで音源マニアには必須なれど、ミュンヘン公演を楽しむにはどうだろうという作品。
ただ、ミックやドラムやベースははっきりと鳴ってて音質自体はいいです。
とはいえやはりこちらもリヨンのようにボーカルは拡声器を通したようなちょっと異質な音であることに変わりはありません。
これでギターをしっかり拾っていればというのが惜しい。
"Paint
It Black"のイントロでキースをしっかり拾ってるのは隠密音源です。
ということで個人的にはこれまた全体的にあまり楽しめませんでしたが、ディスクのプリントは美しいデザイン。
そしてリヨンと同じく「高級感あふれるDKホワイト」というふれこみの紙ジャケはスキャナー泣かせでスキャンすると映えません。
Sep 2022
『 SAN DIEGO 1979 / The New Barbarians - MIKE MILLARD FIRST GENERATION TAPES 』 no
label (2CD)
aud.recordings@San Diego Sports Arena, San Diego, CA. May 22, 1979
●Disc
1
1. Intro / 2. Sweet Little Rock 'N' Roller / 3. Buried Alive / 4. F.U.C.
Her / 5. Mystifies Me / 6. Infekshun / 7. Rock Me Baby / 8. Sure The One You
Need / 9. Lost And Lonely / 10. Breathe On Me / 11. Love In Vain
●Disc 2
1.
Let's Go Steady Again / 2. Apartment No.9 / 3. Honky Tonk Women / 4. Worried
Life Blues / 5. I Can Feel The Fire / 6. Come To Realise / 7. Band Introductions
/ 8. Am I Grooving You / 9. Seven Days / 10. Before They Make Me Run / 11. Jumping
Jack Flash
ネットに公開されたばかりの、マイク・ザ・マイクことマイク・ミラードの録音によるニュー・バーバリアンズのサンディエゴ公演。
こちらJEMSによるマイク・ミラードの1stジェネレーション・テープからの初公開音源。
The
New Barbariansとは、ロニー、キース、そしてボビー・キーズとイアン・マクレガンの二人、さらにはスタンリー・クラーク、ミーターズからジョー"ジガブー"モデリスト、これらの豪華メンバーがロニーの新作『GIMME
SOME NECK』のプロモーションにあわせて結成されたユニット。
キースのトロント裁判により1979年に開催されたチャリティ・コンサート"BLIND
DATE - C.N.I.B. (Canadian National Institute for the Blind) ベネフィットコンサート"にてデビューを飾り、そのBLIND
DATEのあと全米ツアーを敢行し、ネブワース・フェスティバルでLed Zeppelinのサポート・アクトとしてイギリスで一度だけお披露目し、翌1980年にも米国で一度だけライブを行ったスペシャル・ユニットでした。
そんなニュー・バーバリアンズが行った全米ツアーの最終日がこのサン・ディエゴ公演であります。
このニュー・バーバリアンズのLA公演とサン・ディエゴ公演をマイク・ミラードが録音してくれていたことは、昨年2021年3月にJEMSによって公開され、LHからもリリースされた『L.A.
FORUM 1979 - MIKE MILLARD FIRST GENERATION TAPES』でマニアは承知の助。
この昨年リリースされたLA公演は、バンド紹介と以降の"Am
I Grooving You" "Seven Days" "Before They Make Me Run"
"JJF" はサン・ディエゴ公演からとJEMSも認識しており、LHの『L.A. FORUM
1979 - MIKE MILLARD FIRST GENERATION TAPES』のリリースにおいてもそれらはサン・ディエゴ公演からとクレジットされていました。
しかし実は"JJF"ではまたLA公演の音に戻っていたことは、わたし昨年紹介した通り。
今回JEMSによるサン・ディエゴ公演が公開された際には、わたしが当時"JJF"はLA公演からだとIORRへ投稿したこともインフォに律儀に紹介されています。
そして今作のインフォにもその旨が記載されていますが、これは昨年紹介したとおり、ビリー・プレストンが弾いていることからたまたま気が付いたわけです。
そんなこともありましたねということで、今回はサン・ディエゴ公演の完全収録盤。
こちらLA公演よりは距離はあるかもしれませんが、音の抜けと広がりといったバランスはLA公演よりも良好で、感覚的にはLA公演より聴きやすい"EX-"。
まぁストーンズのLA75のような高音質ではありませんが、さすがはマイク・ミラードという高音質です。
そして今回の"JJF"はビリー・プレストンのいない正真正銘サン・ディエゴ公演から。
そしてツアー最終日ということもあってか、演奏もなかなかに素晴らしい。
ブートで有名な5/5のラーゴやネブワースよりは断然安定した演奏を聴くことができます。
そしてサンディエゴ公演はUSツアー最終公演ということもあって、ネブワースと共に撮影がなされていますが、いまだにオフィシャル・リリースはされていません。
出回ってる映像はかなり画質の悪いものですが、2016年末にリリースされたハードカヴァーの洋書『New
Barbarians: Outlaws, Gunslingers, and Guitars』には、いつか陽の目を見ますようにと著者の希望が書かれています。
そのプロショット、今作のリリース初週のオーダーに限りボーナスでDVDRでついてきます。
画質や途中でブチ切れたりいろいろ問題はありますが、未見の方には貴重なドキュメンタリーかと。
でもそちらのプロショットで観ることができた演奏より、今作の隠密、ミラード音源の方がよほどしっかり堪能できます。
ちなみにその不完全でよれたりするプロショットからの音声はEmpress
Valleyの『THE DRUG DEALER TAPES VOL.1』(EVSD 196/197/198/199/200)のDisc5で聴くことができましたが、やはり今作の方が断然いい。
ちなみにEV盤はその1曲目の"Breath
On Me"を"Buried Alive"と間違ってクレジットしてたりします。
そんなわけでナイスなミラード音源ですが、どうやらこの頃ミラードはレコーダーのアライメントが不調だったようで、今回も"Honky
Tonk Women"でのうねりや"Before They Make Me Run"から"JJF"の冒頭3分ほどにかけて音がこもってしまいます。
マイク・ミラードがLA公演後半の一部をこのサン・ディエゴに差し替えて保管していたのも、同じようにLA公演でもレコーダーが不調だったからでしょう。
そうしたわけですが、こちらもマスターではなく1stジェネレーション・テープからで、今作のインフォにあるとおり、"Seven
Days"にはLA公演のサン・ディエゴ部分では入っていなかったノイズが入っています。
また、"Before
They Make Me Run"終了後のアンコールを求める場面がそのLA公演のサン・ディエゴ部分より短くなっていたとのことで、今作ではLA公演のサン・ディエゴ部分より補填されています。
とまぁ細かい説明かつLA公演のサン・ディエゴ部分というややこしい表現が続きましたが、このサン・ディエゴでは"Breathe
On Me"でフラッシュを焚いて撮影する観客にロニーが怒って叱りつけているというレアなシーンもしっかり録音されていたり、ツアー最終日のサン・ディエゴをようやく素晴らしい音で堪能できるようになったのは嬉しいところ。
ちなみにその時、ハンプトンのあの事件の前哨戦じゃないですが、キースはテレカスをかついで振り上げてたりします(笑)
いやしかしルーズさはあれどもしっかりした演奏でかっこいいです。
キースの歌う"Let's
Go Steady Again" "Apartment No.9" "Worried Life Blues"だけじゃなく、聴きどころはたくさん。
ミックの飛び入りを待っていたファンは暴動したりしたそうですが、スタジアム公演がメインだった78と81の間の79年のこのアリーナ・ショーはメンバーにもコアなファンにも楽しいライヴだったに違いありません。
こうしてツアー最終日をしっかり録音してくれたマイク・ミラードと、それを丁寧な復刻により公開してくれたJEMSに感謝という作品でした!
『 WELCOME TO LIVERPOOL
』 EVSD-1629/1630
(2CD)
aud.recordings@Anfield Stadium, Liverpool, UK. June
9, 2022
●Disc
1
1. Introduction / 2. Street Fighting Man / 3. 19th Nervous Breakdown /
4. Get Off Of My Cloud
/ 5. Tumbling Dice / 6. I Wanna Be Your Man
/ 7. Out Of Time /
8. You Can't Always Get What You Want / 9. Living In A Ghost Town / 10. Honky
Tonk Women / 11. Band Introductions / 12. You Got The Silver / 13. Connection
●Disc
2
1. Miss You / 2. Midnight Rambler / 3. Start Me Up / 4. Paint It Black
/ 5. Sympathy For The Devil / 6. Jumping Jack Flash / 7. Gimme Shelter / 8.
Satisfaction
Empress Valleyから独自音源でリヴァプール公演が登場。
リヴァプールは良質音源が出回っていなかったので今作によって初ブート化。
リヴァプールは開幕マドリード、ミュンヘンに次ぐSIXTYツアーの3公演目にして、チャーリーが亡くなってからの初めてのイングランド公演。
今ツアーでは2度しか演奏されなかった"Get
Off Of My Cloud"が飛び出し、2公演目まではやっていたvoteがないなと思ったら、リヴァプールということでビートルズからの"I
Wanna Be Your Man"が今ツアーで唯一演奏された公演です。
さてこちら、Empress
Valleyらしい派手な音で、少し高音は強めで低音の迫力のある音。
周りは最初はにぎやかで口笛が鳴ったりもしてますが、すぐに落ち着きます。
ドラムとベースのアタックが強い派手な音ですが、ギターはさほど前面に出てこず、これでもうちょいギターがONならというのが惜しいところ。
そのアタックのせいで"Miss
You"ではちょっと音割れしている箇所もありますが、迫力はあります。
ということでちょいいじられた音のような気もしますが、高音質"EX"。
演奏は2018年以来久しぶりのイングランド凱旋、そしてなんと1971年以来となるリヴァプール公演ということでストーンズも気合が入ったことでしょう。
"19th
Nervous Breakdown"ではミックが途中でフライングしてます(笑)
"I
Wanna Be Your Man"はちょいとどたばた始まりますが、そんなの問題なし。
そしてキースの"Connection"では、キースがしっかりイントロを弾けず、挙句に歌に入るところでも入らずになかなか始まらず、ギターソロもあやふやなおもしろ"Connection"がここに(笑)
これ一体何が?とYouTubeで映像を見てみると、レスポール・ジュニアの調子が悪かったようで、イントロを弾こうとするや否やキースが振り返って両手を広げてギターテックのピエールにあかんあかんと何か訴えているようですが、そのうちそのままいくぜと突入するも、ギターソロまでは全く弾かず、ギターソロも頼りない音なのでやはりギターが不調だったのか。
しかし面白いのはブリュッセルと比べるとずいぶん速い演奏ってこと。スティーヴがガンガン引っ張ってます。
そして後半パートは、この次の次のロンドン以降とはちょいと演奏順が異なり、"Start
Me Up"から"Paint It Black"という順で、"Sympathy For The
Devil"と"Gimme Shelter"の位置も入れ替わる前です。
そこはロンドン以降の方がしっくりくる流れではあります。
ちなみにIORRのビョルノルフ氏によると、このリヴァプールでは実はミックはリヴァプールFCのサポーターソングでもあり、リヴァプールのジェリー&ザ・ペースメイカーズによるバージョンで有名な"You'll
Never Walk Alone"のカヴァーをやろうとしていたけれども、うまくいかなかったので"I
Wanna Be Your Man"がチョイスされたとか。
しかーし、アンコール待ちの間、その奇跡が起こるのです。
"JJF"が終わり、アンコール待ちの間、リヴァプールFCのホームであるアンフィールドで響き渡るのは、"You'll
Never Walk Alone"の大合唱。
ビョルノルフ氏いわく、フットボール会場では感情が高ぶると魔法がかかるのだと。今作でもその合唱が聴けるのはポイント高し。
その合唱を引き裂いて始まる"Gimme
Shelter"のイントロがカッコよく決まれば最高だったんですが、そうはいかないところがまた(苦笑)
どうにも最近のキース、"Gimme
Shelter"のイントロは決まりませんね。
そんなおまけも含めてリヴァプール公演を高音質で楽しめる作品でしたが、なぜかジャケがリヴァプールではなく初日マドリードの写真なのは惜しいところ。
『 ALL-MEAT MUSIC
』 no label
(2CD)
aud.recordings@the Forum, Inglewood, CA. Jan.18, 1973
●Disc
1
1. Introduction / 2. Brown Sugar / 3. Bitch / 4. Rocks Off / 5. Gimme Shelter
/ 6. Route 66 / 7.
It's All Over Now /
8. Happy / 9. Tumbling Dice / 10. No Expectations
●Disc
2
1. Sweet Virginia / 2. You Can't Always Get What You Want / 3. Dead
Flowers / 4. Stray
Cat Blues / 5. Live
With Me / 6. All Down The Line / 7. Rip This Joint / 8.
Jumping Jack Flash / 9. Street Fighting Man
「あのALL MEAT MUSICがついに帰ってきた!!」
今度こそまさにそんな一言の作品が登場です(笑)
わたくし先日Empress
Valleyからリリースされた『ALL MEAT MUSIC』に対して、アナログ落としそのままの少し速いバージョンと紹介していましたが、そうではなかったことが今作のインフォで判明。
EVの音源は何らかのリマスターがされており、7/20に公開されたEVの元音源のインフォを読むとなるほどアナログ落としの音をAmadeus
Proというソフトで補正されていることも書かれていました。
そういえばギターとホーンが左右に分かれていたり、妙なステレオ感があったなと(いまごろ気づくな)。
ということでそちらはアナログ落としそのままの音ではなかったということでここに訂正し、EV盤の紹介も訂正しておきました。
さて、8/26には、その7/20に公開されたリマスター音源のピッチを修正したバージョンと、リマスターがなされる前のアナログ落とし音源のピッチを修正したバージョンの2つがネットに公開されました。
この2つを聴き比べると、なるほど後者の方が全然自然でいいわということに。
ということでその後者、リマスターがなされていないアナログ落とし音源のピッチを修正したバージョンを元にしたのが今作。
なお、インフォによると、今作はその音源を元にしつつ、所々ピンポイントでスクラッチノイズは除去しており、高域を僅かに調整しているとのこと。
また、LHの前作と今作を比べると、前作は中高域をあげつつもノイズリダクションがかかっているので、例えば"Sweet
Virginia"の冒頭を聴き比べると今作が自然な音であることがよくわかります。
そして前作ではキーは正しく補正した上で1CDに収まるようスピードを僅かに少し上げているということもTASBで紹介されていました。
ということで、今作こそあのTMOQの名盤が帰ってきたという素晴らしい音になっています。
音質的には劇的な向上があるわけではないので"very
good++"程度ではありますが、これだよこれ!というサウンド。
中身についてはもう省略しますが、73ウィンター・ツアー初日にしてニカラグア・ベネフィットの特別公演、レア曲も飛び出す素晴らしい公演です。
その公演をおさめたTMOQの名盤がこうして丁寧に復刻されたことに感激です。
なお、こちらももう速攻売り切れています。
ちなみにLHの前作と今作では表ジャケだけを比べるとほぼ同じで見分けがつきにくいですが、実は微妙に色合いが違い、前作のインク部分は僅かに茶色がかっています。
そして裏ジャケと背のデザインは異なっていますが、そもそも1CDと2CDという違いがありますので、裏ジャケの曲目を見てトラック19まである1CDが前作、一方2CDになっているのが今作です。
Aug 2022
『 BRUSSELS AFFAIR
』 EVSD-1625/1626
(2CD)
aud.recordings@King Baudouin Stadium, Brussels, Belgium.
July 11, 2022
●Disc
1
1. Introduction / 2. Street Fighting Man / 3. 19th Nervous Breakdown / 4. Tumbling
Dice / 5. Bitch / 6.
Out Of Time / 7. Beast
Of Burden / 8. You Can't Always Get What You Want / 9.
Living In A Ghost Town / 10. Honky Tonk Women / 11. Band Introductions / 12.
Slipping Away / 13. Connection
●Disc 2
1. Miss You / 2. Midnight Rambler
/ 3. Paint It Black / 4. Start Me Up / 5. Gimme Shelter / 6. Jumping Jack Flash
/ 7. Sympathy For The Devil / 8. Satisfaction
SIXTYツアーから7/11のブリュッセル公演がEmpress
Valleyからも登場。
こちらは先にLHからリリースされた『BRUSSELS AFFAIR 2022』とは別音源で、ネットに公開はされていない音源。
そしてどうやら『SUMMER
BREEZE』 [Hyde Park #1]と同じテーパーによる音源のようで、テーパーはブート化を望んでいない音源のようです。
しかしSCHOEPS
MK41による録音といわれるすさまじい高音質で、音像も大きく、下から上まで素晴らしいクリアさで抜けもよく、音の広がりもあり、周りはうるさくないという文句なしの"EX"です。
いやほんとにこの音は最高です。
演奏についてやMCについては既にLHの『BRUSSELS
AFFAIR 2022』で紹介したので省きますが、この音源で改めて聴くブリュッセルは格別です。
2020年にスティーヴが加入してから初披露となった"Bitch"の素晴らしい演奏も余すところなく伝えてくれます。
そこから"Out
Of Time"に"Beast Of Burden"へと続く極上の流れもこちらで聴くとなおさら素晴らしいです。
テーパーがブート化を望んでいないということで、他にもあると言われている公演の音が出回るかどうかはわかりませんが、それも是非聴いてみたいと思わせてくれる、本当に素晴らしい音です。
それ以上の紹介など不要、こちらも『BRUSSELS
AFFAIR』のタイトルを冠するにふさわしい凄まじい作品でした。
『 BERLIN 2022
』 no label
(2CD)
aud.recordings@Waldbuhne, Berlin, Germany. Aug.3, 2022
●Disc
1
1. Intro / Charlie Watts Tribute / 2. Street Fighting Man / 3. All
Down The Line / 4. Tumbling Dice / 5. Rocks
Off / 6. Out Of Time
/ 7. Fool To Cry /
8. You Can't Always Get What You Want / 9. Living In A Ghost Town / 10. Honky
Tonk Women / 11. Band Introductions / 12. You Got The Silver / 13. Happy
●Disc
2
1. Miss You / 2. Midnight Rambler / 3. Paint It Black / 4. Start Me Up
/ 5. Gimme Shelter / 6. Jumping Jack Flash / 7. Sympathy For The Devil / 8.
Satisfaction
追加で発表されたSIXTYツアー最終公演、ベルリンはヴァルトビューネでのライヴ。
ストーンズがヴァルトビューネを初めて訪れたのはライオットショーとして有名な1965年の事。
その後1982年、1998年、2014年、そしてこの2022年にまたストーンズはヴァルトビューネに帰ってきました。
そんな特別な舞台をとらえたこちらはネットに一時期公開された音源で、ミックのヴォーカルは少し距離を感じますが、さすがヴァルトビューネ、抜けの良い爽快な"EX"サウンド。
がしかし右側の女性がところどころでにぎやか(笑)
最終公演となったこの日は、キース側の最前列の前にVIPのファミリー&フレンズのエリアが解放され、VIP達がそこで踊るという、ほんとのファン目線はどこにという運営でしたが、セットリストはファン思いの素晴らしいものでした。
SIXTYツアー最終日にして初登場の"All
Down The Line"。そして"Tumbling Dice"を挟んでツアー2度目の登場となる"Rocks
Off"と、見事な『Exile on Main Street』祭り。
さらにツアー終盤はファンvoteはありませんでしたが、voteをやっていたときには何度かリストに上がっていた"Fool
To Cry"!
もう素晴らしい!!
が、"All Down The Line"ではミックが構成を間違え、ミックがSorryと謝ってるところも(笑)
そんなわけでグダグダな感じで終わりますが、それもよし。
そして"Rocks
Off"はスティーヴの熱演もあって見事な出来ですが、ここでテーパーが横のにぎやかな女性から逃れようと体勢を変えてるのか、音が回ってしまいます。
それでも女性はしばらく賑やかなところもありますが、それを差し引いてもこちらは会場の空気を見事に捉えた広がりと抜けの良さを備えたいい音です。
こうした素晴らしい音で聴く"Fool
To Cry"はたまりません。
ここでは女性は静かで一安心、、、と思ったらミックの移動にあわせて途中で歓声が上がりますが、そこは許容範囲。
その後ちょっと歓声が上がりますが、一緒に熱唱しなくてよかったです(笑)
しかしキースはもう何度"Happy"を演奏したことか。それでもこの日は構成を間違えるキース(笑)
いやしかし"Midnight
Rambler"では女性のワオが何度も何度もうるさい。
音が素晴らしいだけにそこがほんとに惜しい。
そのワーオは"Gimme
Shelter"でも(笑)
それはともかくラストにかけては最終公演で名残を惜しむかのように長尺演奏が続き、ミック79歳にしてgotta
gotta連呼の"Satisfaction"は名演!
ラストもスティーヴの連打からエンディングになだれ込むさまはほんとに素晴らしい。
ちなみにここではワーオは遠くに聴こえるので、終盤にして何とか彼女と距離を取ることに成功した模様(笑)
ということで素晴らしい最終公演を素晴らしい音で楽しめる素晴らしい作品でした!
『 WINTER TOUR 1973 "ALL MEAT MUSIC"
』 EVSD ALIAS-093
(1CD)
aud.recordings@the Forum, Inglewood, CA. Jan.18, 1973
1.
Intro / 2. Brown Sugar / 3. Bitch / 4. Rocks Off / 5. Gimme Shelter / 6. Route
66 / 7. It's All Over Now / 8. Happy / 9. Tumbling Dice / 10. No Exceptations
/ 11. Sweet Virginia / 12. You Can't Always Get What You Want /
13. Dead Flowers / 14. Stray Cat Blues / 15. Live With Me / 16. All Down The
Line / 17. Rip This Joint / 18. Jumping Jack Flash / 19. Street Fighting Man
Empress
Valleyからあの『ALL MEAT MUSIC』が。
こちらをご覧に皆さんはもうこのタイトル名だけで何の盤かわかると思いますが、TMOQが1973年にリリースしたアナログ『WINTER
TOUR 1973』の復刻盤。
ミックの当時の妻ビアンカの故郷ニカラグアを襲った大震災への被災者救済コンサートとして、ホノルルを皮切りに1/21から始まる通称Winter
Tourに先駆け、1/18にLAフォーラムで開催された特別ライブを隠密収録したのがこちら。
というわけですが、こちらは7/20にトレントに公開された音源そのままです。
その後8/26にピッチ修正されたものが2種類公開されていますがそれらではありません。
ということで全長80:09と、アナログ落としそのままの少し速いバージョン。
(訂正※
当初アナログ落としそのままと紹介していましたが、実はこちらの音源はAmadeus Proなるツールでリマスターされており、ステレオに膨らませた音源でした。)
ピッチ補正されたものは82:30くらいですので全体で2:20ほど速いのかと。
しかしこちら、80分ディスクなのか80:09もの長さがディスク一枚に収録されており、そうと分かって聴けば楽しいのです。
演奏前の録音データのメモ録音部分もそのまま収録されています。
しかも紙ジャケとジャケのスリック、インサートのカード、さらにはディスクはマーブルまで再現しているという、お楽しみアイテム(笑)
これがただの1000円のMoonchildならスルー出来たんですが、この再現ぶりにはついつい(苦笑)
なお、帯のEVSD
EXCLUSIVEやジャケの表面下部の表記などはミラー文字になっています。
これはEVSD
Aliasとは、EVSDのExclusiveではないということを意味しているのだろうと海外マニアより。なるほど。
ちなみに盤や帯にはAliasと表記されていますが、裏ジャケにはAiliasと表記されていて、どっちなのか不明(笑)
音はアナログ落としですが、針音はやり過ぎない程度に除去されています。
なお、余計なイコライジングはされておらず、ギターが目立つようなイコライジングやノイズリダクションもされていません。
(訂正※
ステレオを膨らませるなどのリマスターがなされていました)
そのため既発と比べると中域に集まった音の塊のような鳴り方で、決して音の抜けがいいわけでもない"very
good+"程度。
ただし、ノイズリダクションのかかっていない自然な音、特に"Sweet
Virginia"などの静かな曲ではノイズリダクションがかかっている盤ではちょいとふんづまりになっていたところは、こちらではすっきりと聴けます。
とはいえはい、そもそもTMOQ風の盤と同じくこちらはピッチが高いという問題ありですけどね。
ちなみにトラック分けもネット音源そのままですが、曲紹介のMCなども曲の頭に入るように分割されており、せっかちな人にはちょい不親切。
まぁアナログ復刻版であるがゆえに、ピッチの問題もそうとわかって聴けばCD1枚でスッキリ聞けて楽しめる作品でした。
『 SALUT LES GONES!
』 EVSD-1623/1624
(2CD)
IEM recordings@Groupama Stadium, Lyon, France. Jul.19, 2022 +
●Disc
1
1. Introduction / 2. Street Fighting Man / 3. Let's Spend The Night Together
/ 4. Tumbling Dice / 5. Out Of Time
/ 6. Dead Flowers /
7. Angie / 8. You Can't
Always Get What You Want / 9. Living In A Ghost Town / 10. Honky Tonk Women
/ 11. Band Introductions / 12. You Got The Silver / 13. Happy
●Disc 2
1.
Miss You / 2. Midnight Rambler / 3. Paint It Black / 4. Start Me Up / 5. Sympathy
For The Devil / 6. Jumping Jack Flash / 7. Satisfaction
+bonus IEM recordings@Ernst-Happel-Stadion,
Vienna, Austria. Jul.15, 2022
8. Gimme Shelter / 9. Wild
Horses (Rehearsals)
EVからリヨンのIEM音源がリリース。
タイトルはミックが"SFM"終了後に観客に向けてはなった「Bonsoir
Lyon, bonsoir la France. Salut les Gones!」から。
les Gonesは会場のパルク・オリンピック・リヨンをホームとするリヨンのプロサッカークラブ、オリンピック・リヨンのニックネームで、フランコプロヴァンス語の方言で「The
Kids」(少年)という意味。
リヨンからはLHからいまのところブートでは今ツアーの最高隠密音源がリリースされていますが、果たしてこちらのIEM音源はと楽しみに聴き始めると、、、
オープニングの"SFM"のイントロではギターは遠くの雷鳴かという音でキースがセンターから左で鳴ったと思ったら消え、その後はスネアとピアノが鳴り響き、ミックが歌いだせばIEMにありがちな拡声器を通したような音質。
先日CDでリリースされた『DESERT
TRIP 2016 WEEKEND 1』のような素晴らしいIEMを期待しちゃいけません。
それにしてもこれほどギターが聴こえないものかと。
1分20秒過ぎからちょい音が変わってギターが入ってきますが、前面には出てこないもどかしい音。
IEM録音もテーパーのスキルや機材によって大きく変わるんでしょうが、今回のはちょっと残念。
それでも聴いてるうちにバランスもよくなっていくので少し安心。
これでもう少しギターが前面にいてステレオセパレーションがよければいいんですが、キースがセンターより僅かに左で鳴ったり、なんだか音の塊がぐわんぐわん鳴ってるという感じ。
ギターはほぼセンターですが、キースとロニーは微妙に左右がクロスしてるところもあったりして、なおさらスッキリしない。
とはいえそこはIEM、普段は聴こえにくいキースのコーラスとかはしっかり拾っています。
そしてアコースティックの曲は綺麗にとれていたり、中盤以降は音もだいぶこなれて耳も慣れてきて普通に聴けるようになります。
とはいえやっぱり頭上で音の塊がぐわんぐわん鳴っていて、ほんの僅かに幕にさえぎられているような感じ。
なお、曲間では歓声もわずかに拾っていますので、臨場感が皆無といったものではありません。
そんな感じでこれをどう評価したものかですが、音質自体はよい"EX-"。
ただし、ボーカルは拡声器を通したようなちょっと異質な音であることに変わりはありません。
これでギターのステレオセパレーションがよければぐんと聴きやすくなったんでしょうが。
さてリヨンといえばミックの喉の具合がどんどん悪くなった公演。
しかしこのIEM、そのミックをカバーすべく後半張りきったバナードの声があまり前面には出てきません。
ということでIEMで聴くこのリヨン公演、なおさら辛かったりもします。
Disc2のラストにはオーストリアのウィーン公演からボーナストラックが。
ボーナスへの切り替わりを意識させるため、ミックの「これが17回目のオーストリア公演だよ」というMCが挟まれ、その後メインのリヨン公演ではカットされてしまった"Gimme
Shelter"と、貴重な"Wild Horses"のリハのIEM音源が。
この"Gimme
Shelter"はギターのセパレーションはなかなかよく、リヨンより全体的によさそうな感じですので、ウィーンもリリースされるかもです。
とはいえこちらももうちょいキースが前面に出てきてほしい音ですが。
ということで残念ながら個人的には全体的にあまり楽しめませんでしたが、ディスクのプリントは美しいデザイン。
ただ、「高級感あふれるDKホワイト」というふれこみの紙ジャケはスキャナー泣かせでスキャンすると映えません。
『 WILTERN THEATRE 2002: BBC BROADCAST
』 [New Edition] Uxbridge
(1DVD-R)
pro shots@Wiltern Theatre, Los Angeles, CA. Nov.4,
2002
1.
Introduction / 2. Jumping Jack Flash / 3. Live With Me / 4. No
Expectations / 5. Beast
Of Burden / 6. Stray
Cat Blues / 7. Everybody
Needs Somebody To Love (with Solomon Burke) / 8. That's
How Strong My Love Is / 9. Going
To A Go Go / 10. You
Don't Have To Mean It / 11. Rock
Me Baby / 12. Bitch / 13. Honky Tonk Women / 14. Start
Me Up / 15. Brown Sugar / 16. Tumbling Dice
+ bonus 17. Can't
You Hear Me Knocking (with Jim Keltner on percussion)
(slide show) / 18. Jumping Jack Flash (FOX TV)
すでにnew arrivalsの7月でCDとDVD-Rを紹介したとおり、2022/7/3のハイドパーク2の前日である7/2、BBCで2002年LICKSツアーからLAウィルターン・シアター公演が突然放送されました。
完全版ではなく、当日演奏した20曲から14曲がピックアップされた放送ですが、LICKSツアーからシアター公演が極上のプロショットで放送されるという凄い事態。
そのBBCで放送された映像にプロショットを1曲追加した上でさらにボートラも追加した、LHの2nd
editionと呼ぶべきUxbridgesからの作品がこちら。
7月での紹介のおさらいになりますが、このウィルターン・シアター公演からは、オフィシャルDVD『FOUR
FLICKS』にはDisc1のボーナス映像として"Beast Of Burden" "You Don't
Have To Mean It" "Rock Me Baby" "Bitch"が収録されていました。
また、オフィシャルCD『LIVE
LICKS』には、このウィルターン・シアター公演から"Can't You Hear Me Knocking"
"Beast Of Burden" "Rock Me Baby" "You Don't Have To
Mean It" "Everybody Needs Somebody To Love"が収録されています。
それらのうち、今回はBBCでは未放送だった"You
Don't Have To Mean It"の映像を『FOUR FLICKS』から挿入し、ボートラとして『LIVE
LICKS』から"Can't You Hear Me Knocking"の音を写真と共にスライドショーで、そして当時FOX
TVで放送された別アングルの"JJF"が追加されたのが今作。
これで公開されているすべての曲の映像と音を堪能できる優れもの。
"You
Don't Have To Mean It"の映像を観れば、この時ロニーが何を弾いていたかをすっかり忘れていたファンも多いのではと。
そんな再発見も楽しめる決定盤です。
ボーナスの"Can't
You Hear Me Knocking"のスライドショーも、この放送素材からの多くのショットが楽しめ、ボビーが吹くところではちゃんとボビーが映るというにくい作り。
それにしてもあらためて見直してもミック、そしてキースのテンションが凄まじいライヴです。
"Stray
Cat Blues"の超絶ミック、ソロモン・バーク御大との"Everybody Needs Somebody
To Love"、さらには"That's How Strong My Love Is"では昇天(笑)
ということでこれまた文句なしの素晴らしい作品でした!!
ちなみにこの放送映像ですが、リアルHDではないものの1080pで、画面左上のBBCロゴが無く、英語字幕が選択可能、そしてオーディオはリアル5.1chというMKV素材も一部に出回っており、そちらでBD-Rを焼くとほんの少し綺麗でマルチチャンネル、そしてミックのMCや歌詞まで英語字幕で楽しむことができます。
ちなみにマルチchではロニーは左フロントですがキースは右フロントだけでなく右リアも鳴ることが多く、キース色が強くなると共にリバーブがちょいかかってます。
ということでそちらはそちらで楽しめますが、リアルな音色を前方から2chステレオで浴び、放送されなかった映像やボーナス映像を楽しむには今作でした。
『 SUMMER BREEZE
』 [Hyde Park
#1] EVSD-1620/1621
(2CD)
aud.recordings@Hyde Park, London. UK. Jun.25, 2022
●Disc
1
1. Introduction / 2. Street Fighting Man / 3. 19th Nervous Breakdown /
4. Tumbling Dice / 5. Out Of Time
/ 6. She's A Rainbow
/ 7. You Can't Always Get What You Want / 8. Living In A Ghost Town / 9. Can't
You Hear Me Knocking / 10. Honky Tonk Women / 11. Band
Introductions / 12. Slipping Away / 13. Connection
●Disc
2
1. Miss You / 2. Midnight Rambler / 3. Paint It Black / 4. Start Me Up
/ 5. Gimme Shelter / 6. Jumping Jack Flash / 7. Sympathy For The Devil / 8.
Satisfaction
EVからハイドパーク2週目のリリースから3週間遅れで1週目もリリース。
背に印刷されているのタイトルは2週目と同じタイトル『SUMMER
BREEZE』のみですが、盤にはどちらかわかるように"Hyde Park #1"もしくは"Hyde
Park #2"とプリントされています。
今作の1週目も2週目同様独自音源とのことで、同じような音なのかと思いきや、音作りはEVらしく派手ですが、2週目のようなリアルな高音質とはちょっと趣が異なります。
イコライジングで派手な音になってはいますが、歓声が上がるシーンからしても録音ポジションはBステより先のようで距離があり、最初は特に中高音域は薄皮一枚隔てたような僅かに霞がかっており、シンバルの音はちょいとシャリシャリしていて、そこが気になると耳につく音です。
とはいえパッと聞いた感じでは迫力ある高音質と感じるかもしれませんが、2週目には及ばず。
後半になるとよくなってきますが、周りのチャットも曲間だけでなくたまに曲中でもにぎやかになるところもあり、総合的に"EX--"〜"EX-"。
2週目よりも遅れてのリリースですし、2週目の裏ジャケに書かれていた"Special
Thanks To Ossie"というクレジットが今作には無いことから、2週目とはテーパーが異なるのかもしれません。
しかしながらハイドパーク1週目の音はこれが初登場でいまのところ他にはないわけで。
そして演奏もこれまた素晴らしく、ミックはコロナ罹患明けから2公演目ですが、まったくその影響を見せない好調ぶりをみせてくれます。
さてこちら、オープニングのイントロでのチャーリーの"Brown
Sugar"は実際の1分ほどよりちょっと短い収録ですが、EVの2週目の10秒よりは長く45秒ほど収録。
さて、1週目のオープニングは"SFM"で、以降序盤はノーマルセットリストで進行します。
2曲目の"19th
Nervous Breakdown"ではキースが引っ込んでるのが惜しい。2週目よりもほんの少しスローなれど、これでキースがONならばと。
そして"Tumbling
Dice"の前のチャーリーへの言葉ではミックは「チャーリーのいない初めてのロンドン公演なんだよ」と。
そうなんだよなとあらためて。。チャーリーの最後のロンドン公演は2018/6/19のトゥイッケナムなのでした。
そして日替わりにはSIXTYツアー初登場の"She's
A Rainbow"と"Can't You Hear Me Knocking"。
後者はその後アムステルダムでも演奏されましたが、前者は今ツアーでは唯一の演奏でハイドパークにふさわしい選曲。
しかーし、せっかくの曲なのに左側の男が大きくはないもののべちゃくちゃ話してて邪魔。
でもこの日の"Living
In A Ghost Town"は素晴らしい出来ですぞ。
続く"Can't You Hear Me
Knocking"のイントロ冒頭でキースのギターがちょい響かないのは現地でもそうだったようですが、その後もこの隠密音源ではキースがダイレクトにラウドに響かないのはちょい惜しい。
そしてこれまたこんな目玉曲でも周りがごちゃごちゃしゃべったりするのも残念。後ろのエリアだとこうなるのか。
さて、バンド紹介の前には、「今週末はグラストンベリーやハイドパークで、エルトン・ジョン、ポール・マッカートニー、ローリング・ストーンズと、期待の若手が勢揃いだぜ」とかましてくれます(笑)
さすがミック。
ちなみにメンバー紹介の度に右の女性が歓声をあげますが、これはうるさいというより楽しい(笑)
ちなみにスティーヴ・ジョーダンを紹介する前にロニーを紹介してしまうミックでした(笑)
ちなみにちなみにロニーは初来日時の、虎と日の丸のみで落款も無い、幻のポスターのデザインのTシャツを。
これマット・リーが珍しいデザインのものをチョイスして作って贈ったTシャツの一つですが、初来日デザインを着てくれるというのは嬉しいですね。
キースは"Slipping
Away"と"Connection"。
2週目には"You Got The Silver"と"Happy"と2曲とも変えてきているところからも、キースもまだまだやる気で好調であることが伝わってきます。
とはいえ"Connection"ではあまり弾いてませんけど(笑)
さて後半になると周りが空いたのか音も安定し、キースのギターも少しラウドに伝わってきます。
"Midnight
Rambler"ではキッチンのくだりをドラムの前に腰掛けてつま弾くキース。最高です。
そして加速していくところのスティーヴの融合もこのハイドパーク1週目は見事!!
ここはほんと痺れました!!
ちょいとおっかなびっくりの"Gimme
Shelter"のイントロもなんとかこなすキース。
しかしこちら、この"Gimme
Shelter"でも"JJF"でも周りでごちゃごちゃしゃべってるのがちょいと邪魔ではありますが、演奏は見事!
悪魔でのキースの炸裂や"Satisfaction"では周りのおしゃべりも静かなのが安心であります(笑)
ということで決して"EX"ではなく周りもチャットがにぎやかなところがあったりしますが、ハイドパーク1週目を楽しむことができる作品でした!
『 LYON 2022
』 no label
(2CD)
aud.recordings@Groupama Stadium, Lyon, France. Jul.19,
2022
●Disc
1
1. Intro. / 2. Street Fighting Man / 3. Let's Spend The Night Together
/ 4. Tumbling Dice / 5. Out Of Time
/ 6. Dead Flowers /
7. Angie / 8. You Can't
Always Get What You Want / 9. Living In A Ghost Town / 10. Honky Tonk Women
/ 11. Band Introductions / 12. You Got The Silver / 13. Happy
●Disc 2
1.
Miss You / 2. Midnight Rambler / 3. Paint It Black / 4. Start Me Up / 5. Sympathy
For The Devil / 6. Jumping Jack Flash / 7. Satisfaction
SIXTYツアーから、パリとのフランス2連荘の1回目、7/19の猛暑のリヨン公演が登場。
こちら、今ツアーでは今のところ最上の音源。
音像も大きく中央に定位してダイレクト感もあって安定しており、周りも静かにして派手さよりもナチュラルなウォーミーさが素晴らしい見事な"EX"。
いやほんとに見事なサウンドです。ただし、オープンエアーのスタジアムという抜けの良さはなぜかあまり感じません。
この日は欧州を襲った熱波のど真ん中のリヨンでしたが、熱の影響で音が上に上によりも横に横にと伝わったのか、音も暑さにゆだってるような。そんなことないか(笑)
ただしこの猛暑は後に演奏にも大きな影響を及ぼすことに。
猛暑の中でもいつもどおり長袖シャツにジャケットで登場したミックですが、やはりダメージは蓄積されていったのです。
でもこの猛暑にも関わらずキースは暑さが心地よいのか、それとも暑さの中での観客の様子をうかがうためか、"Tumbling
Dice"では元気にキャットウォークの先端にまで行っています。
それはともかく、このリヨン、聴きどころはまず"Out
Of Time" "Dead Flowers" "Angie"の3連荘。
SIXTYツアーでは"Dead
Flowers"は2回やってこのリヨンはその2回目、そして"Angie"は3回やってその2回目。
それにしても"Dead
Flowers"ではコーラスを歌うキース、ほんと合いの手くらいしか弾かずにロニー任せ(笑)
そしてミックもちょいとテンションが低いような。初回のミランでもそんな感じではありましたが、やはり尋常ではない暑さが影響してるような気も。
しかし"Angie"が始まった時に会場が沸く様子がいい。やはりフランス人は"Angie"は大好きなんですね。
そして暑さへの悪態すらつかないさすがのミックですが、"Living
In A Ghost Town"あたりからあら?と感じるようになり。
さて、メンバー紹介の前には流暢なフランス語で笑いを。
「"美食の都"で最高の時間を過ごしてるよ。昨日の夜はホテルのエアコンが壊れていたので、サントカトリーヌ通りに冷たいビールを飲みに出かけたんだ。
最後にグラタン、子牛の頭、プラリネブリオッシュまで食べちゃって、ダイエットが台無しになったよ!」と(笑)
そしてダリルを紹介する前にロニーを紹介してしまうミック(笑)
さて後半、"Paint
It Black"でもミックが苦しそうなところも。
猛暑の中で2時間も大型ファンの風を顔に受けて歌うのもかなりきついんでしょう。
"Start
Me Up"の前にはミックがバナードのところに歩み寄って指示をしていますが、そこからミックの調子がみるみる落ちて、以降バナードがかなり歌うように。
"Sympathy
For The Devil"ではいつものロングコートをはおうのもやめてしまいます。
それでもシャツは着てるミック、えらすぎる。そんなわけであまり歌わない悪魔でしたが、続く"JJF"でもますます失速してしまいます。
そして"JJF"での本編終了時、ミックはキースに何か話しかけている様子が映像では確認できますが、それが"Gimme
Shelter"のスキップだったんでしょう。
そうしたわけでアンコールの1曲目はセットリストにも記載されていて予定されていた"Gimme
Shelter"は飛ばして、"Satisfaction"に。
こんなミックを聴くのもつらいですが、ラストはさすがはミック、しっかり歌うところは歌い切ります。
いやしかし80歳手前のメンバーがこうした猛暑の中でステージをこなすというのはほんとに凄い。
続くパリでは元気なパフォーマンスを見せてくれて安心しましたが、何事もなくてほんとによかったです。
術後3年は経ったとはいえ心臓への負担も心配ですし。
ということで欧州を襲った未曽有の猛暑に対してもしっかりやりきる凄まじいパフォーマンスを高音質で堪能できる作品でした!
『 WILTERN 2002
』 [2nd edition] no label
(1CD)
SB recordings@Wiltern Theatre, Los Angeles, CA. Nov.4,
2002
1.
Introduction / 2. Jumping Jack Flash / 3. Live With Me / 4. No Expectations
/ 5. Beast Of Burden / 6. Stray Cat Blues / 7. Everybody Needs Somebody To Love
(with Solomon Burke) / 8. That's How Strong My Love Is / 9. Going To A Go Go
/ 10. You Don't Have To Mean It
/ 11. Rock Me Baby
/ 12. Bitch / 13. Honky Tonk Women / 14. Start Me Up / 15. Brown Sugar / 16.
Tumbling Dice
2022/7/3のハイドパーク2の前日である7/2、BBCで突然放送された映像はまさかの2002年LICKSツアーからウィルターン・シアター公演。
ということで速攻ブートにもなりましたが、そのCDは速攻売り切れたところ、まさかの2ndがこれまた速攻登場です。
こちらただの再発ではなく、今回はこのウィルターン公演から『FOUR
FLICKS』と『LIVE LICKS』に収録されていた"You Don't Have To Mean
It"が今回追加されています。
もちろん音質はこれ以上ない"EX"で、当たり前ですが見事な編集で差し込まれており、メンバー紹介がなくキースが歌いだすというのも新鮮(笑)
ちなみに個人的には『LIVE
LICKS』はその作りなどあまり好きじゃないアルバムなんですが、こうしてウィルターンだけをまとめて聴くと最高ですね(笑)
それにキースが「本気じゃなくていい」と歌う"You
Don't Have To Mean It"、ほんとにいい曲ですがライヴではあまり演奏されていないレア曲なので、なおさら嬉しい追加。
とはいえすぐに買い直す羽目になるとはと複雑な心境ではありますが。
また、『LIVE
LICKS』に収録されていた"Can't You Hear Me Knocking"はCD1枚に収めるには入りきらないので収録は見送られているようです。
ただし今作のボーナスDVD-Rにスライドショーとして追加収録されています。
なお、最初にリリースされた『WILTERN
2002』とタイトルも同じでジャケも似てるので紛らわしいですが、今回の裏ジャケはミックとソロモン・バーク御大とのショットでこちらもよし!!
そして前回の紹介では書き忘れましたが、ネットに出回っている映像はおそらくほとんど"Bitch"の開始後1分後に一瞬飛びますが、こちらは初回盤も含めてそんなこともないので安心して聴いていられます。
July 2022
『 BRUSSELS AFFAIR 2022
』 no label
(2CD)
aud.recordings@King Baudouin Stadium, Brussels, Belgium.
July 11, 2022
●Disc
1
1. Intro. / 2. Street Fighting Man / 3. 19th Nervous Breakdown / 4. Tumbling
Dice / 5. Bitch / 6.
Out Of Time / 7. Beast
Of Burden / 8. You Can't Always Get What You Want / 9.
Living In A Ghost Town / 10. Honky Tonk Women / 11. Band Introductions / 12.
Slipping Away / 13. Connection
●Disc 2
1. Miss You / 2. Midnight Rambler
/ 3. Paint It Black / 4. Start Me Up / 5. Gimme Shelter / 6. Jumping Jack Flash
/ 7. Sympathy For The Devil / 8. Satisfaction
SIXTYツアーから7/11のブリュッセル公演が登場。
映像はいろいろ出てくるものの、なかなか高音質音源が出ないSIXTYツアーですが、こちらFaloによるキース側ピットBでの録音がネットに公開されたものを少し補正したもので、こいつはナイス。
チャーリーの"Brown
Sugar"からのオープニングアナウンスを経て"Street Fighting Man"のイントロがかきなされた瞬間に、ライヴ会場にトリップするかのような素晴らしい音であると確信に。
オープンエアーのスタジアムらしい抜けの良い音、そして定位は少し中央にはなく歓声合唱も僅かに拾っていますが、それがまた臨場感あふれていて、気分はピットへとひとっ飛び。
しかもこれ、ネットにアップされた音よりも少し重低音がすっきりして中高音がクッキリしててなおさらナイス。
欲を言えばダイレクト感がもう少しあればなおよしですが、素晴らしい"EX"。
『BRUSEELS
2022』ではなく、ネットに公開されたオリジナルタイトルを尊重した『BRUSSELS AFFAIR
2022』というタイトルにも納得のサウンド。
そんなブリュッセルで飛び出したのは、スティーヴ・ジョーダン加入後初めての披露となった"Bitch"。
ステーヴのダイナミックなドラムに乗ったスピーディーな演奏でミックもキレッキレ。
キースのレスポール・ジュニアも驚異の78歳ソロの彷徨をあげ、ロニーのギブソンL-5Sもダリルのベースも呼応して唸りをあげ、サックスも見事にハーモナイズ。
このメンバーでは初演奏ながらも見事なバンドサウンドに昇華しています。
もっとこの曲やってくれたらよかったのにと、ついついリピートして聴いてしまう見事な演奏。
そして"Out
Of Time"に"Beast Of Burden"へと続く極上な流れ。
もうそこだけでも十分お腹いっぱいになる作品です(笑)
メンバー紹介の前には、ブリュッセル観光を話しつつ、噴水の小便小僧がストーンズTシャツを着せてもらったことにも。
そしたらそのTシャツが誰かにとられちゃってて、せっかくインスタ映えするとこだったのに台無しにされたよと(笑)
後半もキースのギターがダイレクトに響き、ほんっとに素晴らしい。
"Midnight
Rambler"では脳天に突き刺さるキースににんまり。
"Gimme Shelter"ではぐちゃぐちゃ弾いてますけど、それでもやるんだというキースがここに。
ピットからステージを見上げ、ストーンズはオリジナルメンバーがミックとキースだけになってしまっても転がっているのだと実感しているかのような錯覚に陥るサウンド。
こういう音を聴いてると日本でも一度でいいからオープンエアーでストーンズを観てみたいとしみじみ思います。
ということでブリュッセル、その名にBrussels
Affairを冠するにふさわしい作品でした!
『 WELCOME TO NEW YORK
』 no label
(1CD)
SB+aud recordings@Madison Square Garden, New York, NY.
July 26, 1972
1.
Introduction / 2. Brown Sugar / 3. Bitch / 4. Rocks Off / 5. Gimme Shelter /
6. Happy / 7. Tumbling Dice / 8. Love In Vain / 9. Sweet Virginia / 10. You
Can't Always Get What You Want / 11. All Down The Line / 12. Midnight Rambler
/ 13. Band Introductions / 14. Bye Bye Johnny / 15. Rip This Joint / 16. Jumping
Jack Flash / 17. Street Fighting Man
trk. 1-7 : Aud recordings 2
trk.
8-16(part) : SB recordings
trk. 16(part)-17: Aud recordings 1
LHからフィラスペに続いていよいよ『WELCOME
TO NEW YORK』登場。
あらためての説明など不要、ロックン・ロール・ダイマイト72ツアーの最終日にしてミックの誕生日のMSG公演から、PAアウトのステレオSB音源を部分収録したTMOQの名盤『WELCOME
TO NEW YORK』が拡大復刻盤として登場。
オリジナルのTMOQ盤には"All
Down The Line"から始まるものと"Love In Vain"から始まるものの2種類あり、左右のchが逆とはいえ、TMOQによるアナログ盤以外には元テープが一切出回っていないという貴重なステレオ・サウンドボード音源。
そんな貴重な音がまだフィラスペなどもない時代にウィリアム・スタウトの見事なジャケで突然登場したものですから、当時のマニアはどれほど狂喜したことかと。
そんな偉大なTMOQ盤ですが、既発CDではそのTMOQ盤をそのまま復刻したTSPの『WELCOME
TO NEW YORK』(TSP-CD-038)が長年復刻盤として君臨していました。
でもそこはTSPらしい音だしピッチは速いし左右が逆のままという。
その後2001年になって、VGPが72SB音源集大成で『AMERICAN
TOUR』(VGP-259)のDisc5に、左右やピッチを補正したSB音源を収録。
さらに2002年にはSB音源とレコーダー1とレコーダー2の隠密によって2枚に分かれつつも全曲収録に仕立てた『WELCOME
TO NEW YORK』(VGP-312)をリリース。
こちらレコーダー1の音質がかなり厳しいものの、Happy
Birthday Mickからの"Uptight - Satisfaction"を聴けるのはこちらのみ。
そしてDACになってからは2007年に『NASTY
SONGS』(DAC-065)にてSB音源とレコーダー2の隠密による"JJF"の途中までをリリース。
さらに2018年にはまたもやSB音源部分のみを『MIDNIGHT
RAMBLERS』(DAC-184)にてリリースと、たびたびリリースが繰り返されてきました。
そんなわけでしたが、今回LHがSB音源はあらためてTMOQオリジナルLPからのCD化に挑戦と。
さらに隠密音源については前半の「recorder
2」は頻発する回転ヨレをGraff Zeppelinが緻密にアジャストと。
なるほどこれインフォのとおり"Gimme
Shelter"のイントロを聞き比べれば一目瞭然で、これはナイス。
ただし、ラストの荒くれ「recorder
1」はやはり厳しいということで、今回はサウンドボードが途切れる"Jumping Jack
Flash"終盤と"Street Fighting Man"のみが補填され、Happy Birthday
Mickからの"Uptight - Satisfaction"は割愛することによって、すっきり1枚に収められています。
たしかにあの音質でのHappy
Birthday Mickからの"Uptight - Satisfaction"は貴重とはいえこだわらなくていいかと。
という感じですが、既発盤との音質の違いについては、基本的には最良盤であった『NASTY
SONGS』(DAC-065)との大きな違いはありません。
隠密部分はヒスノイズが目立たない範囲でDAC盤よりほんの僅かにすっきり伸びのある音質になっていますが、SB音源部分はほぼ同等で違いを感じません。
でも前述した回転ヨレが補正されているところは見事。
なお、"All
Down The Line"の1:12の左chのドロップもそのままで、"Midnight Rambler"では11:34付近のドロップダウンもあえてそのままで、DACの『MIDNIGHT
RAMBLERS』にはあった1:40あたりのノイズはなく、6:48前後や10分前後にチラホラあるノイズはそのままです。
ということで既発から大きな向上が感じられるわけではありませんが、細かいところに丁寧な補正がされたうえで、このタイトルでこのジャケでこの音質でこの値段でと、いいことづくしであります。
わたしはTMOQ盤をリアルタイムで手に入れたわけではなく、何年もTSP盤に親しんだ世代ですので、この作品こそという思い入れがあるかというとそうでもないんですが、やはり1972/7/26のタイトルとジャケはこの『WELCOME
TO NEW YORK』でこそと、ロックン・ロール・ダイマイト集大成を堪能できる嬉しい作品でした。
『 HYDE PARK : MULTICAM
』 [New Edition] Uxbridge
(2DVD-R)
aud.shots@Hyde Park, London, UK. June 25 & July 3, 2022
●Disc
1 - Live at Hyde Park, London, UK. June 25, 2022
1. Intro - Charlie Watts Tribute
/ 2. Street Fighting Man / 3. 19th Nervous Breakdown / 4. Tumbling Dice / 5.
Out Of Time / 6. She's
A Rainbow / 7. You Can't Always Get What You Want / 8.
Living In A Ghost Town / 9. Can't You Hear
Me Knocking / 10. Honky Tonk Women / 11. Band Introductions
/ 12. Slipping Away / 13. Connection / 14. Miss You / 15. Midnight Rambler /
16. Paint It Black / 17. Start Me Up / 18. Gimme Shelter / 19. Jumping Jack
Flash / 20. Sympathy For The Devil / 21. Satisfaction / 22. ABC World News
●Disc
2 - Live at Hyde Park, London, UK. July 3, 2022
1. Introduction / 2. Intro
- Charlie
Watts Tribute / 3. Get Off Of My Cloud
/ 4. 19th Nervous Breakdown / 5. Tumbling Dice / 6. Out
Of Time / 7. Angie
/ 8. You Can't Always Get What You Want / 9. Like
A Rolling Stone / 10. You
Got Me Rocking / 11. Honky Tonk Women / 12. Band Introductions
/ 13. You Got The Silver / 14. Happy / 15. Miss You / 16. Midnight Rambler /
17. Paint It Black / 18. Start Me Up / 19. Gimme Shelter / 20. Jumping Jack
Flash / 21. Sympathy For The Devil / 22. Satisfaction
2022/6/25と7/3の2回にわたってブリティッシュ・サマータイム・ハイドパークに出演したハイドパーク公演のオーディエンス・ショット。
おなじみmidimannz氏によるマルチカメラの作品。
先行リリースされたUxbridgeの『EUROPE
2022 VOLUME 2: MULTICAM』より後発となる今作ですが、後発だけにmidimannz氏のマルチカメラが冴え渡っています。
元々はフリーで公開されているもので、YouTubeでも見ることができます。
6/25
https://www.youtube.com/watch?v=MWAdjpSEeZU
7/03
https://www.youtube.com/watch?v=gImQeu3buAY
中身はこれらで確認できるとおり素晴らしいもの。
アップショットだけでなく遠景も、そして時には画面分割までしてみせるという凝った映像になっています。
音はたまにパチパチ鳴るところもありますが、基本的に通し音源のようで曲による音の変化はあまり感じません。
そしてSIXTYツアーでは唯一の同会場での複数ライヴというわけで、そしてSIXTYツアーでは唯一の同会場での複数ライヴというわけで、演奏曲も変えているのが嬉しいところ。
演奏内容などはEV盤で触れましたので省略。(ここではHayde Park#1はEV盤と前後してますが、EV盤を先に紹介済み)
ということでYouTubeでも観れるわけですが、せっかくの作品はTVの大画面で観たいもの。
そしてしっかりジャケとディスクがあるだけで保存用としても嬉しい作品でした。
『 SUMMER BREEZE
』 [Hyde Park
#2] EVSD-1618/1619
(2CD)
aud.recordings@Hyde Park, London. UK. Jul.3, 2022
●Disc
1
1. Introduction / 2. Get Off Of My Cloud / 3. 19th Nervous Breakdown /
4. Tumbling Dice / 5. Out Of Time
/ 6. Angie / 7. You
Can't Always Get What You Want / 8. Like
A Rolling Stone / 9. You Got Me Rocking / 10. Honky Tonk
Women / 11. Band Introductions / 12. You Got The Silver / 13. Happy
●Disc
2
1. Miss You / 2. Midnight Rambler / 3. Paint It Black / 4. Start Me Up
/ 5. Gimme Shelter / 6. Jumping Jack Flash / 7. Sympathy For The Devil / 8.
Satisfaction
Empress Valleyから独自音源によるハイドパーク2がリリース。
リリース順にVoodoo日本公演シリーズをと思っていましたが、やはりこちらから。
こちらはブライアンの命日にハイドパークということで、何か起こるかと期待して臨んだ公演。
さてこちら、まずオープニングのイントロでのチャーリーの映像とそこに流れるのは"Brown
Sugar"のドラム。
こちらはほんとは1分ほどあるんですが、今作にはその前の音はあるのにそこは僅か10秒ほどしか収録されてないというのは残念。
そして冒頭2曲ではちょいと右や左の観客の喋りが耳につきますが、音像も大きく、特にミックのヴォーカルが大きく超クリアで音の広がりもある迫力サウンド。
音に広がりがあるといってもキースが右でロニーが左といったわけではありませんが、野外会場の音の良さを感じる見事な隠密録音"EX"です。
他に細かいところでは"Out
Of Time"で日本人女性らしき声がうっすら聴こえたり、"Angie"や"You
Got The Silver"では風の音が目立ちますが、総じて音がいいというのは変わりません。
チャットもちょい目立つのは冒頭2曲と"You
Got The Silver"くらいで一安心。
ハイドパークの会場の音はほんとによかったんですが、こちらもよくぞこの音で録音してくれました!!
さて、今ツアーでは唯一同会場で2回やるハイドパーク、1週目は"Street
Fighting Man"で開幕したわけですが、今回は2週目、今ツアーで初めてオープニングナンバーを変えて"Get
Off Of My Cloud"でオープン。
まぁここは"Street Fighting Man"の方が決まってる気はしますが(笑)
続く"19th
Nervous Breakdown"の後、ミックが「チャーリーとは60年も一緒にやったんだよ。いなくなってしまって本当に悲しい。このショーをチャーリーに捧げるよ!」と。
すると湧きおこったチャーリー・コールでキースが"Tumbling
Dice"を始められないという感動のシーンが。
でも今作ではそのチャーリー・コールがずいぶんと遠くでうっすらと聴こえるだけなので、この録音自体はピットではないのかもしれません。
また、ステージでのメンバーの動きに合わせて沸くわけでもないんですが、細かい音もしっかり拾っていますので、スピーカーからの音をダイレクトに拾える好ポジションだったのでしょうか。
さて、"Tumbling
Dice"の後には、「これがハイドパークでの5回目のショーだ!最初の1回は無料だったけど、、、他はそうじゃないね」とミック(笑)
そこでもブライアンには一言も触れずというのがミックらしい。
そしてブラアイアンの命日っぽい曲をやるかと思ったらそうでもなく"Angie"と"Like
A Rolling Stone"。
まぁ後者はもしかしたらブライアンのことを歌った曲で間接的にと思わないでもありませんが、ブライアンに全く触れないのがやっぱりミックらしい。
そんなこんなで進み、"You
Got Me Rocking"での見せ場でしくじるキースですが、そんなことお構いなしに奏でる"Honky
Tonk Women"は素晴らしい。
バンド紹介では、まずは"Welcome to
the American Express British Summer Time, Superspread Covid event"と、コロナネタ(笑)
はい、誰もマスクしてませんでしたよ(笑)
そして、「イングランドではちょうどいまロンドンプライド(LGBT+イベント)、F1、ウィンブルドンとイベント盛りだくさんだね。昨日は(BSTの)アデルを観に行ったよ」と。
そして「彼女は素晴らしいシンガーだけど、僕はもっときらびやかな衣装を着てきたよ」と、アデルのシックな衣装をからかうミック(笑)
しかしメンバー紹介でチャーリーがいないのは寂しく、、、とか書くと今作紹介ではなくレポートになってしまいますね。
まぁどうしても少しそうなってしまうのは勘弁ください。
ところでキースは自身の2曲を終えるとバックステージに休みに行くんだなというのが今回ハッキリと。
"Miss
You"のサックスソロの途中、ミックとロニーがキャットウォークを進んでいるころまで出てきません(笑)
ちなみにその"Miss
You"では歌詞をアルゼンチンガールズと替えて歌ってピットのアルゼンチーナが沸いたんですが、今作ではその歓声は聴こえません。
さて、昨年ツアーの音を聴く限りではちょい鬼門だと感じていた"Midnight
Rambler"、やはり動と静の"静"の部分のテイストがチャーリーとはずいぶん変わってはいますが、"Come
On in My Kitchen"からのブレイク後のスティーヴの加速、そのバンド全体との融合が素晴らしく進化しています。
ところで後半になるともう定番曲になるので高齢な観客もちょいアドレナリンが下がって一休みとなるわけですが、このハイドパークでは抜群に音がよく、日も暮れてきて夜風も心地よい中で素晴らしい音でストーンズを観るという、これ以上ない贅沢な時間が訪れます。
特にそんな感覚で観る"Gimme
Shelter"、最高でした。
なお、アンコールになると、ステーヴがド派手なユニオンジャックのジャケットを着ていますが、こちらポール・スミス。
スティーヴのインスタで、今日会ったんだよと6月末に紹介されていました。
いかん、またCD紹介じゃなくなってきちゃいますのでこの辺りで切り上げますが、そんな音の良さもしっかり2CDに封じこめられた素晴らしい作品であります。
そんなわけですがこちら、ナンバリングもないのでよくわかりませんが、100枚限定とのこと。
ジャケにはXマークがついており、XAVELによる録音なのかもしれませんが、イヤモニとのマトリクスとか出たりしないですかね〜。
いや、冒頭ちょいとしゃべり声が耳につきはしますが、この隠密はマトリクスになぞしないのが一番かと思わせてくれる見事な録音でした。
ちなみにペーパースリーヴの裏ジャケには見覚えのあるセットリストとピックの写真が載っていますが、わたしは一切関係ありませんし貰ってるわけでもありません(笑)
『 WILTERN 2002
』 no label
(1CD)
SB recordings@Wiltern Theatre, Los Angeles, CA. Nov.4,
2002
『 LIVE AT THE WILTERN THEATRE 2002
』 no label
(1DVD-R)
pro shots@Wiltern Theatre, Los Angeles, CA. Nov.4,
2002
1.
Introduction / 2. Jumping Jack Flash / 3. Live With Me / 4. No Expectations
/ 5. Beast Of Burden / 6. Stray Cat Blues / 7. Everybody Needs Somebody To Love
(with Solomon Burke) / 8. That's How Strong My Love Is / 9. Going To A Go Go
/ 10. Rock Me Baby / 11. Bitch / 12. Honky Tonk Women / 13. Start Me Up / 14.
Brown Sugar / 15. Tumbling Dice
2022/7/3のハイドパーク2の前日である7/2、BBCで2002年LICKSツアーからウィルターン・シアター公演が突然放送されました。
完全版ではなく、当日演奏した20曲から14曲がピックアップされた放送ですが、LICKSツアーからシアター公演が極上のプロショットで放送されるという凄い事態。
LICKSツアーのシアター公演といえばレア曲満載でしたが、この日も凄い。
そのレア曲のいくつかがカットされているのは残念ですが、ゲストも登場してレア曲をあれこれたっぷり演奏した上で"Tumbling
Dice"がラストという、ほんとに凄い公演だったのです。
この公演を見た人がほんとにうらやましい!!
そんなウィルターン・シアター公演からは、オフィシャルDVD『FOUR
FLICKS』にはDisc1のボーナス映像として"Beast Of Burden" "You
Don't Have To Mean It" "Rock Me Baby" "Bitch"が収録されていました。
それら4曲のうち、今回放送された3曲を聴き比べるとミックスが全然違うことに驚き。
『FOUR
FLICKS』ではちょいセンター寄りにいたキースとロニーですが、今回のBBCで放送されたバージョンでははっきりセパレートされていて、音質もより生々しいライヴサウンド。
"Beast
Of Burden"ではちょいとオフ気味だったロニーのギターも前面に出て、逆にブロンディのアコギは目立たないようになっています。
こりゃ断然こっちの方がいい。
また、オフィシャルCD『LIVE
LICKS』には、このウィルターン・シアター公演から"Can't You Hear Me Knocking"
"Beast Of Burden" "Rock Me Baby" "You Don't Have To
Mean It" "Everybody Needs Somebody To Love"が収録されています。
どちらかというと楽器の定位などのミックスはそちらに近いものの、『LIVE
LICKS』では聴かれたリバーヴが今回は抑えられた、よりソリッドなサウンド。
また、『LIVE
LICKS』の演奏は差し替えや編集がなされており、実際のライヴとはちょいと違っていますので、今回のBBCのサウンドこそ生々しいライヴサウンド。
その素晴らしいオーディオを詰め込んだのが今作CD、さらに先行リリースされたのがその放送をそのまま詰め込んだDVD-Rということで、音質も画質も"EX"なのはもちろん、演奏もLICKSツアーのシアター公演、内容も悪いわけがないどころか超絶です。
特に"Stray Cat Blues"のミックは超絶にして、ソロモン・バーク御大との"Everybody
Needs Somebody To Love"も大迫力。
こりゃほんとに凄いものを放送してくれました!!
なお、今回のCDにはトールケースのDVDR作品とは別のギフトDVD-Rが付属しており、そちらにはBBC放送に加えて『FOUR
FLICKS』から"You Don't Have To Mean It"と、当時FOX TVで放送された別アングルの"JJF"が追加収録されています。
ということで素晴らしいリリースですが、実際の演奏曲と今作、そしてオフィシャルDVD『FOUR
FLICKS』、オフィシャルCD『LIVE LICKS』収録曲をまとめると以下のとおり。
01 Jumping Jack Flash
02 Live
With Me
-- Neighbors (missing)
-- Hand Of Fate (missing)
03 No Expectations
04
Beast Of Burden (*)(**)
05 Stray Cat Blues
-- Dance Pt.1 (missing)
06
Everybody Needs Somebody To Love (**)
07 That's How Strong My Love Is
08
Going To A Go Go
-- Thru And Thru (missing)
-- You Don't Have To Mean
It (missing) (*)(**)
-- Can't You Hear Me Knocking (missing) (**)
09 Rock
Me Baby (*)(**)
10 Bitch (*)
11 Honky Tonk Women
12 Start Me Up
13
Brown Sugar
14 Tumbling Dice
(*) 『FOUR FLICKS』 / (**)
『LIVE LICKS』
ということでほんっとに素晴らしい作品でした!!
『 TOKYO DOME 1995 1ST NIGHT : DAT MASTER
』 no
label (2CD)
aud.recordings@Tokyo Dome, Tokyo, Japan. Mar.6,
1995
●Disc
1
1. Intro / 2. Not Fade Away / 3. Tumbling Dice / 4. You Got Me Rocking
/ 5. It's All Over Now
/ 6. Live With Me /
7. Sparks Will Fly / 8. Satisfaction / 9. Angie
/ 10. Sweet Virginia
/ 11. Doo Doo Doo Doo Doo (Heartbreaker)
/ 12. Love Is Strong / 13. I Go Wild
●Disc 2
1. Miss You / 2. Band Introductions
/ 3. Honky Tonk Women / 4. Before They Make Me Run / 5. Slipping
Away / 6. Sympathy For The Devil / 7. Monkey Man / 8.
Street Fighting Man / 9. Start Me Up / 10. It's Only Rock'n Roll / 11. Brown
Sugar / 12. Jumping Jack Flash
Voodoo Lounge日本ツアーから5日目に続いて初日と2日目もリリース。
1995年、二度目の来日を果たしたVoodoo
Lounge日本ツアーは東京ドームでは3/6、8、9、12、14、16、17の7公演、福岡ドームで3/22と23の2公演、合計9公演が行われました。
そのうち4日目の3/12公演が当時TV放送もされ、その半年後と2019年にはオフィシャルでもリリースされ、その他の公演も隠密録音が充実しているように見えて、初日は少し貧弱なアイテムしかリリースされていない公演だったのです。
ということで2日目に続いて初日、3/6公演を完全初登場音源で収録してみせたのが今作。
この初日は当時VGPから『FIRST
NIGHT STAND 1995』(VGP-050)がVGPというレーベル名や型番表記もないWizard Records名義で、盤面も独自のデザインでリリースされていました。
そのVGP盤はちょっとエコーが強めで定位が途中から左に寄っちゃうのが惜しかったものの、当時はこれが一番でしたので重宝されたものです。
もう一つ『NIGHT
AT FIRST』というのもあるんですが、VGP盤より音も遠くて当時から不評だったため割愛(笑)
という状況のまま27年が経過しましたが、このたび世に出たのが今作。
こちらはA14列152盤で録音されたということで、センターよりちょいと右寄りですがアリーナ最前ブロックから。
こちらも他の日と同じくマイクの位置が低いのかダイレクト感はさほどなくて音が頭上を通過していく感じで音の広がりもさほどなく、ちょっとシンバルはシャリシャリしてますが、ドラムとベースはこの日が一番拾ってます。
そして既発のVGP盤と比べると録音位置は同じようなところかもしれませんが、こちらの方がエコーも少ない"EX-"。
音のバランスは2日目に譲るものの、5年ぶりの来日公演の迫力が伝わるのはこちら。
こちらはたまに周りの観客の声も拾っています。
「疲れちゃってるんじゃない?」などと言う近くの観客の声にイラっとしつつ、"It's
All Over Now"に歓喜する様子が伺えてにんまり(笑)
そして日本公演から始まった目玉であるアコースティック・コーナーへと。
前年にTV放送されたマイアミ公演ではずいぶんキース側のウィングのミニステージでやりましたが、本格的にアコースティック・コーナーが加わったのがこの日本公演から。
日本公演の前からマイアミのビデオが出回り、日本公演でもやって欲しいと思っていたところ、センターでしっかりやってくれたことに歓喜したことが思い出されます。
とはいえ曲はマイアミと同じ"Angie"と"Sweet
Virginia"でしたが、ドーム中が嬉しくて大興奮したものです。
そしてこれまたマイアミでもやった"Doo
Doo Doo Doo Doo"の登場はほんとに嬉しかった。
さらに"Before They
Make Me Run"のイントロにしびれた日本中から集ったキース・ファン!
続く"Slipping
Away"は1989/90のSteel Wheels/Urban Jungleツアーでは披露されずじまいだったのに、この来日前の南米からやり始めたと後から知った目玉曲。
こちらにも驚いたことがこの録音からもその歓声から少し伺えます。
いやぁ〜懐かしい。
いやしかしこの時のライヴはキースのギターが初来日よりもラウドで演奏もライヴ感が増し、初来日から5年経ってミックもキースもいよいよ50歳を超えてもこれぞストーンズと。
気がつけばそのミックとキースの年齢を自分は上回ってしまいましたが、この年齢でのこのパフォーマンスには改めて驚愕。
もうチャーリーもボビーもいませんが、こうして日本で確かにやってくれてたんだよなぁとしみじみしつつ、久しぶりに懐かしいVoodoo
Lounge日本ツアー初日を堪能しました!
『 TOKYO DOME 1995 2ND NIGHT : DAT MASTER
』 no
label (2CD)
aud.recordings@Tokyo Dome, Tokyo, Japan. Mar.8,
1995
●Disc
1
1. Intro / 2. Not Fade Away / 3. Tumbling Dice / 4. You Got Me Rocking
/ 5. Shattered / 6.
Rocks Off / 7. Sparks
Will Fly / 8. Satisfaction / 9. Love In Vain
/ 10. Dead Flowers
/ 11. It's All Over Now
/ 12. Love Is Strong / 13. I Go Wild
●Disc 2
1. Miss You / 2. Band Introductions
/ 3. Honky Tonk Women / 4. Happy
/ 5. Slipping Away / 6. Sympathy For The Devil / 7. Monkey Man / 8. Street Fighting
Man / 9. Start Me Up / 10. It's Only Rock'n Roll / 11. Brown Sugar / 12. Jumping
Jack Flash
Voodoo Lounge日本ツアーから5日目に続いて初日と2日目もリリース。
1995年、二度目の来日を果たしたVoodoo
Lounge日本ツアーは東京ドームでは3/6、8、9、12、14、16、17の7公演、福岡ドームで3/22と23の2公演、合計9公演が行われました。
そのうち4日目の3/12公演が当時TV放送もされ、その半年後と2019年にはオフィシャルでもリリースされ、その他の公演も隠密録音が充実しているように見えて、実は2日目は日替わり曲がボーナストラックとしていくつかブート化されていたものの、全編は1タイトルしかブート化されていない公演だったのです。
ということでまずは2日目、3/8公演を完全初登場音源で収録してみせたのが今作。
こちらは今年5月にリリースされてその高音質に驚いた『TOKYO
1998 3RD NIGHT : DAT MASTER』と『TOKYO 1998 4TH NIGHT : DAT MASTER』、そして『TOKYO
DOME 1995 5TH NIGHT : DAT MASTER』のテーパーによる録音というからまた期待も高まるというもの。
再生してみるとDブロック12列9番からの録音ということで、先行リリースされた『TOKYO
DOME 1995 5TH NIGHT:DAT MASTER』とほぼ同じ位置。
こちらも5日目と同じくちょっと距離があって低音は軽い感じですが、5日目よりナチュラルでこもった感じのないクリアな音。
さらにこれまた5日目と同じく、マイクの位置がちょっと下なのか、ダイレクト感と演奏の広がりが少し希薄で、音が頭上を通過してる感じなのは惜しいところですが、中盤から音も少し広がり周りも静かで聴きやすい"EX-"。
表記は5日目と同じ"EX-"なれど5日目よりバランスはいいですね。
ところでわたし当時Shaved
Discがリリースした、この2日目を全編収録した『SURPRISE SOUNDS IN MIXING AREA』(マト
SD 95-3-81/82)は持ってなかったので、この日の全編を盤で聴いたことはなかったんですが、今回比較のためだけにそちらも探し出してゲットしました。
↓『SURPRISE
SOUNDS IN MIXING AREA』のアウターケースと貧弱なジャケ。
この『SURPRISE
SOUNDS IN MIXING AREA』は、同じShaved Discがリリースした3/17と抱き合わせの箱入り『RARITIES』の3/8と同じ音かと思いきや、まったくの別物でずいぶん貧弱な音。
『RARITIES』の音はいいのにこちらは右chが小さいし、名前負けのタイトルであることを27年越しで実物を聴いて思い知りました。
ちょこっと比較しただけでもうそちらは二度と聴くことはないであろうという(苦笑)
ということで既発より断然素晴らしい今作。
まぁ27年経ってリリースされるくらいですから当然といえば当然ですか。
とはいえShaved
Discの『RARITIES』はまたテイストの異なる好きな音なので、個人的にはそちらのフル音源はいまだに聴いてみたいと思ってるんですが。
それはともかく今作、"Love
In Vain"と"Dead Flowers"は素晴らしい音です。
『RARITIES』もエコーのある音でちょこっと横の話し声が玉に瑕ながらもナチュラルクリアな素晴らしい音でしたが、今回のはそれに比べるとソリッドながらも特に前年からのVoodoo
Loungeツアーでも初登場となった"Love In Vain"での粒立ちが素晴らしい。
ミックのボーカルは少し頭上を通過する感じなのが惜しいですが、この2曲のためだけにも価値ある作品です。
なお、"Shattered"と"Love
In Vain"と"Dead Flowers"は他にも『FUCKIN' TIRED』(VGP-051)や、前述した『RARITIES』、そして後者2曲はスペルミスが悲しい『13TH
MEMORYS』にも収録されていますが、今作のが一番ソリッドで粒立ってる音です。まぁ他は他で悪いわけでもないものもありますが。
それにしても2日目だからか、"Tumbling
Dice"でのちょっと変化をつけた節回しからしてミックが伸び伸びとパファーマンスをしてるのが感じられます。
日本語のMCはぐちゃっとしちゃうところがありますが、いい意味で初日を終えてリラックスしてる様子もうかがえます。
でも単にリラックスしてるわけでもなく、"Start
Me Up"からのミックの攻勢ぶりは素晴らしい。
"JJF"でちょっと狂おうがそのまま押しとおす強引ぶりがまたいい。
そんなわけで、個人的には今作によって初めて盤で全編を堪能したVoodoo
Lounge日本公演2日目でありました!
June 2022
『 OAKLAND 1989 2ND NIGHT : MIKE MILLARD MASTER TAPES
』 no
label (2CD)
aud.recordings@Oakland Alameda County Coliseum,
Oakland, CA. Nov.5, 1989
●Disc 1
1.
Intro. / Continental Drift / 2. Start Me Up / 3. Bitch / 4. Sad Sad Sad / 5.
Undercover Of The Night / 6. One Hit (To
The Body) / 7. Tumbling Dice / 8. Miss You / 9. Ruby Tuesday
/ 10. Play With Fire / 11. Rock And A Hard Place / 12. Mixed Emotions / 13.
Honky Tonk Women / 14. Midnight Rambler
●Disc 2
1. You Can't Always Get
What You Want / 2. Little Red Rooster
/ 3. Can't Be Seen / 4. Happy / 5. Paint It Black / 6. 2000 Light Years From
Home / 7. Sympathy For The Devil / 8. Gimme Shelter / 9. Band Introductions
/ 10. It's Only Rock'n Roll / 11. Brown Sugar / 12. Satisfaction / 13. Jumping
Jack Flash
JEMSのチームによる伝説のテーパーことマイク・ミラードの隠密音源発掘により新たに登場したミラード・マスターから、89オークランド2日目が登場。
オークランド初日は昨年公開され、LHからは『OAKLAND
1989 1ST NIGHT: MIKE MILLARD MASTER TAPES』としてリリースされていましたが、初ブート化となるこの2日目も速攻リリース。
そちらでの紹介でも書きましたが、マイク・ミラードがホームである南カリフォルニアを離れて録音したのは4つのテープしか確認できないとか。
その4つとは、ストーンズのオークランド公演2回、そしてストーンズ初日のオープニングを務めたリヴィング・カラー、さらに92年のダイアー・ストレイツの4公演でいずれもオークランド。
ということでおそらく初めてマイクがオークランドまで足を運んだという貴重な記録の第2夜が収められているのが今作。
今回のJEMSのインフォには、マイクはスタジアム公演を好まなかったと書いてあり、なるほどこちらもThe
Forumのようなマジックはなく、スタジアムで音の抜けがいいためかホールエコーのような音の広がりは感じられず、少し距離感があって演奏全体を一塊でとらえていますが、周りもうるさくなく、89年にしては素晴らしいサウンド"EX-"です。
そしてさすがはマイク、初日よりも音が近く、初日同様チャーリーのドラムをしっかり拾っています。
初めてブート化された日をこうして聴けるのは幸せ。
さて、同一会場で連夜となる本公演では、前日にやった"Harlem
Shuffle" "Angie" "Dead Flowers" "Before They Make
Me Run"に代って、"One Hit (To The Body)" "Play With Fire"
"Little Red Rooster" "Can't Be Seen"が演奏されています。
今作のインフォに書かれているとおり、"One
Hit"はツアー初期の9/3トロントや9/9イースト・トロイのSB音源が昔から有名で、あのTSPのAtlantic
Cityにもトロント音源が収録されていたことから、ツアー開始直後だけしか演奏されなかったレア曲と思われているかもしれませんが、実はツアー中期にもしっかり日替わりで演奏されていたのです。
初日は"Undercover
Of The Night"に続いては曲間が空いてミックが"チャーリー"と合図を送ってからの"Harlem
Shuffle"でしたが、この2日目は"Undercover Of The Night"に続いて間髪入れず"One
Hit"になだれ込むストーンズ。
ツアーがなかった80年代中期の2曲をこうして切れ目もなく連続でやった姿は翌年の初来日では味わえなかっただけに羨ましい。
また、この日も"Tumbling
Dice"の後には2週間前の10/17に起こった震災(ロマ・プリータ地震)へのメッセージを発するミック。
この2公演はビル・グレアム主催の「デイ・オン・ザ・グリーン」の一環でもありましたが、ミックは50万ドルの寄付金も贈っています。
そして日替わりで登場した"Little
Red Rooster"では、Watch out stray catの代わりにサン・フランシスコ・ピープルに気を付けてと歌って大喝采。
ラス前の"Satisfaction"ではマイクをどこかに置き忘れたのか、しばらくミックが歌に入らないという珍しいトラブルも。
いやぁ〜しかしミック46歳にして高齢といわれるも大復活のSteel
Wheelsツアーから30年以上経ち、78歳になってもスタジアムライヴ現役のストーンズおそるべしとあらためて。
ということで初登場のオークランド2日目を、マイク・ミラードによる貴重な録音で楽しめる作品でした!
『 TOKYO DOME 1995 5TH NIGHT : DAT MASTER
』 no
label (2CD)
aud.recordings@Tokyo Dome, Tokyo, Japan. Mar.14,
1995
●Disc
1
1. Intro / 2. Not Fade Away / 3. Tumbling Dice / 4. You Got Me Rocking
/ 5. Shattered / 6.
Rocks Off / 7. Sparks Will Fly / 8. Satisfaction / 9. Beast Of Burden / 10.
Out Of Tears / 11.
Doo Doo Doo Doo Doo (Heartbreaker)
/ 12. Love Is Strong / 13. I Go Wild
●Disc 2
1. Miss You / 2. Band Introductions
/ 3. Honky Tonk Women / 4. Happy / 5. The Worst / 6. Sympathy For The Devil
/ 7. Monkey Man / 8. Street Fighting Man / 9. Start Me Up / 10. It's Only Rock'n
Roll / 11. Brown Sugar / 12. Jumping Jack Flash
Voodoo Lounge日本ツアーから空白の一日がリリース。
1995年、二度目の来日を果たしたVoodoo
Lounge日本ツアーは東京ドームでは3/6、8、9、12、14、16、17の7公演、福岡ドームで3/22と23の2公演、合計9公演が行われました。
そのうち4日目の3/12公演が当時TV放送もされ、その半年後と2019年にはオフィシャルでもリリースされ、その他の公演も隠密録音が充実しているように見えて、実はこの3/14だけは日替わり曲がボーナストラックとしてブート化されていたものの、全編はCD-Rで出回っただけでブート化されていない公演だったのです。
その3/14公演を完全初登場音源で収録してみせたのが今作。
こちらは今年5月にリリースされてその高音質に驚いた『TOKYO
1998 3RD NIGHT』DAT MASTERと『TOKYO 1998 4TH NIGHT』DAT MASTERのテーパーによる録音というからまた期待も高まるというもの。
再生してみるとDブロック12列11番からの録音ということでちょっと距離があって低音は軽い感じですが、ドームのエコーをあまり感じずこもった感じのないクリアな音に驚き。
意外とダイレクト感と演奏の広がりが前半は感じられないのがちょっと惜しいところですが、中盤から音も少し広がり周りも静かで聴きやすい"EX-"。
いやしかしこの日はミックが凄い。
日本ツアーでは3回しかやってない"Shattered"からの"Rocks
Off"なんて凄まじく、他の日と違ってこんな高いラインで歌ってたんだと驚き。
"Sparks
Will Fly"もこの日が一番よかったんじゃないという見事な演奏。
続く"Satisfaction"ではキースも絶好調でピークに達し、続いてクーリングで登場したのは、この日から4夜連続でやった"Beast
Of Burden"に、日本ツアーで唯一披露された"Out Of Tears"。
そして日本ツアーでは3回しかやってない"Doo
Doo Doo Doo Doo"。
いやぁ〜セットリストも充実してます。
"Out
Of Tears"なんて来日前の南米や南アフリカでもやってますしもっとやって欲しかったですけど、なんとこの3/14を最後に欧州ツアーでは一度もやらずじまい。
それどころか以降一度も演奏されていないという、貴重な演奏なのです。
そんなレア曲"Out
Of Tears"は『FUCKIN' TIRED』(VGP-051)や、3/17と抱き合わせの箱入り『RARITIES』やスペルミスが悲しい『13TH
MEMORYS』にももちろん収録されており、音の広がりはそれら既発盤に譲りますが、周りの静けさとクリアさはこちらに軍配が。
こうして聴き比べると今作も音をいじればさらに音を広げて音像も大きく出来そうな気はしますが、そこはあえて素材のDAT
MASTERを大切にしたんでしょう。
ラストの"JJF"では出音が出ないというPAミスがありますが、TV収録の3/12から明けての本公演にてさらに熱い演奏を繰り広げていたことが明らかになった第5夜をこうして聴くことができて幸せです。
このDAT
MASTERシリーズ、この後リリースされたVoodoo Lounge日本ツアー初日と2日目に続きます。続けて聴くそちらも楽しみであります。
『 DESERT TRIP 2016 WEEKEND 1 : Got To Be A Joker Remastered Edition』 no
label (1CD)
SB+aud recordings@Empire Polo Club, Indio, CA.
Oc.7, 2016
1.
Intro. / 2. Start Me Up / 3. You Got Me Rocking / 4. Out Of Control / 5. Ride
'Em On Down / 6. Mixed Emotions / 7. Wild Horses / 8. It's Only Rock'n Roll
/ 9. Come Together / 10. Tumbling Dice / 11. Honky Tonk Women /
12. Gimme Shelter *
/ 13. Brown Sugar * / 14. Jumping Jack Flash * / 15. Satisfaction * (* aud.recordings)
/
+ bonus 16.
You Can't Always Get What You Want (One World : Together At Home - April 2020)
2016年10月、豪華アーティストが一堂に会したフェス、Desert
Tripが開催されました。
参加者だけでなくアーティストにも過酷を強いた、砂ぼこり舞う灼熱地獄が思い出されます。
実際ミックはこのデザートトリップで喉を痛め、以降のベガス公演初日はキャンセルされてしまうのでした。
おさらいですが、デザートリップは10/7-9と10/14-16の2週にかけて、カリフォルニアの内陸インディオの砂漠地帯コーチェラ・ヴァレーで開催されました。
出演順に初日はボブ・ディランにストーンズ、2日目はニール・ヤングにポール・マッカートニー、最終日はザ・フーにロジャー・ウォーターズという超大物が終結した世紀のロックフェス。
その1週目のロジャー・ウォーターズのステージは全編イヤモニ音源ことIEM音源が出回りましたが、ストーンズのステージも部分的にイヤモニ音源が収録された1LP『GOT
TO BE A JOKER』(RS-01)が2018年にアナログのみで海外でひっそりとリリースされていました。
わたしは遠征した公演ながらもそのリリースを知ったのが遅く、日本にも入荷しなかったことと、どんな音かもわからなかったし完全版でも出ないかと思ってるうちに未入手のままでしたが、今回LHがCDでリリースするにあたって探したら発見してゲットいたしました!
ちなみに『GOT
TO BE A JOKER』とは"Come Together"の歌詞からですが、実際のところこの曲ではミックは歌詞をちゃんと歌えておらず、"Got
To Be A Joker"とも歌えていませんが(笑)
ということですが、このイヤモニ音源はそのアナログでしかリリースされておらず、今回アナログ起こしとはいえ初のCD化。
このイヤモニ音源、"Start
Me Up"ではベースとキーボードが目立つバランスですが、"You Got Me Rocking"のイントロのキースからはギターもぐんと前に出てきます。
ステレオセパレーションも完璧で、そこからはこれもう普通にステレオSB音源という素晴らしさ。
なぜにここまでバランスが良いのだ?こもった感じやヴォーカルの変な感じもない素晴らしい音!
"Wild Horses"でうっすら聴こえるキースのヴォーカルもいいし、IORR"のイントロのキースなんてほんとにクリアでしびれます。
この音で全編あれば素晴らしいのに惜しい!!
さてこちら、アナログ起こしということでジリジリ鳴るところがあり、"Start
Me Up"で結構ジリジリ、"You Got Me Rocking"と"Out Of Control"でもちょいとジリジリ鳴ってます。
そしてアナログではB面冒頭となる"Wild
Horses"でもジリジリ。
ちなみにこのアナログ、プレス品質がよろしくないようで、わたしのはB面に凹っと小さなクレーター状のプレスミスが3箇所もあります(笑)
あとそのアナログ、カッコいいジャケとはいえそれは2015年サン・ディエゴの写真だったり、裏ジャケもデザトリじゃない写真だらけなのもイマイチ。
その点、LHの今作はしっかりデザトリの写真がふんだんに使われているのが素晴らしい。
ということで音はちょいとノイズが入ることがあるのが減点にはなりますが、元音源の音質はすこぶるよい"EX-"。
アナログ『GOT
TO BE A JOKER』を作ったところでちゃんと元音源からCD化もしてくれればいいのに。
なお、イヤモニ音源がブート化されているのは"Honky
Tonk Women"までということで、今作では以降は『DESERT TRIP 2016 WEEKEND
1』のScooter123ソースによる隠密音源が補填されています。
インフォによると、完全版に仕立てると6割もが隠密音源になってしまうためにそれは避けたと。
しかしこの隠密、あらためて聴くと驚異的にいい音です。
しかしイヤモニ音源はほんとにそこまでしかないのか、気になって仕方ありません(笑)
あればとっくに全編出てるんでしょうけど、どうなんでしょう?
そして今作のラストにはボーナスでチャーリーの最後の公式パフォーマンスとなった2020年のステイホーム・イベントでの"You
Can't Always Get What You Want"が収録されています。
チャーリーの姿はエアードラムでしたが、その最後の演奏がしっかりと収められているのがありがたい。
そんなわけでわたくし参加していながら聴いていなかったこのデザトリの素晴らしい音をこうして聴くことができて感激の新作でした。
まぁ演奏はあやういところがありますが、そんなことはいいのだ。
『 PHILADELPHIA SPECIAL』 no
label (1CD)
SB recordings@Spectrum Sports Arena, Philadelphia, PA. July 21, 1972 & Tarrant County Convention Center, Fort Worth, TX. June 24, 1972
1.
Brown Sugar * / 2. Bitch * / 3. Rocks Off * / 4. Gimme Shelter * / 5. Happy
* / 6. Tumbling Dice * / 7. Love In Vain ** / 8. Sweet Virginia ** / 9. You
Can't Always Get What You Want ** / 10. Midnight Rambler *** / 11. All Down
The Line * / 12. Rip This Joint ** / 13. Jumping Jack Flash ** / 14. Street
Fighting Man **
* Philadelphia, PA. July 21, 1972 1st
Show
** Fort
Worth, TX. June 24, 1972 1st Show
*** Fort Worth, TX. June
24, 1972 2nd Show
泣く子も黙る、ストーンズライヴ史上最高を誇る72の『PHILADELPHIA
SPECIAL』が再登場。
LHからは満を持して2020年に拡大盤2CDとしてリリースされましたが、オリジナルアナログでは低音がしっかり出ていながらも中高域までもがつぶれず繊細で綺麗な音に対して、特に高音が減衰していた質感がイマイチ不評だったところ、今回は純粋にフィラスペ部分のみでリマスターされてのリリース。
さすがに再リリースするだけあって、VGPの『PHILADELPHIA
SPECIAL』(VGP-260)、DACの『TOURING PARTY VOL.5』(DAC-192)、そしてLHの前作『PHILADELPHIA
SPECIAL』(2CD)と比べると違いは明らか。
聴き比べだけでなく波形でも確かめましたが、VGP盤ほどは高音域を持ち上げることもなく、DAC盤やLH前作よりは高音域は出ています。
そしてVGPやDAC盤よりも重低音が出ているのがLH盤の特徴。
最初聴いたときは高音部の繊細さというよりもジャリっとした感じやユレが目立つような聴いてて落ち着かない感じを受けましたが、高音域がしっかり前に出てきていて聴き比べると現状ではベストかと。
ということで繊細な音とはまた違いますが、クッキリしたちょっと派手な音でいて、VGP盤ほど刺激的ではないほど良い仕上がりです。
そして今回の"All
Down The Line"と"Midnight Rambler"でのヨレの補正は見事。
ただし重低音はもう少し落としてもいいような気はします。
そして"Sweet
Virginia"や"You Can't Always-"の冒頭のような静音部ではもう少しノイズを目立たなくするといった工夫の余地はあるような気がします。
ところで今回改めて聴いていて気づきましたが、"You
Can't-"の前のMCに一部ダブリがありますね。
これ元のアナログでもそうでしたが、VGP盤ではそのダブリはカットされてました。
ちなみにDAC盤の"You
Can't-"は収録日が異なり、フォートワースではなくこれもフィラデルフィア。
とまぁ名作フィラスペだけにいろいろ思ったりはしますが、現状では今作がベストだなと。
そしてやはりこのフィラスペこそオフィシャルでリリースして欲しいものであります。
72のR&Rダイマイトたる素晴らしい演奏を堪能できます。
レディジェンの音はイマイチだったりするし、モカンボが突然世に出るくらいなので、これもいつかきっと!
『 MUNICH 2022 』 no
label (2CD)
aud.recordings@Olympiastadion, Munich, Germany.
June 5, 2022
●Disc
1
1. Intro / 2. Street Fighting Man / 3. 19th Nervous Breakdown / 4. Rocks
Off / 5. Tumbling Dice / 6. Out
Of Time / 7. Ruby Tuesday
/ 8. You Can't Always Get What You Want / 9. Living In A Ghost Town / 10. Honky
Tonk Women / 11. Band Introductions / 12. Connection / 13. Slipping Away
●Disc
2
1. Miss You / 2. Midnight Rambler / 3. Start Me Up / 4. Paint It Black
/ 5. Sympathy For The Devil / 6. Jumping Jack Flash / 7. Gimme Shelter / 8.
Satisfaction
LHからの最新ツアーSIXTYからの一発目は2日目のミュンヘン公演から。
ロニーの誕生日である6/1にマドリードから始まったSIXTYツアー。
こちらはその次、2公演目の6/5にストーンズが訪れたのがこのミュンヘン。
会場はミュンヘン・オリンピアシュタディオン、世界でも数少ない夏季オリンピックのメインスタジアム(72年)とワールドカップ決勝戦(74年)を両方経験したスタジアム。
ストーンズは82年からお馴染みの会場。
そんなミュンヘン、オープニングは初日と同じく"Street
Fighting Man"と"19th Nervous Breakdown"から。
むぅ、マドリードに続いて昨年よりスティーヴのストーンズとの融合ぶりが顕著なことに驚く。
そしてチャーリーがいないストーンズで初めての欧州ツアーだよとミックが短く挨拶してなだれ込んだのは、初日にはやらなかった"Rocks
Off"。
しかーし、その"Rocks Off"、キースがイントロを弾き始めたかと思えば、終わったばかりの"19th
Nervous Breakdown"を一瞬弾いてあわてて"Rocks Off"になだれ込むのが面白すぎる。
"19th
Nervous Breakdown"のイントロではギターがオフ気味だったので、心残りだったのか(笑)
そんな面白演奏が楽しめつつ、やはりスティーヴが素晴らしいなと感じる"Rocks
Off"。
そしてこのツアーの一つのハイライトである"Out Of Time"を経て、voteは"Ruby
Tuesday"。
この曲ではまだちょいどたばたドラムに感じてしまうのは仕方のないところか。
しかしこうしてブライアン期の曲が続くのもいいですね。
ところでこちら、元音源はなんとMD録音だったもので、それを別のマニアがイコライジングして仕上げてネットで共有されたもの。
音の粒はちょいと粗いかなと感じるものの、元がMDとは思えない音に仕上がっています。
何よりダイレクト感があり、低音もちゃんとブーストされていて、たまにメロディアスな口笛や歌やら話し声やらちらほら拾っていますが、抜けもよく見晴らしも良い聴きやすい"EX-"。
その後しっかり低音も入って周りも静かな別音源も出回っていますが、音の近さはこちらの方がよいと感じる音。
そんな感じでライヴは進み、キースの"Connection"はイントロにあれ?と思うも、昨年はナッシュビル以降11公演やり続けただけあって安心して、、、と思ったらラストに乱れる(笑)
そして"Slipping
Away"では右側にちょいとチリチリとノイズを感じてもしかしてプレスミスかといやな予感がするも、その部分だけで一安心。
"Miss
You"では途中で左がオフ気味になったりしますが長く続くわけでもなく、これまた一安心。
ただ、やっぱりところどころメロディアスな口笛は邪魔だったりもしますが(笑)
しかしこれ、ほんとに元はMD録音なのかと驚くほどしっかりキースのギターを拾っていて、"Midnight
Rambler"のキースのゴリゴリがまたたまりません。
静の"Come On In
My Kitchen"から徐々に走り始めるさまがまた強烈で、静と動のダイナミズムに満ち溢れています。
チャーリーがいなくなったストーンズですが、ストーンズここにあり。
さすがにちょいとテンポが落ちてるところはとこどころで感じますが、聴いていて思わず顔がほころぶ名演と録音です。
ということで元はMD録音ながらもマニアのイコライジングによって、見事にミュンヘン公演を楽しめる作品でした!
『 GRACIAS MADRID 』 GOLDPLATE
GP2201CD1/2DVD1/2BDR1/2 (2CD+2DVD+2Blu-ray)
aud.recordings@Wanda
Metropolitano, Madrid, Spain. June 1, 2022
●CD1
1.
Opening / 2. Street Fighting Man / 3. 19th Nervous Breakdown / 4. Sad
Sad Sad / 5. Tumbling Dice / 6. Out
Of Time / 7. Beast
Of Burden / 8. You Can't Always Get What You Want / 9.
Living In A Ghost Town / 10. Honky Tonk Women / 11. Band Introductions (happy
Birthday Ronnie) / 12. Happy / 13. Slipping Away
●CD2
1. Miss You / 2.
Midnight Rambler / 3. Start Me Up / 4. Paint It Black / 5. Sympathy For The
Devil / 6. Jumping Jack Flash / 7. Gimme Shelter / 8. Satisfaction
(bonus
tracks - Rehearsals at Wanda Metropolitano, Madrid, Spain. May 28, 2022)
9.
Rehearsal Jam / 10. Criss Cross / 11. Mother's Little Helper / 12. She's A Rainbow
●DVD1 / Blu-ray1 : Complete Multi Angle Edition
●DVD2 / Blu-ray2 : Closer View Edition
1. Opening / 2. Street Fighting Man / 3. 19th Nervous Breakdown
/ 4. Sad Sad Sad / 5. Tumbling Dice / 6. Out Of Time / 7. Beast Of Burden /
8. You Can't Always Get What You Want / 9. Living In A Ghost Town / 10. Honky
Tonk Women / 11. Band Introductions (happy Birthday Ronnie) / 12. Happy / 13.
Slipping Away / 14. Miss You / 15. Midnight Rambler / 16. Start Me Up / 17.
Paint It Black / 18. Sympathy For The Devil / 19. Jumping Jack Flash / 20. Gimme
Shelter / 21. Satisfaction / 22. Ending
2022年、結成60周年を迎えるストーンズの欧州SIXTYツアーの初日、スペインはマドリード公演の独自音源と映像が登場。
この日はロニーの誕生日の6/1。その日にツアー開幕とは75年のTOTA以来。
という初日、全編収録した音はネットにもいいものが出回っていないので貴重な上に、こちら2CD+2DVD+2Blu-rayという怒涛のパッケージ。
トールケースにディスク6枚が格納されていますが、ナンバリングカードと共にCDの表面と背面用のジャケも同梱されています。
これは自分でCDだけをCDケースに組み替えられるということですね。
さてツアー初日、オープニングでのチャーリーの映像は一新され、昨年の"Can't
You Hear Me Knocking"から今回は"Brown Sugar"のドラムへ。
昨年来ライヴではお蔵入りしている"Brown Sugar"ですが、ここで秘かに使われているのでした。
そしてオープニングは予想通り"Street Fighting Man"。
とても78歳とは思えないパフォーマンスのミックに圧倒されます。
音はマイクがスピーカーに向いていないのか、ダイレクト感はあまりなく、少し粒は粗い音質で"EX--"といったところ。
"19th Nervous Breakdown"になるとまた音の感じが変わってちょっと右に寄りますが、"Sad
Sad Sad"では正面に。
このあたり、部分的に音の感じが変わる気がするので、おそらく周りがにぎやかだったりするところは部分的に別音源が使われているようです。
また、後述するクローサー・ビュー・エディションの映像を見てみるとそちらでキャットウォークの先端を映すときに音像も右に動くところもあるので、その映像カメラからのオーディオがメインのような。
とはいえ通しでいい音で聴ける音源はないので貴重です。
続く"Sad Sad Sad"は2021/10/29タンパ以来の登場ですが、今回はタンパのようなキースのド派手にやっちまったはありません(笑)
それにしてもスティーヴのドラミングが昨年よりストーンズに融合しているのを強く感じます。
もちろんスティーヴらしい力強いドラミングは健在で、チャーリーとはまた違ったテイストですが、バンドとしての演奏がこなれてきたことを感じます。
そして目玉の"Out Of Time"登場!長い歴史でライヴ初登場。
これほんとナイス。ブライアン期の名曲をよくぞ持ってきてくれましたと。
なお、スタジオ・バージョンではマリンバで奏でられていたあの印象的な音は、チャックではなくマットが弾いてます。
コーラスでは観客も盛り上がっているようですが、この録音では周りはかなり静かで、少し遠くで盛り上がっているのを感じます。
そしてその出来に満足したのか長いリプライズも披露しますが、そのあたりは後述するとおり映像を観てるとさらに楽しめます。
voteは"Beast Of Burden"。
この日はロニー期の曲は"Sad Sad Sad"とこの"Beast
Of Burden"の日替わり曲と、"Living In A Ghost Town"と"Slipping
Away"に"Start Me Up"の5曲。
この日替わりの2曲ともロニー期というのは珍しい気もしますが、もしかしたらロニーの誕生日ということもあってかもしれません。
ということでロニーの誕生日、メンバー紹介ではロニーの紹介時に紙吹雪が舞ってミックも"Happy
Birthday Ronnie"コールで会場みんながお祝い。
心温まる演出ですが、この紙吹雪が思わぬ事態を呼ぶことに。
続くキース・コーナー、キースは"Happy"と"Slipping
Away"を披露しますが、その"Slipping Away"ではキャットウォークに舞った紙吹雪をスタッフが落ち葉を吹き飛ばす如くブロアーで除去。
すると途中でキースがスタッフにどけと追っ払います(笑)
これ掃除するのは仕方ないところですが、正面の観客からはキースにスタッフが重なってしまい、さすがにこれはなと。
ちなみにキャットウォークもステージ付近は高さがあるのでキャットウォーク脇のフロアレベルからブロアーというわけにもいかなかったんですね。
そんなことはありつつ、後半は衰え知らずの見事な演奏。
昨年は"Living In A Ghost Town"に続いて"Start
Me Up"、そして"Honky Tonk Women"からキース・コーナーという流れでしたが、SIXTYツアーでは"Start
Me Up"はキース・コーナーも終わって"Miss You"と"Midnight
Rambler"の後、これから後半に行くぞというタイミングに移動。
昨年のセットリストではその位置がちょっとしっくり来ていなかったんですが、今回の位置はいいですね。
ラストの"Satisfaction"ではキースのギターの音がちゃんと出ず、歌に入るタイミングをもう一呼吸おいてスタート。
"Gimme Shelter"からギターを替えたわけでもないのに何があったのか。
ちなみにキースは昨年ナッシュビルでレスポール・ジュニア・TVイエローの2本目を手に入れていますが、この日もボディの塗装の剥げ具合からするとその2本目を使ってるわけなさそうです。
そしてCDのラストには貴重なリハ音源が。
これは会場外に漏れた音の録音のようで、音は遠くてエコーもきいてるものの、確かに"Criss
Cross"に"Mother's Little Helper"をやってます!
"Mother's Little Helper"のエンディングにはにんまり。
これはいつか本番にも登場するのか、楽しみです。
そして映像は2種類の映像が2枚のタイトルに分かれて収録されています。DVDとBlu-rayは同じ内容ですが、そりゃBlu-rayの方が綺麗です。
まずマルチ・アングル・エディションにはYouTubeに上がったマット・リーの映像やニュース映像などが使われており、ツアー初日の様子を堪能できます。
もうひとつのクローサー・ビュー・エディションは基本的にキース側ピットからの映像で、最初はステージを追っかけたりしていますが周りの観客の頭や手が邪魔だからか、途中からメインのスクリーンを映すようになって、それでも前の人のスマホや手や頭が映り込むことはありますが、これがまたいい。
"Out Of Time"が終わってミックもキースもスティーヴも笑顔のところ、ミックが振り返ってもう一発と"Out
Of Time"のリプライズに入る所なんかはしっかり映っててナイス。
なお、どちらもオーディオはCDマスターと同じオーディオで統一されているので音質がコロコロ変わらないのは安心。
これら2つの映像でツアー初日をより楽しめます。
ということで怒涛の6枚組、映像と共に60周年ツアー初日をどっぷり楽しめる作品でした!
『 SO MUCH YOUNGER THAN TODAY 』 no
label (1CD)
FM broadcasts@Honolulu 1966 + Sydney, Melbourne,
Australia 1966
●Honolulu
International Center, Honolulu, HA. Jul.28, 1966
1. Introduction / 2. Not
Fade Away / 3. The Last Time / 4. Paint It Black / 5. Lady Jane / 6. Mother's
Little Helper / 7. Get Off Of My Cloud / 8. 19th Nervous Breakdown / 9. Satisfaction
●Commemorative
Auditorium Showgrounds, Sydney, Australia. Feb.18, 1966 (1st Show)
10. Introduction
/ 11. Mercy Mercy / 12. She Said Yeah / 13. Play With Fire / 14. Not Fade Away
/ 15. The Spider And The Fly / 16. That's How Strong My Love Is / 17. Get Off
Of My Cloud / 18. 19th Nervous Breakdown / 19. Satisfaction
●Palais Theatre,
St.Kilda, Melbourne, Australia. Feb.24, 1966 (2nd Show)
20. Ward Austin Introduction
/ 21. The Last Time / 22. Mercy Mercy / 23. She Said Yeah / 24. Play With Fire
/ 25. Not Fade Away / 26. That's How Strong My Love Is / 27. Get Off Of My Cloud
/ 28. Satisfaction
●Australian Radio (2UW) Feb.16, 1966
29. Ward Austin
2UW Report / Ward Austin Stones Interview
LHからホノルル66とオーストラリア66のカップリング盤が、TSPの懐かしいジャケとタイトルで登場。
ホノルル66といえばもうブート愛好家にはお馴染み。
わが家にもCDでは『SOLD
OUT』(HI-916601)、『IN ACTION』(IST 18)、『FROM PARIS TO HONOLULU』(SIRA
212)、『PARIS MATCH』(Gold Standard)、『SO MUCH YOUNGER THAN TODAY(20bit)』(20BIT-03)、『REELIN'
AND ROCKIN'』(VGP-274)、『BILL WYMAN'S BLACK BOX』(VGP-329)などずらりと。
ということで、手間はかかりますがせっかくなので、これら全てから"The
Last Time"を取り込んで聴き比べてみました。
するとなるほどそれぞれ違いがあるもんだということがよくわかります。
インフォにあるとおり、リバーブがかかっているもの、VHSテープを基にしたハムノイズが入っているもの、イコライジングであげているもの、ノーマライズされているものなど、しっかりと違いがあります。
そうした中でも今作はなるほどハムノイズもない素晴らしいナチュラルな音質です。
既発もSIRA盤は劣るものの他は"EX"で、それらとの違いは大きくもないんですが、あえて書くなら"EX+"。
しかも"The
Last Time"では盤によって位置は少し異なりますが、演奏開始から1:21付近に生じていた僅かなドロップも、こちらでは見事に補正されています。
ここは『BILL
WYMAN'S BLACK BOX』(VGP-329)でも補正されているようですが。
いやしかしこれは「いまさらホノルル66」と侮ることなかれです。正直ちょこっとそう思ってましたが(笑)
続いてオーストラリア部分、まずはシドニー。
こちらは『HE
IS NOT DEAD』(VGP-017)、『REELIN' AND ROCKIN'』(VGP-274)、そして2021年にDACからリリースされた『AUSTRALIAN
TOUR 1966』(DAC-196)でお馴染み。
こちらは2021年リリースの『AUSTRALIAN
TOUR 1966』(DAC-196)がネットに公開されたマスターからのトランスファー音源を使用しており、今作も同様。
ただし少しすっきりした音になっています。
インフォによるデジタルな硬い音をアナログチックな音質に処理したというのはわかりにくいですが、DAC盤ではモコっとしていた音の塊が今作ではよりすっきりした音でになっていて、これもナイス。
"very
good"〜EX--"だったDAC盤が、今作では"very
good++"〜"EX-"になった感じです。
なお、DAC盤のジャケはこの1966年のCommemorative
Auditorium Showgroundsでの演奏時のものからの公開時のタイトル部分を補正したものでしたが、今作の内ジャケにはgettyimagesにある大元の写真が使われており、DAC盤とは背景部分が異なることがわかります。
続いて66年オーストラリアからもう一つ収録されているのはメルボルンのセント・キルダ公演。
こちらは3UZ
FMで放送されたマスターからで、既発ではVGPの『DO YOU LIKE THE ROLLING STONES?』(VGP-274)や『BILL
WYMAN'S BLACK BOX』(VGP-329)や、Bad Wizardの『DOWN THE ROAD APIECE (Touring
History Volume One)』(BW6167)、そしてこちらも2021年にDACから『AUSTRALIAN
TOUR 1966』(DAC-196)でリリースされています。
こちらは既発との違いはあまり感じず、同じくほとんど"EX"。
強いて言えばチャーリーのドラムがわずかにこちらの方がしっかり聴こえるくらいでしょうか。
最後のラジオインタビューはDAC盤では冒頭に収録されていたもの。
DAC盤では空港到着を伝えるレポートも収録されていましたが、今作には収録時間ギリギリで入らなかったようで収録されていません。
そんなわけで、侮ることなかれ。
既発でもお馴染みなので演奏については割愛しますが、オフィシャルのオーバーダビングやスタジオ・バージョンに歓声をかぶせてまでして作り上げられた『GOT
LIVE IF YOU WANT IT!』よりも生々しい、ブライアン期の66年のほんとのライヴを僅かとはいえ向上した音で一気通貫で楽しめる作品でした!
May 2022
『 ATLANTA 1981 』 no
label (2CD)
SB recordings@Fox Theatre, Atlanta, GA. Oct.26,
1981
●Disc
1
1. Take The A Train / 2. Under My Thumb / 3. When The Whip Comes Down /
4. Let's Spend The Night Together / 5. Shattered / 6. Neighbours / 7. Black
Limousine / 8. Just My Imagination / 9. Twenty Flight Rock / 10. Let Me Go /
11. Time Is On My Side / 12. Beast Of Burden / 13. Waiting On A Friend / 14.
Let It Bleed
●Disc 2
1. You Can't Always Get What You Want / 2. Band
Introductions / 3. Little T & A / 4. Tumbling Dice / 5. She's So Cold /
6. All Down The Line / 7. Hang Fire / 8. Miss You / 9. Start Me Up / 10. Honky
Tonk Women / 11. Brown Sugar / 12. Street Fighting Man / 13. Jumping Jack Flash
LHから81年のPAアウトのモノラルSB音源によるアトランタはフォックス・シアター公演が登場。
この公演は81ツアーで唯一行われたシアターでのシークレット・ギグ。
あのビル・ジャーマンもビデオ・ジェームスのおかげで初めてシークレット・ギグに潜入した公演。
そのあたりは『アンダー・ゼア・サム
ブルックリンの青年が覗いたローリング・ストーンズの奥座敷』にて楽しく読めます!
そしてこの公演はスチュに気に入られたチャック・リーヴェルが初めてストーンズと共演した公演。
81ツアーのオーデイションでは結局イアン・マックさんの続投が決まったものの、スチュから連絡があり、という流れはチャックのサイトで昨年、ストーンズとの40周年記念という記事で何とDAC盤のジャケと共に紹介されています(笑)
https://chuckleavell.com/2021/10/27/chucks-40th-anniversary-with-the-rolling-stones/
はい、そのDAC盤ですが、このSB音源は2005年の11月末にDACから『ATLANTA
FOX THEATER 1981』(DAC-029)としてリリースされていました。
こちらはわたし当時数か月の中断期で紹介できていないままで、タイトルもFox
TheatreをFox Theaterとしてしまっているものの、ミックがカッコよいジャケです。
今作はそのDAC盤のピッチやヨレを細かく修正した向上盤といったリリース。
元が同じですので音質はさほど変わりませんが、後半で発生していたヨレが解消されている点は素晴らしいです。
特にDAC盤では途中からピッチが上がって"All
Down The Line"以降でヨレが生じていた点は丁寧に補正されており、既発盤ではヨレはここそこに散見されたものの、例をあげれば"Street
Fighting Man"のイントロなんかDAC盤ではヨレて気持ち悪かったのが大幅に解消されていてナイス!
また、冒頭4曲はちょっと音がこもっていたところをDAC盤では高音を持ち上げてヒスが増えていましたが、今作ではあまりそうした高音上げはされていません。
そして"Let
Me Go"の途中と、"All Down The Line"終盤から"Hang Fire"序盤にかけてのSB音源の欠落部は隠密音源で補填されています。
そしてクレジットされていませんが、ラストにはDAC盤と同じくアウトロの"Bold
As Love"の一瞬収録されています。
モノラルSBではありますが、既発の"EX--"が今回"EX-"に向上したと言えるでしょう。
いやしかし81で唯一のシークレット・ギグ。小会場なだけに演奏はワイルド!
前座を務めたのは若きStray
Catsでしたが、"Twenty Flight Rock"の前にミックがStray Catsに言及しているように、そうした若さにも触発されたのかもしれません。
でもこれまた小会場なだけにいろいろ機材トラブルもあったのか、ちらほら乱れるところも面白い。
"Let
Me Go"ではチャーリーのドラムが消え、"Neighbours"ではミック以外がピタッと終わってしまい、終わった後も続けようかとミックが雄叫びをあげるほど。
そこにすかさずチャーリーは応じるも、そこで終わり(笑)
他にもおもしろポイント満載で、いま聴いてみるとほんとにおもしろい。
そしてラストは"Satisfaction"をやらずに"SFM"から"JJF"という流れですが、"JJF"もなんだかグチャグチャです(笑)
ということで貴重な81シークレット・ギグのフォックス・シアターが向上して再登場という嬉しい盤でありました!
『 TOKYO 1998 4TH NIGHT : DAT MASTER 』 no
label (2CD)
aud.recordings@Tokyo Dome, Tokyo, Japan. Mar.17,
1998
●Disc
1
1. Pre-Show / 2. Introduction / 3. Satisfaction / 4. Let's Spend The Night
Together / 5. Flip The Switch / 6. Gimme Shelter / 7. Anybody Seen My Baby?
/ 8. You Got Me Rocking / 9. Saint Of Me / 10. Out Of Control / 11. Memory
Motel / 12. Miss You
●Disc 2
1. Band Introductions
/ 2. Thief In The Night / 3. Wanna Hold You / 4. Little Queenie / 5. Crazy Mama
/ 6. Like A Rolling Stone / 7. Sympathy For The Devil / 8. Tumbling Dice / 9.
Honky Tonk Women / 10. Start Me Up / 11. Jumping Jack Flash / 12. You Can't
Always Get What You Want / 13. Brown Sugar
Bridges To Babylon日本ツアーの東京初日2日目、そして大阪2日目がリマスター再発され、他の日は出ないものかと思っていたところ、何と東京3日目と4日目が登場!
しかも既発とは別のテーパーからDATマスターの提供を受けた新音源とか。
ということで驚きの新音源、今度は東京最終公演の4日目。
B2Bツアーの東京公演4日目は、当時VGPのBox『FAR
EAST 98』(VGP-176)、そして金色or銀色Box『BRIDGES TO BABYLON JAPAN TOUR
1998』、もしくはその単品の『MEMORY MOTEL』(0317-1/2)がリリースされていました。
しかーし、これまた今作の新音源はそれらを軽く凌駕する音!
ただし、3日目に比べるとミックのヴォーカルや演奏は少し遠くて薄いのは残念。
でもキースのギターは聴き取りやすく、ドームのエコーや臨場感も程よく、メンバーの動きに合わせて盛り上がる様子が目に浮かぶよう。
こちらも低音はちょいと軽いものの、高音の抜けの良さがまた特筆すべき点。
そしてこの日もBステはちょいと音が右に寄りますが演奏が遠くなるようなことはありません。
そしてこの音源、この日も開演前の音も17分も録音されていて、開演前のアナウンスからBGMまでしっかり録音されているのもポイント高し。
こちらは3日目よりは少しポイントを下げますが、表記は同じく"EX-"。
やはりこのテーパーによる他の日を全部聴きたくなります。
この日は個人的には95年のVoodoo
Lounge日本ツアーでは観れなかった"Memory Motel"が登場!
遂に観れたぞと喜んだ日であり、Bステでの強烈な"Crazy
Mama"とあわせて見事なBLACK AND BLUEナイト。
いやほんと懐かしい。
この"Memory
Motel"はほんと綺麗に録音されていて嬉しくなります。
ということでこちらもあれこれ説明不要の素晴らしい音源の登場でした!
『 TOKYO 1998 3RD NIGHT : DAT MASTER 』 no
label (2CD)
aud.recordings@Tokyo Dome, Tokyo, Japan. Mar.16,
1998
●Disc
1
1. Pre-Show / 2. Introduction / 3. Satisfaction / 4. Let's Spend The Night
Together / 5. Flip The Switch / 6. Gimme Shelter / 7. Sister Morphine / 8. It's
Only Rock 'n Roll / 9. Saint Of Me / 10. Out Of Control / 11. Shine A Light
/ 12. Miss You
●Disc 2
1. Band Introductions / 2. All About You / 3.
Wanna Hold You / 4. Little Queenie / 5. Let It Bleed / 6. Like A Rolling Stone
/ 7. Sympathy For The Devil / 8. Tumbling Dice / 9. Honky Tonk Women / 10. Start
Me Up / 11. Jumping Jack Flash / 12. You Can't Always Get What You Want / 13.
Brown Sugar
Bridges To Babylon日本ツアーの東京初日2日目、そして大阪2日目がリマスター再発され、他の日は出ないものかと思っていたところ、何と東京3日目と4日目が登場!
しかも既発とは別のテーパーからDATマスターの提供を受けた新音源とか。
ということで驚きの新音源、まずは3日目からですが、B2Bツアーの東京公演3日目は、当時VGPのBox『FAR
EAST 98』(VGP-176)、そして金色or銀色Box『BRIDGES TO BABYLON JAPAN TOUR
1998』、もしくはその単品の『SHINE A LIGHT』(0316-1/2)がリリースされていました。
しかーし、今作の新音源はそれらを軽く凌駕する音にして、今回同時期にリリースされた東京初日に2日目、さらに大阪2日目をも上回る音質に驚き。
ミックの日本語MCに対して「へたくそ〜」といった野次まで入っているのはなんですが、曲間などでは歓声も程よく入った臨場感にして、演奏も多少距離感はあれども綺麗に録音されており、しかもキースが大きいのがナイスにして、エコーのあるドームの空気をそのまま閉じこめたような素晴らしいサウンド。
低音はちょいと軽いものの、高音の抜けの良さがまた特筆すべき点。
そしてBステはちょいと音が右に寄りますが演奏が遠くなるようなことはありません。
そしてこの音源、開演前の音も17分も録音されていて、開演前のアナウンスからBGMまでしっかり録音されているのもポイント高し。
いやしかしこんな音源があったとはと驚きの個人的には"EX"の"EX-"。このテーパーによる他の日を全部聴きたくなるほどです。
感激の声がもれた"Sister
Morphine"や、"Shine A Light"、さらには"All About You"に"Wanna
Hold You"を24年も経ってこのような素晴らしい音で聴けるとはとほんと感慨深い。
あれこれ説明不要、文句なしに素晴らしい音源の登場です。
まだ売り切れてはいないようですが、ほんとに素晴らしい作品でした!!
『 TOKYO 1998 1ST NIGHT 』 no
label (2CD)
aud.recordings@Tokyo Dome, Tokyo, Japan. Mar.12,
1998
●Disc
1
1. Introduction / 2. Satisfaction / 3. Let's Spend The Night Together /
4. Flip The Switch / 5. Gimme Shelter / 6. Angie
/ 7. Bitch / 8. Saint
Of Me / 9. Out Of Control / 10. Under My
Thumb / 11. Miss You
●Disc 2
1. Band Introductions
/ 2. You Don't Have To Mean It / 3. Wanna Hold You / 4. Little Queenie / 5.
The Last Time / 6. Like A Rolling Stone / 7. Sympathy For The Devil / 8. Tumbling
Dice / 9. Honky Tonk Women / 10. Start Me Up / 11. Jumping Jack Flash / 12.
You Can't Always Get What You Want / 13. Brown Sugar
懐かしの1998年B2B日本ツアーから、ツアー最終日である大阪公演2日目と東京公演2日目に続いて、日本ツアー初日である東京公演初日がLHから登場。
このリリース順、2014年に同音源がリリースされた順のとおりです。
おさらいですが、Bridges
To Babylon、略してB2Bツアーの東京公演初日は、当時VGPのBox『FAR EAST 98』(VGP-176)、そして金色or銀色Box『BRIDGES
TO BABYLON JAPAN TOUR 1998』、もしくはその単品の『BITCH』(0312-1/2)がリリースされていましたが、2014年にそれらを上回るものとしてLHから『TOKYO
1998 1ST NIGHT』がリリースされました。
そのオリジナルの『TOKYO
1998 1ST NIGHT』と既発盤との違いや音の傾向はnew arrivalsの2014年3月を参照いただくとして、その『TOKYO
1998 1ST NIGHT』がタイトルこそ変わっていませんが、装いを新たに中身もブラッシュアップされて再登場。
(ここまで東京2日目とほぼ同じ文章・笑)
今作では2014年盤よりも若干高音域が明るくなり、なるほどインフォにあるとおりBステでの音量ダウンが調整されています。
そしてオープニングの1分過ぎに入っていたマイクが何かにこすれるノイズは綺麗になくなっています。
ということでこちらもなるほどの丁寧な補正がなされています。
音質表記はこちらは既発でも"EX-"でしたので今作も"EX-"というのは変わりませんが、相変わらず素晴らしい。
当時の記憶がまざまざと思い出されます、、、というのは嘘で、2014年に書いているとおり、B2Bといえばツアー初日と2日目の1997シカゴに初の海外遠征で観にいきましたが、この東京公演ではそのシカゴではやらなかった新曲"Flip
The Switch"に"Saint Of Me"に興奮し(その後の公演のブートで聴いてたとはいえ)、そしてこれまたそのときには無かったBステへのBridgeの伸びに興奮したものです。
そしてまだADSLもなかったISDNやテレホーダイ時代ながらも、インターネットを活用したWeb
Voteでの"Under My Thumb"にも大感激でした。
が、いつものことですが記憶がふっとんでまして、こうして聴いててもそれ以外を細かく思い出すわけではなく(笑)
さらにこの日はライヴの前に異様に緊張してビールの紙コップを持つ手が震えていたことはよーく覚えています(爆)
ところで今回のジャケですが、2014年当時リリースされた『TOKYO
1998 2ND NIGHT』のジャケと同じ写真が元になっています。
ということでどっちがどっちか少し混同しますが、どうやらこのミックの写真自体は初日のものなので今回の1ST
NIGHTに使われるのがふさわしい。
ということでこちら、買い直す人が多いんだろうなという気もしますが、オリジナルは速攻売り切れたのでこうして高音質盤が復活するのは当時入手できなかった方には嬉しいリリースかと。
『 TOKYO 1998 2ND NIGHT 』 no
label (2CD)
aud.recordings@Tokyo Dome, Tokyo, Japan. Mar.14,
1998
●Disc
1
1. Introduction / 2. Satisfaction / 3. Let's Spend The Night Together /
4. Flip The Switch / 5. Gimme Shelter / 6. Anybody Seen My Baby? / 7. 19th
Nervous Breakdown / 8. Saint Of Me / 9. Out Of Control
/ 10. Star Star / 11.
Miss You
●Disc 2
1. Band Introductions / 2. Thief In The Night / 3. Wanna
Hold You / 4. Little Queenie / 5. You Got Me Rocking / 6. Like A Rolling Stone
/ 7. Sympathy For The Devil / 8. Tumbling Dice / 9. Honky Tonk Women / 10. Start
Me Up / 11. Jumping Jack Flash / 12. You Can't Always Get What You Want / 13.
Brown Sugar
懐かしの1998年B2B日本ツアーから、ツアー最終日である大阪公演2日目と同時に東京公演2日目がLHから登場。
こちらライブから16年後の2014年3月にリリースされていた同タイトルをリマスターして再発したもの。
Bridges
To Babylon、略してB2Bツアーの東京公演2日目は、当時VGPのBox『FAR EAST 98』(VGP-176)、そして金色or銀色Box『BRIDGES
TO BABYLON JAPAN TOUR 1998』、もしくはその単品の『STAR FUCKER』(0314-1/2)がリリースされていましたが、2014年にそれらを上回るものとしてLHから『TOKYO
1998 2ND NIGHT』がリリースされました。
そのオリジナルの『TOKYO
1998 2ND NIGHT』と既発盤との違いや音の傾向はnew arrivalsの2014年3月を参照いただくとして、その『TOKYO
1998 2ND NIGHT』がタイトルこそ変わっていませんが、装いを新たに中身もブラッシュアップされて再登場。
(ここまで大阪2日目とほぼ同じ文章・笑)
今作では2014年盤よりも若干高音域が明るくなり、かなり右に寄ったBステのみならず全体的に微妙に右寄りだったところも補正されています。
ただし今回の補正は、2014年リリース当時でもできたんじゃないかと思わなくもありませんが、ただの再発ではなく向上補正しての再発というのはナイス。
既発の"very
good++〜EX-"から大きな向上ではないものの、これはもう"EX-"に昇格ですね。
とはいえ大幅な向上というわけでもないので、こうしたブラッシュアップシリーズは既発盤をお持ちの方には買い直すかどうかは毎度悩ましいところかと。
ただし入手困難となって久しいこのB2B日本ツアー東京2日目を一番いい音で聴けるのはこちらということで、お持ちでない方や思い入れのある方には嬉しいリリース。
(これも大阪2日目とほぼ同じ文章・笑)
2014年リリース時には大阪2日目、東京2日目と来て、東京初日が最後にリリースされましたからそちらもきっと来るでしょう。
ただし2014年にはリリースされなかった、東京3日目3/16と4日目3/17、そして大阪初日3/20はリリースされないんでしょうかね。
ここまでのテーパーが参戦していないということもないような気がするんですが、多少トラブルがあったとしてもその音を聴いてみたいものです。
さて、前述のとおり演奏内容はnew
arrivalsの2014年3月を参照いただくとしても、この日は改めて聴いてもミックが好調ですね。
この2日目は週末の土曜日で、初日と違って2階席までびっしりの満員御礼、ミックも燃えてます。
ただ、わたしこの時のことをあまり覚えてなかったり。どのポジションで観たっけ?
でもこの頃は周りにストーンズファンの友達も多く出来て、ストーンズ愛が膨らんでいた時期だったなぁと懐かしく。
そんなことはどうでもいいですが(笑)
しかしこの時は"Let's
Spend-"のイントロとかキース全然弾いてないのねとあらためて(先に紹介した大阪もでしたが・笑)
それでも新曲もふんだんに取り入れたこのツアー、ほんと素晴らしいライブでしたよねー。
そこに"19th
Nervous Breakdown" "Star Star" が飛び出し、その"Star Star"でのキースが高いキーで弾いてしまってミックもコーラスのロニーも大変になってしまってます(笑)
『 OSAKA 1998 2ND NIGHT 』 no
label (2CD)
aud.recordings@Osaka Dome, Osaka, Japan. Mar.21,
1998
●Disc
1
1. Introduction / 2. Satisfaction / 3. Let's Spend The Night Together /
4. Flip The Switch / 5. Gimme Shelter / 6. Angie / 7. You Got Me Rocking / 8.
Saint Of Me / 9. Out Of Control / 10. Under
My Thumb / 11. Miss You / 12. Band Introductions / 13.
Thief In The Night / 14. Wanna Hold You
●Disc 2
1. Move To B Stage /
2. Little Queenie / 3. I Just Wanna Make
Love To You / 4. Like A Rolling Stone / 5. Sympathy For
The Devil / 6. Tumbling Dice / 7. Honky Tonk Women / 8. Start Me Up / 9. Jumping
Jack Flash / 10. You Can't Always Get What You Want / 11. Brown Sugar
懐かしの1998年B2B日本ツアーから、ツアー最終日である大阪公演2日目がLHから登場。
こちらライブから16年後の2014年3月にリリースされていた同タイトルをリマスターして再発したもの。
Bridges
To Babylon、略してB2Bツアーの日本公演最終日の大阪公演2日目は、当時VGPのBox『FAR
EAST 98』(VGP-176)、そして金色or銀色Box『BRIDGES TO BABYLON JAPAN TOUR
1998』、もしくはその単品の『I JUST WANT TO MAKE LOVE TO YOU』(0321-1/2)がリリースされていましたが、2014年にそれらを上回るものとしてLHから『OSAKA
1998 2ND NIGHT』がリリースされました。
そのオリジナルの『OSAKA
1998 2ND NIGHT』と既発盤との違いや音の傾向はnew arrivalsの2014年3月を参照いただくとして、その『OSAKA
1998 2ND NIGHT』がタイトルこそ変わっていませんが、装いを新たに中身もブラッシュアップされて再登場。
今作では2014年盤ではちょいと不足していた低音域がONになって中音域のクセが調整されることで、クリアな迫力がプラスされています。
単なるイコライジングによって低音をあげてモコっとした仕上げになっていないのが、2022最新リマスターということなんでしょう。
ということで確かに向上が感じられ、オリジナルの"very
good+〜 EX--" が "very good++〜EX-"へと向上しています。
とまぁ音質評価的にはわずかな差ではあるものの、確かにこれは向上を実感できるレベルです。
とはいえ大幅な向上というわけでもないので、こうしたブラッシュアップシリーズは既発盤をお持ちの方には買い直すかどうかは悩ましいところかと。
ただし入手困難となって久しいこのB2B日本ツアー最終日を一番いい音で聴けるのはこちらということで、お持ちでない方や思い入れのある方には嬉しいリリース。
わたしはチケットは確保しながらも仕事の都合で直前に参戦不可となったこの大阪公演。
残念ながら参加できませんでしたが、"Under
My Thumb"と"I Just Want To Make Love To You"を日本でやってくれたこと(その前日に"Time
Is On My Sideも)、そして東京最終日からチャッチャではなくチャラッチャで始まる"Brown
Sugar"で盛り上がったことなど、いろいろ懐かしいです。
『 BRIDGES TO BABYLON JAPAN TOUR 1998 』 no
label (1DVD-R)
TV broadcasts@1997/1998
1.
WIN / 2. Jurassic TV Part 1 / 3. Jurassic TV Part 2 / 4. Pepsi CM
Various
TV Reports of Tokyo Dome Concert (12th March 1998) Aired in the morning of
13th March 1998
5. Zipangu Asa 6 / 6. Yajiuma Wide / 7. Mezamashi TV
『JAPANESE
TV SPECIALS』DVD-Rシリーズ。このシリーズ、個人的にはとても嬉しい。こうしたものをしっかり録画してくださってる方に感謝であります。
さてこちら、まずはブルックリン橋で行われたBridges
To Babylonワールド・ツアー発表の記者会見速報と"Anybody Seen My Baby?"のPVを放映した深夜情報番組のWIN、続いてメインのジュラシックTVによる来日スペシャル。
ジュラシック2ではハワイ公演からの"Flip
The Switch"や、ツアー開幕前のシカゴのダブル・ドアーでのギグから貴重な"Honky
Tonk Women"と"Brown Sugar"の映像もちらっと。
そしてペプシが製作した"Brown
Sugar"ペプシのCM。これ大好きなのでナイス。
さらに来日初日を伝えるワイドショー3本が収録。こちらは短いですが、まぁなんというかいろんな意味で面白い(笑)
ミックとレッツゴー三匹の長作さんが同じ歳だからとレッツゴー三匹が映し出されたり、54歳にしてまだ現役というネタを押しまくりますが、まさかその後78歳にしてまだ現役であるとは当時思いもしなかったわけで。
さらに観客の高齢化の話題などなど。
Bridges
To Babylon来日ツアーからもう24年も経ったわけですが、それらの隠密音源リリースと連動して、懐かしい映像が楽しめる作品でした。
Apr 2022
『 FOXBOROUGH 2021 PRIVATE SHOW 』 no
label (2CD)
aud.recordings@Gillette Stadium, Foxborough (near Boston), MA. Sep.20, 2021
●Disc
1
1. Intro / 2. Let's Spend The Night Together / 3. Tumbling Dice / 4. Words
For Charlie / 5. Under
My Thumb / 6. Troubles
A' Comin / 7. Living
In A Ghost Town / 8. You Can't Always Get What You Want
/ 9. Midnight Rambler
●Disc 2
1. Band Introductions / 2. Miss You / 3.
19th Nervous Breakdown
/ 4. Start Me Up / 5. Gimme Shelter / 6. Sympathy For The Devil / 7. Jumping
Jack Flash / 8. Satisfaction
LHの新作。
こちらNo Filter 2021ツアー開幕直前、ウォームアップを兼ねてボストン近郊のフォックスボロのジレットスタジアム内に設けられたテントで行われたプライベート・ライブの隠密音源で、OBRが独自音源をリリースした『ODE
TO A FLOWN BIRD』(OBR 93 CD 040)のコピー。
インフォによるとネットに公開されたOBR盤が元で、それをブラッシュアップしたものとのこと。
個人的にはこうした独自音源はオリジナルのOBRこそと思いますが、OBR盤は入手困難なので需要はあるんでしょう。
とはいえ、やはりオリジナルのOBRはチャーリー追悼のタイトルやジャケの作りも素敵なものでしたので、複雑な心境であります。
中身については3月にOBR盤で紹介したとおり、元音源はモノラルで高音域は実質10khzまでというスマホ録音らしき音源。
とはいえチャーリーのいない初めてのストーンズにして、スティーヴ・ジョーダンの初ステージという、悲しいけれど貴重な音。
そして今作もOBR盤のコピーなのでOBR盤と大きく変わるものではありませんが、重低音と7khzあたりの高音を抑えて少しナチュラルになってます。
とはいえ劇的向上というわけでもないので、音質は基本的にはOBR盤と同じく2021年にしては"very
good"ですが、少し耳あたりがよくなった感じ。
ちなみに"Tumbling
Dice"冒頭の10秒付近で少しボリュームが下がるところなどはそのまま。
ということでどちらがいいかは、オリジナルにこだわるか、少しナチュラルになったコピーでよしとするかかと。
個人的にはやはり独自音源で作りも丁寧なオリジナル派ですが、オリジナルは入手困難だしお持ちでない方には当日のライヴ写真が使われたこちらも嬉しいリリースかと。
演奏はnew
arrivalsの3月に格納しているOBR盤で紹介しているので省きますが、今作のインフォを読んで、そうか"YCAGWTY"でバンドが息を吹き返したのかと。
とはいえあらためて聴いてみるとまだまだですけど、スティーヴの真摯さが伝わるライヴですね。
ということで、ツアー開幕直前のウォームアップを兼ねてのプライベート・ショーで、チャーリーのいない初めてのストーンズということで、聴いててワクワクするものではありませんが、この貴重なライヴを収めたOBR盤をお持ちでない方には嬉しい作品でありました。
『 SYDNEY 1973 1ST NIGHT: SOUNDBOARD 』 no
label (1CD)
SB recordings@Royal Randwick Racecourse, Sydney,
Australia. Feb.26, 1973
1.
Audience - 2000 Light Years From Home Intro / 2. Brown Sugar / 3. Bitch / 4.
Rocks Off / 5. Gimme Shelter / 6. Happy / 7. Tumbling Dice / 8. Love In Vain
/ 9. Sweet Virginia / 10. You Can't Always Get Want You Want / 11. Honky Tonk
Women / 12. All Down The Line / 13. Midnight Rambler / 14. Band Introductions
/ 15. Little Queenie / 16. Rip This Joint / 17. Jumping Jack Flash / 18. Street
Fighting Man / 19. Land Of Hope And Glory with Fireworks
LHによる73ウィンター・アップグレード・シリーズの有終の美を飾るであろう作品。
いや、ニュージーランドのオークランドとか、このシドニーのSB音源と隠密のマトリクスとかがリリースされない保証はありませんが(笑)
さて、この2/26のSB音源登場時のエピソードはインフォに詳しいのでそちら引用します。
----------------
今回のリリースにおいて重要なのは、もちろんステレオ録音されたPAサウンドボードのパート。
こちらの音源は当初24日パースの補填要員サウンドボードとして日の目を見る形となり、例えば後にスコルピオを名乗るROCKWHILEというレーベルが出した『LIVE
IN PERTH AUSTRALIA』に使われ、すわ「遂に完全版サウンドボードか?」とマニアをぬか喜びさせたのも懐かしい。
案の定これを真に受けたこれまた懐かしのTSP製『ROCKS
OFF!』というコピー盤を生み出してしまうほど、当初はパースの完全版かと錯覚させられてしまったのです。
しかし、この日の関してもOH
BOY!盤『HAPPY BIRTHDAY NICKY』でパースとカップリングされたことで決着が付きます。
ただしパースと違ってこちらはテープ・ソースが出回り、例えば『A
STICKY SYDNEY RACECOURSE』や90年代の決定版とされたVGPレーベル『ROCK'N
ROLL STEW』のようなそれのコピー盤でないタイトルが登場しましたし、近年はDAC『HAPPY
BIRTHDAY NICKY』のDISC-2がベストに君臨していたものです。
----------------
ということでこれまたパースのNickyと縁が深いシドニー初日。
隠密音源のアップグレード版は3月にリリースされましたが、今回のSB音源の有名どころはOH
BOYの『HAPPY BIRTHDAY NICKY』、そしてVGP『ROCK'N ROLL STEW』、DAC『HAPPY
BIRTHDAY NICKY』。
このシドニー初日のSB音源には、オープニングの"Brown
Sugar"冒頭40秒と、ラストの"JJF"と"SFM"が欠落しており、そこには既発DAC盤では「recorder
2」が補填されていました。
今回は3月にリリースされた隠密音源による『SYDNEY
1973 1ST NIGHT』で使われた「recorder 1」アップグレード版を使用し、SB部分はパースと同じくOH
BOYの『HAPPY BIRTHDAY NICKY』のブラッシュアップによって仕立て上げられた作品。
隠密音源は「recorder
1」も「recorder 2」良し悪しなのでフムフムという感じですが、開演前と終演後が長く収められているのはグッド。
そして肝心の卓直SB音源部分やいかに。
するとSB音源部分はDAC盤と比べると少しクリアですっきりした音に。
DAC盤ほど高音域が突き刺さることもなく、パースやシドニー227より明るい音。
とはいえ元がおそらく同じなので音質自体の差はさほど大きくはありませんが、なるほどこれも丁寧な調整で"EX-"です。
ただし、個人的にはDAC盤は右chが僅かに大きくキースのギターが大きかったのに対して、今作では左chの方が僅かに大きくなっているのが微妙に惜しいなと。
でもDAC盤ではミックのヴォーカルまでもやや右にいたのに対して、今作ではそこまで左に寄ってはいないので今作の方がバランス的にはいいんでしょう。
とはいえキースでかくて気持ちいい、というわたし的にはDAC盤の右chの大きさは好きでした(笑)
まぁキースが小さくなったというほど小さくなったわけでもないんですが、音像が小さくなったようには感じます。
とはいえDAC盤は聴き比べるとやっぱり高音域がきついなと。
まぁ音像は同じところをDACとLH盤を切り替えて聴き比べたら感じる程度の差ですので、今作だけを聴いて何か物足りなさを感じるわけでもありません。
ということで丁寧な調整がなされている最良音源盤になってます。
いやしかしインフォにあるとおり、この日はミックだけじゃなくバンドの演奏の勢いも見事!
オープニングの"Brown
Sugar"では、この盤での2:20からのミックの"You should hear him, just
around midnight"の裏でミック・テイラーが奏でるギターにしびれます。
こういうこといきなりやっちゃうテイラーもほんとかっこいい!
そして"Bitch"ではキースも入り方がいつもと違うし、バンド全体が奏でる熱い演奏に戦慄を覚えます。
このワイルドにしてスリリングな演奏は隠密でもうかがえましたが、やはりこの荒々しいSB音源ってば素晴らしい。
ラストの2曲のSB音源が欠落しているのが残念ですが、そればっかりは仕方ない。そこは補填された隠密音源で怒涛のラストを。
終演後のイギリス愛国歌の"Land
Of Hope And Glory"と花火が入ってるってのはいいですね〜。
ということで一連の73ウィンター・アップグレード・シリーズ、どっぷり堪能いたしました!
でもこれも販売前に売り切れってのが残念というかなんというか。
『 PERTH 1973: SOUNDBOARD 』 no
label (1CD)
SB recordings@Western Australia Cricket Ground,
Perth, Australia. Feb.24, 1973
1.
Brown Sugar / 2. Bitch / 3. Rocks Off / 4. Gimme Shelter / 5. Happy / 6. Tumbling
Dice / 7. Honky Tonk Women / 8. All Down The Line / 9. Midnight Rambler / 10.
Band Introductions - Happy Birthday Nicky / 11. Little Queenie
1973 winter
tourコーナーで紹介しているとおり、この2/24はあのニッキー・ホプキンスの誕生日で、メンバー紹介でもニッキーへのHappy
Birthdayが歌われていることから、ブートでも"Happy Birthday Nicky"としてアナログ時代から有名な2/24パース公演。
そしてこのパースこそがウィンターツアーで最初に流出したSB音源だったのです。
SBといっても卓直SBでゴリゴリした音で完全収録ではなく途中までの収録ではありますが、綺麗にステレオセパレーションされており、ブート界では昔から大人気。
昔から有名どころのCDとしてNOJA盤、OH
BOY盤、そして代表盤のDAC盤のみ挙げておきますが、他にも多くの作品が存在します。
ということで今回のLHによる73ウィンター・アップグレード・シリーズ(勝手に命名)にもパース公演が登場。
ただし今作は新たなアップグレードマスターを元にしたわけではなく、既発のOH
BOY盤をリマスターしたもの。
インフォによると『HAPPY BIRTHDAY NICKY』(OH
BOY)をベースとし、"Brown Sugar"と"Honky Tonk Women"の冒頭は『LIVE
IN PERTH AUSTRALIA』(Rockawhile)からのよう。
で、気になるのは今作がこれまでの代表盤『HAPPY
BIRTHDAY NICKY』(DAC-017)を凌ぐ音かという点。
今作のインフォによると、DAC盤もおそらくOH
BOYとrochawhileから制作されたのではと書かれています。
ということで元が同じということで、その音質は大きな違いは感じません。
今作はDAC盤と比べると中高音域の薄膜が一枚剥がれてやや前面に出てきて音が明るくなっています。
ふんだんに使われている写真のとおり屋外公演なので、微妙に暗い印象のDAC盤よりは自然ですし、丁寧な調整がされていることを感じます。
ただしDAC盤と比較するとギターはほんの僅かに痩せて、シンバルの音色にやや癖も感じられます。
DAC盤はほんの僅かにこもった感じで暗い印象があるものの、ギターは少し太い音。
ということでナチュラルさとクリアさは半歩前進するも、このSB音源の特徴であるゴリゴリした荒々しい迫力は半歩後退。
ということでどちらがいいかはそれこそ好みの問題になるでしょうが、元が同じだけに大幅な進歩とはいかず。
それにしても73ウィンターのページでは既発盤に音質に渋めの評価をしてますが(というか23年前の開設当時の評価は全般的に渋め)、これも十分"EX-"です。
そしてこちら、DAC盤にはなかったニッキーが写った写真が内側にあるのが嬉しいところ。
ニッキーが大写しの写真もあればいいいんですが、あいにくそうした写真はないようですね。
しかしこのパースの演奏も素晴らしい。
73ウィンターのSB音源はこのパースから始まったわけですが、この荒々しい演奏と音には今も感激を覚えます。
なんといってもミックが凄い。母方の親戚も在住するこのオーストラリアはミックの血をたぎらせるのか。
このパースからシドニーの音がこうして聴けるのは嬉しい限り。
ということで既発の代表盤とは微妙な違いではあるものの、少し明るく前面に出たこの音で改めてこのHAPPY
BIRTHDAY NICKYに浸っております。
そしてDAC盤も入手困難ないま、こうしてリリースされるのもいいことかと思いますが、こちらも速攻売り切れてしまっています。
しかしこの音源もいつの日かマスターからの音が世に出れば嬉しいんですけどねぇ。
『 SYDNEY 1973 2ND NIGHT: SOUNDBOARD 』 no
label (1CD)
SB recordings@Royal Randwick Racecourse, Sydney,
Australia. Feb.27, 1973
1.
Brown Sugar / 2. Bitch / 3. Rocks Off / 4. Gimme Shelter / 5. Happy / 6. Tumbling
Dice / 7. Love In Vain / 8. Sweet Virginia / 9. You Can't Always Get What You
Want / 10. Honky Tonk Women / 11. All Down The Line / 12. Midnight Rambler /
13. Band Introductions / 14. Little Queenie / 15. Rip This Joint / 16. Jumping
Jack Flash / 17. Street Fighting Man
LHの新作、73ウィンターツアーが続きますが、こちら速攻売り切れになってます。
ということで説明不要のあの『WELCOME
TO AUSTRALIA』(VGP-110)で有名なオーストラリア最終公演。
73ウィンターのページで紹介しているとおり、そのVGP盤以前にも不完全盤がリリースされてきた公演でしたが、1997年にVGPから遂に完全盤として『WELCOME
TO AUSTRALIA』がリリースされ、さらに2004年、2011年と向上を重ねてバージョン・アップがなされてきました。
その2/27公演の更なるアップグレード盤が今作。
わたしこの音は持ってないので初めて聴きましたが、インフォによると最近ではなくどうやらちょいと前にトレーダー間に出回ったアッパー版音源が元だとか。
さて、既発盤の聴き比べはCDプレーヤーではわかりにくいし大変なのでいつもPCに数曲取り込んで聴き比べをしていますが、今回はそのVGP3つと今作から"SFM"をPCに取り込み。
すると真剣に聴き比べるまでもなくナイスなアップグレードを実感。
VGPのver.3の2011年版は、それまで左右逆だったギターも反転されたとはいえ、定位がやや左寄りだった曲があったんですが、今回はそこもバッチリ!
そしてインフォにあるとおり薄皮一枚剥いだクリアさ。
一方ウォーミーかというと、そこはあの癖のあるSB音源ですからそんなにウォーミーではなく。
でもVGP盤のようなイコライジングを感じないナチュラルなクリアさで、シンバル類の残響やヒスは既発より感じますがそれがまたナチュラルで素晴らしい。
そして"All
Down The Line"ではまだギターが動いたり、ベースが既発よりONになっていますが、これはこれでPAアウトらしい感じでナイスな"EX-"。
いやしかしVGPの既発3つはすべてリアルタイムで新作として楽しんできたので、10年ちょっとを経て遂にあの名盤を駆逐する盤が登場したかと感慨もひとしお。
なお、VGP盤はジャケも名盤にふさわしく親しまれてきましたが、『EUROPE
'73』と同じくIORRのPV収録時のものですので、ライヴとは年代があってなかったんですよね。
個人的には『SYDNEY
LAST AFFAIR』のタイトルとジャケがお気に入り(笑)
そのジャケ写はシドニーじゃありませんけどね。
ちなみに今回ちょっと違和感を感じたのは、ディスク側のトレー下の写真。
これ2019年にLHがリリースした『HONOLULU
1973 1ST NIGHT』のジャケと同じ写真で、Robert Knightによるハワイ公演のショットかと。
そもそもこのシドニー公演の写真というのはそんなにないのかもしれませんし、別作品のジャケに使われてなければ何の違和感も感じなかったでしょうけど。
そんなことしか書くこともないほどの見事な新作にして決定盤でした。
でも決定盤とはいえ、発売と同時にもう売り切れちゃってるというのが残念。
『 ONE MORE SHOT: EXPANDED EDITION 』 no
label (3CD)
SB recordings@Prudential Center, Newark, NJ. Dec.15,
2012
●Disc
1
1. Opening Announcement / 2. Introduction / 3. Get Off Of My Cloud / 4.
The Last Time / 5. It's Only Rock'n Roll / 6. Paint It Black / 7. Gimme
Shelter (with Lady Gaga) / 8. Wild Horses / 9. Going
Down (with John Mayer & Gary Clark Jr.)
●Disc
2
1. Dead Flowers / 2. Who Do You Love?
(with The Black Keys) / 3. Doom And Gloom / 4. One More
Shot / 5. Miss You / 6. Honky Tonk Women / 7. Band Introductions / 8. Before
They Make Me Run / 9. Happy
●Disc 3
1. Midnight
Rambler (with Mick Taylor) / 2. Start Me Up / 3. Tumbling
Dice (with Bruce Springsteen) / 4. Brown Sugar / 5. Sympathy
For The Devil / 6. You Can't Always Get What You Want (with The Choir Of Trinity
Wall Street) / 7. Jumping Jack Flash / 8. Satisfaction
こちら2012/11/25と11/29にロンドン、12/8にニューヨーク、そして12/13と12/15にニューアークと、合計5回開催された2012年復活ライブの最終公演、ニュージャージーはニューアーク公演。
豪華ゲストが出演し、TVやネットで生中継されて日本でもWOWOWで衛星生中継されたことでお馴染み。
ということでTV放送もされたことから映像やSB音源が当然のごとくブート化され、CDでは2013年1月に速攻『ONE
MORE SHOT LIVE』(CR-121215-CD 1/2)、そして同4月には『ONE MORE SHOT』(DAC-131)、そして2014年の来日前にはIMP系から『GARDEN
STATE 2012 HD』もリリースされました。
一方LHからはSB音源ではなく隠密音源で『SECOND
NIGHT IN NEWARK』がリリースされていました。
CR
DAC
IMP
LH
そんなニューアーク公演が再度LHからリリース。
ただし今回は放送ではカットされていたオープニングアナウンスを隠密音源で補填してメインはSB音源。
その会場を温めるオープニングアナウンス部分は既発の隠密盤『SECOND
NIGHT IN NEWARK』に収録されているもの前説的で面白いんですが、その後のおそらく録音者に対して東京から来たの?と話しかけられて会話するやり取りもあって長い(笑)
そしてもうすっかりお馴染みのSB音源なので、なぜに今になってリリースをと思いながら聴いてみると、これがなかなか。
既発盤ではCR盤は低音に厚みを持たせて迫力があり、DAC盤はより綺麗な音で音の粒子がきめ細やか、IMP系はこれまた音の粒子が細かくさらに音に広がりもあり、より迫力あるクリアな音で素晴らしい音でした。
ただしそのIMP系もいま聴いてみるとその音の広がりがちょいと作られた感もありましたが、今作はストレートでスマートにいい音の"EX+"です。
既発よりもちょいとベースはONですが、チャーリーのドラムの音色は膨らみ過ぎずタイトで、今作が一番チャーリーらしく聴こえて、ナチュラルでクリアなサウンドでこれまた超絶素晴らしい。
また、LHの作品には入力レベルが低めのものもあったりしますが、今作はそんなこともありません。
そんなわけで何でいまさらと思ってたんですが、聴いてみるとナイスな音でオープニングアナウンスも補填された最長盤にこりゃナイスと。
ただし一点残念なのは、"Miss
You"で左chに混入していたあの音痴な奇声。
これはIMP系のだけはどう処理したのかモノラル化もされずに他の箇所からの補填でもなく綺麗に奇声だけ除去されていましたが、今作は音痴な奇声は入っているままで、これだけは残念。
もうお馴染みの公演なので演奏やゲストの紹介は省きますが、こうして久しぶりに聴きなおす10年前のニューアーク公演、素晴らしいです。
これでジャケとレーベル面にチャーリーがしっかり写っていればなおさらよかったんですが、チャーリーのドラムの音色も含めてナチュラルな最高音質で楽しめる作品でした。
『 ROSELAND BALLROOM 2002 』 no
label (2CD)
aud.recordings@Roseland Ballroom, New York City,
NY. Sep.30, 2002
●Disc
1
1. Intro / 2. Start Me Up / 3. You Got Me Rocking / 4. All Down The Line
/ 5. Hand Of Fate /
6. Sweet Virginia / 7. She Smiled Sweetly
/ 8. Neighbours / 9. Dance
/ 10. Everybody Needs Somebody To Love
/ 11. That's How Strong My Love Is
/ 12. Going To A Go Go
/ 13. Ain't Too Proud To Beg
/ 14. Band Introductions / 15. You Don't
Have To Mean It
●Disc 2
1. Before They Make Me
Run / 2. Midnight Rambler / 3. Rock Me Baby
/ 4. Stray Cat Blues
/ 5. Can't You Hear Me Knocking
/ 6. Honky Tonk Women / 7. Brown Sugar / 8. Jumping Jack Flash
2002年から2003年にかけて世界を巡ったLICKSツアーは、スタジアム、アリーナ、シアターという会場の大中小に応じてそれぞれコンセプトを持って敢行された素晴らしいツアーでした。
そのツアー開幕から1ヶ月足らずで訪れたニューヨーク・エリアでは、大はジャイアンツ・スタジアム、中はMSG、そして小がこのローズランド・ボールルームで行われたのです。
そのローズランド、レア曲炸裂です。
それまで1967年にTV収録でしかやったことのない"She
Smiled Sweetly"をライブ初披露。
ミックが言っているように、前年に公開された映画『THE
ROYAL TENENBAUMS』のサントラに起用されたことによるお披露目だったようですが、以降も演奏されたことのない一度っきりのメガレア曲。
他に"Hand
Of Fate"、"Dance"、"Everybody Needs Somebody To Love"、"That's
How Strong My Love Is"、"Going To A Go-Go"、"Ain't Too Proud
To Beg"、キースの"You Don't Have To Mean It"、後半でも"Rock
Me Baby"、"Stray Cat Blues"といったレア曲が惜しげもなく披露されています。
このツアーでは"Can't
You Hear Me Knocking"は準レギュラーでしたが、逆にレギュラー曲はどれなんだという鼻血ものの神セトリ。
そんな強烈なローズランド・ボールルーム公演からは2種類の隠密音源がブート化されていました。
「recorder
1」はVGPの『SO GLAD TO BE NEW YORK CITY』(VGP-323)に収録。
なかなか臨場感のある音ですが、クリアな音ではなくモコっとして少しこもった閉塞感のある音。
「recorder
2」は『BALLROOM BLITZ』(RS 160902 A/B)のボートラ9曲や、CD-RですがPIGNOSEの『ROCK
ME BABY!』に収録。
音は近く派手な音ながらも、周りはちょいとにぎやか。
前者の『BALLROOM
BLITZ』では少しこもった感じ。PIGNOSEはこもった感じはないものの、ドンシャリで派手な音になっています。
↓『SO
GLAD TO BE NEW YORK CITY』と『BALLROOM BLITZ』
なお、他にオフィシャルサイトで映像が公開された"Can't
You Hear Me Knocking"のSB音源を収録しているタイトルもいくつかあります。
そんなわけでしたが、今作は新登場の「recorder
3」。
元音源は2013年に出回った音のようで、探してみるとわたしのPCにもありましたがそちらはちょいと濁った音。
それが今作はずいぶん綺麗でナチュラルな音に整えられており、ほんとにこれが同じ音源なのかと驚くほど。
ただし少し遠くて音がフラットで入力レベルが低いのが惜しい。
既発の派手な音に比べると落ち着いて聴けますし、周りがさほどうるさくはないナイスな"EX-"ですが、もう少し音に艶があって演奏が前面に出てくればという音。
シアター公演にしては全体的に音が少しおとなしい印象を受けます。
個人的には「recorder
2」のイコライジングし過ぎない程度の音を聴いてみたいところ。
とはいえ聴き比べるからそう感じるわけで、今作だけを聴いていればそこまで物足りなさは感じないかもです。
そしてこの公演を収めた作品自体が入手困難になっているいま、レア曲満載公演のリリースの意義は大きいかと。
なお、元音源はCD-R2枚にセパレートされていたので、キース・コーナーが分断される形で面割れしているのもそのまま。
演奏についてはあれこれ言うに及ばず、レア曲も堂々と演奏しており、多少のもたつきなどものともせず、チャーリーの力強いドラムがまた心地よい。
LICKSツアーからもう20年も経ったのかと感慨深いですが、この時でもミックとキースは60手前の58歳にしてほんとに素晴らしい公演です。
というわけで今となっては入手困難なレア曲満載のシアター公演、個人的には少しおとなしいかなと感じますが、見事にナチュラルに仕上げた音で楽しめる作品でした。
Mar 2022
『 SYDNEY 1973 1ST NIGHT 』 no
label (2CD)
aud.recordings@Royal Randwick Racecourse, Sydney,
Australia. Feb.26, 1973
●Disc
1
1. Audience - 2000 Light Years From Home Intro / 2. Brown Sugar / 3. Bitch
/ 4. Rocks Off / 5. Gimme Shelter / 6. Happy / 7. Tumbling Dice / 8. Love In
Vain / 9. Sweet Virginia
●Disc 2
1. You Can't Always Get Want You Want
/ 2. Honky Tonk Women / 3. All Down The Line / 4. Midnight Rambler / 5. Band
Introductions / 6. Little Queenie / 7. Rip This Joint / 8. Jumping Jack Flash
/ 9. Street Fighting Man / 10. Land Of Hope And Glory with Fireworks
+ 11.
2SM Sydney Radio December 1974 - Interview with Mick Jagger About Mick Taylor
Leaving The Stones
なかなかチャレンジングなタイトルの登場です。
元はネット音源ですが、こういうチャレンジ好きです(笑)
初心者お断りの玄人志向、でもこれがいけるなら結構いけるクチじゃね?という芋焼酎のような作品。
はい、こちら最近ネットにアップされた、Wazによるドリスのマスターカセットからという、1973年ウィンターツアーの中でも有名な2/26シドニー公演。
2/26シドニー公演といえば、2/24パース公演とのカップリング『HAPPY
BIRTHDAY NICKY』(OH BOY 2-9039)、単独収録の『ROCK'N ROLL STEW』(VGP-173)、そして2/24パース公演とのカップリングのアップグレード盤『HAPPY
BIRTHDAY NICKY』(DAC-017)といったSB音源が有名。
そう、この2/26シドニー公演はSB音源が有名なのです。そこに殴りをかけるのが今作。
いや殴りをかけるというか、この隠密音源も昔からブート化されていたのです。その辺の解説はインフォが詳しく熱いのでそちらを。
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都合二回行われた73年のシドニー公演は驚いたことにどちらのステージもPAアウトで、なおかつステレオに振り分けられたサウンドボード録音が流出していますが、初日の方はさらにオーディエンス録音が二種類も存在するという恵まれた状況。もっともサウンドボードが存在する以上、あくまでサブソース的な存在となってしまう訳ですが、それでも無視できない存在であったのは確か。
そんな二種類存在するオーディエンス録音ですが、最初に登場した「recorder
1」はIMPレーベルの『WINTER TOUR 73』にてお目見え。ところが当時ですらこの日はサウンドボードが席巻していたせいで見向きもされず。それでも面白いことに、もう一つの音源「recorder
2」もさほど時間を開けずにリリース。それがSHAVED DISCからリリースされた『VIP
DISHED JOINT』だったのです。
これらオーディエンス録音はどちらもモノラルだったのですが、まず「recorder
1」はギスギスとささくれだった質感でありながら、ストーンズの演奏やミックのボーカルが大きなバランスで捉えられていて本ツアーのオーディエンスとしては十分に聞きやすい部類に入るもの。その点「recorder
2」の方は演奏こそ大きめなバランスで捉えてくれてはいたものの、音質がこもり気味という問題を抱えていました。にもかかわらずDAC『HAPPY
BIRTHDAY NICKY』など、サウンドボードをメインとしたアイテムの補填要員に用いられていたのは「recorder
2」の方でした。
というのもトータルでは「recorder 2」を明らかに上回っていた「recorder
1」だったのですが、先の『WINTER TOUR 1973』がジェネ落ちカセットを使用していたせいで本音源の聞きずらさが強調される結果となってしまい、音源本来の魅力が伝わっていなかったからなのです。
---------
ということで、ジェネ落ちカセットからの『WINTER
TOUR 73』(IMP-CD 016-17)の元であるドリスの「recorder 1」が、今回マスター・カセットからによるアップグレードがなされたのが今作。
ちなみにこの「recorder
1」の録音者ドリスと「recorder 2」の録音者は、後に友人となる仲間で、この「recorder
1」のマスター・カセットからの音源を公開をしたのは「recorder 2」の録音者。
公開時のインフォには録音時のエピソードも綴られていて面白い内容ですが、そこには「recorder
2」のマスター・カセット音源は50周年の来年公開されると宣言されています。
きっとその「recorder
2」も素晴らしいものが登場しそうですが、それは来年のお楽しみということで。
はい、前置きが長くなってしまいましたが、SB音源が席巻する2/26シドニーをあえての隠密音源でという今作。
ネットに公開された音源は高音きつめでしたが、その高音は見事に緩和されていて、波形を調べてみるとなるほどこのあたりの周波数かと。
そしてIMP盤を今聴いてみるとこれはこれで全然聴けちゃうんですが、今回はさすがはマスターからという向上をみせています。
とはいえ73年の隠密ですので劇的な向上というよりは、ヨレがなくなり定位が安定して音場が広がりクッキリすっきりしたサウンドになったという向上で、ビンテージ隠密録音らしいところは変わりません。
既発の"good"が"very
good"になった程度ではありますが、隠密慣れしているマニアにとっては素晴らしい向上で、これがいけてしまうのであります(笑)
演奏はエキサイティングなストーンズど真ん中で、隠密のちょいとギスギスした音もストライク。
"Rocks
Off"での「座りやがれ」「座れクソガキ」といった連呼から、"Love In Vain"では「あなたのお尻を見るために5ドルも払ってないわよ。座れ、このクソガキ」という賑やかで邪魔な声も(笑)
でも"Love
In Vain"が終わると、こんどは他の人が座っている人に対して「立って」と声をかけているのも聞こえます。
ちなみにこうした「座れ」はモカンボでも聞こえますね。
このスローパートなんてほんとに素晴らしい録音なので、その声さえなければさらにいいのにとは思いますが、これはこれで面白い。
また、"Sweet
Virginia"ではミックはカウボーイハットを被っていたようで、終了時には「返すよニューマン」と言っているのは、キースのギターテックを務めていたテッド・ニューマン・ジョーンズのことだったかなと、公開時のインフォに紹介されています。
ちなみにこの「recorder
1」は「recorder 2」よりも冒頭の録音開始が早く、ビートルズの"Don't Bother
Me"が会場に流れていたところも収録されています。
いやそうしたエピソードはともかく、この演奏が熱い!
演奏の素晴らしさはもちろんSB音源でも感じられたことですが、会場の空気も伝わる隠密ならではのこの肌触りが最高です。
繰り返しますが、そんな風に感じるのは隠密慣れした玄人なわけですが、"Gimme
Shelter"でテイラーの音が割って出てくるところなんて既発とは聴こえ方が全然違ってしびれます。
"Midnight
Rambler"などところどころに既発盤にはなかったノイズが右chに入っていますが、そのノイズすらフレッシュだと錯覚を覚えるほどです(笑)
それにしてもその"Midnight
Rambler"は暴走機関車かという凄まじさ。
そこでのチャーリーの見事なコントロールがまた絶品で、ストーンズだけでなくサポメンも含めたバンド全体でたたみかける加速減速自由自在なダイナミズムといったらもうたまりません。
そしてキースの紹介からの"Little
Queenie"への入りもたまりませんねこりゃ。
そんなことはSB音源でもそこはわかるとはいえ、会場のうねりが伝わる隠密ならではの臨場感マシマシがたまりません、マニアには(笑)
この隠密をSB音源とマトリクスさせたらさらに面白いんじゃなかろうかと思うんですが、どうでしょうね。
来年「recorder
2」が出てくれば「recorder 1」と「recorder 2」とのマトリクスや、SB音源とのマトリクスというのも出てくるかもですが。
最後におまけで翌年にシドニーのラジオで放送された、テイラー脱退に関するインタビューが収録されています。
そんなことも考えつつ、調整も見事なアップグレードで、マニアにはすこぶる楽しめるチャレンジングな作品でした!
『 LOVE ROCKS NYC 2022 』 Uxbridge
(1DVD-R)
pro shots & aud.shots@Beacon Theatre, New York
City, NY. Mar.10, 2022
Pro
Shot
1. Intro / 2. 999 / 3. Band Introductions / 4. You Got The Silver /
5. Before They Make Me Run
Audience Shot
6. Intro / 7. 999 / 8. Band Introductions
/ 9. You Got The Silver / 10. Before They Make Me Run
ビーコン・シアターで行われたチャリティ・コンサート「Love
Rocks NYC 2022」に出演したキースのライブをプロショットと隠密ショットの両方で収録したDVD-R。
ワディ・ワクテル、アイヴァン・ネヴィル、スティーヴ・ジョーダン、そしてチャーリー・ドレイトンはボブ・ディランとのツアーに参加しているために代わりにウィル・リーがベースを務めたX-Pensive
Winosを従えたキース。
そして3曲だけということもあって、キースの最高な全力演奏が見れる素晴らしいライヴ。
ちょいとシャツのボタンが外れてお腹がちらほら見えるのはご愛嬌でしたが。
それにしても『MAIN
OFFENDER』30周年記念盤の宣伝もあってのライヴでしたが、まさか3曲のうち2曲もストーンズの曲をやるとは思いませんでした(笑)
そんなわけですが、まずはプロショット。
YouTubeにあった綺麗な映像はPC画面のキャプチャーのようで、画面下部には再生バー、右上にはいいねなどのアイコンがありましたが、こちらにはそんなもの無し!
音は同じくステレオ。そしてYouTubeのには"You
Got The Silver"では数秒間固まるシーンがありましたが、こちらはそこはカットしてつまんだ形跡あり。
あら?なら元は同じなのか?と思ってもう一度よく見比べたら、今作のはそのYouTubeの同じ映像から上下左右をトリミングしてカットしてるんですね。
でも邪魔なものもなく、数秒間の停止もないしいい感じです。
隠密ショットはYouTubeからのマルチアングルですが、基本は斜め右側からの安定したショット。
ただしこちら元は1080pのところ、720pになってます。収録時間が短いし、DVDでも1080pにしようと思えば出来るとは思うんですが、それだと再生に問題ある場合もあるからですかね。
でもまぁ720pでも綺麗ではあります。
いやしかしこういうライヴを生で見れちゃうNYCってほんといいなぁと思いながら、プロショットと隠密ショットで堪能できる作品でした。
『 SALT LAKE CITY 2005 』 no
label (2CD)
SB recordings@Delta Center, Salt Lake City, UT,
Nov.22, 2005
●Disc
1
1. Intro / 2. Start Me Up / 3. You Got Me Rocking / 4. She's
So Cold / 5. Tumbling Dice / 6. Rain
Fall Down / 7. It's Only Rock'n Roll / 8. Wild Horses
/ 9. All Down The Line / 10. Night Time Is The Right Time / 11. Band Introductions
/ 12. Slipping Away / 13. Infamy
●Disc
2
1. Miss You / 2. Rough Justice / 3. Get Off Of My Cloud / 4. Honky Tonk
Women / 5. Sympathy For The Devil / 6. Brown Sugar / 7. Jumping Jack Flash /
8. You Can't Always Get What You Want / 9. Satisfaction
これ、紹介していいのかよくわかりませんのでちょこっとだけ。
以前ギフトCD-Rで配布されたアイテムがリマスターされてCD化。
個人的にはこのライヴはBlu-rayからのハイレゾを聴いているので、このCDを聴くことはあまりなさそうですが、このジャケにはそそられます。
以前のギフトからはデザインも進化して『A
Little Bang (Bigger Bang Tour EP)』風のカッコいいデザインに。
あとリマスターされているとのことですが、元が元だけにそう違いがあるものでもないかと。
ということで最高のライブが最高のサウンドで楽しめる作品ですが、映像はCopacabana
Beachのボーナスでリリースされていますので、まずはそちらをというのが筋。
でもそちらでは映像作品のみなのでという作品でした。
『 ODE TO A FLOWN BIRD 』 (PRAYING
& PLAYING) Outsider Bird Records OBR 93 CD 040 (2CD)
aud.recordings@Gillette
Stadium, Foxborough (near Boston), MA. Sep.20, 2021
●Disc
1
1. Let's Spend The Night Together / 2. Tumbling Dice / 3. Statement For
Charlie Watts / 4. Under My Thumb / 5. Troubles A' Comin / 6. Living In A Ghost
Town / 7. You Can't Always Get What You Want / 8. Midnight Rambler
●Disc
2
1. Band Introduction / 2. Miss You / 3. 19th Nervous Breakdown / 4. Start
Me Up / 5. Gimme Shelter / 6. Sympathy For The Devil / 7. Jumpin' Jack Flash
/ 8. Satisfaction
No Filter 2021ツアー開始前、ボストン近郊のフォックスボロのジレットスタジアム内に設けられたテントで行われたプライベート・ライブの隠密音源がOBRからリリース。
3面見開きの紙ジャケで、内側には300枚限定のシリアル・ナンバー入り。そして表裏にはOutsider
Bird RecordsのスタンプというOBRらしいスタイル。
このライブはNFLのニューイングランド・ペイトリオッツ、MLSのニューイングランド・レボリューション、そしてここジレット・スタジアムのオーナーである億万長者のロバート・クラフト氏とその一族お友達のために開催されたスペシャル・ライブ。
ロバート・クラフト氏は2016年にもストーンズにプライべート・ライブをやってもらっていて、これが2回目となるというとんでもない億万長者。
そして見るだけでウルッとくるタイトルとジャケット、そのタイトルはチャーリーによる『Ode
to a highflying Bird』へのオマージュ。
『Ode to a highflying Bird』とは、チャーリーがグラフィックデザインの学生だった1960年に制作した、チャーリー
"バード" パーカーを自らの絵と文章で描いた作品。
こちらオリジナルは1965年に出版され、1991年にCD/LPとのボックスセットとして再発されています。
ジャケットに描かれている素敵な絵もそのチャーリーの絵へのオマージュとなっています。
そしてサブタイトルの"Praying
& Playing"とは、このライブでミックからチャーリーへ贈る言葉が述べられた後にロニーが告げた"Charlie,
we're praying for you and playing for you."から。
そのロニーのやさしい言葉はtrk.3で聴くことができます。
そう、こちらはチャーリーが亡くなって初めてのストーンズのライブを収録した作品。
関係者のみというライブということもあって、ごく一部の音や映像がネットに出回っていましたが、全ての演奏が収録されたものが世に出るのは初めて。
そんな貴重な音源ですが、こちら録音ポジションが低いようでダイレクトさはなく、僅かにこもったように聴こえる音で、元からなのかはわかりませんが、全編モノラルです。
そして高周波域にも信号は入っているものの実質10khzまでなので、元はスマホ録音なのかもしれません。
ということで音質的には"very
good"ですが、これでしか聴けない貴重なライブ音源が完全収録されています。
ツアー開始の6日前、スティーブ・ジョーダンがチャーリー亡きあとをつとめた初のストーンズのライブにして、"Troubles
A' Comin"(ジャケには"Trouble's A Coming"と記載)と"Living In A Ghost Town"がライブ初演となったライブ。
思えばこのライブの音が一部ネットに出回った時に、ミックが"Troubles
A' Coming"をシャイ・ライツのと紹介したことで、この曲がThe Chi-Litesが1970年にリリースした"Troubles
A' Comin"のカヴァーだったということを知ったんでした。
他にも結局ツアー初日のセント・ルイスでしかやらなかった"Under
My Thumb"、2021ツアーの目玉"19th Nervous Breakdown"が飛び出すなど、ウォームアップ・ギグがわりとはいえサービス旺盛です。
そしてこの日の"Miss
You"でもミックはプリンスの"Controversy"からのスニペットを入れてたという新たな発見も。
でもウォームアップを兼ねたツアー開始前の一発目ということで、まだ噛み合っていないところもちらほら。
特にツアー中盤あたりまでパッとしなかった"Midnight
Rambler"は無理やり感のある感じ。
"19th Nervous Breakdown"も勢いはあれどもバンドがばらついています。
でもそりゃそうです、まだまだバンドに加わったばかりですからね。
それにチャーリーのドラムを完コピして欲しいわけでもないですし。
とはいえその後、スティーブはチャーリー亡きあとを見事に勤めてくれましたね。
チャーリーがいなくともそうしてチャーリーの事ばかり考えてしまうことによってチャーリーを感じるライブ、裏ジャケを眺めながら感慨深く聴きました。
そしたらキースの演奏とか頭に残らなかったので、また落ち着いてリラックスして聴いてみたいと思います。
ということで決して昨今あふれる超高音質隠密ではありませんが、かといって音が悪いというわけでもなく、何よりこれでしか聴けない超貴重な音が聴けるという、さすがはOBRという作品でした。
『 TORINO 1982 DAY 1 』 no
label
(2CD)
aud.recordings@Stadio Comunale, Torino, Italy. Jul.11,
1982
●Disc
1
1. Take The A Train / 2. Under My Thumb / 3. When The Whip Comes Down /
4. Let's Spend The Night Together / 5. Shattered / 6. Neighbours / 7. Black
Limousine / 8. Just My Imagination / 9. Twenty Flight Rock / 10. Going To A
Go-Go / 11. Let Me Go / 12. Time Is On My Side / 13. Beast Of Burden
●Disc
2
1. You Can't Always Get What You Want / 2. Band Introductions / 3. Angie
/ 4. Tumbling Dice / 5. She's So Cold / 6. Hang Fire / 7. Miss You / 8. Honky
Tonk Women / 9. Brown Sugar / 10. Start Me Up / 11. Jumping Jack Flash / 12.
Satisfaction / 13. 1812 Overture
82年の欧州ツアーからイタリアはトリノ公演のアップグレード盤が登場。
この1982/7/11は期せずしてFIFAワールドカップの決勝戦の日で、開催国スペインでは20時からイタリアvs西ドイツの決勝が行われ、イタリアが9大会ぶり3回目の優勝に輝いた日であります。
そんな記念すべき日ということで、このトリノ公演といえばのオリジナルブートはタイトルはMUNDIALITO、レーベルにはワールドカップが描かれ、表ジャケにもサッカーボール、裏ジャケには優勝メンバーの写真と、イタリアのワールドカップ優勝記念盤のようなものでもありました。
この公演はその3LPと同一音源から、CDではVGPの『MUNDIALITO
1982』(VGP-121)、そして2012年末にはLHから『MUNDIALITO '82』、2014年にはDACからロージェネマスターからの『MUNDIALITO
'82』(DAC-132)がリリースされ、リリースされるたびに音質が向上してきたものでした。
その向上ぶりはNew
Arrivalsの2014年5月のDAC盤を参照いただくとして、今回はさらにその上を行くアップグレード盤です。
いずれも大元のマスターは同じですが、今回のマスターは3年前にネットに遂に登場したマスターからのもの。
ということでこの音源からはもうこれ以上は望めないアップグレードとなるわけですが、LHの2012盤が"very
good+"、DAC盤が"very good++"ときて、いよいよこのLHの2022盤で文句なしの"EX-"です。
マスターからというわけで、ギターのクリアネスにナチュラルさなど既発ベストのDAC盤からも一皮むけたサウンドで、聴いていてほんとに嬉しくなります!
もちろん隠密録音ですのでそれなりにノイズは入っていたりしますが、最高のクリアネスで楽しめてこの音源がいかに素晴らしかったかを思い知るサウンド。
こちらネットに公開されて3年も経ちましたが、リリースのタイミングを計っていたのか、ようやくのリリースがほんとに嬉しい。
"Let's
Spend The Night Together"での構成間違えにも、"Time Is On My SIde"でのノイズにも、"Angie"での歌詞の間違いにも、そうそうそうだったよなと。
そういえばDAC盤を紹介した時、キースの"Little
T&A"がすっ飛ばされてるのがなぜだかはよくわかりませんがと書いていましたが、これスペインと同時間帯のイタリアでも夜8時から始まるワールドカップ決勝戦を前に落ち着かない観客のためにキース・コーナーは急遽省かれたんでしょうね。
今回は既発盤とは区別をつけるためか、お馴染みの伝統的なタイトルやジャケとは決別し、ワールドカップ優勝色が消えたのは少し寂しい気もしますが、地名もこれまでのTurinという英語表記からTorinoという現地表記になり、当日の写真やパンフの画像がふんだんに使われた新ジャケとタイトルでの見事なアップグレードです。
そしていつものことながら、LHの丁寧なアジャストもナイス。
公開されたマスターからの音源も半音の35から50%弱という僅かに低かったというピッチも今回しっかり修正されています。
いやしかしこれをウキウキして聴いているのは、モカンボのオフィシャル・リリースが確実となった嬉しさやキースのLove
Rocks NYCでの好演奏やツアー発表目前の嬉しさからでは決してありません。
いやそれもあるかもですがの2022/3/12早朝(笑)
でもVGP、LH、そしてDACと向上してきた流れをリアルタイムに体験してきた身としては遂にこれ以上はない最高のものが降臨したと、ほんとに嬉しいリリース。
そしてそれらを聴かれたことない方には驚きの超良好隠密としてオープニングからラストの序曲1812年と花火まで最高の臨場感をもってフルに楽しめることかと。
ということで素晴らしい演奏のトリノ公演がこれ以上は望めない最強のアップグレード盤で降臨したことを手放しで喜ぶ嬉しいリリースでした。
『 MANNHEIM 1973 』 no
label
(1CD)
aud.recordings@Eisstadion, Mannheim, West Germany. Sep.3,
1973
●Disc
1
1. Introduction / 2. Brown Sugar / 3. Bitch / 4. Gimme Shelter / 5. Happy
/ 6. Tumbling Dice / 7. 100 Years Ago / 8. Star Star / 9. Angie / 10. Sweet
Virginia / 11. You Can't Always Get What You Want
●Disc 2
1. Dancing
With Mr.D / 2. Doo Doo Doo Doo Doo (Heartbreaker) / 3. Midnight Rambler / 4.
Band Introductions - Honky Tonk Women / 5. All Down The Line / 6. Rip This Joint
/ 7. Jumping Jack Flash / 8. Street Fighting Man
ストーンズのライブ絶頂期である1973欧州ツアーの2日目、西ドイツはマンハイムでのライヴを収録した隠密音源がアップグレードされて登場。
このマンハイム公演、Hot
Stuff本編では紹介していませんでしたが、これまでちょいと音は遠い"recorder
1"が『MANNHEIM ON ICE』(OBR 458CD027)によって1996年にリリースされ、その後2008年にはよりクリアな"recorder
2"がEXILEから『FIRE AND BLIMSTONE』(EXM-008AB)、そしてDACから『GERMANY
1973』(DAC-072)がリリースされていました。なお、OBR盤でもラスト3曲は"recorder
2"を使用しています。
↓両音源の代表盤であるOBRとDAC。
なお、これら以前に"recorder
0"とも呼ぶべき別音源"recorder 3"はアナログ及び復刻CDである『100%
ODD LOTS OR "THE BEST OF THE REST"』に"100 Years Ago"のみ収録されていましたが、そちらはその1曲のみ。
今回はその"recorder
2"のアップグレード音源からのリリース。
数年前にネットに出回ったというその1stコピー音源、わたしPCを探すも持っていませんでしたが、トレントサイトではすでにdead
torrentになってしまっており、そのインフォのみ確認できました。
いわくこの音源、マスターテープは既に録音した本人により消去されてしまっており、その1stコピーが現存する最良ソースとなるわけですが、今作はその1stコピーから。
という今作、さすが1stコピーからというだけあって高音の伸びが自然になっています。
というのも既発のDAC盤では7khz以上はすっぱりカットされていたのです。そのためDAC盤はヒスノイズはないものの、暗い印象の音になってしまっていました。
その点、今作は20khz以上までしっかり入っており、高音の伸びも自然な音に。かわりにヒスノイズも入っていますが、ナチュラルです。
さてこの会場は、OBRの『MANNHEIM
ON ICE』というタイトルが表すとおりスケートリンク。
スケートリンクといえども、9月ということでコンサート会場などに使用されていたんでしょうが、屋内会場にしてもDAC盤では音が暗いのが残念でした。
OBRの"recorder
1"も16khzほどから落ち込んでて僅かに暗く、さらにちょいとエコーがかかった音だったので、この"recorder2"が高音まで伸びたことは、ヒスノイズも増えたとはいえ朗報。
冒頭"Brown
Sugar"ではちょいと音が遠くて演奏は薄く、"Bitch"冒頭では音が埋もれますが、以降はマイクの見晴らしがよくなったようでスッキリ音が開けます。
なお、冒頭"Brown
Sugar"が始まった時の割れんばかりの手拍子は臨場感に溢れており、これはこれで嬉しくなります。
とはいえモノラル隠密でちょいギターは埋もれ気味なので万人受けするものではありませんが、既発の"good〜very
good-"が"very good"にというこのアップグレードはマニアには嬉しいところ。
なお、OBR盤のラスト3曲は同じ"recorder
2"によるものですが、そちらはイコライジングによってギターが前に出ており、そちらを聞きなれているとOBRはOBRでよかったと感じるかもですが、マスターの状態は今作の方が優れています。
なお、この"recorder
2"には"Midnight Rambler"の3:12あたりから50秒ほどテープチェンジによる欠落がありますが、今作では"recorder
1"で補填されています。
ちなみにその補填、DAC盤では5秒弱ほどのダブリがあったと今回のインフォに。また、DAC盤は序盤はピッチが高かったとのこと。
そして"You
Can't Always -"の1分付近での落ち込みには"recorder 1"からオーバーダブ。
さらに"Street
Fighting Man"の44秒付近の音切れに対しては、この部分は"recorder 1"は存在しないため、本音源から似た箇所をパッチしているとのことで、音切れ対策もばっちりです。
なお、同じくこのアップグレード音源が元なのか、2015年にTaranturaから『42
YEAS AGO』(42 Years Agoの間違い)なるタイトルもリリースされていたようですが、タイトルに脱字はあるわ、42年前というのも2015年限定のタイトルで意味不明だということでわたし音しか持ってませんが、そのTarantura盤は前述した欠落などは欠落したままです。
さて、演奏は欧州ツアー2日目ということもあって、レア曲など聴きどころが多いのもこのマンハイムの特徴。
まずはなんといっても残念ながら初日のウィーンとこのマンハイムのみでセトリ落ちした"100
Years Ago"。
新曲でもあり、特に後半の盛り上がりは素晴らしい出来なのにセトリ落ちは残念。
後半のビリー・プレストンとミック・テイラーの絡みがまたいいのに、逆にそれが問題でセトリ落ちしたのか?
この曲、OBR盤の"recorder
1"ではビリー・プレストンが目立っていましたが、今回の"recorder 2"ではミック・テイラーがより聴こえるのもよし。
そして"Bitch"と"Sweet
Virginia"もこの2日目でセトリ落ち。
翌日のケルンでの2回のステージのセトリがはっきりわかってなかったりもしますが、どうやらこの日でこれら2曲がセトリ落ちしたという説が有力。
それにしても"Sweet
Virginia"のセトリ落ちはわからないでもないものの、この熱い"Bitch"を外すとは思い切った組み立てをしたものだとこれを聴いて改めて。
その代わりにというか、この日は初日には演奏されなかった新曲"Doo
Doo Doo Doo Doo"がライブ初登場!
近年のライブでも要所要所で登場するこの曲の初披露がこのマンハイムだったのです。
とはいえツアー後半にはこれまた試行錯誤でセトリから外れたりもしていますが、ここではお初にしてテイラーの見事なプレイを堪能できます。
なお、このツアー序盤では"Silver
Train"が演奏されたりもしていましたが、まさに試行錯誤中ということで、このマンハイムではやっていません。
そしてメンバー紹介は"Honky
Tonk Women"のイントロに被せてというスタイル。
そんなツアー序盤の試行錯誤もうかがえるマンハイム公演、ツアーが始まったばかりということで、絶頂期へと上り詰めていくストーンズの熱気を感じることができます。
特にミックが熱い。そして後にキースからやかましいとたしなめられるほどのテイラーの熱演ぶりが聴けるのもツアー序盤ならでは。
しかしツアー序盤らしくハラハラするところも。
"All
Down The Line"では珍しくミックが後半で構成を間違え、"Rip This Joint"ではキースが半音高いキーで弾くもみんな構わず突っ走るという。
すぐに修正されたので、インフォにあるとおりこれはカポの位置が間違っていたようですが、続く"JJF"では途中からミックのテンションがあら?
しかも途中で構成を間違えそうになってます。演奏が聴き取れない不具合でも起こっていたのか?
そんなわけでラストはどうしちゃったのというところもありますが、"SFM"では見事なテイラー昇龍覇を堪能できます。
そして演奏後の観客の大合唱は"Zugabe"とアンコールを訴えている声なんでしょう、大盛り上がりです。
ということでちょいマニア向けだったのでマンハイムは本編では紹介していませんでしたが、マニアには嬉しいアップグレード。
そして『BRUSSELS
AFFAIR』がオフィシャル・リリースされた今だからこそ、この絶頂期のツアー序盤の演奏をこうした秘かなアイテムで余裕をもってより楽しめるというものだなとあらためて。
Feb 2022
『 BERN 1973 2ND NIGHT LATE SHOW 』 no
label
(1CD)
aud.recordings@Festhalle, Bern, Switzerland. Sep.26,
1973 (Late Show)
1.
Introduction / 2. Brown Sugar / 3. Gimme Shelter / 4. Happy / 5. Tumbling Dice
/ 6. Star Star / 7. Dancing With Mr.D / 8. Angie / 9. You Can't Always Get What
You Want / 10. Midnight Rambler / 11. Honky Tonk Women / 12. All Down The Line
/ 13. Rip This Joint / 14. Jumping Jack Flash / 15. Street Fighting Man
ベルン73のリマスター盤。
73欧州ツアー、ベルンでは9/25、そして9/26には2回の2日間で合計3回ライヴをやっていますが、その3回目最終公演である2日目の2ndショー。
この日の隠密音源は2013年にGodfatherとLHがrecorder1による『BEFORE
THE AFFAIR』(G.R.845)と『BERN 1973 2ND NIGHT SECOND SHOW』、DACからはrecorder2によって『SWISS
MADE VOL.2』(DAC-129)がリリースされていました。
recorder1と2の違いなどはnew
arrivalsの2013年を見ていただくとして、今回はそのrecorder1の元音源にさかのぼったリマスター。
リマスターは最近のリマスターを一手に引き受けるGraf
Zeppelinによるもの。
インフォにあるメモによると、そのリマスターは以下のとおり。
★2013年頃に出た「Bern 1973 2nd Night
Second Show」の、いわばリベンジ盤と言った趣のタイトル
★今回は同じソース(Audモノ音源)ですが、GR盤のコピーではない枝葉違いのネット音源を元にしています。
後述のとおりイントロ部は別ソースの補填をしてるため分からなくなってますが、元々2秒ほど前回盤より本盤のがアタマが長かった。
★位相修正と、片chの音切れなど補正のうえで最終的にMono化。位相ズレもないスッキリした定位に。
★帯域調整。低域と中域を中心に嫌みのない範囲で調整。
★前回盤(及びGR盤)では、全般においてオーディエンスの拍手の音が削り取られていた。
今回盤はそのような処理のなされていない、純正のありのままの音。
もっとも、拍手がパチパチ入るか入らないかで好みの問題はあるところではありますが、ここではリアルの実際の現場の出音を重視。
なお、前回盤ではそれら拍手類の削除痕があるため、削除痕箇所には縄跳びの音のようなフォンフォン、パシャパシャした浮遊感のある音が残っている。
★Midnight
Ramblerにて本ライブ唯一の曲中カットがあり、欠落部は同日の別ソースから改めて補填。聴感上の違和感はないと思います。
ただし、この別ソースの補填パート中にも曲中カットが実は存在してまして(本盤ランブラーの5:24付近)、
これは既発の前回盤やGR盤をチェックしても該当箇所は上手くクロスフェードがなされているのです。
★前後しますが、ライブイントロ部もミックの叫び声が絡む箇所がありますので別ソースで出だし18秒ほどを補填。
しかしわたし鈍感なもので、近くで鳴る拍手を削るイコライジング、そんなにフォンフォン、パシャパシャとしたイコライズ感だったっけ?と。
ということで今作で手拍子が聴こえるところを新旧聴き比べると面白いもので、"Brown
Sugar"で今作では0:03からしばらくや1:33に1:52に3:26あたり、旧作では0:08からや1:38に1:57に3:31あたり(5秒ずれてるのは、今作では長くなってチャプター1として独立しているイントロダクションが旧作では5秒と短いのでチャプター分けされていないため)、単発で手を叩く音が入っているところも微妙に消されていたことがわかります。そしてわかりやすいのは"Angie"終了後とか"JJF"でのミックが歌っていない部分。
これらを聴くとなるほどとこのイコライジング感のことかと思いますが、逆によくここまで綺麗に消してたなと感心したり(笑)
ということでなるほど確かに今作の方が僅かにナチュラルです。
とはいえ元の"very
good"が"EX-"になるといった劇的な変化ではありませんが、スカッとした"very
good+"になっています。
あとインフォには書かれていませんが、"Brown
Sugar"冒頭でパチッと鳴るデジタルノイズも消えていて、演奏が始まったというところで鳴るこれが残念だったので、今回消えたのはナイス!
そして前作ではトレー下の写真がなぜか69年のものでしたが、今回はしっかりと表裏ジャケもベルン公演の写真がふんだんに使われているのもナイス。
まぁこうしたリマスター盤が頻繁にリリースされるとついていくのも大変ですが、インフォにあるとおり73欧州を収めた素晴らしい隠密音源なのに入手困難になっているからということだなと。
確かにこの音が入手困難というのはいかがなものかと。まぁ数量限定にするからそうなっちゃうわけですが、それはそれで仕方ない。
しかしこのベルン、"Gimme
Shelter"にしても"Mr.D."にしても"You Can't Always-"にしてもテイラーが素晴らしい。
そしてなるほど、この日の"Honky
Tonk Women"はチャーリーから導かれて始まるというのがレアだったんだなと。
それにしても73欧州がこの音質で残されているというのはほんとに素晴らしい。
こうしたリリースによって、あらためてこの素晴らしいベルン73をじっくり聴けるというのもいいものです!
『 JAPAN TOUR 1988 JAPANESE TV SPECIALS - MICK JAGGER 』 no
label
(1DVD-R)
pro shots@various TV programmes compilation
これ、最高です。
ストーンズが来日する前というか、それが実現するのかもわからない、もう解散しちゃうんじゃないのかとまで一ファンは思ってた、1988年のミック初来日狂想曲がふんだんに!!
よくぞここまで録画してくれていました!しかも綺麗!!
無粋な紹介なんぞ不要。あの時はこんな感じだったなぁ〜と、ほんとに楽しめます、そして笑えます(笑)
↓中身については長く詳しいインフォから抜粋して。
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ストーンズに先駆けて列島を揺るがしたミック・ジャガーの初来日。忘れ得ぬ、あの「1988年の春」が鮮やかに甦るTV番組コンピレーションが登場です。
そんな本作に収められているのは、ミックの来日当時に放送されたTV番組の数々。
以前、同じようなタイトルのギフト・タイトルが大ヒットを記録しましたが、本作はあの名作をベースにしつつ、約73分に大増量された拡張版です。
内容は一瞬取り上げただけのニュース番組から特番まで、多様な14種もの映像で構成されています。
収録は放送の時系列順で、おおよそ次の5種に大別できる。前回版のおさらいも含め、それぞれ詳しくご紹介していきましょう。
【3月7日:成田到着ドキュメント(2種)】
まず登場するのはニュース番組での来日告知と、実際に成田空港に到着した「3月7日」の朝ワイドショー「おはよう!ナイスデイ」。
【3月8日:記者会見(3種)】
続くは、翌日に行われた赤坂・全日空ホテルでの記者会見。「3時のあなた」「ニュースステーション」「おはよう!ナイスデイ」。
【3月10日:ロングインタビュー/12日:直前告知(2種)】
お馴染み「ベストヒットUSA
with ミック・ジャガー」。「3月10日」に収録され、2週間後の3月23日に放送されたもの。
★新規映像その1★
「Under
My Thumb」のライヴ映像は前回にもありましたが、今回はさらに5曲「Throwaway」「Say
You Will」「Jumpin' Jack Flash」「Hard Woman」「One Hit (to the Body)」のクリップもノーカットで。
★新規映像その2★
2つめの新規映像は「ベストヒットUSA」の後に収録された「オールナイトフジ」。
映像としては成田や記者会見の再編集でしかないのですが、「観に行かれるんですか?」と訊くスタジオ・トークなど、初日公演を目前に控えた告知が生々しい映像です。
【3月15日:大阪公演/20日:延期告知(3種)】
ここで貴重な来日プロショット映像が登場!
「3月15日:大阪城ホール」公演の「Throwaway」。あくまで番組ナレーションが付く短めのワンカメ映像なのですが、歴史的なミックの日本初演がプロショットで観られるお宝です。
さらに衝撃的なのは「3月20日」に放送された延期告知テロップ。「阪神vs南海」オープン戦の中継映像と、競馬番組の最中に流れたもの。
「本日予定しておりましたミックジャガー振替公演は、、、、」この文言もさることながら、録画されていた事実にも驚く。
本作は記録マニアによる録画映像なのですが、このテロップを目当てに放送を録画し続けていた(!?)という事なのでしょうか……。
確かに「3月19日」の会場で「テロップでお知らせします」とアナウンスされてはいましたが、それが何時なのか分かるはずもない。恐るべきマニア魂です。
【3月22日:東京公演(4種)】
これまた超貴重なプロショット! 東京初演「3月22日」に放送された「ニュースステーション」。
当日2曲目「Throwaway」が約3分に渡って流れるのです! 勿論、この日のライヴはテレビ放送されるわけですが、これはこの時限りの完全ディフ映像!!
さらに「ニュースステーション」とは別バージョンの「Throwaway」をフィーチュアした「おはよう!ナイスデイ」も収録。
★新規映像その3★
最後に新規映像が2種追加。まずは再び「オールナイトフジ」。名古屋公演(3月26日)の当日に放送されたもので、3月27日に予定されていたコンサート放送を告知するもの。
★新規映像その4★
最後の最後も新規映像、吉○照美の「VIDEO
MAGAZINE」。
すでに全公演が終了しており、鳥井賀○や松金よね○がミックを語ったり、一般客を居酒屋に集めて座談会したり。
感想会なコメントもリアルではありますが、可笑しいのはむしろスタジオトーク。
以上、14種・1時間13分16秒に及ぶ歴史的な証言映像です。
大人気だったギフト版より30分近くも増量され、たとえ当時を知らなくてもドキュメンタリー映画として面白く、想い出が深いほど時代の薫りが鼻腔をくすぐる超娯楽大作。
★ミック・ジャガー初来日のプロショット集。当時の日本で放送されたTV番組コンピレーションです。
一瞬取り上げただけのニュース番組からミックがたっぷり語るインタビュー特番まで、多様な映像を14種も収録。
事前の来日告知から始まり、成田到着、記者会見、直前特集、本番レポート、急病延期事件、そして終了後の感想会……時系列に収録され、列島を揺るがした初等日が鮮やかに甦る。
ドキュメンタリー映画クラスの見応えを誇る約73分の歴史的大傑作です。
『 L.A. FORUM 1975 4TH NIGHT 』 no
label
(2CD)
SB.recordings@The Forum, Inglewood, CA. Jul.12, 1975
●Disc
1
1. Fanfare For The Common Man / 2. Honky Tonk Women / 3. All Down The Line
/ 4. If You Can't Rock Me - Get Off Of My Cloud / 5. Star Star / 6. Gimme Shelter
/ 7. Ain't Too Proud To Beg / 8. You Gotta Move / 9. You Can't Always Get What
You Want / 10. Happy / 11. Tumbling Dice / 12. It's Only Rock'n Roll / 13. Band
Introductions / 14. Doo Doo Doo Doo Doo (Heartbreaker)
●Disc 2
1. Fingerprint
File / 2. Angie / 3. Wild Horses / 4. That's Life / 5. Outa Space / 6. Brown
Sugar / 7. Midnight Rambler / 8. Rip This Joint / 9. Street Fighting Man / 10.
Jumpin' Jack Flash / 11. Sympathy For The Devil
LA75シリーズが続きます。5th
Nightのミラード・マスターが公開されるまでは、おそらくこれでLA75シリーズは一区切りであろう4th
Night。
LA75は、2012年にStones Archiveにて『L.A. FRIDAY』として7/13のオーディオ、そして2014年にはStones
Archiveから『L.A. Forum (Live in 1975)』として7/12の映像とボーナスとして7/13のオーディオが付属する形態もリリースされました。
ただし、通販限定スペシャルボックスにはさらに7/12の映像からのサントラCDも付属していたのでした。
そんな7/12ですが、その映像のオフィシャル・リリースにあたっては、そのオーディオに何らかの問題があったようで、"Rip
This Joint"の冒頭50秒ほどは7/10に、"JJF"では中盤90秒ほどが7/11に差し替えられていましたが、後者ではそこが左右逆になってしまってました。
また、サントラCDではラストの"Sympathy
For The Devil"の演奏終了後、ドラムロールが終わり切らないうちにフェードアウトが始まるという点も指摘されたりしてました。
ということでその"JJF"と"Sympathy
For The Devil"の2点が修正されたサントラCDが今作です。
"JJF"ではその差し替え箇所では急にキースの音が小さくなるのでこれはこれで違和感がありますが、めでたしめでたし。
音質はもちろん最高"EX"です。
というわけですが、これ紹介していいいんだろうかということで、以上!
Jan 2022
『 L.A. FORUM 1975 1ST NIGHT 』 [Previously
Uncirculated Source] no
label
(1CD)
aud.recordings@The Forum, Inglewood, CA. Jul.9, 1975
1. Doo Doo
Doo Doo Doo (Heartbreaker) / 2. Fingerprint File / 3. Angie / 4. Wild Horses
/ 5. That's Life / 6. Outa Space / 7. Brown Sugar / 8. Midnight Rambler
/ 9. Rip This Joint / 10. Street Fighting Man / 11. Jumping Jack Flash / 12.
Sympathy For The Devil
LA75シリーズが続きます。
今度はLA75公演の初日、7/9の中盤以降を収録した新音源がリリース。
この音源は2022年にDimeに公開されたストーンズ音源の第一号。
なお、LA75といえばのMike
Millard音源は、まずは初日の7/9、そして昨年末まで7/12だと信じられてブートにもそう記載されてきた3日目の7/11は途中まで、そして逆に7/11だと信じられてきた7/12、そして超絶音源である7/13の4日間が遺されており、今作の初日もしっかり。
そのMike
Millard音源によるLA75初日は、『L.A. OPENING NIGHT』(TOTONKA CDPRO 17/18)、『WHORES,
COCAINE AND A BOTTLE OF JACK』(Empress Valley EVSD-43/〜50)、『L.A. FOG』(VGP-277)、『LIVE
AT L.A. FORUM July 9, 1975』(SCREAMER 04008/009)、そしてDACが2006年にリリースしたこの日の代表盤『LOVE
YOU LIVE LOS ANGELES』(DAC-049)など数々の作品でしっかりブート化されています。
さらに2011年にはそのミラード音源とは別音源の『SMOKING
STONES』がLHからアナログ復刻リリースされています。
↓超絶マイク・ミラード音源代表盤のDAC盤と、別音源のLH盤。
そこにさらなる別音源として現れたのが今作。
この初日はマイク・ミラードの超絶音源がほぼ完全版として残っていることから、そもそも別音源である『SMOKING
STONES』はニッチなタイトルでありました。
そこにトータル79分超とはいえ"Doo Doo Doo Doo Doo"の途中からというステージ中盤以降だけを収録した今作は、かなりマニアックなタイトルであります。
その音質はマイク・ミラード音源には及ばず、『SMOKING
STONES』のモノラルながらもすっきりした音とは違って、ちょいと高音部はくずれた感じながらも、音は近くてわずかに音に広がりのあるステレオ音源で、周りはさほどうるさくもない"very
good"。
高音の抜けがよいわけではありませんがこもってるわけでもないので、すんなり聴けてしまいます。
歓声といえば、"Doo Doo Doo Doo Doo"の後、"Miss Amanda Jones"をリクエストする観客がいまして、彼の望みはその後47年経っても叶わぬままなのが残念であります。
今回の新音源は公開時のインフォによると、欠落した前半部が今後出てくるようなことはないようですが、50年近く経って世に出た新音源ということでマニア心をくすぐります。
ミラード音源では欠落している"You
Can't Always Get What You Want"の中盤をこちらの音源でつなぐとどうなるだろうとか、"JJF"はなるほど頭欠けじゃなかったと確認できたりするという、マニアックな楽しみも(笑)
そして何よりもこうした音源が出てくることで改めてLA75のハイパーストーンズに浸るのもいい。
この頃の"Midnight
Rambler"はたまりませんね。15分越えの熱演です。
そしてラストの"Sympathy For The Devil"も『LOVE YOU LIVE』に採用された熱演であります。
ということで、既発音源とはまた趣の異なる音でもあり、マニアには楽しめる作品でありました。
『 VANCOUVER 1972 』 no
label
(2CD)
aud.recordings@Pacific Coliseum, Vancouver, British
Columbia, Canada. Jun.3, 1972
●Disc
1
1. Introduction / 2. Brown Sugar / 3. Rocks Off / 4. Gimme Shelter / 5.
Bitch / 6. Tumbling Dice / 7. Happy / 8. Honky
Tonk Women / 9. Loving
Cup / 10. Torn And
Frayed
●Disc 2
1. Sweet Virginia / 2. You Can't
Always Get What You Want / 3. Ventilator
Blues / 4. Midnight Rambler / 5. All Down The Line / 6.
Bye Bye Johnny / 7. Rip This Joint / 8. Jumping Jack Flash / 9. Street Fighting
Man
1972北米ツアーの初日、カナダはバンクーバーでのライヴを収録したお馴染みの隠密音源がブラッシュアップされて登場。
Hot
Stuffの1972 USツアーのページのタイトルは、Rock'n Roll Dynamite。
絶滅シリーズから拝借したのか、われながらいいタイトルだと思いながら72のページを作り始めたことを昨日のことのように覚えています(笑)
そんなダイナマイトの導火線にまさに火がついた、黄金期の開幕を告げるバンクーバーがLHから登場。
72ツアー初日は古くから『VANCOUCER
72』(IMP-CD 022-23)などで知られ、その後同じ音源から多くのレーベルからリリースされておりますが、それらはピッチが補正されていないままだったり、2013年には忘れもしないScorpioの迷作にも収録されたりもしましたが、代表盤はいまだにDACが2008年にリリースした『TOURING
PARTY VOL.1』(DAC-079)。
今作も大元は同じ音源ですが、マスターはD&D
Archives Master SeriesにJEMSが参加したVol.3。
わたしのPCには2017年にリシードされた際のものが保存されていますが、インフォには2010年という記述もあるのでそんなに昔から出回っていたんですね。
そちらをマスターにした丁寧なCD化がなされていないことに目を付けての今回のリリースなんでしょう。
そのマスターは少しクラッシュシンバルが耳につくところもありますが、ファースト・ジェネレーションを謳うだけあってカット箇所も少なく既発より曲間は長くなって程度もいい音源。
とはいえこの音源、ステレオ効果がないわりに左右にぶれたりするステレオだったということで、今作では演奏を前面に出すべくすっぱりモノラル化。
そして丁寧なピッチ補正もなされ、なるほどあえていまリリースするからにはと、代表盤の座を奪還する内容になっています。
まぁ元が元ですので、音質は劇的に向上するというほどではありませんが、既発の"good〜very
good-"が薄皮一枚取れて"very good"になったような音で、さらにはモノラル化により断然聴きやすくなっています。
この日は72ツアー初日ということで、"Honky
Tonk Women" "Loving Cup" "Torn And Frayed" "Ventilator
Blues"というレア曲が飛び出します。
特に"Ventilator Blues"はこのライヴでしか演奏されたことがなく、"Torn
And Frayed"もその後2002年に2回やっただけというメガレア曲。
まぁその2曲はこのツアーでは初日のみでボツになったということですけど(笑)
また、当然のことながら初演の曲が多いのが特徴で、『EXILE
ON MAIN STREET』からは69ハイドパークで披露していた"Loving Cup"以外の新曲はもちろん、"You
Can't Always Get What You Want"もライヴ初登場。
そんな72ツアーの初日、"Rocks
Off"ではミックがメロディーラインをあちこちで外したり、前年にやってるのに"Bitch"ではリードギターが入ってこずにミックがやきもきしてたり、"Tumbling
Dice"の頼りなさったらありゃしない(笑)
そんな頼りないところもありますが、"Bye
Bye Johnny"ではなんとキースではなくテイラーがギターソロを弾くというレアな演奏を聴くことができます。
そしてレアなのは演奏だけではなく、裏ジャケに掲載されているこの日のステージ写真からわかるように、この日はキースとテイラーの立ち位置が逆だったりも。
この辺りは以前掲示板で話題にしましたが、きっと何か新たなことをやろうという試みだったんでしょうね。翌日のシアトルではキースはいつもの右に戻ったみたいですけど。
そんなこんなでまさにダイナマイトの導火線に火がついたストーンズを楽しむことができます。
ただ、72にしては"very
good"に向上したとは思いますが、初心者の方が楽しめる音かどうかは微妙であるとは思います。
なお、このバンクーバーでの公演会場ですが、今作にはPacific
Coliseumと記載されています。
一方、NicoのComplete Worksにはこの日の会場はPacific
National Exhibition Forumという、今作表記のPacific Coliseumに近接する建物名が記載されており、DAC盤にもそのPacific
National Exhibition Forumと記載されていますが、チケットに明記されているのはPNE
Coliseumであり、PNE内のColiseumとはPacific Coliseumのことですし、調べてみても会場はPacific
Coliseumと書かれているレビューもありましたので、今作の表記が正しいんでしょう。
ということで中身の向上と収録時間も長くなったというアップグレードだけでなく、表も裏も当日の写真が使われてクレジットも正しくなった今作が72ツアー初日バンクーバーの代表盤と相成りました。
『 L.A. FORUM 1975 3RD NIGHT: MIKE MILLARD
MASTER TAPES 』 no
label
(2CD)
aud.recordings@The Forum, Inglewood, CA. Jul.11, 1975
●Disc
1
1. Fanfare For The Common Man / 2. Honky Tonk Women / 3. All Down The Line
/ 4. If You Can't Rock Me - Get Off Of My Cloud / 5. Star Star / 6. Gimme Shelter
/ 7. Ain't Too Proud To Beg / 8. You Gotta Move / 9. You Can't Always Get What
You Want / 10. Happy / 11. Tumbling Dice / 12. It's Only Rock'n Roll / 13. Band
Introductions / 14. Doo Doo Doo Doo Doo (Heartbreaker)
●Disc 2
1. Fingerprint
File / 2. Angie / 3. Wild Horses / 4. That's Life / 5. Outa Space / 6. Brown
Sugar / 7. Midnight Rambler / 8. Rip This Joint / 9. Street Fighting Man / 10.
Jumping Jack Flash / 11. Sympathy For The Devil
Mike Millard recordings :
D1 trk.1-8 & trk.9 3:25 - trk.10 1:23
Ed F recordings : D1 trk.9 0:00-3:25
& trk.10 1:23 - the end of D2
稀代の名テーパーMike Millardによる超絶隠密録音をマスターから復刻するという、JEMSのThe
Lost and Found Mike the MICrophone Tapesシリーズに遂にLA75が登場。
LA75といえばブートでもお馴染みの7/9-10-11-12-13の連続5公演。
それが2012年、Stones
Archiveから7/13公演の音が、さらに2014年にはFrom The Vaultから7/12公演の映像もくわえてオフィシャルからリリースされました。
ところがその映像、クレジットは7/12ながらも、ブートでは長らく7/11として知られてきた公演だったので、世界中のマニアはオフィシャルのクレジットが間違っているのではと、ず〜っともやもやとしていたのです。
それが今回のこのJEMSの発掘によって思わぬ決着がつくことに。
Mike
Millardは、LA75の5公演のうち、7/10以外の7/9、7/11、7/12、7/13の4公演を録音したとして知られていましたが、今回JEMSのチームは、5公演全てを録音していたEd
F氏による音源も入手し、それと照らし合わせることで意外な事実が明らかになったのです。
それはMike
Millardによる7/11といわれてきた音源が、実は7/12の音だったということ。Mike Millard音源はあろうことか7/11と7/12の日付が入れ替わってしまっていたのです。
なぜそうしたことになったのかは今となっては知る由もありませんが、今回Ed
F氏のテープ音源も公開されたことで、7/11なのか7/12なのか問題はオフィシャルのクレジットの7/12が正しかったという決着を見ることになったのです。
ということで今回ついに公開されたLA75の7/11公演の音は、ブートでは逆にこれまで7/12だと思われてきた公演。
なお、7/12、7/13は前述したようにオフィシャルでリリースされ、7/9は悪魔がLove
You Liveに収録されており、オフィシャルでリリースされた公演の演奏は公開できないというトレントサイトの公開ルールにより、今回のLA75のMillardマスターからの初公開は、オフィシャルではリリースされていない、ブートでは長らく7/12と信じられてきたこの7/11が選ばれたことが明らかにされています。
とまぁ前置きが長くなりましたが、ブートではこれまで7/12と思われてきたこの音源を含むMike
Millard音源は、2000年にEmpress Valleyから『WHORES, COCAINE AND A BOTTLE OF
JACK』(EVSD 043-050)、そしてVGPが2003年に『THE LOST MILLARD MASTERS』(VGP-340)などでリリースされていました。
これら既発盤ではこの7/12とクレジットされてきた7/11公演は、オープニングから録音されているものの、"You
Gotta Move"終了後にいったん録音が止まってしまいます。
しかしテープチェンジにミスったのか、続く録音は次の曲でありながらも数分後の"You
Can't-"の3:25から。
こうして再開したものの、気難しい彼のこと、そのテープチェンジのミスを悔やみ、納得いかない録音だと思ってやめてしまったのか、今となっては一緒にいた相棒にもその理由はわからないとのことですが、続く"Happy"の1:23で完全に録音を止めてしまい、この日のミラード音源はここまでしかないのです。
ということで今回発掘された音源もそこに変わりなく、やはりそこまでしかミラードは録音していないことがわかりましたが、マスターからというわけで鮮度は抜群の"EX-"。
しかも既発盤ではモノラルにデグレードされていた音しか聴けませんでしたが、今回公開されたマスターからの音源はしっかり広がりのあるステレオ。
とはいえ左右にセパレートされているようなステレオではありませんが、この鮮度の向上とステレオ化によるアップグレードは素晴らしい。
オープニングの庶民のファンファーレからして期待が高まるというものです。
演奏が始まるとこれぞMike Millardという素晴らしい音。とはいえ7/13の奇跡にはあと一歩及ばずの音ですが、75年という時期を考えれば驚異の隠密録音であります。
やはりマイク・ミラードおそるべし。
欠落部はEd Fテープによる補填も丁寧になされており、ネットに公開された雑なつなぎとは仕上がりが全然違います。
そのEd
FテープはモノラルでMillard音源には遠く及びない音質ではありますが、既発のVGP盤で7/12として聴かれたMike
Millard部分以外の音源たちとは別音源で、既発盤で聴かれた周りが騒がしいものとは違ってすっきり聴きやすい"very
good"。
こちらのアップグレードもナイス。
クレジットはされていませんが、"Angie"終了後、口ずさむどころかしっかり演奏までしている"Fa-Fa-Fa-Fa-Fa
(Sad Song)"も既発盤同様しっかりと収録されています。
ただし、このEd
Fテープ、ラストの"Sympathy For The Devil"で残り2分ほどのところでテープが終わってしまったようで、ぷっつり止まってしまいます。
そしてなんと今作もそこで終わってしまうのです。
ここはVGP盤では7/12とされている、実際には7/11だった音源を補填して完全版に仕上げられたはずですが、なぜかその処理がされずにぷっつり終わってしまうのです。
VGP盤からの補填を潔しとせずに新発掘の音だけの収録にこだわったというわけでもないと思うんですが、残念無念。
ということでラストのラストはちょいと残念ですが、あのMike
Millard音源を含む収録全パートがアップグレードされ、ブート界にこれこそが7/11だという新たな事実を白日の下にさらした、75好きにはマストの作品でありました。