1976 Tour Of Europe

う〜ん粘っこい
 

76年4月、発売当時評判はからっきしだった迷作? 『BLACKBLUE』 発表後、前年の Tour Of The Americas に引き続き欧州ツアーを開始します。サポートメンバーは、ロニーが正式メンバーになりましたが、面子は T.O.T.A. 同様で、宙を舞ったりナニ風船などのステージアクトも同様ですが、演奏曲は新曲4曲を取り入れたものの、 T.O.T.A. の標準セットから8曲外し、トータル4曲減ってしまいました。

'76はよく資料などに書かれている通り、'75のスカッとしたファンキーさとは違う、粘っこくてドロドロと泥臭いファンキーさが見事に表現されてて、妙な迫力があります。ミックもこの頃までは両性的な魅力に溢れてましたね。しかし深刻になってきたドラッグ問題のせいでしょう、イマイチ覇気が感じられず、演奏曲も演奏も毎回殆ど変わりません。しかし 『LOVE YOU LIVE』 のメインとなり、 TV 放送もされたパリの演奏は他と違って素晴らしいものです。まさにそのパリ公演中の 6/6 にキースとアニタの子供タラが亡くなったそうですが、その悲しみを吹き飛ばすべく、本当に鬼気迫る演奏を聴かせてくれます。

て、'76 もまずはめでたく再発のオフィシャル 『LOVE YOU LIVE』 でしょうが、かなり作られた音になっており、実際の演奏はそれ以上にファンキーでディープなので、より堪能したいとお考えの方は、まずはパリのビデオをどうぞ!昔日本でも TV 放送され、その影響でストーンズにはまった方も多いという秀作です。“もっともっと!”って方は下を参考にしてみてください(なんて消極的な(笑))。

私は'76は、パリと新曲達は大好きなんですが、他の日にはあまり思い入れもなかったんですが・・・、作成中に色々聴くとやっぱかっこいいですね(笑)

Images from inside jackets of "Les Abattoirs Paris 76" SBC-002-2


SET LIST(ツアー終盤)1976 TOUR OF EUROPE 4/28 - 6/23

Opening : samba beat / 1.Honky Tonk Women / 2.If You Can't Rock Me - Get Off Of My Cloud / 3.Hand Of Fate / 4.Hey Negrita / 5.Ain't Too Proud To Beg / 6.Fool To Cry / 7.Hot Stuff / 8.Starfucker / 9.You Gotta Move / 10.You Can't Always Get What You Want /11.Happy / 12.Tumbling Dice / 13.Nothing From Nothing / 14.Outa Space / 15.Midnight Rambler / 16.It's Only Rock'n Roll / 17.Brown Sugar / 18.Jumping Jack Flash / 19.Street Fighting Man

 

75セットリストから外れた曲(レア演奏曲含む)
 "All Down The Line" "Gimme Shelter" "
Doo Doo Doo Doo Doo (Heartbreaker) "
 "Fingerprint File" "Angie" "Wild Horses" "Rip This Joint" "Sympathy For The Devil"
 "That's Life"("Nothing From Nothing"へ)

レア曲
 "All Down The Line" (最初のフランクフルト2回のみ)
 "Cherry Oh Baby" (ツアー後半の 6/7 パリの1回だけ)
 "Angie" (パリ付近で7回)
 "Sympathy For The Devil"(ツアー中盤ロンドン4回のみ)
 "Key To The Highway"??? (5/15にクラプトンがゲスト参加したようですが詳細不明。"JJF" "BS" "SFM"など諸説有り)

'75との違いは、"Honky Tonk Women" が2番までの短縮バージョンになり、日によってかなり違いますが "If You Can't-" も短くなり、 "Happy" "- Dice" "IORR" でキーが変わって粘っこくなった点 (thanks to takさん) や、 暫くやってたラストの黄金メドレーを遂に変更し、"SFM" がラストになったなど。ところでビリーの "Nothing From Nothing" ってギターがちょっと "Monkey Man" してますね(笑)

しっかし冒頭でも '76 が苦手と書きましたが、新曲達はもう手放しでカッコいいですね! 私は "Hand Of Fate"、"Hey Negrita" 、"Hot Stuff" が超大好きですが、ミックがエレキ・ピアノを弾く "Fool To Cry" もなかなか。


良質音源など

毎度ですがここではライン音源と比較的お薦めの隠密や、初日/最終日といった特徴的なものに絞り、その音源のブート変遷もあわせて紹介します。

では最近の例に倣って、まずは1公演をある程度収録したライン音源全部を日付順で紹介して次に隠密にいきます。結構ラインが多いのでページがデカイですが。あと隠密は、'75US 程の高音質隠密盤はなく、若干コモッてるのが多いです。

1.ライン音源 2.良質隠密音源
  Date Source
Grade
1 4/29 Frankfurt, W-Germany SB VG+
2 5/22 London, UK rev!! SB(m) EX-/VG+
3 5/25 London, UK SB good
4 6/ 6 Paris, France rev!! SB(m) EX-
5 6/ 7 Paris, France SB/Aud VG+
6 6/ 9 Lyon, France rev!! SB(m) EX--
7 ライン寄せ集め SB EX-/VG
  Date Source
Grade

1

6/ 2 Cologne, W-Germany(1st)  rev!

aud

VG+
2 6/ 4 Paris, France rev!! aud VG+

3
6/ 5 Paris, France aud VG+
4 6/ 7 Paris, France (see SB) aud VG+
3.おまけ隠密 4.おまけのおまけ
  Date Source
Grade
1 5/29 The Hague, Netherland aud fair
2
6/ 2 Cologne, W-Germany(2nd) new!!   aud VG
3
6/23 Vienna, Austria(最終日)rev!! aud good+
1 TV放送 (Video / DVD-R)
2 Love You Live


まずはライン音源

1-sb4/29 Frankfurt, West Germany ... ツアー2日目 不完全ライン

ツアー2日目の公演。この日は前半部分9曲のみ、まぁまぁの音質のステレオライン音源が流出してます。'76では初日と2日目のみ演奏した "All Down The Line" を収録。でも "Tumbling Dice" は初日以外ツアー序盤は暫くやってません。

演奏は、開始直後のせいでしょう、元々省略した歌詞で唄う "If You Can't -" もしっちゃかめっちゃか、新曲 "Hand Of Fate" はバラバラ、またキースがイマイチで "Hey Negrita" では微妙にずれて入ったり、 試行中だったのかワウペダルを踏みながらという珍しい熱演  "Hot Stuff" も途中で弾かなくなったり、 "IORR" の出だしもイマイチ、とまぁ色々変ですがストーンズらしいですね(笑)

 

さてこの公演の前半部分ライン9曲はアナログ時代から色々出ており、 CD では 『LIVE IN EUROPE(GC 001 CD ジャケ写左) 、 『FRANKFURT 1976 (VT-CD 10 ) が CD 時代初期に出ました。
これらは、まずまずのステレオ分離で、歓声は曲間でかすかに聞こえる程度の貧弱な臨場感、キースが割れ気味、ってのが特徴。前者は持ってませんが、そちらはお馴染みの73ライブのおまけ付きで、音はどちらも似ているようです。名門 VIGOTONE の後者はマイルドな音質で個人的には気に入ってますが、左右逆チャンってのが残念。また、この音源は2曲目の最初でかなりのダメージがあるのも特徴。

そして、そのラインに隠密を追加した完全盤が97年に出ました。

〜ロニーが目立ってます〜
A:
MORE THAN WELCOME TO FRANKFURTVGP-135
***Disc1***
1.Honky Tonk Women / 2.
If You Can't Rock Me - Get Off Of My Cloud / 3.All Down The Line / 4.Hand Of Fate / 5.Hey Negrita / 6.Ain't Too Proud To Beg / 7.Fool To Cry / 8.Hot Stuff / 9.Starfucker / 10.You Gotta Move
***Disc2***
1.You Can't Always Get What You Want / 2.Band Introductions / 3.Happy / 4.Nothing From Nothing / 5.Outa Space / 6.Midnight Rambler / 7.It's Only Rock'n Roll / 8.Brown Sugar / 9.Jumping Jack Flash / 10.Street Fighting Man
(SB : Disc.1 trk1-9 / aud. : Disc.1 trk.10- last)

これが 97年に出た改良盤で Gold Disc で登場。
ライン部分のチャンネル、ピッチも改善されており、元テープのジェネレーションが若くて音質もよく、ギターの音割れはかなり軽減され、臨場感もアップしてますが、これまた特有のイコライジングの結果でしょう、かなり高音が強いのが難点。また2曲目は過去盤同様ダメージ有り。そして既発よりもクリアになった分、ロニーがかなり目立ってます。音といいジャケといい、ロニーファンにはお薦めですね。というわけで、ライン部分は音質 "Very Good+" なんですが、追加された隠密部分は、マニアには十分な音質ながらもダンゴになって聴こえちゃう "fair" 程度です。

完全盤で楽しむにはこれしかなく、ライン部分の音質もバランスも一番のこれがお薦めですが、ちょっと高音がきつくてヒスノイジーなのが残念。それさえなければ大推薦ですが。というわけで、個人的には左右逆ながらも VIGOTONE も捨てがたいです。


2-sb5/22 Earl's Court, London, UK ... ロンドン凱旋!これまた不完全ライン

この日の音は CD 時代になってから出てきましたが、一杯ブート化されてます。音質は良く迫力はありますが、卓直不完全ラインで、臨場感に欠けるモノラルに近いステレオ。キースはよくきこえます。

ツアーも開始から1か月が経ち、新制ストーンズはようやくロンドンに帰ってきましたが、5/21 から 5/27 まで (5/21.22.23.25.26.27) 6公演もここアールズコートでコンサートを行います。そういえば 5/23 が CD では出ないですね〜。
さて、その新制凱旋公演というわけでミックは気合十分ですが、MC で "fuckin' place" と言ってるようにアールズコートという場所自体は気に入らないようで、かなり暴走気味。ちなみにミックがはじめてジェリー・ホールに出会ったのはこの日らしいです(追記:実はもっと前に出会ったいたという情報もあり)。そんなわけでか、バンド全体ではまとまりに欠けてます(笑)。まぁ暴走のお陰で "Hand Of Fate" はだいぶカッコよくなりましたが、 "Hot Stuff" はまだ頼りなげですね〜。そしてロンドンの目玉 "Sympathy-" は隠密部分の登場で聴けるようになりましたが、構成が無茶苦茶になってて傑作です(笑)

というわけで一杯出てるブートですが、基本は3種類、甲乙つけ難いので元音源別に登場順に紹介します。

〜骨太〜
A : EARL'S COURT 1976』 RS-90-10876(上)
B : EARLS COURT 1976』 RSCD 076(下)
EARL'S COURT 1976

1.If You Can't Rock Me - Get Off Of My Cloud / 2.Hand Of Fate / 3.Hey Negrita / 4.Ain't Too Proud To Beg / 5.Fool To Cry / 6.Hot Stuff / 7.Starfucker / 8.Happy / 9.Tumbling Dice / 10.Midnight Rambler / 11.It's Only Rock'n Roll / 12.Brown Sugar

ブートとして初めて世に出たのが左上のキースのジャケの方で、B&Bのプロモ画を使ったジャケの左下の盤の方が一般的にはお薦めと言われていますが、それは上と同音源か、そのコピー盤でしょう。
コンサートでの序盤、中盤、終盤をところどころ収録。音質は "EX-/very good++" で、ヒスノイズもなく、迫力有る音で迫ってきます。私はこの2枚だと左下の 『
EARLS COURT 1976しか持ってませんが、この日の物では、表裏綺麗なジャケからピクチャー盤までお気に入りです。

更にコピーなのか同内容盤はいろいろあり、
IN CONCERT 1976 (SGRS 014 ジャケ入手できず) 、 HOT STUFF - BLACK & BLUE TOUR 1976』(LLRCD 090 ジャケ写左 )、 『SEXUAL HEALING』 (OTR 65501/02 ジャケ写中) 、 『LONDON 1976』 (VIP 007 ジャケ写右)。どれも似た音ですが、ピッチが変だったり音質も劣るらしいです( Sexual- しか持ってません)。

EARLS COURT 1976

〜3曲追加収録〜
C : OUT OF THE COURTETERNAL RSCDX 502/624 006-2

97年に出たこいつは、上記盤の後に出たアナログブート落しですが、既発 CD に未収録の "You Gotta Move" "Nothing From Nothing" "Outa Space" の3曲を収録した 1CD。 追加された3曲のうち2曲はビリー・プレストンってのはちょっと魅力に欠けますね。
この盤は世間では既発よりも音がちょっと良くなったと評判で、さすがは ETERNAL という美しいデジパックの装丁もそそる作りで、もう最近見かけないですが、どうもチリチリプチプチとスクラッチノイズがずっと聞こえて、それが気になりだしたら結構気になっちゃってちょっと嫌です(笑)

このコピーらしきのが 『ORDER IN THE COURT (OCR7601 ジャケ→)。 私は持ってませんが、どうやら音質は劣化しているそうです。激安で売られている場合などはこれでも十分でしょうね。

〜完全盤ですが・・・〜
D : DOWN IN THE COURTVGP-250
***Disc1***
1.Honky Tonk Women / 2.If You Can't Rock Me - Get Off Of My Cloud / 3.Hand Of Fate / 4.Hey Negrita / 5.Ain't Too Proud To Beg / 6.Fool To Cry / 7.Hot Stuff / 8.Starfucker / 9.You Gotta Move / 10.You Can't Always Get What You Want
***Disc2***
1
.Band Introduction / 2.Happy / 3.Tumbling Dice / 4.Nothing From Nothing / 5.Outa Space / 6.Midnight Rambler / 7.It's Only Rock'n Roll / 8.Brown Sugar / 9.Jumping Jack Flash / 10.Street Fighting Man / 11.Sympathy For The Devil
SB : Disc.1 track.1(incomplete) - Disc.2 track.9(incomplete)
aud.: Disc.1 track.1(part), Disc.2 track9(part) - last

2000年登場。既発よりライン部分が増え、足りない部分(1曲目最初とラスト3曲)を隠密で繋ぎ、ラストはフェードアウトという、不完全ながら一応曲は全曲収録になった、という盤。
追加音源は、隠密は遠くてエコーガンガンでダンゴという三重苦で、ラインもところどころよれたりしちゃってます。過去盤で出ていたライン音源部は、音はクリアですが右に定位が寄り気味で、またも高音が強くなり、過去盤には無い“サーッ”というノイズがのってます。そして音の線が細くなり、演奏の迫力も軽減しちゃいました。ライン部分は "very good++"、隠密は "poor" です。
ようやく聞けたこの日の "Sympathy-" は、もたもたと粘っこくて '75 とは全く違い、ミックの唄い方もなげやりで変わってますが、ソロパートになっかなか入れない、という間抜けな構成になってて面白いです(笑)

ブートでは有名な公演を遂に全曲収録、というのは価値があり、音は悪くても "SFM" やレアな "Symapathy-" が聴けるという点は嬉しいですが、ライン・隠密どちらも音質に問題があり、評価は音源派と音質派で大きく分かれますね。↓そしたら更に出ました。

〜めでたく完全盤〜
E : EARL'S COURT 1976DAC-045
●Disc.1
1.Fanfare For The Common Man / 2.Honky Tonk Women / 3.If You Can't Rock Me / 4.Hand Of Fate / 5.Hey Negrita / 6.Ain't Too Proud To Beg / 7.Fool To Cry / 8.Hot Stuff / 9.Star Star / 10.You Gotta Move
●Disc.2
1.You Can't Always Get What You Want / 2.Band Introductions / 3.Happy / 4.Tumbling Dice / 5.Nothing From Nothing / 6.Outa Space / 7.Midnight Rambler / 8.It's Only Rock'n Roll / 9.Brown Sugar / 10.Jumping Jack Flash / 11.Street Fighting Man / 12.Sympathy For The Devil

2006年、これまた同一音源で登場。メーカーインフォによると

> 長らく廃盤であった『DOWN IN THE COURT』と同じ曲数で既発最長最良の音質/内容を再現。特筆すべきクオリティアップで話題となったDAC盤 『BACKSTAGE LIMITED』のマスター所有者と同じ人物から借り受けた、ステレオSBDマスターを余すところなくブラッシュアップ。ビリープレストンのキーボードは左から、2本のギターは右からしっかりセパレートして聞こえてきます。

とのこと。
この音源、各楽器の定位は、初期盤〜Eternal〜VGPで異なりますが、初期盤ではステレオセパレートは悪く、微妙なセパレートも定位が妙で、VGP盤では中央にミックのボーカルとキーボード、他は右に集中していました。今回のDAC盤はETERNAL盤と同様のセパレートで、インフォにあるとおりしっかりステレオセパレートされており、加えて高音の抜けや各楽器の輪郭まで、かなり向上しており、勿論ETERNAL盤にあったチリチリノイズはありません。また、過去盤同様キースのギターが大きく収録されています。
但しVGP盤同様、たまによれるところもあり、高音部のサーッというヒスノイズやシュルシュルした感じはかなり耳につきます。ということで、ナチュラル音質好みの方には、初期盤の方が好みとされる方もいらっしゃろうかと。

隠密部分はオープニングが追加され、VGPでは6分弱でフェードアウトしていた "Sympathy For The Devil" が4分以上追加され、遂に完全収録されています。今回最後まで収録された "Sympathy For The Devil" では、最初のミックの無茶苦茶さはなかなか笑えますが、ミックのボーカルが絡まない後半の演奏はまとまってたことがわかりました(笑)。ちなみに途中7'53''過ぎから10秒ほどは更につながれているのか音質が変わるところもあります。まぁとにもかくにも遂に完全収録となり、めでたく初のコンサート完全収録盤となりましたが、隠密部分の音が悪いのは相変わらず。ということで、総合すると音質はEXにはちょっと及ばない"Very Good++"という感じですね。

ということで大きく音質向上したうれしい完全盤ですが、ちょっと高音域の音作りが気になる盤でした。


3-sb5/25 Earl's Court, London, UK ... これまた*2 不完全ライン

6回中4回目のロンドン公演。これも臨場感の全く無い部分ラインが流出してます。ただ不調ロンドン、ミックは頑張ってるようですが演奏は面白みに欠けますね(ブートの音が音なだけに余計そうきこえます)。

〜音源派向け〜
ANOTHER EARLS COURT 1976
VGP-022

1Honky Tonk Women / 2.If You Can't Rock Me - Get Off Of My Cloud / 3.Hand Of Fate / 4.Hey Negrita / 5.Ain't Too Proud To Beg / 6.Fool To Cry / 7.Hot Stuff / 8.Starfucker / 9.You Gotta Move / 10.Happy / 11.Tumbling Dice / 12.Brown Sugar / 13.(5/23 aud.) Sympathy For The Devil

音質は "A / good" の卓直・かろうじてステレオ・低音モコモコのこもったラインで、よく聞こえるベースやギターなどに対して、ミックのボーカルは小さく、殆どオフになる所もあります。演奏も面白みに欠けるしあんまお薦めではありません。最後に'76ではレアな悪魔が隠密で入ってますが、5/25にはやってなくてこれは5/23のです。ダンゴ状ですがまぁまぁの音質だし音源派には価値があります。


4-sb6/6 Les Abattoirs, Paris, France ... 最高の熱い演奏!!

前回の 73欧州ツアーではドラッグ問題でコンサートを行えなかったというフランスは首都のパリ。ドラッグ問題ならなんで今回は?ってなもんですが、待望のここパリでは 6/4.5.6.7 と、屠殺場だったというアバトワで4回公演を行います。
そして オフィシャル 『
LOVE YOU LIVE』 にもパリからは多く収録され、6/4.6.7日から編集した TV 放送もされた様に、ここでは他とはうってかわって素晴らしい演奏が繰り広げられます。また、キースとアニタの子供タラがこの日に生後10週間で亡くなったそうですが、にもかかわらずショーを鬼気迫るテンションで敢行したキース、これもこの 6/6 のパリ公演を際立たせているのでしょう。
パリ公演の中でも最高のこの日は、モノラルながらもありがたい事に、ビデオでも全長版として流出しており、当然それらの音源がブート化されてます。ですからこの日の演奏に興味の有る方は
まずは全長版ビデオを是非!(↓参照:ショートバージョンは混成です)

演奏は、キースのテンションが高く、やたらと弾くは唄うはで、しっかりハモる "Honky Tonk-" に始まり、タイトな "If You Can't - " 、惜しくもオフィシャルでは聴く事が出来ない "Hand Of Fate" の強烈さ、ラストの "SFM" でのつっかかりながらもガンガン突き進む様などなど、もう最高です! そして(多分) この前日以降所々で聴けますが、ロニーも "JJF" のイントロで合いの手を入れてますね。これはなかなか気持ちいい! ミックも "Midnight Rambler" のイントロ前のハープまでのりのり(笑)。でも連日のテンションの高さに加えて、最初からかなりぶっ飛ばして唄ったせいか、 "Fool To Cry" や、このパリ近辺だけでやった "Angie" などでは、裏がえったりトーンを下げたりと、所々きつそうです。 "Angie" といえばこの日はやたら歌詞間違ってボロボロですけど、構わず唄うのがまたいいですね(笑)。また、ミックは結構うまいフランス語で MC やってます。さすが移住しただけのことはあります。

 

さてブートでは、 CD 時代になってから出てきたこの音源、まずは 『FRENCH MADE(TR206-7 ジャケ写右) がありますが、これは "Hot Stuff" "Starfucker" とビリーの2曲の計4曲が次の公演地リヨンからで、その部分はピッチがかなり速く、とてもお薦めとは言えません。リヨンのビリーの2曲は暫くは貴重でしたが、その後不要盤になりました。

というわけでお薦めですが、

ほぼ完全ライン
A : LES ABATTOIRS PARIS 76』 SBC002-2(上)
B : PARIS AUX PRINTEMPS』 TSP-CD-126-2(下)
LES ABATTOIRS PARIS 76

PARIS AUX PRINTEMPS
 

***Disc1***
1.Honky Tonk Women / 2.If You Can't Rock Me - Get Off Of My Cloud / 3.Hand Of Fate / 4.Hey Negrita / 5.Ain't Too Proud To Beg / 6.Fool To Cry / 7.Hot Stuff / 8.Starfucker / 9.Angie / 10.You Gotta Move / 11.You Can't Always Get What You Want
***Disc2***
1
.Happy / 2.Tumbling Dice / 3.Nothing From Nothing / 4.Outa Space / 5.Midnight Rambler / 6.It's Only Rock'n Roll / 7.Brown Sugar / 8.Jumping Jack Flash / 9.Street Fighting Man

もう古い盤なのであまり見かけませんが、 6/6 の全収録といえばまずはこれら。ビデオ落しではないようですが、どちらも全長盤ビデオ関連の音源でしょう。 "Hot Stuff" でのビデオのダメージ部分と編集部分は同様にカットされてます。またベースがでかくて、 "Brown Sugar" では音が切り替わってキーボードが妙にオンになるのも特徴。また曲間や曲中のブレイク部分では歓声も入ってきて臨場感は結構あります。
この2つはどちらもほっとんどモノラルの "EX-" ですが、音質はかなり違い、前者の Speedball 盤は高音の伸びが無くふんずまりなのが玉に傷。後者の TSP は伸びと張りはありますが、逆に高音が強めでちょっとドンシャリになってます。こちらにはおまけで 6/7 の "Cherry Oh Baby" 隠密を収録。なおどちらの盤もクレジットは 6/4 と書いてますが間違い。
そして大きな欠点、どちらも "SFM" が最後フェードアウトしちゃいます。その後完全音源が出て来ましたが、そちらは寄せ集めコーナーで。

また、 『EXIL AUX PRINTEMPS(GDR CD 9106 ジャケ写右) は、コピーなのか、音はいいのですが、ブックレットのなかなか綺麗なステージ写真がやたら裏焼きで、曲間を一切省いた上に4曲足りない不完全1枚ものです。

C : FRENCH MADE 1976』 VGP-258

2000年にVGPから登場。既発同様殆どモノのEX-で、イコライジングで音の抜けは良くきこえますが、クリアになったわけではなく、やっぱ独特のドンシャリ系です。
既発盤での問題点、"Hot Stuff" と "SFM" ですが、既発より程度のいいものは入手出来なかったのか、"Hot Stuff"は3分丁度辺りで今まで以上にカットして繋いでます。違和感はあんまないんですが残念。 "SFM" は最後まで入ってますが、別欄で紹介するVGPの『
VIVE LA FRANCE』と同じだろうと思ってたら違って、最後に音が切りかわるんですが、変な繋ぎです。そしてそれでは演奏後のおまけと、ミックのMCまで入ってましたが、こっちはフェードアウト。残念2。ラストはTSP同様翌日の"Cherry Oh Baby"を入れてます。
というわけで、入手困難な既発盤を持っていない方にはうれしいリリースでしょうが、特にTSPを持っていらっしゃる方には魅力の少ない盤ですね。6/6収録盤はやっぱどれも中途半端ってのがこの時点での結論。


決定盤
D :
FRENCH MADE』 DAC-009

 

2005年にDACよりTERRAPIN復刻シリーズでリリース。今やこれが決定盤。
VGP盤ほどのシャリシャリした高音ではなく、低音も締りが出てナイスな復刻 "
EX-" 。既発から問題であった "Hot Stuff" と "SFM" については、まず "Hot Stuff" はVGP盤同様カットがありますが、カット部分が短くなっており、 "SFM" はVGP盤のように最後に音が切り替わって早めにフェードアウトすることもありません。
また、おまけで6/7より『
VIVA LA FRANCE』(VGP-350)とは別ソースで、Happy / Tumbling Dice / Midnight Rambler / IORR / Brown Sugar / JJF / SFMを収録。FROM SAN FRANCISCO TO PARIS』(VGP-276)よりもややヒスノイズが抑えられた高音質 "EX-" SBです。但し"Brown Sugar" でテープ戻しのようなひずみあり。


5-sb6/7 Les Abattoirs, Paris, France ... ちょっとお疲れ?隠密 & ライン

パリ最終日のこの日はアナログ時代から隠密完全盤と、 後半7曲がステレオラインで出まわっており、CD 時代になってようやくほぼ完全ステレオラインが登場しました。ただしそのラインより隠密がお薦めですが。
この日も TV 放送の元となっており、オフィシャルにも2曲入ってますが、全体的には前日と比べるとどうもお疲れなのか、 "Brown Sugar" では途中からだんだん変になり、間抜けな終わり方してます(笑)。
でもやはりパリ4公演のラスト、珍しく "Cherry Oh Baby" をやってますが、それだけが目当てなら 6/6 の TSP 盤でも聴けます。

さてブートでは、この日は変則的ですがまず隠密から紹介します。

〜今でもこっちがお気に入り “隠密”〜
A : EUROPE 76VGP-056
***Disc1***
1.Honky Tonk Women / 2.If You Can't Rock Me - Get Off Of My Cloud / 3.Hand Of Fate / 4.Hey Negrita / 5.Ain't Too Proud To Beg / 6.Fool To Cry / 7.Hot Stuff / 8.Starfucker / 9.Cherry Oh Baby / 10.Angie / 11.You Gotta Move / 12.You Can't Always Get What You Want
***Disc2***
1
.Introductions / 2.Happy / 3.Tumbling Dice / 4.Nothing From Nothing / 5.Outa Space / 6.Midnight Rambler / 7.It's Only Rock'n Roll / 8.Brown Sugar / 9.Jumping Jack Flash / 10.Street Fighting Man / 11.Fingerprint File (1975/6/17)

隠密完全盤では、95年に出たこのVGP盤が個人的にはお薦めですが、これももう見かけない盤ですね。元テープから丁寧に作られてます。歓声手拍子もうるさくなく、音もかなり近い "very good++" で、臨場感もあり、ラインが出た今も私はこっちの方がお気に入り。ただし、収録時間はたっぷり余ってるのに、他の盤と違ってなぜか "Hot Stuff" の前の MC がカットされてます。( thanks to itさん)

過去盤には同音源ながら(歓声手拍子が左右逆だったりしますが)、 アナログ落しの通称犬ジャケ 『LIVE IN PARIS - PAVILLON, PARIS (FRANCE) JUNE 7th, 1976』 (GSCD 2096 ジャケ→左) と 『VIVE LA FRANCE』 (KS-006-2CD ジャケ→右) が昔からあり、これらはラインともいわれたりしましたが同じく隠密です。共にパチパチとノイズが多く、後者はピッチが速いしイマサン。なお後者は隠密完全に加えてステレオライン7曲も含んでいますが、↓の盤で聴けます。

次にラインですが

コモリ系“ライン”
B : PARIS PAR EXCELLENCEVGP-147
***Disc1***
1.Honky Tonk Women / 2.If You Can't Rock Me - Get Off Of My Cloud / 3.Hand Of Fate / 4.Hey Negrita / 5.Ain't Too Proud To Beg / 6.Fool To Cry / 7.Hot Stuff / 8.Starfucker / 9.Cherry Oh Baby / 10.You Gotta Move / 11.You Can't Always Get What You Want
***Disc2***
1
.Fingerprint File (1975/6/17) / 2.Happy / 3.Tumbling Dice / 4.Midnight Rambler / 5.It's Only Rock'n Roll / 6.Brown Sugar / 7.Jumping Jack Flash / 8.Street Fighting Man

97年、既発では "Happy" 以降しかなかったステレオライン音源がほぼ完全盤として登場。ほぼ、というのはパリ・スペシャルな "Angie" とビリー・プレストンが欠落しているからですが、1枚目が初登場ライン音源です。
なお、CD 既発盤では前述した 『
Vive La France』 と 『From San Francisco To Paris(FSFTP 6976 ジャケ右) に後半7曲はアナログ落しで収録されていますが、その部分は後者の音質が最高 "EX" で、いまだに後者の元の同名同ジャケアナログが一番との評判。
このVGPのほぼ完全盤は音自体はいいのですが、これ以上補正出来なかったのか、どうも音の抜けが悪く、コモッた感じなのが残念。 "very good+" です。あと、隠密盤やその他の盤でもやたらとこの "Fingerprint File" を入れてますが、追加音源を真ん中に入れるのは勘弁ですね。
まぁ初音源の発掘というわけで素晴らしい盤ですが、この日のステレオラインは、いつか高音質完全盤で出てくる事を期待して待ちましょう。というわけで私は隠密の方が好きです。

決定盤
C : VIVA LA FRANCEVGP-350

この6/7は上記VGP盤の後、以下のリリースがありました。

● 『 DOWN AND OUT IN PARIS 』Rattle Snake-066/67
私は持っていませんが、資料"黒くぬれ!"によると、隠密"Angie"をVGP『EUROPE '76』、それ以外のSBはDisc.1が上記VGPの『PARIS PAR EXCELLENCE』からで、"You Can't-"後半はTASBによると『LOVE YOU LIVE』からのようです。ただ『PARIS PAR-』からの音はイコライジングでこもった感じは改善されてるよう。Disc.2はビリーの2曲はアナログ『PARIS PAR-』からでピッチは遅く、その他をアナログ『FROM SAN FRACISCO TO PARIS』から。

● 『 FROM SAN FRANCISCO TO PARIS 』VGP-276
69オークランド 2nd showと76パリはHappy以降の後半部分をSB収録したアナログ復刻盤。アナログにはなかったビリーの2曲もSB収録。おまけはアナログ通り"Through The Lonely Nights""Everything Turn To Gold"収録。なお、同名のアナログ落しのCDもありますがそちらはいくつか曲が欠けてます。でも音は結構いいです。

これらの後、決定盤として2003年に再度VGPがリリースしたのがこの『 VIVA LA FRANCE 』。
こちらはうちの掲示板やTASBでも大いに議論がされましたが、一言で言えば、前半部の音質は改良され、"Angie"は隠密、その他は全部SBで収録し、"You Can't-" 後半も Rattle Snake 同様『LOVE YOU LIVE』からで、ビリーのもピッチが正しく収録された形での決定盤です。

肝心の音質は、Disc.1は『PARIS PAR EXCELLENCE』のようなフンヅマリの音ではなく、イコライジングによるものか、もしくはより状態の良いマスターから作られていると思われ、高音の抜けが大幅に改善されています。但しサーっというノイズが入り、ややヨレてます。またこちらは歓声も殆ど入らず曲間もかなりカットされてますね。

そして後半のDisc.2、こちらはVGPの『FROM SAN FRANCISCO TO PARIS』同様なかなかいい音です。演奏も音が大きく、音の広がりもあり、曲間では歓声も入り目の前にいるような臨場感が得られます。ただし演奏が大きいミックスで 6/6 のような曲中でのコール&レスポンスはきけませんが。こちらもアナログ落しではないようですが、アナログの『FROM SAN FRANCISCO TO PARIS』のクリアな高音質にはかなわないようです。その音の良さは、何曲かカットされてますが、同名同ジャケのアナログ落しの1CDでうかがえます。

というわけで前半の音の抜けがよくなりギスギスしてはいますが、全体的に "very good++〜EX--" で、6/7の決定盤というわけですね。でもわたしは今でも『EUROPE '76』も好きです(笑)。演奏はあらためて書くほどもなく素晴らしいので、この6/7の音をお持ちでない方にはお勧めです。
しかしこの盤、やはり基本は過去の"改善モノ"と"寄せ集め"盤であるため、"上級者"の方には面白くないでしょうね。しかし可能な限りSBものを収録した決定盤である事も事実です。


6-sb6/9 Lyon, France ... なかなかグッド!ライン+隠密

パリの次はここリヨン。ここも卓直で臨場感に乏しい、殆どモノラルのラインが流出してます。
パリに引き続き好調な演奏で、特に前半の気合の入り方は素晴らしいです。ブートで聴く限り、 "Honky Tonk Women" では珍しくキースのギターにエフェクトがかかってますね。あとなんだか "Hot Stuff" のミックは投げやりで面白いですが、 "-Dice" の出だしでキースは危なっかしくて、その演奏後ビリーを呼ぶミックはヘロヘロです(笑)。そして "JJF" は唐突に終わってしまいます。

さて、この公演を長く収録したブート CD では共に1枚もので
 『
BACKSTAGE LIMITED(TR 208 ジャケ左)
 『LES INROCKUPTIBLES(Gold Standard LES 828 ジャケ右)
という不完全ライン盤がありました。
この2枚は収録曲がちょっと異なり、前者は GS 盤では聴けない "Hey Negrita" "JJF" が、後者は TR 盤では聴けない "Starfucker" 収録。
なお2枚共に1曲目 "Honky Tonk-" は頭切れ、"You Can't-"も僅かにイントロ頭切れ、 "SFM" が未収録。前者のみ収録の "JJF" はフェードアウトです。
そして先にパリで紹介した、前者と同じく Terappin の 『
FRENCH MADE』 には4曲だけ、 "Starfucker" と、どちらでも聴けない "Hot Stuff" とビリーの2曲が収録。つまりリヨンのライン音源は3タイトルに別れていたわけです(泣)。

私はこれら2枚のうち、特に前者はジャケ大賞一位ということもあり、お気に入りでデカく載っけてますが、これらは↓の後発よりも素直な音です。ただ、 Terappin 盤は音はいいですがピッチが速いです。後者の GS(Scorpio) 盤はピッチが合ってる分、音が悪くも聞こえますが良い音です。音がいいといっても卓直で臨場感はサッパリですが。


〜Unlimited 完全盤〜
A : BACKSTAGE UNLIMITED VGP-203
***Disc1***
1.Honky Tonk Women / 2.If You Can't Rock Me - Get Off Of My Cloud / 3.Hand Of Fate / 4.Hey Negrita / 5.Ain't Too Proud To Beg / 6.Fool To Cry / 7.Hot Stuff / 8.Starfucker / 9.Angie / 10.You Gotta Move
***Disc2***
1
.You Can't Always Get What You Want / 2.Band Introduction / 3.Happy / 4.Tumbling Dice / 5.Nothing From Nothing / 6.Outa Space / 7.Midnight Rambler / 8.It's Only Rock'n Roll / 9.Brown Sugar / 10.Jumping Jack Flash / 11.Street Fighting Man
SB : Disc.1 track.1(incomplete) - Disc.2 track.10(incomplete)
aud.: Disc.1 track.1(part), Disc.2 track10(part) - 11

98年登場。既発では3枚に別れたライン部分を統合し、足りない部分を隠密で繋ぎ、ラストはフェードアウトしちゃいますが、ほぼ完全盤となりました。既発盤を意識したタイトルがなかなか挑発的。
ライン部分の音質は確かに良くなっており、 "very good++" ですが、珍しく特に後半ピッチが速く、これまたかなり高音がきつくなり、ギターが耳に突き刺さる感じで、高音に若干 “サーッ” ってノイズがのってます。これが苦手な方にはキツイですね。あと昔からの "Hand Of Fate" での妙なノイズはそのまま。でもまぁ卓直のこうした音質がまた妙にはまるエキサイティングな演奏なので、なかなか聴いてて面白いです。 "Fool To Cry" "Hot Stuff" なんかはギターが生々しくていいですね。追加の隠密部分はちょっと遠いですが十分聴けますし、最初のサンバが入ってるのがグッド。
でもやっぱライン部分は既発のような素直な音が好きです。'76の VGP の復刻盤は完全盤になるのは大歓迎ですが、どうも全部高音がキツイですね。


〜満を持して登場復刻盤!〜
B : BACKSTAGE LIMITED DAC-010
*** Disc.1 ***
1.Honky Tonk Women / 2.If You Can't Rock Me - Get Off Of My Cloud / 3.Hand Of Fate / 4.Hey Negrita / 5.Ain't Too Proud To Beg / 6.Fool To Cry / 7.Hot Stuff / 8.Starfucker / 9.Angie / 10.You Gotta Move
*** Disc.2 ***
1
.You Can't Always Get What You Want / 2.Band Introduction / 3.Happy / 4.Tumbling Dice / 5.Nothing From Nothing / 6.Outa Space / 7.Midnight Rambler / 8.It's Only Rock'n Roll / 9.Brown Sugar / 10.Jumping Jack Flash

2005年登場。なんとTerappinの 『BACKSTAGE LIMITED』 と完全同一ジャケ、文字と背景の色違いで登場。
SB音源のみの収録盤で、"Honky Tonk-"の頭、"You Can't-"のイントロ、"JJF" 後半と "SFM" を除く全てをSB収録。VGPのように隠密でつながったのは何か意図があるんでしょう。
その理由はこの大幅に向上した音質なのか、一聴して驚きました。出だしこそ "Honky -" の途中からいきなりはじまって、音質もややふんづまりか?と思いましたが、なんのなんの、素晴らしい音質 "
EX--" です。勿論ブートレベルですが(笑)
ヒスノイズも僅かにありますが、VGP盤ほどのものではなく、過度に高音が強すぎることもなく、低音も割れ気味だったのがしっかりした音になっています。いやはやここまで音質が変わったのは本当に驚きです。 "Hand Of Fate" の2'25''から4秒間聴かれる妙なベースも既発よりは軽減されています。隠密部分はこちらでは聴けませんが、もうこれがダントツの決定盤ですね。最後に唐突に切れる "JJF" はちょっと寂しいですが(笑) 

 


7-sb寄せ集め

上で紹介した盤以外に、ライン音源はチラホラと出てるのでここで紹介します。

●パリのミックス音源コンピレ
VIVE LA FRANCE! - JUMPING JACK IN FRANCEVGP-047

1.Honky Tonk Women (6/6) / 2.Hand Of Fate (6/6) / 3.Fool To Cry (6/7) / 4.Hot Stuff (6/7) / 5.Starfucker (6/6) / 6.Angie (6/4) / 7.Tumbling Dice (6/7) / 8.Outa Space (6/7) / 9.Midnight Rambler (6/7) / 10.Jumping Jack Flash (6/6) / 11.Street Fighting Man (6/6) // 12.JJF (1990/6/25 "G" version)

95年に登場。既発とはミックスが違ったりするモノラルライン音源で音質は "EX-" 。ショートバージョンビデオ関連の音でもなく、ビデオではミックが水をかぶった所で終わってしまう 6/6 の "SFM" 、なんとフェードアウトしないフルバージョンを初収録です。おまけの90年の隠密 "JJF" はキースがギターチェンジし損ねた爆笑Gバージョンですが、ミックの機転をきかせた唄い方も傑作(笑)。この盤のその '90 はコモッてますが、別テープ完全盤もあります。

〜75/76 ライン音源コンピレ〜
WE HOPE YA LIKE THIS ONEVGP-235
Toronto, Canada, 1975/6/17
1.Luxury / 2.Fingerprint File (remix1) / 3.Fingerprint - (remix2) / 4.Fingerprint - (remix3)
Largo, Washington, 1975/7/2
5.Doo Doo Doo Doo Doo / 6.It's Only Rock'n Roll
London, UK, 1976/5/26
7.Hand Of Fate / 8.Hey Negrita / 9.Ain't Too Proud To Beg / 10.Fool To Cry / 11.Hot Stuff / 12.Starfucker Paris, France, 1976/6/7
13.Fool To Cry / 14.Hot Stuff

99年発売。'75ページでも'75だけ紹介してますが、'76は初登場の 5/26 ロンドン・アールズコートと、上と同様 6/7 のパリを収録。初登場のアールズコートの音はちょっとコモッてますが "very good" で、演奏の所々に笑えるところもあリ、面白いです。パリは頭欠けしてますが高音が強く音の抜けが良くてナイス!


次に隠密 (very good aud.)・・↑紹介済の6/7パリ以外

1-aud. 6/2 Cologne, West Germany (1st show) ... Happy Birthday Charlie !

絶好調パリ直前、ここ(当時の)西ドイツでは珍しく1日2回のショーをやってます。これがストーンズ史上最後の1日2回ショーですが、ここで紹介する 1st ショーは "You Can't-" "-Dice" を外した17曲しかやってません。
この日はチャーリーの35歳の誕生日を "Happy Birthday Charlie" とあっさりとメンバー紹介で祝ってます。全体的に演奏は上り調子。 "Brown Sugar" の後、いつも間はあるんですが "JJF" がなかなか始まらずミックがじれてるところに、チャーリーに合わせてキースが弾き出すとこはちょっとかっこいい(笑)

〜音はまぁまぁの初盤→再発で向上!!〜
GERMANY 76
(RS 020676-2 VGP-023)

アナログと作りも同じの、微妙にステレオで、まぁまぁの良好隠密録音で完全盤。昔から76隠密といえばこれ、ってくらいの有名盤。おまけで73リハ音源1曲つき。
前半部分など所々で右チャンネルの音が消えたり、バランスが悪くなったり、後半になるほどちょっとコモったりしますが、マイルドな音質で、ギターもボーカルもよく聞こえ、曲中は歓声手拍子もうるさくないので、昔から親しまれました。その後色々出た76隠密の中でも平均以上のグッド、 "A / very good-" です。でもこれは新品ではなかなかもうなく、中古しかないようです。

しかし2004年に待望の再発。ただの再発ではなく、音質はよりクッキリとして、前面に出てくる音に生まれ変わりました!そんなわけで既発のgoodから "very good" に格上げです。"If You Can't -" で初盤は右側がオフになるところが何箇所かありましたが、今回の再発盤はモノラル化して修正しています。
ちなみにこれ、再発しても厚ケースでジャケもオリジナルのままで、オリジナルとの違いは、盤のデザインが変わって銀から黒に変わっただけで、外見では見分けがつきません。あとこの再発にはおまけの"Gimme Shelter" のリハが収録されてませんが、ジャケにはそのまま記載されてます。更に今回の再発ではDisc.1と2の曲の面振りが変わったのに裏ジャケの記載はそのままなので、この再発盤の収録曲とジャケ表記は異なってます。そんなわけで探してた方に嬉しいリリースなのは勿論、音質向上にて再購入の価値もある再発ですね。


2-aud6/4 Les Abattoirs, Paris, France ... 久々のパリ初日!!

私の7歳の誕生日(笑)。この 6/4 はひっさびさのパリの初回公演(前述した通り、73ではフランス公演はキャンセル)で、この日も TV シューティングされてます。基本的にテスト撮りの日だと思いますが、この日も最初から飛ばしてますねー!なんでパリになった途端こんなに元気なんでしょう?
この日は "Angie" が TV放送され、ブートでもラインで流出してますが、その他の曲は CD で初登場。ところでパリ付近のスペシャル曲 "Angie" の曲順は前後の曲とあわせころころ変わってます。また、この日の "Brown Sugar" と "JJF" までの間のミックのターザン叫びが 『
LOVE YOU LIVE』 に使われてます(笑)

〜新興レーベル第1弾・ピッチが速いけど〜
A : ALLRIGHT CHARLIE WATTS DWP-001
***Disc1***
1.Honky Tonk Women / 2.If You Can't Rock Me - Get Off Of My Cloud / 3.Hand Of Fate / 4.Hey Negrita / 5.Ain't Too Proud To Beg / 6.Fool To Cry / 7.Hot Stuff / 8.Starfucker / 9.You Gotta Move / 10.Angie / 11.You Can't Always Get What You Want
***Disc2***
1
.Band Introductions / 2.Happy / 3.Tumbling Dice / 4.Nothing From Nothing / 5.Outa Space / 6.Midnight Rambler / 7.It's Only Rock'n Roll / 8.Brown Sugar / 9.Jumping Jack Flash / 10.Street Fighting Man

1999年リリースの Dirty Work Production という新興レーベル第1弾。限定500枚プレスで、あまり日本には入荷してません。
この隠密録音は、歓声手拍子もうるさくなく、さほどコモッてもないマイルドな安定した音質で、演奏もよく聞こえる "A+ / very good"。 こうした良好な音がちゃんと完全盤でフッとリリースされるってのがいいですね〜。ただ残念な事にピッチが速く、そのせいでせっかくの粘り感が欠けちゃってます。補正可能な方は是非補正を。
このレーベルはジャケが VGP に似てツルツルでいいんですが、折込式ではなく、表ジャケも裏ジャケも表裏2枚、計4枚の紙ペラで出来てるのが特徴で、サイズが合いません。また背表紙のタイトル表示が通常の盤と逆で、下から上に文字がなってしまうのも嫌だ(笑)。あと編集も雑で、両ディスクとも最後はブチッと雑音が入って終わります。

その後、同一音源でピッチを正常化してEXILEがリリースしたのが
FIRST DOSE IN PARIS』EXCD-31/32
上のDWP盤はほとんど見かけないし、こちらはピッチもほぼ正しいし、市場動向を踏まえたなかなかうまいリリースですね。
しかしブートの常、こうした良好音源はまた次の盤が出てしまうのでした(笑)

B : PAVILLON DE PARIS DAC-046
●Disc.1
1.Intro / 2.Honky Tonk Women / 3.If You Can't Rock Me - Get Off Of My Cloud / 4.Hand Of Fate / 5.Hey Negrita / 6.Ain't Too Proud To Beg / 7.Fool To Cry / 8.Hot Stuff / 9.Star Star / 10.You Gotta Move / 11.Angie / 12.You Can't Always Get What You Want / 13.Band Introductions / 14.Happy / 15.Tumbling Dice / 16.Nothing From Nothing / 17.Outa Space / 18.Midnight Rambler
●Disc.2
1.It's Only Rock'n Roll / 2.Brown Sugar / 3.Jumping Jack Flash / 4.Street Fighting Man
+ mono remixes for Les Abbattoirs Telecasts 1976
5.Honky Tonk Women (Jun. 6) / 6.Hand Of Fate (Jun.6) / 7.Fool To Cry (Ju.7) / 8.Hot Stuff (Jun.7) / 9.Star Star (Jun.6) / 10.Angie (Jun.4) / 11.Tumbling Dice (Jun.7) / 12.Outa Space (Jun.7) / 13.Midnight Rambler (Jun.7) / 14.Jumping Jack Flash (Jun.6) / 15.Street Fighting man (Jun.6)

2006年リリース。
最初に出たDWP盤は、EXILE盤やこのDAC盤より、2%ほどピッチが速いんですが、新興レーベルとしての第1弾がこの初登場音源でしたので、その後に期待しましたが、あまり続かなかったようでちょっと残念です。ちなみに、EXILE盤とDAC盤のピッチには1%以下の僅かな違いはありますが、まぁ誤差ですね。

このDAC盤も既発と同一音源で、こちらは1枚の限界まで曲数を入れておまけにSB音源を追加収録しています。ちなみに既発の2つではDisc.1最初の9〜10秒付近で入っていた電子音は、こちらでは10〜11秒付近と、ちょっと頭が長いようです(笑)

音質ですが、こちらもサーッというヒスノイズは入っていますが、既発と比較してもそれほど違いはありません。また、全体的な音質が既発より向上しているかというと、大きな違いは感じませんが、よーく聴き比べるとDAC盤の方が僅かにクッキリしてるという感じで "Very Good+" です。また、インフォにはDWP盤のマスターを借り受けたとありますが、その謝意からか、裏ジャケと表ジャケの裏側にはDWP盤で使われていたのと同じ写真が使われています。

追加音源は、下で紹介している 『VIVE LA FRANCE!(JUMPING JACK IN FRANCE)』 (VGP-047) でCD化されていたTV放送用の未編集SBD音源で、"SFM"は完奏バージョンを収録していましたが、こちらはもう廃盤。音質はこの既発よりは、こちらもややくっきりしています。また、こちらはVGPとは違い、"Honky-" の演奏後で途切れるところはうまくつながれていて自然にきけます。

ということで、隠密もSB音源も、それほど劇的な違いはないようですが、やや向上が見られますね。おまけのSB音源部分は、『VIVE LA FRANCE!(JUMPING JACK IN FRANCE)』 の復刻を待たれていた方にはうれしいリリースでしょうか。でもそちらは、おまけに収録されている90パリの爆笑JJFも聴き所なので、微妙なところでしょうか? 


3-aud6/5 Les Abattoirs, Paris, France ... この日もグッド!

この日はどうやら TV シューティングはされなかった様ですが、 『LOVE YOU LIVE』 には "Honky Tonk Women" "You Gotta Move" "Happy" が収録されてます。あと、オープニングを告げるフランス語の MC もこの日のものです。

この日も好調で素晴らしい演奏ですが、 "If You Can't-" のイントロを誤魔化すロニー、メドレーの最後ではお茶目におまけをつけてます(笑)。 またミックがかなりご機嫌で、やたらとしゃべりまくり、 "Tumbling Dice" でのキースのイントロミス (やり直しも変) にも愛嬌で応えてます。そして "Midnight Rambler" はアドリブも色々聴けてかっこいい!最後の "SFM" もロニーの泣き出しそうなギターの頑張りがたまりません。

〜良好隠密〜
LES ROLLING STONES AUX ABATTOIRS
VGP-241
***Disc1***
1.Honky Tonk Women / 2.If You Can't Rock Me - Get Off Of My Cloud / 3.Hand Of Fate / 4.Hey Negrita / 5.Ain't Too Proud To Beg / 6.Fool To Cry / 7.Hot Stuff / 8.Angie / 9.Starfucker / 10.You Gotta Move / 11.You Can't Always Get What You Want
***Disc2***
1
.Band Introductions / 2.Happy / 3.Tumbling Dice / 4.Nothing From Nothing / 5.Outa Space / 6.Midnight Rambler / 7.It's Only Rock'n Roll / 8.Brown Sugar / 9.Jumping Jack Flash / 10.Street Fighting Man

別の日のアナログブートからジャケを拝借した作りで、2000年リリース。6/4 に続き 6/5 も初登場で、パリ公演が世紀末になって遂に全部揃ったってのは嬉しい限りですね。
これも前日同様の良好隠密で、邪魔な歓声手拍子も殆どなく、演奏もよくきこえるマイルドな安定した音質で "A+ / very good"。 ただしごくたまにゴトゴトと足踏みなのか妙な音を拾ってて、そこはマイナス。
私は実は 76 を敬遠してた事もあリ、買って暫くは聴いてなかったんですが、これはなかなかお気に入りです(笑)


3-aud6/7 Les Abattoirs, Paris, France

これはSBコーナー参照してください。これまたかなりお気に入りです。



おまけ隠密(good - fair aud.)

1-おまけ. 5/29 The Hague, Netherland ... 盛り上がってます(笑)

音は悪いし不完全・・・でも臨場感は最高!
ANY PORT IN A STORM
(VGP-148)

1.Honky Tonk Women / 2.If You Can't Rock Me - Get Off Of My Cloud / 3.Hand Of Fate / 4.Fool To Cry / 5.Hot Stuff / 6.Starfucker / 7.You Gotta Move / 8.Band Introductions / 9.Happy / 10.Tumbling Dice / 11.Nothing From Nothing / 12.Outa Space / 13.Midnight Rambler / 14.It's Only Rock'n Roll / 15.Brown Sugar / 16.Jumping Jack Flash

不調ロンドンの次はオランダ。この不完全隠密は、同じく不完全アナログ 『THE HAGUE 76』 と元は同じらしいですが収録曲が異なり、同じ部分は劣化してるらしいです。音質は珍しくステレオ隠密ですが、歓声・手拍子はメチャクチャ入ってるは、ちょっとコモッてるは、ずっとバチバチ音はするはで、ハッキリ言って初心者の方にはお薦めできない "fair" 程度です。しっか〜し、観客も凄い盛り上がりで臨場感は最高。隠密慣れした方なら熱くなれます!ちなみに "Happy" の後の MC は 『LOVE YOU LIVE』 にも使われてます。こんなとこから持ってくるとは驚き!(thanks to itさん)


2-おまけ. 6/2 Cologne, West Germany (2nd show) ... Happy Birthday Charlie !

上の『GERMANY '76』と同一日の2nd show。
こちらの "Starfucker" の最初の方でミックは構成を間違えてコーラス部分を唄いかけますが、さすがはミック、何事もなかったかのようにごまかしてます。が、歌詞は無茶苦茶です。そして "IORR" ではまた "Starfucker" を唄いそうになりながらごまかすので無茶苦茶な始まりで笑えます(笑)。それにしても演奏はなかなか熱いし聴いてて面白いですね。ただどうも "Honky Tonk-" はヨレのせいかピッチが遅いのか、1st showよりモタモタと聴こえます。
あとメンバー紹介では超駆け足で"Happy birthday, Charlie"をミックが歌ってます!

HAPPY BIRTHDAY CHARLIE(VGP-349)

Disc.1
1.Honky Tonk Women / 2.If You Can't Rock Me - Get Off Of My Cloud / 3.Hand Of Fate / 4.Hey Negrita / 5.Ain't Too Proud To Beg / 6.Fool To Cry / 7.Hot Stuff / 8.Starfucker / 9.You Gotta Move / 10.You Can't Always Get What You Want
Disc.2
1.Band Introductions (Happy Birthday Charlie) / 2.Happy / 3.Tumbling Dice / 4.Nothing From Nothing / 5.Outa Space / 6.Midnight Rambler / 7.It's Only Rock'n Roll / 8.Brown Sugar / 9.Jumping Jack Flash / 10.Street Fighting Man / 11.Outro

この2nd showはアナログではラスト2曲が未収録で、長年のブート愛好者からはCD化の要望が強かった音源。というわけで初CD化となるこれは元ソースはアナログと同じ不完全音源にラスト2曲を別音源でつなげた完全版。そして復刻シリーズらしくこれもアナログジャケはジャケの裏側にプリントされてます。

さて、この盤の音質ですが、やや団子状に聴こえて低音はあまりきいていませんが、高音の伸びも適度にあってキンキンしてるわけでもなく、苦手なコモリ系ではないですし、周りも曲間にやや遠くで拍手が聴こえるくらいで騒がしくなく、まぁまぁ良好です。
ただ、特に初めの方は元テープのよれと思われるヨレがきつく、シュルシュルしたり音像が左右に振れたり(回ってるように聴こえる)音量が上下したりします。これは中盤では落ち着きますが、Disc.1の最後、元テープのチェンジ部分の"You Can't -"でこちらは僅かですが同じようにややヨレちゃってます。あと"Dice" などでところどころたまにノイズが入ったりしますが、気になるほどではありませんね。
追加された2曲の音質はメインとは違って硬質ですが、こちらも周りはうるさくないしいいですね。でも切り替わった途端の定位がかなり右寄りで、最初はかなり違和感は感じますが、outroまで一部収録されてめでたく完全版というわけで。

というわけで全体的には1st showの『GERMANY '76』にはやや及ばず、一部やや難ありの"good++〜very good-"という感じですね。でも76隠密では良好ですし、76好きで隠密慣れした方には十分楽しめる嬉しいリリースですね。


3-おまけ. 6/23 Vienna, Austria ... 最終日

最終日はウィーン国立劇場でしょうか(今はない?)、ウィーンの Stadthalle なる立派なところでやったようです。ようやく最終日を聴けるのも嬉しいですが、まだ初日がブート化されてないのも寂しいですね。

〜初登場の最終日〜
TOUR OF EUROPE '76
(NON CREDIT)

99年初登場の最終日。唯一の最終日収録盤だからという事で紹介しますが、隠密慣れしてない方には辛い音でしょうね。エコーもかかってる上に音がダンゴで、ミックはよく聞こえますが、ギターなんかは聴き取れません。でも貴重な完全盤だし、邪魔な歓声手拍子も殆どなく、マニアには十分聴けてしまう音質です(笑)。まぁこれしかないから仕方ないですね。
メーカーなど一切のクレジットはありませんが、なかなか日本に入荷しなかった盤で、プレス枚数もさほどないと思われ、もう入手困難でしょうか。

〜やや向上して登場〜
END OF EUROPE
(EXCD-023/024)

上記 『TOUR OF EUROPE '76』 は入手困難でしたが、その後EXILEからリリース。
同一音源なのでダンゴ状態なのはそのままですが、ややクッキリした音質になり、テープよれの程度も軽減し、初登場の上記盤よりはずいぶん聴きやすくなりました。とはいえ、元の音がダンゴであることに変わりはなく、全体的にはやや向上して "good+" になりましたが、マニア向け音源というのは同じですね。 


●隠密は他にも色々出ており、 VGP の 『BARCELONA Y'OLE』 はサンバじゃないスペインスペシャルなオープニングも入ってて、手拍子も臨場感に溢れ、ハーグよりも聴き易いですが、ヒスノイズが耳につきます。その他にも個人的には好きな盤もありますが、マニア向けでしょうね。

なお、オープニングといえば、 '76 はブートには余り収録されてないサンバリズムですが、アナログで聴ける 5/23 のアールズコートは '75同様庶民のファンファーレらしいですね。そのアールズコートといい、バルセロナといい、音源が色々揃えばスペシャルオープニング特集なんても面白いかもしれませんね。


おまけのおまけ

1.TV 放送 (Video)

上でも所々で書いた通り、TV放送されたショート・バージョンは、パリライブの混成となっています。
そして巷に出まわっているロング・バージョンはこれら寄せ集めではなく、 6/6 完全盤で、残念ながら私も持っているブートビデオ (パッケージ:右) は色むら・ドロップアウトなどがひどく、画質はショート・バージョンより劣ります。これは是非とも綺麗な画像で見たい逸品ですよね。

資料によると、当時フランスでは↓の表のような3種類の TV 放送があったようですが、私の持っている2本のショート・ブートビデオ(パッケージ:表中 short A & B)は、画質の差はかなりありますが、共に表での Short Version 1 から "Hand Of Fate" を除いたものです。日本では'77年に、NHKのヤングミュージックショーで、 Short Version 1 が一部楽しい字幕つきで放送されたようです(thanks to oookaさん)。 6/6 は全長版で見れるとしても、私は Version 2の 6/4 と 6/7 部分はまだ見た事ありません〜。

しっかし画質が綺麗なショートバージョンは最高ですよ!やっぱミックのステージアクトぶりは音だけじゃわからないもんで、いかにファンキーだったかが、怒涛のステージから伝わってきます。76は是非ビデオから!!・・・でも下に書いてますがDVD-Rで綺麗なのが出ました。

Short Versions (初回TV放送時)

short A (clearer)

short B
Short Version 1 Short Version 2
1. Honky Tonk Women '76/ 6/ 6 1. Tumbling Dice '76/ 6/ 7
2. Hand Of Fate '76/ 6/ 6 2. Midnight Rambler '76/ 6/ 7
3. Fool To Cry '76/ 6/ 7 3. Angie '76/ 6/ 4
4. Hot Stuff '76/ 6/ 7 4. IORR '76/ 6/ 6
5. Starfucker '76/ 6/ 6 5. Brown Sugar '76/ 6/ 6
6. You Gotta Move '76/ 6/ 6 Short Version 3
7. You Can't Always - '76/ 6/ 6 1. Honky Tonk Women '76/ 6/ 6
8. Happy '76/ 6/ 6 2. If You Can't -/Get Off - '76/ 6/ 6
9. Outa Space '76/ 6/ 7 3. Hand Of Fate '76/ 6/ 6
10. JJF '76/ 6/ 6 4. Hey Negrita (incomplete) '76/ 6/ 6
11. SFM '76/ 6/ 6

short C

アップ直前にメッセージボードでショート・ビデオの事書いてましたが、上のビデオと違い、 "Starfucker" のあと、 "You Gotta Move" "You Can't -" のかわりに "Hand Of Fate" "Tumbling Dice" "Angie" が入ってるショート・バージョンビデオの存在を画像と一緒に教えてもらいました。左は裏ジャケですが、何だか凄い値段のシールが貼ってます。(special thanks)

ショート・バージョンは、私の持ってる2本では short A がかなり画像も綺麗でお気に入りです。でもブートビデオはパッケージもコピーしたダビングものも有るし、見た目ではどれがいいとはいえませんね。


     〜画質アップしておまけもついてDVD-Rで登場!!〜