Brown Sugar

何度聴いても飽きない名曲"Brown Sugar"。ライブとはえらい違うけだるいイントロも、妙に心地よく、余計にライブバージョンを際立たせる結果となっていますね。
その名曲、製作時のTAKE違いはTAKE3まで確認できます。クラプトン入りといわれる別物もあります。その他いろいろはMIX違いです。

ここで紹介するアウトテイクと、最後に正規LPバージョン、ブースの声まで入って若干ミックスの違う7"シングル・モノバージョンを入れて、さらに各年代ライブをいくつか入れれば、よくキースが言ってる"曲の進歩"が伺える"The Complete Brown Sugar"が完成です(笑)ブートにしても全く売れないでしょうが(爆)音はみんなかなりいいです。


収録ブート

オフィシャルとの比較に使ったのはこれらです。その他はこれらのコピーでしょう。●印付きは、アウトテイクものとしては名盤ですんで、最後にちょこっと 紹介してます。但しもうそんなに見かけませんね。
●『
A SHOT OF SALVATION』 Scorpio OM 90-64-17
●『
TIME TRIP vol.1』 Scorpio RS100-1
●『
TIME TRIP vol.2』 Scorpio RS100-2
●『
BLACK BOX』 Yelloe Dog YD046/47/48
(○『
NASTY HABITS』)
(○『
MASONS YARD TO PRIMROSE HILL』)

ドイツ小冊子ではオフィシャルは勿論、そこらじゅうのLIVE含めた(!)TAKE違いの特集まで組んでますので、大いに参考にしました。が、MIX違いは日本やドイツの解説本でもさっぱりですし結構丸一日以上はかかる作業でした。でも読んで頂ければ分かるのですが、結果は結局いまいち納得いってません。また、この過程で完成していったんだろうという順に並べてみました。TAKE2と3は最初逆にしてたんですが、ドイツの小冊子を参考にしてこの順にしました。でも...なんか逆だと思うんですけどね。収録データはそこから拝借しました。これは全く確証無いです。

ではでは解説ならぬ紹介をスタート。


ALTERNATE TAKE

★★★"TAKE1"★★★

1969/12/3 Muscle Shoals Studios,Alabama
●『
BLACK BOX』 disc3 track12 (Aの上)
イントロがちょっと切れてますが、数年前に初登場したもの。
ただ、ピッチが早い。これはブート製作ミスのものでしょう。可能な人は繋ぎ技とピッチ落としをしてみて下さい(笑)始めでミックがヨウッて言った後、舌でグルル..なんてうなってて、歌詞は同じだけどボーカルが正規とは全く違う。コーラス前にはタイトルを連呼します。これはボツりました。キースも結構歌ってます。残念ながらキースのリズムはもう完成してるようです。でも一方のエレキギターは、手数が多い全く別バージョン。ピアノも後半では正規よりたくさん聴こえます。SAXはないです。ちょっと歌ってみましたバージョンで、初期テイクでしょう。
最後のおまけ、キースのイェーももう入ってます。

★★★"TAKE2"★★★

1969/12/4 Muscle Shoals Studios,Alabama
●『
TIME TRIP vol.1』track6(Aの上)
○『
NASTY HABITS』(アコギが小さいMIXで左右逆-Aの下)
○『
MASONS YARD TO PRIMROSE HILL』(定位が違うMIX-B)
ボーカルとリズムギターは正規と同じですが、この段階では正規とは違うギターを弾いてます。アコギは小さくてわかりにくいのですが、ちょこちょこ入るリードは、全く違う演奏です。これはなかなか興味深い演奏です。多分最後のはテイラーでしょうか。全部キースなのかもしれません。でもやっぱ正規盤がかっこいいです。このスチュのピアノは正規テイクとおなじでしょう。まだサックス無し。ベースもでかいですね。
最後のキースのイェーはないです。

★★★"TAKE3"★★★

1969/mid Dec. Olympic Sound Studios,London
●『
A SHOT OF SALVATION』track1(Aの中)
正規盤『HOT ROCKS』の本当の初盤にはこのテイクが間違って入ってたそうです。マトリクスから判断すると、発売時には通常のに戻ってたようですが、何枚かは流通しました。さて、こいつも一聴して違いが分かります。カチャカチャするカスタネットが始めっから左でうるさい。でもこれは前から録音されてたものでしょう。あと右側でこれまた違うエレキギターがよく鳴ってる。キースのギターでしょう。ミックテイラーのギターが聴こえません。ベースはよく響いてますが、その他の音と一緒にちょっとだんご状態でこもってます。ミックのボーカルは正規テイクが流れてますが、正規では聴き取りにくい1'02''でのホォーッと1'50''付近での声が、TAKE2よりでかく入ってます。そのボーカルのバランスとカスタネットの妙なでかさを考えると、こっちがTAKE2じゃないのかと考えますが..?サックスはこれにもまだ入ってないです。モノシングルに入ってた最後の"ALL RIGHT"という多分ミキサーの声と、キースのイェー入り。


ALTERNATE MIX(多分..)


●『
BLACK BOX』 disc3 track13(Aの上)
イントロで2回テープが戻った後、スタート。ただのMIX違いでしょう。これは次の『TIME TRIP vol.1』trak12と同じ様なのですが、正規では右で聴けるエレキギター、この段階では真ん中で鳴ってて、始め以外少しOFFぎみです。コーラスで"Brown Sugar-"と歌う付近がわかりやすいでしょう。MIXを進めたのが『TIME TRIP vol.1』のほうです。この段階ではアコギを強くしてみました、ってなMIXです。サックスもソロ以外目立って鳴ってないです。なお、よく聴くといつもの最後のキースのイェーのあと、まだなんかしゃべってるのが聴こえます。

●『TIME TRIP vol.1』track12(Aの上)
これもただのMIX違いでしょう。真ん中のエレキギターがONになりました。正規では右で同じ様なバランスで鳴ってます。ベースもでかめで、まだ後半では正規では聴こえなかったアコギがちょろちょろ聴こえます。
最後のイェーつき。

●『TIME TRIP vol.2』track2(Aの上)
vol.1のtrak12とは何が違うのでしょう?ピアノがちょっとONになってます。2'45''付近がわかりやすいでしょう。3'00''以降のSAXもこれでちょっとONになってます。でもSAX、正規では完全に右でしたが、これらMIX違いは真ん中付近で鳴ってますね。これくらいしか気が付きません。
確実に違うのは最後のキースのイェーが無いです(笑)ブート製作時にカットしただけでしょうか。

●『TIME TRIP vol.2』track14(Aの上)
これも別MIXです。同track2よりカスタネットとマラカスがでかい。それくらいしかわかりません..。
でも最後のキースのイェーは無い。


これら最後の4曲が共通して正規盤と違うのは、
1.出だしの左ギターの次に右から鳴るギターが真ん中よりになってる。
2.ボビーのSAXが正規では完全に右でしたが、真ん中よりにいる。
というわけで、正規盤はセンターにはVo、Ds、Bのみで、ギター等他の音は左右に完全に分離させ、その結果アコギが後半押さえられる形になった、というのが結論ですが..MIX違いばっかりはよくわかりません。

ここまでの7曲がいわゆる正規盤のアウトテイク。(正確にはテイク違い3曲、MIX違いがいくつか)というわけで、とても一人ではアウトテイクはやれないのが正直な感想です。でもみんなでブート試聴会なんて寒過ぎる(笑)というわけで今後のouttake特集はつらいな、と。


全然別TAKE

★★★"CLAPTON TAKE"★★★
(1970/12/18 Olympic Sound Studios,London)

●『A SHOT OF SALVATION』track6 Aの上
COCKSUCKER BLUES』その他
この音は昔から有名ですね。また、オフィシャル独LP-BOX発売当時、このテイクと"COCKSUCKER-"のシングルが付いてたのもあったようですが、そのシングルもどうやらブートのようです。先日入手した私のBoxには残念ながら入ってませんでした。
これは上で紹介したアウトテイクとはまったく別もの。キースとボビーの27歳の誕生日にクラプトンと一緒にやった奴といわれてます。69年説もありますが、これほどの原曲とのギャップを持つ、こなれた演奏は70年でしょう。キースのVOCALがでかくて、遠慮せず唄いまくってます。データ通り誕生日なら、そりゃそうでしょうね(笑)


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