1973 WINTER TOUR

『幻の初来日』
 

72年ツアーから約半年後の73年初頭(『GOATS HEAD-』発売前)、ミックの当時の妻ビアンカの故郷ニカラグアでの大地震ベネフィットとして、L.A.フォーラムで行われたライブからこのツアーは始まり、その後ハワイ、オーストラリア、ニュージーランドと、66年以来の極東ツアーへ突入し計14回のツアーを敢行します。なお極東公演はこの後、長い間行われませんでした。演奏はその土地柄のせいか、リラックス、悪く言えばキレに欠けるようにもきこえる演奏ですが、続く欧州ツアーとはまたアレンジの違う演奏が聴けます。そして皆さんご存知のように、このハワイ公演の後、幻となってしまった日本公演5公演が予定されていたのでした。ミックにビザが発行されず中止となってしまったわけです。まぁおかげで私は初来日公演を観れたわけですが、彼らが当時来日していたら、日本の歴史は果たして変わったでしょうか?

私は'72/'73欧州にすっかりはまった後(そんなにいっぱい持ってたわけじゃなく、ずっと同じの聴いてた)、ブートの知識も全く無かった大学生当時、このツアーものを買って聴いた時は、なんか締まりがないなー、てな印象でした。今聴いてみると全然OKなんですが、当時は'72のピッチの速さと'73の音質/演奏超絶ライブに耳がすっかり慣れ親しんでたために、ゆったり目に聴こえ、更に音質が気に入らなかったからでしょう。でもちょくちょく本などに書かれている、73欧州まで続く彼らのアレンジの試行を聴いてみると面白く、この演奏の良さもまぁ分かるようになりました。

Image from back jacket of "Exotic Honolulu"VGP-040


SET LIST(最終形)−1973 WINTER TOUR 1/18 - 2/27

1.Brown Sugar / 2.Bitch / 3.Rocks Off / 4.Gimme Shelter / 5.Happy / 6.Tumbling Dice / 7.Love In Vain / 8.Sweet Virginia / 9.You Can't Always Get What You Want / 10.Honky Tonk Women / 11.All Down The Line / 12.Midnight Rambler / 13.Little Queenie / 14.Rip This Joint / 15.Jumpin'Jack Flash / 16.Street Fighting Man

レア曲
"Route 66""No Expectations""Stray Cat Blues"(ツアー初日のみ)
"Live With Me"(2回だけ)

その他演奏曲
 
"It's All Over Now""Dead Flowers"(ツアー初期4回)
 "Bye Bye Johnny"(ツアー中期5回)

初日はL.A.だしベネフィット特別だったからでしょう、レアな曲をやってます。初期の "It's All Over Now" はアレンジが大幅に変わっており、キースのハモリがまたたまりませんね。そういえばこの年代の "Happy" に代表されるように、ミックとキースが1マイクで唄う姿はかっこいいですねー。


良質音源

'73Winterでの良質音源は、ラインだと2/24, 26, 27のオーストラリア公演だけです。ホノルルで放送されたのかも知れない音源を使ったともいわれている1/22音源は、前後公演の音と比較して隠密だと思われます。2/17メルボルンもラインとも言われてますが隠密でしょう。

私はライン音源至上主義じゃなく、ましてこのラインは他のツアーと比較すると大して良い音じゃないんですが、いつものように隠密は最後にまわします。

1.ライン音源 2.隠密音源
  Date

Source

Grade
1  2/24 Perth, Australia(+2/26)

SB

VG-

2  2/26 Sydney, Australia

SB

VG-

3

 2/27 Sydney, Australia

SB

VG

  Date

Source

Grade
1  1/18 Los Angels, CA

Aud

VG-

2  1/21 Honolulu, HI

Aud

VG

3  1/22 Honolulu, HI

Aud

VG


1 .ライン音源

12/24 Perth, Australia (+2/26 Sydney)

この日はピアノのニッキー・ホプキンズの誕生日で、メンバー紹介で "Happy Birthday-" とやってる事から昔から有名です。最終公演の2つ前にあたります。ライン音源といってもオーストラリア公演は全て卓からダイレクトとった感じで臨場感はなく、左右の音揺れも激しく、あまりブートを聴きなれない方にはきつい音で、 "very good - good" といった感じですが、過去の名盤たるこの公演をはずすわけにはいきませんね。ニッキーは今頃天国でしょうか?

A: HAPPY BIRTHDAY NICKYNOJA/PPTC-292

1. Brown Sugar / 2. Bitch / 3. Tumbling Dice / 4. Honky Tonk Women / 5. All Down The Line / 6. Midnight Rambler / 7. Introduction / 8. Happy Birthday Nicky / 9. Little Queenie / 10. Gimme Shelter / 11. Rocks Off / 12. Happy

最初に出たのがこのNOJA盤。1stは背が青、2ndは背が黒。もう殆ど見かけません。
不完全収録で10曲しかないです。くどいですが、オーストラリアは卓直の音で、この盤は曲順が無茶苦茶でチャプターも trk.7 が変な位置で、左右も逆になってます。しかし今でも名盤と挙げる人は多いようです。やはり悲しきコレクターの性でしょう。
この日のラインはこれだけしか音がないようで、多くの後発でもそれは変わらず、翌26日の音を足しているものもありました。更に次に紹介する同名盤のせいで私も暫く2/24-26はよくわかってませんでした。

B: HAPPY BIRTHDAY NICKYOH BOY 2-9039

Disc 1 - 2/24 Perth, Australia
1. Brown Sugar / 2. Bitch / 3. Rocks Off / 4. Gimme Shelter / 5. Happy / 6. Tumbling Dice / 7. Honky Tonk Women / 8. All Down The Line / 9. Midnight Rambler / 10. Little Queenie

Disc 2 - 2/26 Sydney, Australia
1. Brown Sugar / 2. Bitch / 3. Rocks Off / 4. Gimme Shelter / 5. Happy / 6. Tumbling Dice / 7. Love In Vain / 8. Sweet Virginia / 9. You Can't Always Get What You Want / 10. Honky Tonk Women / 11. All Down The Line / 12. Midnight Rambler / 13. Little Queenie / 14. Rip This Joint

これまた同タイトルで有名です。こっちは厚ケース2枚組で、その翌コンサートの26日とカップリングされています。
この盤の2枚目は、26日を24日の evening show だと書いていた為に余計に混乱を招きましたが、24日には2回はやっていませんでした。この盤の(本当の)24日の方は頭の演奏前がちょっと欠けてるくらいで、音質は上の盤と似たようなもんでしょう。不完全ですが曲順はあってます。26日の方も不完全で、1曲目が途中からで最後に演奏された2曲"JJF""SFM"は未収録ですが、チャンネルは合ってます。
その後2005年にDACが同じコンセプトでC項の『
HAPPY BIRTHDAY NICKY』 をリリース、今はそちらがお勧め。

以下にその後の後発盤などを挙げますが、私は殆ど持ってません。コピー盤もあるようで、上記とは値段格差もあり安く見つかり易いでしょうが、大して音質はかわらないようです。

●その他後発 (2/24の10曲のみ収録)

 『THE PARTY DOWN UNDERRSCD22(ジャケ左)
 『
EXILES AFTERNOONRS-91-01-01

これらも左右逆で、どうもコピー盤の香りが漂ってますね。しかも前者はジャケが78ってのがどーしても購買意欲をそぎますね〜。

 

 

●その他後発 (2/24の10曲 + 2/26 4曲)

 『PERTH 1973RSCD73(ジャケ左)
 『LIVE IN PERTH AUSTRALIAROCKAWHILE RS89101
 『ROCKS OFFTSP-CD-056(ジャケ右)

2/26から "Love In Vain" "Sweet Virginia" "You Can't -" "Rip This Joint" を追加した盤。曲順はそれぞれ違いますが基本的に2/24の左右は直ってるようです。


 『
BACK STRAP JACKETTARANTURA TCDRS-3-1/2
2002年にタランチュラからリリース。この1枚目は上のTSP 『ROCKS OFF』 と同内容で 2/26 から追加されてます。
作りは綺麗で値段もはります。が、持ってないのでわかりませんが、参考資料によると音質はよくなっていないようです。

〜今ではコチラ、2005年登場〜 new!!
C: HAPPY BIRTHDAY NICKYDAC-017 (2CD)

Disc 1 - 2/24 Perth, Australia
1. Brown Sugar / 2. Bitch / 3. Rocks Off / 4. Gimme Shelter / 5. Happy / 6. Tumbling Dice / 7. Honky Tonk Women / 8. All Down The Line / 9. Midnight Rambler / 10. Happy Birthday Nicky / 11. Little Queenie

Disc 2 - 2/26 Sydney, Australia
1. Brown Sugar / 2. Bitch / 3. Rocks Off / 4. Gimme Shelter / 5. Happy / 6. Tumbling Dice / 7. Love In Vain / 8. Sweet Virginia / 9. You Can't Always Get What You Want / 10. Honky Tonk Women / 11. All Down The Line / 12. Midnight Rambler / 13. Little Queenie / 14. Rip This Joint

これまたOH BOYの復刻のごとく、同じコンセプト、同じタイトル、同じデザインのジャケで2005年にDACからリリース。
音質は既発と似た感じですが、こちらの方がややマイルドで低音に厚みがあり、もちろん左右もあってます。
NOJA盤もOH BOY盤も歴史的価値はありますが、今ではこちらの盤が代表盤!


2. 2/26 Sydney, Australia

最終公演の一つ前でこの日も卓落しのライン音源が存在します。ただし "Brown Sugar" が1分ちょっと欠けた途中からで、最後の2曲が欠けているものしかないようです。こちらも音質は "very good - good" 。また下でも軽く紹介しますが隠密盤もでてます。
しかしこの"Midnight Rambler"は素晴らしい!!

A: HAPPY BIRTHDAY NICKYOH BOY 2-9039
Disc 1 - 2/24 Perth, Australia
1. Brown Sugar / 2. Bitch / 3. Rocks Off / 4. Gimme Shelter / 5. Happy / 6. Tumbling Dice / 7. Honky Tonk Women / 8. All Down The Line / 9. Midnight Rambler / 10. Little Queenie

Disc 2 - 2/26 Sydney, Australia
1. Brown Sugar / 2. Bitch / 3. Rocks Off / 4. Gimme Shelter / 5. Happy / 6. Tumbling Dice / 7. Love In Vain / 8. Sweet Virginia / 9. You Can't Always Get What You Want / 10. Honky Tonk Women / 11. All Down The Line / 12. Midnight Rambler / 13. Little Queenie / 14. Rip This Joint

上の 2/24 で紹介済み。1曲目が途中からで最後に演奏された2曲"JJF""SFM"は未収録ですが、チャンネルは合ってます。今となっては下の VGP 盤もありますが、やっぱこれはアイテム派必須ですかね。

なお、95 年に『A STICKY SYDNEY RACECOURCE '73』 ってのも出ましたが、ピッチも遅く、音質はニッキーより劣るようです。2/26 のライン音源は、上で書いた 2/24 との盤でなく、全部収録したブートはこれらと、下の VGP 盤くらいでしょうが、この 『A Sticky - 』 だけは安売りでも避けた方が無難です。


2/26 は欠けた部分を繋いだ擬似完全盤もあります。'98年発売時、完全ラインかとちょっと期待しましたが・・

B: 『
ROCK'N ROLL STEW』 VGP-173

1. Brown Sugar / 2. Bitch / 3. Rocks Off / 4. Gimme Shelter / 5. Happy / 6. Tumbling Dice / 7. Love In Vain / 8. Sweet Virginia / 9. You Can't Always Get What You Want / 10. Honky Tonk Women / 11. All Down The Line / 12. Midnight Rambler / 13. Band Introductions / 14. Little Queenie / 15. Rip This Joint / 16. Jumping Jack Flash / 17. Street Fighting Man

オープニングの "Brown Sugar" の1分ちょっとを24日から、 "JJF" "SFM" はちゃんと 2/26 の隠密で繋いだ 2/26 シドニー擬似完全盤です。しょっぱなのイントロ"2000光年"、アウトロの "God Save The Queen" も短いながら付け足してます。付け足し部分は既発隠密盤のコピーかもしれません。
ライン部分は安易なコピー盤ではないようで、音質は向上している様ですが OH BOY 盤とさほど変わりませんね。隠密部分になると違和感はありますが、そう悪くもなく、これはこれでナイスです。

C: HAPPY BIRTHDAY NICKYDAC-017 (2CD) new!!

Disc 1 - 2/24 Perth, Australia
1. Brown Sugar / 2. Bitch / 3. Rocks Off / 4. Gimme Shelter / 5. Happy / 6. Tumbling Dice / 7. Honky Tonk Women / 8. All Down The Line / 9. Midnight Rambler / 10. Happy Birthday Nicky / 11. Little Queenie

Disc 2 -
2/26 Sydney, Australia
1. Brown Sugar / 2. Bitch / 3. Rocks Off / 4. Gimme Shelter / 5. Happy / 6. Tumbling Dice / 7. Love In Vain / 8. Sweet Virginia / 9. You Can't Always Get What You Want / 10. Honky Tonk Women / 11. All Down The Line / 12. Midnight Rambler / 13. Band Introductions / 14. Little Queenie / 15. Rip This Joint / 16. Jumping Jack Flash / 17. Street Fighting Man

こちらも上記 『ROCK'N ROLL STEW』 と同じ方針でオープニングの "Brown Sugar" の1分ちょっとを24日から、 "JJF" "SFM" はちゃんと 2/26 の隠密で繋いだ 2/26 シドニー擬似完全盤で、VGP後継DACによる2枚組。
音質もその 『
ROCK'N ROLL STEW』 と同じく妙に高音の抜けがいいのは変わらず、2/24と共に堪能するには今はこれがベスト・チョイスかと!

というわけで、軽く紹介ですが、この日は隠密では完全盤で出てます。イントロもアウトロもしっかり入ってますが、音質は "fair-poor / A-B" 程度。

隠密完全盤

 『WINTER TOUR 73IMP CD 016-017(72/78おまけつき)
 『VIP DISHED JOINTTSD-018
前者は私は嫌いじゃないんですが、資料によっては酷評されてます。 
後者の音質はさらに辛いようです(持ってません)。


3. 2/27 Sydney , Australia ... 最終公演

この最終公演もライン音源は昔から出ており、音は決して良くない、これまた "Rip This Joint" "JJF" "SFM" が欠けた不完全盤が昔からいくつかありました。
SYDNEY LAST AFFAIRPS001(ピッチ遅い)
SLIPPY SLIPPY SLIPPERTSD001
WIZARDS OF O.Z.FP-01
ALL MEAT MUSICVGP-055 (2/11カップリング) 
などなど(ジャケ写:左から順)


上から順に3作は "Brown Sugar" 、ピッチ、左右、こもりなどの問題があり、最後の95年に出た 『
ALL MEAT MUSIC』 が、それらを克服し、更に "SFM" を収録し、まぁまぁの決定盤となってました。

が、97年、遂に 2/24 以上の音質 "very good / A+" で、 "Rip This Joint" "JJF" をも収録したライン完全盤が登場しました!いやー演奏も最終公演とあってか最高だし、これは 73 winter 決定盤です。

〜73 winter お薦めはこれ〜
WELCOME TO AUSTRALIA
VGP110

1. Brown Sugar / 2. Bitch / 3. Rocks Off / 4. Gimme Shelter / 5. Happy / 6. Tumbling Dice / 7. Love In Vain / 8. Sweet Virginia / 9. You Can't Always Get What You Want / 10. Honky Tonk Women / 11. All Down The Line / 12. Midnight Rambler / 13. Band Introductions / 14. Little Queenie / 15. Rip This Joint / 16. Jumping Jack Flash / 17. Street Fighting Man

というわけでこいつがその音質向上した完全盤です。73winter でどれか一ついいやつ、と言われれば、この盤の出現でこれになりましたね。歴史的名盤たる付加価値はCD創成期の 『HAPPY BIRTHDAY NICKY』 には及びませんが。それだけに気合の GOLD DISC で登場したんですが、ジャケの写真が 『EUROPE '73』 と同じで、最終公演なのにタイトルが "WELCOME TO-" とはどうしても納得いきません(笑)。タイトルとジャケだけなら、ピッチはめちゃ遅いですが 『SYDNEY LAST AFFAIR』 が一番お気に入りです(爆)。そっちのミックジャケはコンサートパンフからです。まぁそうしたしょーもない事を言いたくなるくらい良い盤だという事ですけど。
また、"Brown Sugar" ではイントロのキースが左から鳴り、定位が左に寄り過ぎで、全体的にはベースがブンブンうるさく、"JJF" と "SFM" では左右逆という欠点があり、他の日のオーストラリア音源同様ステレオセパレーションに乏しいのはちょっと残念。でもでも、それは欲張り過ぎでしょうか、とにかく24年待った甲斐がありました(嘘) 
 

なお、その後 2002年にはタランチュラから 2/24 と抱き合わせの2枚組 BACK STRAP JACKETがリリースされました。(→左)
その2枚目がこの 2/27 ですが、特に音はよくはなっていないようで(資料によると悪く聞こえるとか)、綺麗な作りと高い値段が売り。なんと2枚組で13,000円。。。
これはハードコレクター向けですね(持ってません)。

また同じく 2002年、Yellow Dog の変名レーベルという StoneAge Music から 2/26 としてリリースされたスリップケース入りの 『
SYDNEY, ROYAL RANDWICK RACECOURSE FEBRUARY 26th 1973』 も(→右)。
こちらのタイトルは 2/26 ですが 2/27 の誤りで、音は VGP と同等。"Brown Sugar" のイントロだけはやや右から鳴ってますが、"Brown Sugar" その後と "JJF" と "SFM" は左右逆。


さて、このVGPのWELCOME TO AUSTRALIA』 もその後リマスター再発がされていますので、ここに追記紹介。
まず2004年にリマスター盤がリリースされ、こちらは1997年の初版との音質差はあまり感じませんでしたが、そちらもSOLD OUT後は長らく廃盤で海外ではコピー盤も出回りましたが、2011年、満を持して更なるリマスター盤が登場しました。

既発の1997年版と2004年版では上記の通り、 "Brown Sugar" は全体的に定位が左寄りで、イントロのキースが左から鳴って、ラスト2曲 "JJF" と "SFM" の定位が逆という欠点がありました。
一方、その2011年版は "Brown Sugar" のイントロはちゃんと右から鳴って定位も中央寄りに修正されています。そしてラスト2曲もちょっと定位が左寄りながらもめでたく左右も修正されました。
音質的には既発よりも低音がややスリムになってよりシャープな音になっています。一方で左右の広がりが狭まり、ラスト2曲に加えて"Happy"など他の曲でも定位がやや左に寄ってるのは残念。まぁ全体的に左右がはっきりセパレートしてない音源だったりしますが。
いずれにしてもライブからは38年、WELCOME TO AUSTRALIAとしては14年越しで、ここにオーストラリア最終公演の決定盤が登場したわけであります!

さて、こうした再発ものは既発との違いがわかりにくいので外見とディスクの特徴を。

 

表ジャケ

裏ジャケ

ディスク

違いの特徴

1997年版

【表ジャケ】
1997年版のみ Gold ステッカーが貼ってありますが基本的に全て共通。

【裏ジャケ】
1997年版のみテイラーが中央で背中は白文字。
2004年版と2011年版はテイラーが左で背中は赤文字という共通デザインで、下部のクレジットも共に "1998 A VINYL GANG PRODUCT. ALL RIGHTS RESERVED" と。この表記から1998年版と勘違いしちゃいそうですが、共に1998年版ではありません。

【ディスク】
1997年版はクニャ文字のGold Disc。なお、その後Goldではないクニャ文字のSilver Discもリリースされたようでネット上で見つけましたが、Goldが初版です。
2004年版と2011年版は共にすっきりした黒色プリントですが、2011年版は2004年版に比べるとちょっと細いフォントの文字に変更され、中央の透明部分はほんとの中央のみという、黒い部分が拡大されたディスクになってます。

ということで2004年版と2011年版はジャケからは区別がつきませんが、このディスクの中央部分が2つを見分けるポイントです。 

2004年版

2011年版

 

ちょいと追記
2022年4月に遂にこのVGP盤を駆逐する決定盤 『
SYDNEY 1973 2ND NIGHT』 がリリースされました。でも速攻売り切れてしまっています。


2. 隠密

1-aud. 1/18 Los Angels, CA

Winter Tour 初日だけはニカラグア地震のベネフィットコンサートとしてアメリカ本土で行われました。
なんといってもこの日の貴重な点は、初日のみのレア曲 "Route 66" "No Expectations" "Stray Cat Blues"、かつ数少ない演奏だった"Live With Me" "It's All Over Now" "Dead Flowers" という演奏曲目!"It's All-" は後のハワイ公演ほどのアレンジの変化はつけていませんが。なお、この日は実はアンコールに "Midnight Rambler" をやったという説もあるようですが音は出てきませんね。

〜初日はスペシャル〜
A: 『ALL MEAT MUSIC』 TMOQ 72006-1/2

創成期の名門 TMOQ のアナログ落とし。メーカー名までフルコピー。そんなに気にはならない程度ですが、アナログノイズは多い過去盤。大小箱入りやカードボードなど色々ありますが、音は同じです。(ジャケ写/上:カードボード、下:再発プラケース)
音はテイラーのギターの方がかなりでかく、キースは彼方にいるよう。また、ただ一人の手拍子をいくつかの曲で拾ってます。どうせなら一人じゃない方が良いのにと思うくらい、惜しまれます。最後の"SFM"がフェードアウトするのも残念で、低音スカスカの高音寄りの音ですが、テイラーフレーズも大好きで、コモリ系の音が苦手な私にとっては、全く問題なしです。ちっとも客観的に評価してないですね(笑)。個人的には "very good " といいたいところですが、まぁ "good" 程度ですね。
でも、例えそうした欠点があろうとも、なんといってもこの盤の貴重な点は、初日のみのレア曲全てを収録してる所ですね。しっかしこれまた今や全く見かけない盤になってしまいました。なおこのタイトルは 2/11 と 2/27 のカップリングした物にも使われてるので要注意。



しかーしこれまた 2001年に VGP から出ました↓

〜マスター落しですが・・・〜
B: 『ALL MEAT MUSIC』 VGP-283


1st / 2nd (Gold)


3rd (Gold)

Disc 1
1. Brown Sugar / 2. Bitch / 3. Rocks Off / 4. Gimme Shelter / 5. Route 66 / 6. It's All Oner Now / 7. Happy / 8. Tumbling Dice / 9. No Expectation
Disc 2
1. Sweet Virginia / 2. You Can't Always Get What You Want / 3. Dead Flowers / 4. Stray Cat Blues / 5. Live With Me / 6. All Down The Line / 7. Rip This Joint / 8. Jumping Jack Flash / 9. Street Fighting Man

2001年に VGP からリリース。なんだか VGP だらけになってしまいます、このページ(笑)
元の音源自体は上と同じですが、マスターテープ落としの様でアナログノイズがなくなりました。というわけで音の特徴、テイラーのギターの方がかなりでかいのはかわりません。そしてラストのSFMでフェードアウトするのも残念ながら変わらず。 マスター落としという事で諸手をあげて歓迎したいところですが、残念ながらこっちはちょっとモコモコした感じの音になってて、音の抜けがイマイチ良くなく、個人的には上の盤の音のほうがアナログノイズがあってもスッキリしてて好きです。

また、2003年にGold Remasteredシール付Gold Discで2ndがリリース、2004年にはジャケが変わってDIGITALLY REMASTEREDと表記もされた3rdがこれまたGold Discでリリースされましたが、2ndと3rdの盤は同じで、2ndにはRemasteredシール付で、3rdはジャケにもRemasteredと書かれていますが、2nd以降もGold Discになっただけで音は1st盤と変わってませんね。

あと2003年にいろいろ出てるデジパックシリーズからも出たようです。


2-aud. 1/21 Honolulu, Hawaii

この日は Winter Tour 初日の L.A. の次の公演で、いわゆる極東ツアー初日にあたり、1st & 2nd ショーを行い、ハワイ以降、し〜ばらく演奏しない "It's All Over Now" "Dead Flowers"やってます。
と書いていましたが、その後、
1/21は1回だけで 1/22 に 1st & 2nd だったと覆りました。過去説は1/21に 1st & 2nd で 1/22は1回。まぁもっと以前から混乱してるのですが、

過去説

 

新説

1/21 1st

1/22 1st

1/21 2nd

1/21

1/22

1/22 2nd

だと信じて以下書きます。まだどうも怪しいところはあるのですが。

このハワイでの "It's All Over -" では L.A. 以上にアレンジを変えており、この日はレアな演奏なんですが(だからか?)ドタバタしてて落着かない "Live With Me" をやってます。そしてこの日のみ "Sweet Virginia" でワイン部分の歌詞をカリフォルニアからホノルルと差し替えて唄ってますが、ハワイのワインとはどんなもんなんでしょう?ミックも次のフレーズで笑って唄ってるように聴こえますが???ちなみにこのワインの部分は 1/22 2ndショーのレポートとして書いている記事もあり、実はクレジットはよくわかりません。また、イントロもききもので、ミックがハープの音程を外した後、いつもと全く違うフレーズを吹いてます(笑)

さて、ブートでは過去

 『HONEY-LOO-LOOOBR305CD024 ジャケ左
 『TROPICAL WINDSONGSGStandard ZA32 コピー盤
 『HAWAIIAN TOPWG025-026 "SFM"追加 おまけは良い
音質は全て同様に良好ですが、全て一部音切れあり。


などなどが出てましたが、またまた決定盤を VGP が出しました。

〜1/21 ハワイはこいつ〜
IN EXOTIC HONOLULU』 VGP-040

96年に装いと中味を変えて 1st & 2nd カップリングとして再発された2CD。
しかしDisc 1は 1/22 1st、Disc 2が 1/21 とここでは解釈します。というかやはりその説が正解なのでDisc2が1/21。
こちらはどちらもピッチも問題無い良好隠密 "very good" で、既発を含む
この音源ではいずれも"JJF"の中盤にテープチェンジによる欠落部分があり、そこは22日の2ndショーからの音が補填されていますが、1/21の音に戻ってからは音が偏ってしまってます。とはいえこの日は新しくなったこいつがお薦めです。
この音源は低音も結構入っており、なかなかの高音質でライン音源使用との噂もありますが、翌日の音と似ており、やっぱ隠密でしょう。なお、他にも"Dice"の後の曲間にカットがあった事が2014年に判明します。

その後2001年にタランチュラ系のアカシックより
 『IN EXOTIC HONOLULUAKASHIC RECORDS AKA-23
が2001年にリリースされました。どうも私はタランチュラ系列には私は食指が動かずこれまた持ってませんが、音が良くなったわけではないようです。


3-aud. 1/22 Honolulu, Hawaii 1st & 2nd show

このハワイ最終公演はまーったくブートでは出てなかったんですが、98年になって相次いで出てきました。それ以前の盤で 1/22 とクレジットされていたものはアナログも含め全て間違いです。 と書いていましたが、1/22は2回やっていたと覆りました。
まぁ1/22 2nd が98年に新たに出てきたわけですね。
さて、ブートでは1/22 1st が過去に 

1/22 1st
 『
IN EXOTIC HONOLULUTMOQ(VGP-040) ジャケ左
 『HONOLULU 1973GHR003 ジャケ右
 『
1973 TOUR IN HAWAIIUM007 ジャケ右同 など

と出ていましたが、96年以降決定盤は

〜1/22 1st showはこいつ〜

IN EXOTIC HONOLULU』 VGP-040

このDisc 1は 1/22 1st、Disc 2が 1/21 とここでは解釈します。
この盤は1/21 1st & 2nd とクレジットされてリリースされましたが、その後どうやら 1/21 は1回だけだった、そして 1/22 はやっぱり2回やっていたとされ、が、
LOVE YOU LIVEの考察ページにあるように、多分 Disc 1 が1/22 1st、Disc 2が 1/21 なのでしょう。(追記:その後その説が有力ですので、わたしの推察で間違いないかと)
というわけでこの Disc 1 が 1/22 1st だと思いますが、この音源はこの盤が一番ですね。上の1/21で書いた通り、ピッチも問題無い良好隠密で "very good" です。

〜1/22 2nd show〜
BLUE HAWAII』 VGP-212

これまた良好な 1/22 2ndショーは、98年になってようやく出現し、完全盤2タイトルが1ヶ月ほど前後して出ました。
先に出たのは 『
MICK TAYLOR'S LAST U.S. PERFORMANCECBM-16(ジャケ右)
私はVGPのしか持ってませんが、ダイスの頭欠けとその後冒頭部分のON/OFFの波打ち、そしてランブラーの中盤カットはどうやら同じようですが、後発のVGPの方がマスターの程度がいいようです。隠密としては "very good -" 程度です。


他には、上でもラインがらみで軽く紹介した、ボロボロな 2/11 オークランドと 2/27 のシドニーとのカップリングの 『ALL MEAT MUSICVGP-055 などなど。
あとは OBR の 2/14 『
VALENTINE'S DAY』 と 2/18 『ADVANTAGE MELBOURNE』 や、VGP の 2/14 改良盤 & 2/20 カップリングの 『EAT MEAT ON STAGE』(ジャケ左) 、2/17 1st & 2/18 カップリングの 『MELBOURNE ALL YOU CAN EAT』 (ジャケ右)などもあり、音もまぁまぁ "good+" ですが、OBR は値もはる事ですし、上の紹介盤を聴いた上で更に興味がわけば聴いてみるのが良いでしょう。ちなみに 2/14 Brisbane の演奏はめちゃくちゃでいろいろと面白いです(笑)。

'73 WINTER TOUR はそれ程聴き込んでないのですが、ラインの音が他年代と比較すると貧弱なだけに、これらの隠密の方が面白いと思ってます。日本公演をやっていればどんな演奏をしてくれていたでしょうね。



Back to Live Bootlegs
Back to HOME